2023年5月号
特集
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東洋製罐グループ 大型車の出荷作業を20分で完了する新拠点
8千パレットの製品保管
東洋製罐グループホールディングス(GHD)傘下の事業会社、東洋製罐は国内最大手の総合容器メーカーだ。
缶詰や飲料用缶容器、ペットボトルなどの製造販売のほか、グループで鋼板や磁気ディスク用アルミ基板、光学用機能フィルム、自動車用プレス金型など幅広い事業を展開している。
東洋製罐グループの物流を担っているのが、東洋製罐が100%出資する東洋メビウスだ。
2022年3月期の売上高は346億円。
全国に20以上の支社と物流センターを展開し、協力会社約400社と連携して自社車両を含む約1700台の車両を運行している。
東洋製罐GHDは昨年2月、持続可能な物流の構築を図る「ホワイト物流」推進運動に賛同して、自主行動宣言を公表した。
具体策として、トラックドライバー不足の深刻化など物流現場の厳しい現状を踏まえ、出荷設備を改善して荷待ち時間や荷役時間を短縮することや、取引先の近郊にある倉庫を活用して安定的かつ時間指定に対応可能な納品体制を構築することなどを打ち出している。
東洋メビウスがその実行役を果たしている。
ホワイト物流に賛同する以前から、東洋メビウスは物流現場の自動化・省人化に注力してきた。
2020年には群馬県前橋市の「前橋物流センター」で同社として初めて自動倉庫システムを採用した新たな倉庫棟を開設。
高密度保管システム「シャトルランナー」で入出荷を自動化した。
21年には静岡県富士市の「富士川物流センター」で、コンベヤーなど搬送用機器を手掛けるホクショーと共同開発したケースピッキングロボットを投入。
川崎重工業製の3Dビジョンカメラと組み合わせ、従来は手作業だった飲料製品のパレットからのケースピッキングを自動化した。
さらに今年4月、埼玉県熊谷市に次世代のモデル拠点と位置付ける「熊谷物流センター」を本格稼働させた。
東洋製罐GHDが同市の妻沼西部工業団地内で取得した約9万2500平方メートルの一画に、地上4階建て・延床面積2万1666平方メートルの物流施設を建設した。
埼玉県北部エリアには酒類・清涼飲料充填工場が多く存在している。
同センターはその「門前倉庫」として24時間体制で稼働して、東洋製罐の生産拠点と得意先をつなぐハブ拠点の役割を果たす。
新センターの大きな特色が、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」などを踏まえ、自動倉庫をはじめ最新技術を最大限活用して取り扱う製品の入出荷作業を迅速化し、「トラックを待たせない物流センター」を体現しようとしていることだ。
東洋メビウスの篠山健司社長は「門前倉庫を自動化して、輸送量の平準化や計画的な運行計画の作成・遂行などにつなげていくことで、この先も輸送機能を維持できる」と狙いを語る。
センターは平置き倉庫棟と高密度倉庫棟の2棟から成る。
このうち、高密度倉庫棟は東洋製罐の酒類・飲料容器の保管と取り扱いをメーンにする。
一方、隣接する平置き倉庫棟は東洋製罐以外の外販荷主の商品を受け入れる予定だ。
繁忙期には高密度倉庫棟のバッファーとして、東洋製罐の製品を平置き倉庫棟に一時的に受け入れることも想定している。
高密度倉庫棟には住友重機械搬送システムの自動倉庫「マジックラック」を採用、約8千パレットの酒類・飲料容器を保管可能にした。
過去の繁忙期に納品が集中した時間帯や納品数の実績などを考慮し、繁忙期でも円滑に入出荷をこなせる保管能力をはじき出した。
一方、平置き倉庫棟は各層の天井高を7・5メートル確保、約7千パレットの保管能力を持たせた。
