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2020年5月号
特集

アリババ菜鳥の物流デジタル化戦略

4種類の物流プラットフォーム  近年、中国ではさまざまなタイプの物流プラットフォームが登場している。
それらは、対象とする貨物の大きさ(輸送ロット)と輸送距離から、大きく「宅配」「即時物流」「幹線輸送」「域内配送」の4つに分類することができる。
各領域にそれぞれ代表的企業がある(図1)。
 「小口・都市内」の「即時物流」では、テンセント系の美団外売とアリババ傘下の「餓了么」が、短時間(約30分)・短距離(3キロ以内)の即配サービスによって、外食店や小売店と消費者を結びつけている。
「大口・都市間」の「幹線輸送」では、満邦集団と卡行天下が都市間の長距離輸送の貨物(荷主)と大型トラック(運転手)をマッチングしている。
大口の都市内バージョンの「域内配送」は、快運滴、貨拉拉、貨運宝などが代表格だ。
いずれも取引を仲介したり、貨物、人、車のマッチングを行っている。
 これら4つの物流プラットフォームの中で異質な展開を見せているのが「小口・都市間」に該当する「宅配」だ。
その代表的企業の「菜鳥網絡(cainiao)」はアリババ傘下の物流子会社であり、中国最大の物流プラットフォーム企業とされている。
 菜鳥は宅配のみならず、物流センターの建設と運営、幹線輸送、越境物流などEC物流のあらゆる領域に関与して、約3千社のパートナーとの協働によって、国内24時間、海外72時間以内に荷物を届ける物流ネットワークの構築を進めている。
 以下、本稿では菜鳥がどのような背景から生まれて何をしようとしているのか、その物流プラットフォームはどのように設計されており、その運営において菜鳥がどのような役割を果たしているのかを見ていく。
物流がEC市場拡大の制約に  2019年の中国の宅配便の年間取扱個数は630億個に達した。
そのうち約8割をEC貨物が占めている。
昨年のEC販売額は10兆元を突破し、中国の社会消費財小売総額の4分の1以上を占めるようになった。
中国の宅配市場はECの成長によるものと言っても過言ではない(図2)。
 しかし、これまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。
図3の通り、12年頃まで、ECの増加率は宅配取扱個数を常に上回っていた。
これは爆発的に成長するECにとって宅配のキャパシティがボトルネックとなっていたことを意味する。
 実際、12年のアリババの「11・11(独身の日)」ビッグセールでは、淘宝(Taobao)と天猫(Tmall)を合わせた取引額が前年の4・7倍の191億元に上り、約8千万件の注文が一時期に集中したことで物流がパンク。
年末になっても注文した商品が届かないというケースさえあった。
 アリババとは対照的に、ライバルの京東商城(JD.com)は07年から自社物流の整備を進めてきた。
その結果として京東はアリババと同様に爆発的な成長を続けながらも、物流サービスの質が高い、速く良い状態で商品が届くとの評価を獲得した。
 京東はそのために配達員を自社で雇用して膨大な組織を抱え込んだ。
同社の従業員数は12年に売上高600億元を達成した時点で、既に3万人近くに上っていた。
それ以降も、売上規模の拡大とともに組織は膨らんでいき、現在の従業員数は17万9千人に達している(19年3月末時点)。
 12年末、アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)は、淘宝と天猫での取引規模が翌13年に1兆元を突破すると予測した。
物流がひっ迫するのは明らかだった。
しかし、物流の自社化は現実的な選択肢ではなかった。
中国は国土が広く物流ルートは複雑だ。
全てを1社でカバーするのはアリババにとっても到底できないことだった。
やろうとしても時間がかかり過ぎる。
 そのことは宅配会社にとっても同じだった。
