2023年8月号
特集
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アサヒロジ 各地の納品先の150キロ圏内に在庫拠点を展開
在庫型拠点の配置で輸送を最適化
アサヒロジはアサヒグループの物流会社として全国に77の事業所を配置している。
売上高は約964億1500万円(2022年12月期)でアサヒグループ以外の取り扱いが34・5%を占める。
1日最大延べ6千台のトラックを運用して、全国規模の幹線輸送ネットワークと各地に地場輸送網を構築している。
トラックは協力会社便を主体としながら、この10年ほどは自社便を増やしてきた。
現在、自社車両は子会社のエービーカーゴ東日本とエービーカーゴ西日本が合わせて大型トラック約340台、小型トラック約40台を保有している。
アサヒロジが2024年問題対応の一環として進めている施策の一つが在庫型配送拠点の増強だ。
納品先までの距離が約150キロメートル以内に収まるように、在庫型配送拠点を新設・移転・拡張して配置する取り組みを2010年代中盤から全国で進めてきた。
在庫型配送拠点の立地を選定するに当たっては、まず納品トラックが出発する生産拠点や既存の在庫型配送拠点の位置と納品先の場所を分析して、出発地点から納品先までの距離が150キロメートル以上となっているエリアを割り出した。
さらに専用ソフトに配送頻度や物量などを入力して、最適な在庫型配送拠点の設置候補となる場所を市区町村単位に絞り込んだ。
最適エリアが算出されると、「従業員の通勤の利便性や拠点で取り扱う商品の特性にあった設備の有無なども考慮して、そのエリア内に立地する倉庫の中から候補を探し出していった」と仲谷眞二業務部部長は説明する。
これまでに広島や鹿児島、石川などで在庫型配送拠点の新設や機能拡張を実施している。
これにより長距離走行の納品トラック便を削減するとともに、在庫型配送拠点からのトラックの回転数を高めることで使用車両台数を抑制している。
在庫型配送拠点への補充輸送は、幹線トラックの効率向上と、長距離輸送を対象としたモーダルシフトという二つのアプローチで最適化を図っている。
北陸エリアでは名古屋の生産拠点からの長距離トラック納品を、在庫型配送拠点の設置と大阪からの鉄道コンテナ輸送による補充輸送を組み合わせるやり方に切り替えた。
21年12月に開設した広島の在庫型配送拠点への補充でも、鉄道コンテナ輸送を活用している。
鉄道輸送が利用しやすい場所に在庫型配送拠点を移転・拡張して、拠点への製品補充の半数近くを鉄道が担う形にした。
21年10月に開設した鹿児島の在庫型配送拠点への補充はトラックを主体としつつ、一部製品の補充は関西方面からの海上輸送を実施している。
22年までに500キロ以上の長距離輸送の約半分を鉄道や海運などへと転換している。
鉄道や海運などのモーダルシフトに加えて、関東エリアと関西エリアの拠点間輸送ではダブル連結トラック輸送の活用も進めている。
23年5月には水素を燃料とした燃料電池大型トラック(FC大型トラック)の走行実証も開始。
ダブル連結トラックによる東西拠点間輸送と組み合わせた運用をテストしている。
「今後のモーダルシフトについてはモーダルシフト実施済ルートでの物量を増やすことと、まだ鉄道や海上輸送への転換を行っていない長距離ルートにおける実現可能性の検討という二つの方向性で研究を進めていこうと考えている」と山本和宏グループ企画管理部部長は語る。
D2受注を活用した効率化を実施 幹線輸送ではアサヒロジの自社便によるドライバーチェンジ型の中継輸送を北関東エリアと中京エリアの拠点間輸送で展開している。
生産拠点がある北関東エリアと中京エリアの中間地点にあたる神奈川エリアの拠点をドライバーチェンジの基点に設定。
北関東方面から中京方面に行くトラックと、中京方面から北関東方面に行くトラックのドライバーが乗り換える。
北関東と中京で進めているこの仕組みを東西に延伸していくことで、将来的には東北から九州までを中継輸送で結ぶことを構想している。
車両は現在、大型トラックを使っているが、トレーラーの利用も検討していく。
幹線輸送と地場配送を組み合わせた配車の工夫も行っている。
繁忙期前などの配送が少ない時期に在庫を転送して、地場配送が多い日には拠点間輸送の一部トラックの帰り便で配送する。
幹線輸送と地場配送を組み合わせる配車は「N+2日受注締め(D2受注)」の拡大によって応用範囲が広がった。