余裕持って出荷予定情報を把握 同センターには東洋製罐から製品の出荷先や出荷数量の予定データが事前に一定期間分送られてくる。
センター側ではそのデータを基に早い段階で出荷スケジュールを作成する。
出荷前日にあらためて出荷データを受信して作業計画を調整する。
これを受けて高密度倉庫棟ではマジックラックが自動的に出荷先ごとに荷ぞろえして出荷する。
入出荷ラインは6本を設けた。
急な出荷時間の変更などがあって1本のラインが止まっても、残りの5本をフル活用すれば作業をストップせずに進められる。
1年以内をめどに、新センターにトラック予約受付システムも導入する計画だ。
トラックの荷台と自動倉庫のコンベヤーの間の搬送には、トラックローダー6式を導入した。
トラックの待ち時間を解消するとともに、フォークリフトの作業を減らせる環境を実現した。
ドライバーだけでなく、構内作業員の負荷を軽減して構内の安全性向上を図った。
東洋メビウスは在庫管理や入出荷業務の大半を自動化することで、大型トラック1台当たりの出荷作業を平均20分程度で完了できると想定している。
1時間で最大トラック15台分の入出荷が可能と見込む。
入出荷エリアの前にはトラック20台分の駐車場を確保した。
各地の物流センターで日常的な光景となっている、荷待ちのトラックが近隣の道路にあふれて停車する事態が起きないよう努めている。
また、東洋メビウスは運送業務効率化の一環として、東洋製罐の埼玉県内の工場2カ所と同センター間の製品輸送に、従来の大型トラックの1・5倍積載できる大型トレーラー2台を採用した。
これをピストン輸送することで1回当たりの負荷を低減できると見込む。
篠山社長は「(2024年問題の残業規制強化は)ドライバーの健全な働き方を目指すという方向性は正しい。
東洋製罐と協力してトラックの滞留時間を少なくしていくことが重要。
まさに(2024年問題まで)この1年が改善のための勝負の年となる。
熊谷物流センターをモデルケースとして確立していきたい」と強調。
新センターのフル活用に加え、長距離輸送のモーダルシフトなども並行して進めていく方針だ。
缶詰や飲料用缶容器、ペットボトルなどの製造販売のほか、グループで鋼板や磁気ディスク用アルミ基板、光学用機能フィルム、自動車用プレス金型など幅広い事業を展開している。
東洋製罐グループの物流を担っているのが、東洋製罐が100%出資する東洋メビウスだ。
2022年3月期の売上高は346億円。
全国に20以上の支社と物流センターを展開し、協力会社約400社と連携して自社車両を含む約1700台の車両を運行している。
東洋製罐GHDは昨年2月、持続可能な物流の構築を図る「ホワイト物流」推進運動に賛同して、自主行動宣言を公表した。
具体策として、トラックドライバー不足の深刻化など物流現場の厳しい現状を踏まえ、出荷設備を改善して荷待ち時間や荷役時間を短縮することや、取引先の近郊にある倉庫を活用して安定的かつ時間指定に対応可能な納品体制を構築することなどを打ち出している。
東洋メビウスがその実行役を果たしている。
ホワイト物流に賛同する以前から、東洋メビウスは物流現場の自動化・省人化に注力してきた。
2020年には群馬県前橋市の「前橋物流センター」で同社として初めて自動倉庫システムを採用した新たな倉庫棟を開設。
高密度保管システム「シャトルランナー」で入出荷を自動化した。
21年には静岡県富士市の「富士川物流センター」で、コンベヤーなど搬送用機器を手掛けるホクショーと共同開発したケースピッキングロボットを投入。
川崎重工業製の3Dビジョンカメラと組み合わせ、従来は手作業だった飲料製品のパレットからのケースピッキングを自動化した。
さらに今年4月、埼玉県熊谷市に次世代のモデル拠点と位置付ける「熊谷物流センター」を本格稼働させた。