短期間で爆発的に拡大するECに対応するには、同じエリアへの重複投資や過度な競争を避け、宅配各社が力を合わせて中国全土をカバーするネットワークを構築するしかない。
アリババは、この考えを「社会化協働」と呼び、協働による全国物流ネットワークの構築を社会的な課題と位置付けた。
13年時点で先進国の対GDP物流コスト比率は7%前後であったのに対し、中国の比率は17・9%にも達していた。
馬雲はそれを5%以下に引き下げることを将来の目標に据えた。
 社会化協働に先立ち、10年1月にアリババは「クラウド物流」の概念を提唱した宅配ベンチャーの星晨急便に資本参加している。
続いて同年6月にアリババは「大物流計画」を発表、「物流宝」と名付けた物流情報プラットフォームを自ら立ち上げた。
 物流宝は、淘宝が、国内外の物流センター運営会社や宅配会社、システム開発会社などの物流関連企業とともに、淘宝に出店しているネットショップに対して、物流のアウトソーシングサービスを提供するための情報プラットフォームだ。
アリババ内部では、これを「天網」と呼んだ。
 その後、星晨急便もまた自らのアプローチで物流プラットフォームの構築を目指したが、結局は資金繰りに行き詰まり、12年3月に破産した。
プラットフォームは1社単独では構築できないと認識するようになっていたアリババは、星晨急便への追加投資を見送った。
「智能物流骨幹網」プロジェクト  一方、アリババ内部の天網は少しずつ形になり始めていった。
そして、馬雲は、12年9月のEC大会で物流事業への本格的な参入を正式に表明した。
これ受けて13年5月28日、深圳に設立されたのが菜鳥網絡(CaiNiao)だ。
 菜鳥の登録資本金は50億元。
うちアリババが21億5千万元を出資し、43%の株式を持つ筆頭株主となった。
浙江省の大手百貨店で商業不動産開発を手掛ける銀泰集団も傘下投資会社の北京国俊を通じて16億元を出資、32%の株式を保有した。
この他、上海不動産開発の富春集団と投資会社の復星集団が傘下の関連会社を通じてそれぞれ5億元を出資。
さらには宅配企業の協力が不可欠として、順豊、申通、円通、中通、韵達の大手宅配会社からそれぞれ5千万元の出資を受けた(図4)。
 アリババは菜鳥の設立と同時に、「中国智能物流骨幹網(China Smart Logistic Network:CSN)」プロジェクトをスタートさせた。
5~8年間でCSNを完成させて、一日あたり300億元、年間約10兆元のEC取引を支える物流プラットフォームにする目標を掲げた。
そのために菜鳥は第1期に1千億元、第2期に2千億元の、総額3千億元に上る投資計画を立てた。
 もっとも、設立当時の菜鳥は社員わずか10数人という規模だった。
馬雲が董事長に、銀泰集団の瀋国軍董事長がCEOにそれぞれ就任した。
また、アリババ本部から創業メンバーの童文紅を起用して、菜鳥のCOOに任命した。
 馬雲は、菜鳥網絡に2つのことだけを要求した。
一つは中国全土に24時間以内に荷物を届けられるようにすること。
もう一つは菜鳥の従業員数は5千人を超えてはならないということであった。
しかし、そのプラットフォームがどのようなもので、菜鳥は具体的に何をすべきなのか、その時点では誰も分かっていなかった。
アプリさえつくればいいという意見すらあったという。
 しばらくして、菜鳥は天猫の物流担当チームを吸収して従業員数が100人以上となった。
それと同時に天猫が抱えていた物流の課題と直面することになった。
淘宝や天猫に出店したネットショップの多くはスタート当初はオフィスの一角で出荷作業をしているが、受注量が一定規模(例えば1日あたり1千件)を超えると、郊外に物流拠点を構えるようになる。
さらに規模が拡大すると、物流拠点の運営と管理を自社で行うこと自体が負担になってくる。
外部に委託したくても、ECに適した物流センターや専門業者はなかなか見つからない。
 そうしたネットショップの課題に応えるために菜鳥は、13年11月から14年にかけて、天津、鄭州、上海、杭州、金華、武漢、重慶、成都、広州などの都市で、物流センター用地の取得に動いた。
