2005年3月号
SOLE
SOLE
SOLE報告
75 MARCH 2005こうした理念はよいが、現実のSCMには大きな問題がある。
調達先の統合といっているが、膨大な数に上り、しかも競合する相手とも取引関係のある調達先をまとめるのは不可能である。
「共存共栄」も結局は「強存強栄」となる。
企業内でも財務部門は在庫削減を目指し、営業部門は機会損失をなくそうとしている。
要するに対立しているのである。
経営者はどちらを選ぶのか、選択しなければならない。
4 グローバルSCMグローバルSCMを推進するためにはそのための基盤が必要である。
日 通 に は NEWINS( Nippon Express Worldwide InformationSystems)というシステムがある。
世界33カ国、171都市、294の拠点をネットワークしたものであって、それを利用して、在庫の一元管理、遠隔地倉庫への出荷指示、輸送ステータスの照会などを行うシステム“REWARDS”(Remote Warehouse Distribution System)を提供している。
海外で独自のシステムを構築するのは金が掛かるので、このような既存のシステムを利用したらいい。
5 中国物流とリスクマネジメント日通も中国に拠点網を築いているが、日通1社、いわゆる「中国日通」を設立することはできない。
このため各地に独立の拠点会社を十数社設けている。
広い地域に独立した拠点を設けてわかることは、拠点拠点の事情はみな異なるということで、現地に自ら赴き、自分で確かめることが重要である。
人がこういったとか、その国の特殊性をことさらあげつらって責任を転嫁してはいけない。
海外に進出して、ビジネスを成功させるには、リスクマネジメントをしっかりやらねばならない。
欧米系の製造業者は各々の国の政情、政権に関する情報について精通している。
また、輸出における物量の変化から何らかの異変を感じ取ることも重要だ。
たとえば、急に通常の数量より、大量の部品などが輸出された場合、輸入国でなんらかの異変があることを知るべきである。
最悪の場合、その国の現政権が倒れることもある。
日系企業はとかく日系企業同士での集会、親睦会が多いが、欧米系の企業とも積極的に交流を図り、情報を入手すべきである。
6 おわりに物流はいろいろなやり方があり、それはコストに大きく影響する。
船による大量輸送と、航空による小ロット輸送について考えてみよう。
船による大量輸送は一見安いように見えるが、洋上在庫を含め、在庫期間に対して金利が掛かっている。
資金が寝ているのである。
トータルとして、もう一度考え直してみる必要があると思う。
物流はアナログの世界であることを強調しておきたい。
フォーラムのシリーズ第4回目は2月16日に、ロジスティクス現場見学として、日販のロジスティクスセンターを見学した。
その内容は次月号で報告する。
3月はロジスティクス改革コンサルティングの事例紹介ということで、3月16日に日本能率協会コンサルティングのシニアコンサルタント、小林俊一氏にお話いただく予定。
このフォーラムは基本的に年間計画に基づいているが、単月のみの参加も可能。
1回の費用は6,000円。
参加希望の方やSOLE東京支部の活動内容に関するお問い合わせはSOLE_consult@jmac。
co。
jpまで。
SOLE報告The International Society of Logistics次回フォーラムのお知らせ 次回フォーラムのお知らせ SOLE東京支部フォーラムの報告 SOLE東京支部フォーラムの報告 SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティクス技術やロジスティクスマネジメントに関する活発な意見交換、議論を行い、会員相互の啓発に努めている。
今回はシリーズ第3回として行われた日本通運のグローバルロジスティクス部専任部長、今本敏夫氏による講演「これからのグローバルロジスティクスと中国物流」を紹介する。
* * *1 はじめに今日はロジスティクスについて原点に立ち返って論じてみたい。
現在のロジスティクスにおいて、IT活用(デジタル)が叫ばれているが、この世界の本質はアナログであると考えている。
コスト低減ひとつとっても、その方法、やり方や知恵の出し方いかんによって大変な可能性が拓けてくる。
小手先の改善ではなく、経営そのものを変革させるロジスティクスを目指すべきである。
