2023年7月号
特集
特集
ロジスティード 部品加工の進捗まで可視化して納期を守る
3PLの荷主100社以上に適用
日々膨大な情報が物流現場から生み出される。
ロジスティード(旧日立物流)はそれを可視化してサプライチェーンの最適化に役立てるソリューション「SCDOS(Supply Chain Design & Optimization Services)」を2018年に開発した。
19年から3PLサービスの一部として各地の現場に導入している。
物流の各領域に分散したデータを収集・結合・標準化するとともに、ロジスティードが3PLとして1200社以上の荷主の物流現場を運営してきた経験に基づくアナログ面でのノウハウを組み合わせ、それまで対処が難しかった物流課題の改善・解決に利用している。
調達から生産、供給、販売にまたがるサプライチェーン全域の可視化・分析、サプライチェーンデザイン、サプライチェーン計画、サプライチェーン排出量の可視化・分析、貨物トラッキング、貿易業務の効率化、物流DXコンサルティングなどを行う。
「不確実性の高い時代における企業経営において、最も貴重なリソースは時間である」とのコンセプトのもと、導入から3〜6カ月以内に全体の状況を把握してボトルネックを特定、6〜9カ月後までに業務改革を実施、10〜14カ月後までに改善効果を発生させ、次のサイクルに移る、というスピード感でPDCAサイクルを回す。
現在までに機械メーカー、小売り、アパレル、医薬、化粧品、食品など100社以上の荷主の物流拠点で活用を始めている。
荷主の業種によって可視化のニーズには違いがある。
例えば機械メーカーには、アイテム別ヒット数のランキングを可視化したいという荷主が多く、小売業では停滞在庫の可視化にニーズがある。
可視化の対象は物流工程だけにとどまらない。
ロジスティードが運営を受託している、ある保守部品の物流センターでは、センター内に荷主の協力会社が複数常駐し、注文に応じて部品を加工している。
その出荷リードタイムの短縮が課題になっていた。
ロジスティードの現場管理者の業務負荷も大きかった。
部品加工の進捗はWMSでは把握できないため、ロジスティードの担当者は加工ラインのスタッフと常に連絡を取って進捗を確認する必要があった。
その確認作業とWMSから任意のデータを抽出して加工するのに1日2〜3時間を費やしていた。
加工ラインのスタッフと連絡がつかず進捗が分からないこともあった。
ロジスティードのDX部門に相談した結果、「SCDOS」を紹介された。
SCDOSはBIツールのダッシュボード機能を使って、各種のデータや分析結果をグラフや表などにまとめて視覚的に分かりやすく表示できる。
同センターでは、WMSから取得したデータをダッシュボードに表示して物流の進捗を可視化する一方、製造工程の進捗に関しても1時間おきに最新の進捗情報が自動で表示されるようにした。
各加工ラインのスタッフに1時間ごとに確認メールを送り、その返信内容をRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)が自動で集約してダッシュボードに表示する。
加工ライン別に未処理の作業件数も可視化するようにした。
これによって、ロジスティードの担当者は進捗管理の手入力作業から解放された。
その分の時間と労力を、スケジュールの遅れやイレギュラーが発生した場合の早期対処に投入できるようになった。
保守部品は長期間の保管が必要であるため、同センターで取り扱う品目数は年を追うごとに増加して、現在では20万品目を超えている。
そこで出荷頻度の低い品目をロジスティードの判断で外部の営業倉庫に移し、外部倉庫の部品の出入りをSCDOSでカバーして運用している。
国際輸送のトラッキングにもSCDOSを利用している。
船会社や航空会社とデータ連携して、出発から到着までの便ごとの輸送ステータスを可視化して、納期の回答精度を高めている。
保守部品の輸送は急を要することも多い。
海外の代理店倉庫に当日中や48時間以内の緊急出荷が必要になったり、相手国によっては専用の梱包が必要になったりする場合もある。