馬雲自身が各地を回り地方政府に協力を求めた。
地方政府はECによる経済成長を期待して比較的安価に用地を提供した。
 しかし、物流センターの開発はすぐにできるものではなく、また大都市の地価が急上昇するなかで、菜鳥は物流センター計画を餌にして、不動産ビジネスで儲けようとしているのではないかといった疑問の声が絶えなかった。
情報網「天網」+物流網「地網」  14年4月、当時アリババグループのCOOを務めていた張勇(ダニエル・チャン、現アリババグループCEO)が、菜鳥のCEOに就任して以降、菜鳥のミッションは徐々に明確になっていった。
それは天猫、淘宝の取引と物流の情報によって構築された情報ネットワーク「天網」に対応した、全国の主要地域をカバーする巨大物流ネットワーク「地網」の構築であった。
 このEC物流インフラの整備は、主に2つの取り組みから進められた。
一つは、全国数百の都市に、アリババによる自社開発と提携の両方の手法を用いて“物理的”に物流センターを設置することである。
そしてもう一つは、IoTとクラウドコンピューティング技術を利用して、全国の物流センターのデータプラットフォームを作り、EC事業者、倉庫会社、3PLなどとデータを共有することである。
 菜鳥は、淘宝や天猫に出店しているネットショップに対して、受注から、物流センターでの出荷、配達、顧客の受け取り確認、さらには返品などのアフターサービスに至るまで一貫した物流サービスを提供することを目指した。
菜鳥のサービスを利用するネットショップは、菜鳥のデータベースに蓄積された実績データとアルゴリズムを使って各地域の出荷量を予測し、最適な拠点に最適な量の在庫を配分することができるという。
物流のテジタル化を牽引  フルフィルメント全体をデジタル化して状況を把握するためには、宅配企業との情報共有が不可欠であった。
しかし菜鳥がプロジェクトを開始した当時の宅配各社の情報化率は3割程度に過ぎなかった。
そこで14年5月、菜鳥は「公共電子伝票プラットフォーム」を開発して宅配会社に無償で公開した。
荷主や物流会社が同プラットフォームを利用することで、電子伝票のフォーマットやコードが自動的に標準化されて、宅配の集荷から幹線輸送、配達に至る全プロセスのデジタル化が実現する。
電子伝票が物流情報の起点となり、配達の進捗や荷物の位置などをすべてを把握できる。
 ネットショップ側でも宅配企業に合わせて専用伝票を用意する必要がなくなる。
しかも従来型の紙伝票の印刷には1枚当たりおよそ0・1元かかるが、電子伝票は0・05元で済む。
電子伝票の浸透率は17年5月時点で81%に達した。
また、これに伴いネットショップと宅配会社との取引も、菜鳥のプラットフォーム経由に変わった。
 菜鳥は物流センターの運営と管理を、EC向け物流ソリューションを提供する3PLの心怡科技(ALOG)に委託している。
心怡科技の創業は04年。
14年6月にアリババ、16年11月に菜鳥と云鋒基金からの出資を受けた。
心怡科技は菜鳥のために「倉易宝」と名付けた物流センター管理システムを開発した。
 ネットショップの在庫拠点から菜鳥の物流センターまでの拠点間輸送、幹線輸送をいかに効率化するかも課題の一つだった。
その分野で菜鳥は14年5月にトラック輸送プラットフォームの卡行天下に出資している。
同社は荷主とトラックのマッチングサービスを提供し、主にアパレル商品の幹線輸送を担っている。
 また、菜鳥は地図ソフト開発の高徳地図と共同で「4級住所」データベースを開発した。
アリババは13年5月と14年4月に総額約13億9400米ドルを出資して高徳地図を完全子会社化した。
菜鳥は高徳地図のテクノロジーを利用することで、すべての住所を構造化された「4級住所」に変換してリアルタイムの位置情報を蓄積することができるようになった。
 こうして菜鳥は物流に関わる各領域のデジタル化を進めることで、荷物の状況をすべての過程にわたって把握する体制を短期間のうちに整備した。
