2020年3月号
特集
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全ては宅配クライシスから始まった
ヤマトホールディングスが迷走している。
1月30日、今期3度目となる業績予想の下方修正を発表した。
2017年の値上げと総量規制で離れた荷主が戻って来ない。
想定外の物量減少に、ヤマトがこれまでの姿勢から一転して、大口荷主向けに実質値下げに動いているとの報告が各所から上がっている。
料金だけではない。
地方都市に本社を置く、中堅運送会社の経営者は「アマゾンから要請を受けて『デリバリープロバイダ』として新たに配達を請け負うことになっていた。
その話が突然、白紙になった。
ヤマトが手を挙げたという。
既にウチはアマゾンのために各地に拠点を用意してドライバーも確保している。
大変な損害だ」と憤る。
ヤマトは1月23日に発表した経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」で、既存の「宅急便」とは別に、EC向けの新しい配送サービスを今年4月に開始することを表明している。
17年に同社労組との協議の末、いったんは撤退したアマゾンの当日配達を、外部リソースを使って再開するものと見られる。
佐川急便は従来からBtoBとBtoCの配達網を分離して、BtoCを外部委託で運営する「商宅分離」を打ち出している。
それと同時に、ECラストワンマイルのシェア争いからは距離を置く姿勢を明確にしている。
付加価値の低いサービスに深入りするより、別の領域に事業を広げた方が得策との判断だ。
一方、日本郵便は通常郵便の配達網で取り扱うことのできる小型貨物を強化して取扱個数を伸ばしている。
ただし、アマゾンの荷物に占める日本郵便のシェアは18年度に急上昇した後、19年度は低下している。
アマゾンの荷物が増えた分はほとんどが各地のデリバリープロバイダに流れている。
他の大手EC事業者も宅配便の大幅な値上がりと総量規制を受け自社配送の拡充を急いでいる。
ヤフー傘下のアスクル、ヨドバシカメラ、ビックカメラに続き、楽天もテナント向け配送網の整備に本格的に乗り出した。
センコーや日本梱包運輸倉庫など有力3PLも大手荷主のニーズに応えて軽トラックドライバーの組織化を進めている。
宅配クライシスからわずか2年の間に宅配市場の環境は様変わりした。
全国翌日配達の既存の宅配便とは別に、BtoCに特化した当日配達のECラストワンマイルが各地に立ち上がり、誰もが盤石と考えていた宅配便市場の寡占が崩れた。
宅配クライシスは、宅急便の元セールスドライバー(SD)がヤマト運輸の長時間労働とサービス残業を告発したことに端を発した。
結果として同社は総額230億円に上る未払い残業代の支払いを余儀なくされて18年度上期に赤字に転落した。
違法長時間労働の疑いで労働局から書類送検もされた。
ヤマトの働き方が運送会社として飛び抜けて悪質だったわけではない。
むしろ、同社は業界の模範だった。
しかし、SDの働き方はEC貨物の配達とマッチしなかった。
その急増でSDの労働負荷が限界を超えた。
ECフルフィルメントの現場では、これまでの正社員SDに代わって、契約社員やパート・アルバイト、業務委託の個人事業主が主力を担う。
隙間時間に単発で仕事を請け負う「ギグワーカー」の活用も試みられている。
多様な働き方を受け入れ、それを組み合わせて効率的な配送網を構築する新たな競争が始まっている。
1月30日、今期3度目となる業績予想の下方修正を発表した。
2017年の値上げと総量規制で離れた荷主が戻って来ない。
想定外の物量減少に、ヤマトがこれまでの姿勢から一転して、大口荷主向けに実質値下げに動いているとの報告が各所から上がっている。
料金だけではない。
地方都市に本社を置く、中堅運送会社の経営者は「アマゾンから要請を受けて『デリバリープロバイダ』として新たに配達を請け負うことになっていた。
その話が突然、白紙になった。
ヤマトが手を挙げたという。
既にウチはアマゾンのために各地に拠点を用意してドライバーも確保している。
大変な損害だ」と憤る。
ヤマトは1月23日に発表した経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」で、既存の「宅急便」とは別に、EC向けの新しい配送サービスを今年4月に開始することを表明している。
17年に同社労組との協議の末、いったんは撤退したアマゾンの当日配達を、外部リソースを使って再開するものと見られる。
佐川急便は従来からBtoBとBtoCの配達網を分離して、BtoCを外部委託で運営する「商宅分離」を打ち出している。
それと同時に、ECラストワンマイルのシェア争いからは距離を置く姿勢を明確にしている。
付加価値の低いサービスに深入りするより、別の領域に事業を広げた方が得策との判断だ。
一方、日本郵便は通常郵便の配達網で取り扱うことのできる小型貨物を強化して取扱個数を伸ばしている。
ただし、アマゾンの荷物に占める日本郵便のシェアは18年度に急上昇した後、19年度は低下している。
アマゾンの荷物が増えた分はほとんどが各地のデリバリープロバイダに流れている。
他の大手EC事業者も宅配便の大幅な値上がりと総量規制を受け自社配送の拡充を急いでいる。
ヤフー傘下のアスクル、ヨドバシカメラ、ビックカメラに続き、楽天もテナント向け配送網の整備に本格的に乗り出した。
センコーや日本梱包運輸倉庫など有力3PLも大手荷主のニーズに応えて軽トラックドライバーの組織化を進めている。
宅配クライシスからわずか2年の間に宅配市場の環境は様変わりした。
全国翌日配達の既存の宅配便とは別に、BtoCに特化した当日配達のECラストワンマイルが各地に立ち上がり、誰もが盤石と考えていた宅配便市場の寡占が崩れた。
宅配クライシスは、宅急便の元セールスドライバー(SD)がヤマト運輸の長時間労働とサービス残業を告発したことに端を発した。
結果として同社は総額230億円に上る未払い残業代の支払いを余儀なくされて18年度上期に赤字に転落した。
違法長時間労働の疑いで労働局から書類送検もされた。
ヤマトの働き方が運送会社として飛び抜けて悪質だったわけではない。
むしろ、同社は業界の模範だった。
しかし、SDの働き方はEC貨物の配達とマッチしなかった。
その急増でSDの労働負荷が限界を超えた。
ECフルフィルメントの現場では、これまでの正社員SDに代わって、契約社員やパート・アルバイト、業務委託の個人事業主が主力を担う。
隙間時間に単発で仕事を請け負う「ギグワーカー」の活用も試みられている。
多様な働き方を受け入れ、それを組み合わせて効率的な配送網を構築する新たな競争が始まっている。