そうしたイレギュラー対応も、SCDOSで過去のデータなどを確認しながら、荷主と一緒に対応策を講じている。
DX人材を物流会社の競争力に ロジスティードのDX部門のスタッフとして、同センターのSCDOS導入を支援した、岡田直之DX戦略本部SCイノベーション部主任は、「同センターは3PL契約を交わした2010年代前半時点で、当社のWMS『ONEsLOGI』を導入されていたのでやりやすかった」と振り返る。
一般に、メーカーの保守部品の物流センターは荷主の既存システムで管理しているケースが多い。
WMSと違い、物流の各工程における作業データを取得したり、サーバーにアップする機能は備わっていないことが通例であるため、実績が残っていない。
その場合、可視化にあたり、まずはWMSを導入してSCDOSとのインターフェースを開発する必要がある。
同センターは従来からONEsLOGIを運用していたのでスムーズに導入できた。
しかも、岡田氏はDX部門に配属されるまで、ロジスティードの現場で経験を積んでいた。
一方、同センターを管理している橋立淳営業企画部マネージャーもITには詳しい。
現場のデジタル化ニーズを受け、従来からDX部門と交流して知識を磨いてきた。
「スタッフ部門と現場の双方に互いの事情が分かる担当者がいたことも導入の円滑化に寄与した」(橋立氏)という。
同社のDX部門では18年ごろから物流現場からの異動希望者を公募している。
それまでデジタルソリューションの開発はIT系のスペシャリストに限られていた。
しかし、より実効性あるソリューションの開発には現場の知識が必要という判断から、門戸を広げている。
岡田氏は現場からDX部門に異動した最初の1人となった。
半澤康弘DX戦略本部SCイノベーション部部長補佐は、「現場経験者は、現場運営のノウハウだけでなく荷主の視点が身についている。
それが当社のソリューション開発の大きな強みになっている」と評する。
一方、現場側でも20年頃から、橋立氏のようにITに詳しい人材を育成しようと、志願制の研修を開始した。
受講者は22年度だけでも約250人に上っており、累計600人を超える社員が研修を受けている。
ロジスティード(旧日立物流)はそれを可視化してサプライチェーンの最適化に役立てるソリューション「SCDOS(Supply Chain Design & Optimization Services)」を2018年に開発した。
19年から3PLサービスの一部として各地の現場に導入している。
物流の各領域に分散したデータを収集・結合・標準化するとともに、ロジスティードが3PLとして1200社以上の荷主の物流現場を運営してきた経験に基づくアナログ面でのノウハウを組み合わせ、それまで対処が難しかった物流課題の改善・解決に利用している。
調達から生産、供給、販売にまたがるサプライチェーン全域の可視化・分析、サプライチェーンデザイン、サプライチェーン計画、サプライチェーン排出量の可視化・分析、貨物トラッキング、貿易業務の効率化、物流DXコンサルティングなどを行う。
「不確実性の高い時代における企業経営において、最も貴重なリソースは時間である」とのコンセプトのもと、導入から3〜6カ月以内に全体の状況を把握してボトルネックを特定、6〜9カ月後までに業務改革を実施、10〜14カ月後までに改善効果を発生させ、次のサイクルに移る、というスピード感でPDCAサイクルを回す。
現在までに機械メーカー、小売り、アパレル、医薬、化粧品、食品など100社以上の荷主の物流拠点で活用を始めている。
荷主の業種によって可視化のニーズには違いがある。
例えば機械メーカーには、アイテム別ヒット数のランキングを可視化したいという荷主が多く、小売業では停滞在庫の可視化にニーズがある。
可視化の対象は物流工程だけにとどまらない。
ロジスティードが運営を受託している、ある保守部品の物流センターでは、センター内に荷主の協力会社が複数常駐し、注文に応じて部品を加工している。
その出荷リードタイムの短縮が課題になっていた。
ロジスティードの現場管理者の業務負荷も大きかった。