2 企業活動の目的と物流の基本原則企業活動の目的は企業の繁栄であるが、それは1株主への利益還元(配当金)、2従業員への利益還元(雇用)、3社会への利益還元(社会的責任)によってなされるといわれている。
その優先順位、重点の置き所は企業、経営者によって違いがある。
また、物流の基本原則は4S+1I、すなわちSpeed(迅速)、S a f e t y ・ S e c u r i t y ( 安 全 ・ 確 実 )、 S a v i n g ( コ ス ト 削 減 )、Simplification(単純化)、Information(情報)といわれている。
これも原則は不変であるが、その意味と重点は少しずつ変わってきている。
多様化している時代に生き残るうえで、物流の合理化は必須であり、純利益を創出するための物流コスト削減が求められている。
かつての作れば儲かる時代の物流は、迅速に、安全・確実に届けることが至上命題であった。
しかし、多様化・スピードの時代である今日では、情報(IT化)、アジリティ、コストセービングが最重要課題である。
この中でもアジリティは、いわゆる変化への迅速な対応ということで、きわめて重要なことである。
3 これからのロジスティクス→SCMある関西の企業は、物流部門を社長直轄にし、物流部門に発注権およびペナルティ権を持たせており、営業はロジスティクス部門を通さないと発注できない仕組みにしている。
在庫コストに対する責任を明確にしているのである。
純利益を売上増で出そうとしたら大変な努力をしなければならない。
これに対して物流コストは、包装材料の選択、パレットサイズの変更など、ちょっとした工夫によって大幅な削減が可能である。
キャッシュフローが悪いと、格付けが低下し、経営効率を悪くする。
在庫は売れるまで現金にならないし、売掛金や受取手形は現金ではない。
現金収支に着目した経営を行い、消費者ニーズを的確に把握し(I)、消費者がもっとも欲しい商品を、もっとも望ましいタイミングで提供すること(4S)、これが経営の基本である。
SCMは「企業活動の管理手法の一つ。
取引先との間の受発注、資材の調達から在庫管理、製品の配送まで、いわば事業活動の川上から川下までをコンピュータを使って総合的に管理することで余分な在庫などを削減し、コストを引き下げる効果がある」とされている。
調達先の統合といっているが、膨大な数に上り、しかも競合する相手とも取引関係のある調達先をまとめるのは不可能である。
「共存共栄」も結局は「強存強栄」となる。
企業内でも財務部門は在庫削減を目指し、営業部門は機会損失をなくそうとしている。
要するに対立しているのである。
経営者はどちらを選ぶのか、選択しなければならない。
4 グローバルSCMグローバルSCMを推進するためにはそのための基盤が必要である。
日 通 に は NEWINS( Nippon Express Worldwide InformationSystems)というシステムがある。
世界33カ国、171都市、294の拠点をネットワークしたものであって、それを利用して、在庫の一元管理、遠隔地倉庫への出荷指示、輸送ステータスの照会などを行うシステム“REWARDS”(Remote Warehouse Distribution System)を提供している。
海外で独自のシステムを構築するのは金が掛かるので、このような既存のシステムを利用したらいい。
5 中国物流とリスクマネジメント日通も中国に拠点網を築いているが、日通1社、いわゆる「中国日通」を設立することはできない。
このため各地に独立の拠点会社を十数社設けている。
広い地域に独立した拠点を設けてわかることは、拠点拠点の事情はみな異なるということで、現地に自ら赴き、自分で確かめることが重要である。
人がこういったとか、その国の特殊性をことさらあげつらって責任を転嫁してはいけない。
海外に進出して、ビジネスを成功させるには、リスクマネジメントをしっかりやらねばならない。
欧米系の製造業者は各々の国の政情、政権に関する情報について精通している。
また、輸出における物量の変化から何らかの異変を感じ取ることも重要だ。
たとえば、急に通常の数量より、大量の部品などが輸出された場合、輸入国でなんらかの異変があることを知るべきである。
最悪の場合、その国の現政権が倒れることもある。
日系企業はとかく日系企業同士での集会、親睦会が多いが、欧米系の企業とも積極的に交流を図り、情報を入手すべきである。