物流プラットフォームの5大戦略 「宅配・倉配・越境・農村・驛站」  15年5月、設立2周年を迎えた菜鳥は、「宅配」と「倉配(物流センター・配送)」の2つに、「越境」「農村」「驛站」を加えた5つの側面から物流プラットフォーム構築の取り組みを強化する「5大戦略」を打ち出した。
⃝越境EC  この頃から中国では越境ECの成長が本格化した。
菜鳥はアリババ傘下で越境ECによる輸入販売を行う「天猫国際(Tmall Global)」と輸出の「速売通(Ali Express)」の展開に合わせて、海外における物流センターの建設や外国郵政、宅配企業との提携などを積極的に進めた。
 輸入向けでは、政府から「越境EC総合実験都市」に指定された杭州、広州、上海、寧波、重慶の保税区にそれぞれ物流センターを構え、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国、台湾、香港に物流センターを設けた。
輸出向けでは、世界243国・地域に届けられる物流体制を整えた。
 さらに、より速く届けられるように、例えば荷物を飛行機に搭載した段階で、その大きさ、バーコード、便名、バッテリーの有無など、すべての情報を外国の税関に送信し、予め通関手続きを行うなどの工夫をした。
 19年3月時点で、天猫国際の90%以上、速売通の75%の荷物のフルフィルメントが、菜鳥を通じて行われている。
⃝農村  中国農村地における拠点網の整備も進めている。
少し古いデータになるが菜鳥は16年9月時点で中国内の430の県域にサービスセンターを設けて、全国2万の村にサービスステーションを置いている。
その結果、農村地域の消費者1億5千万人に荷物を届けられるようになった。
配送時間は所属県から農村まで全国平均13・4時間まで短縮された。
⃝驛站  ラストワンマイル対策として15年から大学や団地など人が集まるところを中心に「菜鳥驛站」と呼ぶ拠点を展開している。
天猫のサービスステーションとして機能し、荷物の集荷や受取りなどサービスを提供する。
16年9月時点の拠点数は全国約4万。
加盟店方式で運営している。
 菜鳥は16年1月に「菜鳥裏裏」という一般消費者向けアプリを公開した。
宅配荷物の追跡や集荷依頼の他、近くの「菜鳥驛站」を教えるといったサービスを提供している。
現在、徳邦、百世、天天などの宅配会社が提携を結んでいる。
消費者は地域に合わせて利用する宅配会社を選べる。
集荷を依頼する時に送り先住所などをアプリに入力するので、送り状を手書きすることもなくなった。
物流オペレーションの無人化  物流現場の人手不足や人件費の上昇は中国も同様だ。
その一方で、ECの商品価格は送料込みが多く、ここ数年、運賃相場は下がり続けている。
19年、宅配業界全体の業務収入は前年比23%増の7450億元だったが、平均1個あたりの料金はわずか11・8元。
08年の27元から大きく下落。
そこで菜鳥は15年に「ET物流実験室」を設けて、配達ロボット、無人搬送車(Automated Guided Vehicle:AGV)、ドローンなどの新たなテクノロジーを活用に本格的に乗り出した。
 16年3月、シンガポール政府投資会社(GIC)、テマセク・ホールディングス(Temasek)、マレーシアのカザナ・ナショナル(Khazanah)、春華資本などから約100億元の出資を受け入れ、その潤沢な資金で物流の無人化を図ってきた。
 16年8月、初の自動化センターを広州増城に稼働させた。
翌年9月には、恵陽の拠点にAGV「快倉(Quicktron)」を導入。
上海、天津、広東省、浙江省、湖北省などの重点地域にもロボットを活用したセンターを整備した。
 16年9月には、配達ロボット「小G」を公開している。
移動式の受け取りボックスでユーザーは配達時間、場所などを予約できる。
17年10月末には、島嶼や交通の便が良くない農村地域に生鮮食品や医薬品などを届けるドローンの飛行実験を行った。