部品加工の進捗はWMSでは把握できないため、ロジスティードの担当者は加工ラインのスタッフと常に連絡を取って進捗を確認する必要があった。
その確認作業とWMSから任意のデータを抽出して加工するのに1日2〜3時間を費やしていた。
加工ラインのスタッフと連絡がつかず進捗が分からないこともあった。
ロジスティードのDX部門に相談した結果、「SCDOS」を紹介された。
SCDOSはBIツールのダッシュボード機能を使って、各種のデータや分析結果をグラフや表などにまとめて視覚的に分かりやすく表示できる。
同センターでは、WMSから取得したデータをダッシュボードに表示して物流の進捗を可視化する一方、製造工程の進捗に関しても1時間おきに最新の進捗情報が自動で表示されるようにした。
各加工ラインのスタッフに1時間ごとに確認メールを送り、その返信内容をRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)が自動で集約してダッシュボードに表示する。
加工ライン別に未処理の作業件数も可視化するようにした。
これによって、ロジスティードの担当者は進捗管理の手入力作業から解放された。
その分の時間と労力を、スケジュールの遅れやイレギュラーが発生した場合の早期対処に投入できるようになった。
保守部品は長期間の保管が必要であるため、同センターで取り扱う品目数は年を追うごとに増加して、現在では20万品目を超えている。
そこで出荷頻度の低い品目をロジスティードの判断で外部の営業倉庫に移し、外部倉庫の部品の出入りをSCDOSでカバーして運用している。
国際輸送のトラッキングにもSCDOSを利用している。
船会社や航空会社とデータ連携して、出発から到着までの便ごとの輸送ステータスを可視化して、納期の回答精度を高めている。
保守部品の輸送は急を要することも多い。
海外の代理店倉庫に当日中や48時間以内の緊急出荷が必要になったり、相手国によっては専用の梱包が必要になったりする場合もある。
そうしたイレギュラー対応も、SCDOSで過去のデータなどを確認しながら、荷主と一緒に対応策を講じている。
DX人材を物流会社の競争力に ロジスティードのDX部門のスタッフとして、同センターのSCDOS導入を支援した、岡田直之DX戦略本部SCイノベーション部主任は、「同センターは3PL契約を交わした2010年代前半時点で、当社のWMS『ONEsLOGI』を導入されていたのでやりやすかった」と振り返る。
一般に、メーカーの保守部品の物流センターは荷主の既存システムで管理しているケースが多い。
WMSと違い、物流の各工程における作業データを取得したり、サーバーにアップする機能は備わっていないことが通例であるため、実績が残っていない。
その場合、可視化にあたり、まずはWMSを導入してSCDOSとのインターフェースを開発する必要がある。
同センターは従来からONEsLOGIを運用していたのでスムーズに導入できた。
しかも、岡田氏はDX部門に配属されるまで、ロジスティードの現場で経験を積んでいた。
一方、同センターを管理している橋立淳営業企画部マネージャーもITには詳しい。
現場のデジタル化ニーズを受け、従来からDX部門と交流して知識を磨いてきた。
「スタッフ部門と現場の双方に互いの事情が分かる担当者がいたことも導入の円滑化に寄与した」(橋立氏)という。
同社のDX部門では18年ごろから物流現場からの異動希望者を公募している。
それまでデジタルソリューションの開発はIT系のスペシャリストに限られていた。
しかし、より実効性あるソリューションの開発には現場の知識が必要という判断から、門戸を広げている。
岡田氏は現場からDX部門に異動した最初の1人となった。
半澤康弘DX戦略本部SCイノベーション部部長補佐は、「現場経験者は、現場運営のノウハウだけでなく荷主の視点が身についている。
それが当社のソリューション開発の大きな強みになっている」と評する。
一方、現場側でも20年頃から、橋立氏のようにITに詳しい人材を育成しようと、志願制の研修を開始した。
受講者は22年度だけでも約250人に上っており、累計600人を超える社員が研修を受けている。