6 おわりに物流はいろいろなやり方があり、それはコストに大きく影響する。
船による大量輸送と、航空による小ロット輸送について考えてみよう。
船による大量輸送は一見安いように見えるが、洋上在庫を含め、在庫期間に対して金利が掛かっている。
資金が寝ているのである。
トータルとして、もう一度考え直してみる必要があると思う。
物流はアナログの世界であることを強調しておきたい。
フォーラムのシリーズ第4回目は2月16日に、ロジスティクス現場見学として、日販のロジスティクスセンターを見学した。
その内容は次月号で報告する。
3月はロジスティクス改革コンサルティングの事例紹介ということで、3月16日に日本能率協会コンサルティングのシニアコンサルタント、小林俊一氏にお話いただく予定。
このフォーラムは基本的に年間計画に基づいているが、単月のみの参加も可能。
1回の費用は6,000円。
参加希望の方やSOLE東京支部の活動内容に関するお問い合わせはSOLE_consult@jmac。
co。
jpまで。
SOLE報告The International Society of Logistics次回フォーラムのお知らせ 次回フォーラムのお知らせ SOLE東京支部フォーラムの報告 SOLE東京支部フォーラムの報告 SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティクス技術やロジスティクスマネジメントに関する活発な意見交換、議論を行い、会員相互の啓発に努めている。
今回はシリーズ第3回として行われた日本通運のグローバルロジスティクス部専任部長、今本敏夫氏による講演「これからのグローバルロジスティクスと中国物流」を紹介する。
* * *1 はじめに今日はロジスティクスについて原点に立ち返って論じてみたい。
現在のロジスティクスにおいて、IT活用(デジタル)が叫ばれているが、この世界の本質はアナログであると考えている。
コスト低減ひとつとっても、その方法、やり方や知恵の出し方いかんによって大変な可能性が拓けてくる。
小手先の改善ではなく、経営そのものを変革させるロジスティクスを目指すべきである。
2 企業活動の目的と物流の基本原則企業活動の目的は企業の繁栄であるが、それは1株主への利益還元(配当金)、2従業員への利益還元(雇用)、3社会への利益還元(社会的責任)によってなされるといわれている。
その優先順位、重点の置き所は企業、経営者によって違いがある。
また、物流の基本原則は4S+1I、すなわちSpeed(迅速)、S a f e t y ・ S e c u r i t y ( 安 全 ・ 確 実 )、 S a v i n g ( コ ス ト 削 減 )、Simplification(単純化)、Information(情報)といわれている。
これも原則は不変であるが、その意味と重点は少しずつ変わってきている。
多様化している時代に生き残るうえで、物流の合理化は必須であり、純利益を創出するための物流コスト削減が求められている。
かつての作れば儲かる時代の物流は、迅速に、安全・確実に届けることが至上命題であった。
しかし、多様化・スピードの時代である今日では、情報(IT化)、アジリティ、コストセービングが最重要課題である。
この中でもアジリティは、いわゆる変化への迅速な対応ということで、きわめて重要なことである。
3 これからのロジスティクス→SCMある関西の企業は、物流部門を社長直轄にし、物流部門に発注権およびペナルティ権を持たせており、営業はロジスティクス部門を通さないと発注できない仕組みにしている。
在庫コストに対する責任を明確にしているのである。
純利益を売上増で出そうとしたら大変な努力をしなければならない。
これに対して物流コストは、包装材料の選択、パレットサイズの変更など、ちょっとした工夫によって大幅な削減が可能である。
キャッシュフローが悪いと、格付けが低下し、経営効率を悪くする。
在庫は売れるまで現金にならないし、売掛金や受取手形は現金ではない。
現金収支に着目した経営を行い、消費者ニーズを的確に把握し(I)、消費者がもっとも欲しい商品を、もっとも望ましいタイミングで提供すること(4S)、これが経営の基本である。
SCMは「企業活動の管理手法の一つ。
取引先との間の受発注、資材の調達から在庫管理、製品の配送まで、いわば事業活動の川上から川下までをコンピュータを使って総合的に管理することで余分な在庫などを削減し、コストを引き下げる効果がある」とされている。