従来の「N+1日受注締め(D1受注)」と比べて時間の余裕ができたことで、積み置きや前々日の集車が可能になった。
見込みの集車や急な配車が減って、スポット車両の利用が減った。
繁忙期の配車担当者の残業時間も削減された。
D2受注を活用した各種効率化は各地の拠点でも実施している。
D1受注では受注締め当日の夕方からピッキング、深夜に出荷して納品というケースが出てくる。
深夜に積み込みを行う際にはピッキングや荷揃えを行う夜勤の庫内スタッフが必要だった。
これがD2受注によって受注締めの翌日朝からピッキング、午後から積み置き、翌日納品に変えることで、深夜作業を日中に移行して、作業の平準化や開門前待機の削減などが実現している。
「ドライバー不足などによって全体の輸送能力は今後さらに減っていくだろう。
一方、運ぶべき荷物の量は増える可能性が高い。
増車ではなく効率化によって対応していく必要がある。
アサヒグループのベースカーゴと外販貨物を上手く組み合わせるやり方が有効だと考えている。
その際にはどれだけ無駄を省けるかが鍵になる。
そのため運行効率を可視化する仕組みをこれから本格的に整備していく」と藤木彰二執行役員事業統括本部輸送部部長は話す。
23年4月からスマホを活用した動態管理システムの導入を進めている。
アサヒロジでは「運行効率=実車率×積載率×ドライバー実働率」と定義して、各種関連のデータを収集して分析する仕組みを整備している。
積み込み開始時や完了時、出発時や到着時などにステータスを切り替えることで、貨物を積載した状態での走行時間、荷台が空の状態での走行時間、積み降ろし作業時間、積み降ろし地での手待ち時間、休憩時間、点検や給油などの各種作業時間を取得する。
このデータに実車率や積載率などを組み合わせてトラックの運行効率を数値で把握して、改善に結びつける。
自社車両と協力会社のレギュラー車両を対象にシステムを導入する方向で調整を進めている。
既にエービーカーゴ東日本とエービーカーゴ西日本の自社トラックの一部で運用を開始している。
アサヒロジはこれまでアサヒグループ関連では主にアサヒビールやアサヒ飲料と連携してビールや飲料などの輸送効率化を進めてきたが、今後は食品分野でも取り組みを本格化する。
アサヒグループ食品と連携して、可能な限り転送を削減する物流の枠組みを構築していく方針だ。
売上高は約964億1500万円(2022年12月期)でアサヒグループ以外の取り扱いが34・5%を占める。
1日最大延べ6千台のトラックを運用して、全国規模の幹線輸送ネットワークと各地に地場輸送網を構築している。
トラックは協力会社便を主体としながら、この10年ほどは自社便を増やしてきた。
現在、自社車両は子会社のエービーカーゴ東日本とエービーカーゴ西日本が合わせて大型トラック約340台、小型トラック約40台を保有している。
アサヒロジが2024年問題対応の一環として進めている施策の一つが在庫型配送拠点の増強だ。
納品先までの距離が約150キロメートル以内に収まるように、在庫型配送拠点を新設・移転・拡張して配置する取り組みを2010年代中盤から全国で進めてきた。
在庫型配送拠点の立地を選定するに当たっては、まず納品トラックが出発する生産拠点や既存の在庫型配送拠点の位置と納品先の場所を分析して、出発地点から納品先までの距離が150キロメートル以上となっているエリアを割り出した。
さらに専用ソフトに配送頻度や物量などを入力して、最適な在庫型配送拠点の設置候補となる場所を市区町村単位に絞り込んだ。
最適エリアが算出されると、「従業員の通勤の利便性や拠点で取り扱う商品の特性にあった設備の有無なども考慮して、そのエリア内に立地する倉庫の中から候補を探し出していった」と仲谷眞二業務部部長は説明する。
これまでに広島や鹿児島、石川などで在庫型配送拠点の新設や機能拡張を実施している。
これにより長距離走行の納品トラック便を削減するとともに、在庫型配送拠点からのトラックの回転数を高めることで使用車両台数を抑制している。
在庫型配送拠点への補充輸送は、幹線トラックの効率向上と、長距離輸送を対象としたモーダルシフトという二つのアプローチで最適化を図っている。
北陸エリアでは名古屋の生産拠点からの長距離トラック納品を、在庫型配送拠点の設置と大阪からの鉄道コンテナ輸送による補充輸送を組み合わせるやり方に切り替えた。