 現在、菜鳥は自動車メーカーの一汽解放、北京航空航天大学ドローンチーム、自動運転の速腾聚创(RoboSense)、ICチップ開発のGTI、即時物流の点我達などの企業と共同でさまざまな無人化プロジェクトを進めている。
ただし、無人配達の実用化までの道のりはまだ長そうだ。
IoTへの取り組み  17年9月、アリババは菜鳥に53億元を追加出資して、持ち株率を51%まで引き上げた。
これを受けて18年5月、菜鳥はアリババとともにCSNの構築にさらに1千億元を追加投資することを発表した。
続く6月には杭州、香港、クアラルンプール、ドバイ、リエージュ、モスクワなどの各都市に「eHub」を建設することを発表した。
 菜鳥の万霖総裁は杭州で開かれた「グローバルスマート物流サミット(GSLS)」で、「IoT+新小売の物流+グローバル・ネットワーク」という新たな物流戦略を発表した。
バーチャルとリアルがつなげる物流は取引や決済とは異なり、プラットフォーム全体のデジタル化を実現するためにIoTが不可欠であることを訴えた。
 この戦略に則って18年10月、江蘇省無錫市に国内最初の「IoT未来パーク」を稼働させた。
約700台のロボットを導入した最大規模のロボット物流センターだ。
天猫向け物流センターとして、24時間365日稼働で1日当たり平均8万オーダー・80万件の出荷を処理している。
 18年の「独身の日」ではクラウド・モニタリング・システムを導入。
全国各地の物流センター内にカメラを設置、「物流天眼」と呼ぶ設備を使ってIoTを活用したスマート管理を実施する。
仕分けセンター、配達拠点の状況を分析し、作業遅延などが発生すればリアルタイムで警告を出す。
徳邦、中通、円通、申通、百世、韵達などの宅配企業が契約を結んだ。
 AI音声認識技術を使って、顧客に配達住所と時間を自動的に確認し、その結果を配達員の携帯端末にフィードバックする仕組みも運用している。
配達員がいちいち顧客に連絡する必要がない。
約200万人の配達員が連絡に費やしていた延べ16万時間を節約することができる。
これも物流IoT戦略の一部とされている。
 「新小売」として知られる「盒馬鮮生(フーマ)」の30分配達などの影響を受け、菜鳥は「天猫超市1時間達」「天猫直送」などの分単位の配達サービスをスタートさせている。
また、即時物流の拡大を視野に16年に出前サービスの点我達に10億元、18年7月にさらに2億9千万米ドルを出資し、20年3月にはついに完全子会社した。
菜鳥は何を成し遂げたか  菜鳥に与えられた使命は、急増するEC貨物への対応、配達時間の短縮、情報化・自動化による中国物流業界全体の生産性向上だ。
アリババは「独身の日」のビッグセールで荷物1億個を全国に届けるのに13年には9日間かかっていた。
それが14年は6日間、15年は4日間、16年には3・5日間にどんどん短くなっている。
18年の中国の社会物流総費用対GDP比は14・5%で、馬雲が設定した5%はまだまだ遠い。
しかし、13年の17・9%と比べればすでに3・4ポイント下がっている(図5)。
 18年5月時点で菜鳥は全国2700以上の区・県でサービスを展開している。
うち1500県が当日配達あるいは翌日配達エリアだ。
同社がネットワークしているDCセンター、TCセンター、配達拠点の総面積は3千万㎡以上。
物流パートナーは3千社以上に上る。
そのうち菜鳥が出資している物流関連企業も少なくはない(図6)。
しかし、投資先との関係は資本だけで、経営業務には関与していないという。
 現在、菜鳥の董事長を務める童文紅は「物流の本質は、集中と規模にある。
菜鳥は分散的な物流のニーズを集中させ、それぞれ専門分野のパートナーとともに社会化的なサービス提供しようとしている」という。
 19年11月、アリババは菜鳥にさらに233億元を投じて、増資もしくは株の買い取りにより持ち株率を63%まで引き上げた。
菜鳥の従業員約1千人の大半はシステム・エンジニアだ。
異形の物流会社が中国の物流市場を牽引している。

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