東洋製罐GHDが同市の妻沼西部工業団地内で取得した約9万2500平方メートルの一画に、地上4階建て・延床面積2万1666平方メートルの物流施設を建設した。
埼玉県北部エリアには酒類・清涼飲料充填工場が多く存在している。
同センターはその「門前倉庫」として24時間体制で稼働して、東洋製罐の生産拠点と得意先をつなぐハブ拠点の役割を果たす。
新センターの大きな特色が、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」などを踏まえ、自動倉庫をはじめ最新技術を最大限活用して取り扱う製品の入出荷作業を迅速化し、「トラックを待たせない物流センター」を体現しようとしていることだ。
東洋メビウスの篠山健司社長は「門前倉庫を自動化して、輸送量の平準化や計画的な運行計画の作成・遂行などにつなげていくことで、この先も輸送機能を維持できる」と狙いを語る。
センターは平置き倉庫棟と高密度倉庫棟の2棟から成る。
このうち、高密度倉庫棟は東洋製罐の酒類・飲料容器の保管と取り扱いをメーンにする。
一方、隣接する平置き倉庫棟は東洋製罐以外の外販荷主の商品を受け入れる予定だ。
繁忙期には高密度倉庫棟のバッファーとして、東洋製罐の製品を平置き倉庫棟に一時的に受け入れることも想定している。
高密度倉庫棟には住友重機械搬送システムの自動倉庫「マジックラック」を採用、約8千パレットの酒類・飲料容器を保管可能にした。
過去の繁忙期に納品が集中した時間帯や納品数の実績などを考慮し、繁忙期でも円滑に入出荷をこなせる保管能力をはじき出した。
一方、平置き倉庫棟は各層の天井高を7・5メートル確保、約7千パレットの保管能力を持たせた。
余裕持って出荷予定情報を把握 同センターには東洋製罐から製品の出荷先や出荷数量の予定データが事前に一定期間分送られてくる。
センター側ではそのデータを基に早い段階で出荷スケジュールを作成する。
出荷前日にあらためて出荷データを受信して作業計画を調整する。
これを受けて高密度倉庫棟ではマジックラックが自動的に出荷先ごとに荷ぞろえして出荷する。
入出荷ラインは6本を設けた。
急な出荷時間の変更などがあって1本のラインが止まっても、残りの5本をフル活用すれば作業をストップせずに進められる。
1年以内をめどに、新センターにトラック予約受付システムも導入する計画だ。
トラックの荷台と自動倉庫のコンベヤーの間の搬送には、トラックローダー6式を導入した。
トラックの待ち時間を解消するとともに、フォークリフトの作業を減らせる環境を実現した。
ドライバーだけでなく、構内作業員の負荷を軽減して構内の安全性向上を図った。
東洋メビウスは在庫管理や入出荷業務の大半を自動化することで、大型トラック1台当たりの出荷作業を平均20分程度で完了できると想定している。
1時間で最大トラック15台分の入出荷が可能と見込む。
入出荷エリアの前にはトラック20台分の駐車場を確保した。
各地の物流センターで日常的な光景となっている、荷待ちのトラックが近隣の道路にあふれて停車する事態が起きないよう努めている。
また、東洋メビウスは運送業務効率化の一環として、東洋製罐の埼玉県内の工場2カ所と同センター間の製品輸送に、従来の大型トラックの1・5倍積載できる大型トレーラー2台を採用した。
これをピストン輸送することで1回当たりの負荷を低減できると見込む。
篠山社長は「(2024年問題の残業規制強化は)ドライバーの健全な働き方を目指すという方向性は正しい。
東洋製罐と協力してトラックの滞留時間を少なくしていくことが重要。
まさに(2024年問題まで)この1年が改善のための勝負の年となる。
熊谷物流センターをモデルケースとして確立していきたい」と強調。
新センターのフル活用に加え、長距離輸送のモーダルシフトなども並行して進めていく方針だ。