21年12月に開設した広島の在庫型配送拠点への補充でも、鉄道コンテナ輸送を活用している。
鉄道輸送が利用しやすい場所に在庫型配送拠点を移転・拡張して、拠点への製品補充の半数近くを鉄道が担う形にした。
21年10月に開設した鹿児島の在庫型配送拠点への補充はトラックを主体としつつ、一部製品の補充は関西方面からの海上輸送を実施している。
22年までに500キロ以上の長距離輸送の約半分を鉄道や海運などへと転換している。
鉄道や海運などのモーダルシフトに加えて、関東エリアと関西エリアの拠点間輸送ではダブル連結トラック輸送の活用も進めている。
23年5月には水素を燃料とした燃料電池大型トラック(FC大型トラック)の走行実証も開始。
ダブル連結トラックによる東西拠点間輸送と組み合わせた運用をテストしている。
「今後のモーダルシフトについてはモーダルシフト実施済ルートでの物量を増やすことと、まだ鉄道や海上輸送への転換を行っていない長距離ルートにおける実現可能性の検討という二つの方向性で研究を進めていこうと考えている」と山本和宏グループ企画管理部部長は語る。
D2受注を活用した効率化を実施 幹線輸送ではアサヒロジの自社便によるドライバーチェンジ型の中継輸送を北関東エリアと中京エリアの拠点間輸送で展開している。
生産拠点がある北関東エリアと中京エリアの中間地点にあたる神奈川エリアの拠点をドライバーチェンジの基点に設定。
北関東方面から中京方面に行くトラックと、中京方面から北関東方面に行くトラックのドライバーが乗り換える。
北関東と中京で進めているこの仕組みを東西に延伸していくことで、将来的には東北から九州までを中継輸送で結ぶことを構想している。
車両は現在、大型トラックを使っているが、トレーラーの利用も検討していく。
幹線輸送と地場配送を組み合わせた配車の工夫も行っている。
繁忙期前などの配送が少ない時期に在庫を転送して、地場配送が多い日には拠点間輸送の一部トラックの帰り便で配送する。
幹線輸送と地場配送を組み合わせる配車は「N+2日受注締め(D2受注)」の拡大によって応用範囲が広がった。
従来の「N+1日受注締め(D1受注)」と比べて時間の余裕ができたことで、積み置きや前々日の集車が可能になった。
見込みの集車や急な配車が減って、スポット車両の利用が減った。
繁忙期の配車担当者の残業時間も削減された。
D2受注を活用した各種効率化は各地の拠点でも実施している。
D1受注では受注締め当日の夕方からピッキング、深夜に出荷して納品というケースが出てくる。
深夜に積み込みを行う際にはピッキングや荷揃えを行う夜勤の庫内スタッフが必要だった。
これがD2受注によって受注締めの翌日朝からピッキング、午後から積み置き、翌日納品に変えることで、深夜作業を日中に移行して、作業の平準化や開門前待機の削減などが実現している。
「ドライバー不足などによって全体の輸送能力は今後さらに減っていくだろう。
一方、運ぶべき荷物の量は増える可能性が高い。
増車ではなく効率化によって対応していく必要がある。
アサヒグループのベースカーゴと外販貨物を上手く組み合わせるやり方が有効だと考えている。
その際にはどれだけ無駄を省けるかが鍵になる。
そのため運行効率を可視化する仕組みをこれから本格的に整備していく」と藤木彰二執行役員事業統括本部輸送部部長は話す。
23年4月からスマホを活用した動態管理システムの導入を進めている。
アサヒロジでは「運行効率=実車率×積載率×ドライバー実働率」と定義して、各種関連のデータを収集して分析する仕組みを整備している。
積み込み開始時や完了時、出発時や到着時などにステータスを切り替えることで、貨物を積載した状態での走行時間、荷台が空の状態での走行時間、積み降ろし作業時間、積み降ろし地での手待ち時間、休憩時間、点検や給油などの各種作業時間を取得する。
このデータに実車率や積載率などを組み合わせてトラックの運行効率を数値で把握して、改善に結びつける。
自社車両と協力会社のレギュラー車両を対象にシステムを導入する方向で調整を進めている。
既にエービーカーゴ東日本とエービーカーゴ西日本の自社トラックの一部で運用を開始している。
アサヒロジはこれまでアサヒグループ関連では主にアサヒビールやアサヒ飲料と連携してビールや飲料などの輸送効率化を進めてきたが、今後は食品分野でも取り組みを本格化する。
アサヒグループ食品と連携して、可能な限り転送を削減する物流の枠組みを構築していく方針だ。
