ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2005年1号
CLM報告
ロジスティクスシステムのためのセマンティック・モデリング入門

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CLM2004CLM2004グロスブナー・プローマン賞  受賞論文 Logistics Educators' ConferenceJANUARY 2005 58はじめにロジステ クスの成功は 効果的なマネジメントに必要なデ タや情報の流れを確保できるかどうかにかか ている この分野における変化は一九六〇年代から次々と起こ た コンピ タのハ ドウ アが低価格化し 洗練された 数学的モデルの開発とそれを使 たアプリケ シ ンが登場 バ コ ドのように低コストでデ タを収集できる手法も出現した こうした機能を組み合わせることで この分野における時間的・空間的な生産性は劇的に改善した Coyleetal。
1992;Simchi‐Levietal。
2002 こうした進歩を受けて多くの企業がロジステ クスをマネジメントの最前線に位置づけるようにな た 最近の Auto‐IDテクノロジ Sarmaetal。
2000;Brock2000;DinningandSchuster2003 のように 自ら現実を認識し 相互に作用しあうコンピ タ・システムを活用すれば ビジネスの意思決定に利用できるデ タ量はさらに増やせる このようなシステムは ロジステ クス・マネジメントの新たな可能性を広げるだろう たとえば 貨物追跡 Kohetal。
2003,SchusterandKoh2004 窃盗行為の発見 Kohetal。
2003 補修部品の在庫管理の改善 Karetal。
2003 軍隊における製品と兵站の管理 あるいは民間企業のサプライチ ンの分野などで有用だ しかし Auto‐IDテクノロジ によ て得られる膨大なデ タ リアルタイムの遠隔測定を含む を自動的に分析するには デ タの意味するところをコンピ タが表現したり理解できる新しい数学的モデルを付加する必要がある 現場のロジステ クス・マネ ジ は 数学的モデルを構築するプロセスは生産性が低いとしばしば指摘する その実行は複雑で時間がかかり 最先端の技術力とインフラが必要だからというのが その理由だ 過去に遡ると 複雑なロジステ クス・システムを構築する際の意思決定を助けるために 数々のモデルが利用されてきた実績がある にもかかわらずロジステ クス・マネ ジ は 相変わらず自分が所属する経済団体や学会など内輪の世界でだけ通用するモデルを開発している こうしたモデルは本来 それぞれのロジステ クス・ビジネスごとに利用できるアプリケ シ ンであ て 新しい状況が発生するたびに改善していくべきものなのだ 前述した経済団体や学会のような世界で開発を進めることも あるいは重要なブレ クスル につながるかもしれない しかし こうした試みは 現場の試行錯誤や 数学的なアプロ チ そして技術的な専門知識など あらゆる分野の経験を総動員しながら開発していく方が理に適 ている ソフトウエア会社は 八〇年代初めにモデルをネ トワ クサ バ上にインスト ルするためのパ ケ ジ化を始め 組織的に広く モデリング能力を発揮することを可能にした こうしたアプロ チによ てたしかにモデリングの生産性は改善したが この手法を小規模の問題解決メソ ドを持つ個別ユ ザ に適用することはできなか た 企業で使用するようなパ ケ ジソフトの世界でも こうしたモデルは創造的なアプリケ シ ンとしてはほとんど利用されない巨艦のようなものとして構築されてしま た 一方 ユ ザ 独自のシステムについても モデルの想定とは異なる環境においては ビジネス・アプリケ シ ンごとにモデルを共有する可能性を欠いている 情報理論について一般的な問題点を考えてみよう 最近のコンピ タは より速く より安くメモリ を購入できるため豊富な情報量を扱える ところが実際にコンピ タに課せられている処理ロジステ クスシステムのためのセマンテ ク・モデリング入門デイビ ド・L・ブロ クマサチ セ ツ工科大学 主席研究員エドモンド・W・シ スタ マサチ セ ツ工科大学 ロジステ クスデ レクタ スチ ア ト・J・アレンペンシルバニア大学 名誉教授ピナキ・カ ニ ヨ ク州在住 コンサルタント内外でICタグをめぐる動きが慌ただしい ロジステ クス分野で有効な技術と言われて久しいが ツ ルの持つ可能性を活かすには多くの技術的な難題をクリアする必要がある この分野における最先端の研究報告として 米CLM 二〇〇四年一〇月開催 の ロジステ クス・エデ ケ タ ・カンフ レンス でグロスブナ ・プロ マン賞を授与された学術論文を紹介する 本誌編集部 ※ マ クは各左頁の用語解説参照 59 JANUARY 2005能力 たとえば処理すべき書類の数や デ タの記憶量は 一〇年前とほとんど変わ ていない つまり現在のコンピ タはデ タを保存し 処理し 人間に対してデ タを送る高い能力を持 てはいるが 人間が直接働きかけない限り本質的には何もしないのである それでも コンピ タには人間には真似のできない凄まじい能力がある 大量の情報を格納・分析できるような大規模なインタ ネ ト・システムを設計すれば 世界中のいたるところで さまざまな処理の結果を自動的に他のコンピ タと共有することが可能になる つまりコンピ タ・ネ トワ クには 人間が直接的に働きかけなくても 単独あるいは集合体として作動する潜在的な能力がある コンピ タのこうした潜在能力によるメリ トを最大限に引き出せずにいるのは ハ ドウエアや通信技術が原因なのではない ネ トワ ク上で複数のアプリケ シ ンやデ タを共有したり モデルのあいだを自由に行き来できるような コンピ タ 言語や標準的なル ルが存在していないためだ 本論文で我々は コンピ タで扱う言語と プロトコルを構築するための ある種の 標準 スタンダ ド について議論したい これを実現すれば ネ トワ ク上に分散するさまざまな情報から自動的に新しいモデルを構築することが可能になる Brock2003a;Brock2003b これによ て 刻一刻とモデリングが進められるようになりモデルの数は飛躍的に増える Fine1998 意味を持ち 理解し 実行する機能を備えたモデルをコンピ タで利用すれば そこから得られる効果も飛躍的に増大する こうした機能はサプライチ ンにおけるスマ ト・オブジ クトの可能性を実証することにもつながるはずだ 我々が提案する新しいコンピ タ言語のインフラは 二つの特徴的な目的をもつ オ プンな標準である 一つは 複数のコンピ タ間で相互運用できるモデルであること 二つめは インタ ネ ト上で自在にモデルを利用できることだ この試みによ て我々は モデリングに関して長年信じられてきた 個別の施策ばかりを強調する考え方に敢えて挑戦することになる 我々の目指す究極のゴ ルは 新しいアプリケ シ ン開発のスピ ドを早めるために 統合したモデリングの体系を構築することだ この論文の終わりに モデルのような抽象的な事柄のためにネ トワ クを構築することへの我々の考えを述べる ある意味でこの試みは 物質的な世界 Auto‐IDテクノロジ が成功に導いた概念 をつなぐことを越えたステ プになり得るはずだ 物質的か抽象的かに関係なく ネ トワ ク上を情報が縦横無尽に行き来することによ て生産性が飛躍的に向上する可能性が拓けてくる こうした インテリジ ント・モデリング・ネ トワ ク の構築は ロジステ クス分野の多くの専門家への情報提供のスピ ドを飛躍的に加速し 大きな利点をもたらすことになるであろう セマンテ クに基づく検索現在のインタ ネ ト・システムは モデルを正確に記述するにしても すでに広く使われているモデルを相互運用するにしても 何も意味のあることはしてくれない たいていインタ ネ トは 大規模な検索エンジンでアクセスできる唯一の 構造化されていないデ タの静的宝庫 とい た役割しか果たしていない Fenseletal。
2003,p。
377 インタ ネ ト上でデ タを検索する方法はかなり改善されてきた しかし 人間との相互作用はまだ不十分で セマンテ クスの問題はかなり大きい 一般的に HTML言語はデ タに刻み込まれた豊富なメ セ ジやその本質を意味する仲介役にはならない とされている Fenseletal。
2003,p。
7 本論文の著者の一人が 家庭用の検索エンジンを使 て実際に 樫 収穫用の作業台 と入力して検索してみた その結果 樫の木を収穫する林業を営むサイトや 収穫に適した時期などを説明するサイトなど 多くの参照先がはじきだされた そこから家具に関するサイトにたどり着くためには 膨大な情報の中からさらに検索する必要があ た インタ ネ ト上でのこうした作業は 人間が時間をかけて取捨選択をする作業を通じてはじめて完結する 情報またはモデルの意味を解釈するために検索を繰り返すという不正確なやり方をしている限り ロジステ クス・モデルを構築する生産的なツ ルとしてインタ ネ トが利点を発揮するのは不可能に近い いくつかのタイプのウ ブ検索エンジンにキ ワ ドを入力したときに発生する意味論的 セマンテ ク な問題は ウ ブ上の情報の記述の仕方に起因する 各キ ワ ドは複数の意味を持つ可能性があるため 正確に意味を検索しようとすると非常に困難な状況が生まれる 連語や名詞を検索しようとしたら さらに困難は増す 正確な検用語解説セマンティック単語や文の意味や属性をあらわす情報モデリングあるシステムをコンピュータで処理可能な形式で表現すること数学的モデルある現象を数学的に説明するモデルAuto‐IDテクノロジーICチップを使って物品の情報を自動的に取得する技術コンピュータ言語コンピュータに読解できる言葉プロトコル通信でデータを受け渡すときのルールオープンな標準相互運用な可能な公開された約束事セマンテックス意味論:言語表現とその指示する事態との関係を取り扱う学問HTML言語ホームページを作成するときに使われる記述言語 JANUARY 2005 60索ができない現状では 機械が理解できる言語でも作らない限り WebofInformation を効率よく渡り歩くことは不可能だ このように依然として検索エンジンの問題が解決されていないにも関わらず 産業界は WebofThings のような新型のインタ ネ トを求めている Auto‐IDテクノロジ や ユビキタス・コンピ テ ングの開発に急かされるように WebofThings は リアルタイムのコミ ニケ シ ン手段として RFIDタグを用いながら物品をインタ ネ トとリンクさせようとしている そうすることによ て現状では機械でしかないコンピ タを 私たちの日常活動の中にぴたりと埋め込まれたものへとシフトさせようというのだ Fenseletal。
2003,p。
363;Weiser1991 こうした動きを EPCグロ バル が支援している この団体は UCC UniformCodeCouncil と EAN EuropeanArticleNumbering が共同で設立した EPCグロ バル は電子的な製品コ ド ElectronicProductCode=EPC の管理システムを運営しており これによ て物品の個別認識を可能にしている インタ ネ トの検索エンジンや専用の追跡システムによ て 物品に関する情報を連続して調べることは可能だ しかし EPCグロ バル のシステムを使えば より正確に情報を探し出すことができる サプライチ ン全体を通じて貨物を追跡できるようになり ロジステ クスの専門家にと て大きな意味を持つようになる Auto‐IDテクノロジ とユビキタス・コンピ テ ングを駆使して物質的な世界をつなぐことは リアルタイムかつ正しい情報の取得によ て今後の流通革命の根幹となるであろう SchusterandBrock2004;Schusteretal。
2004a;Schusteretal。
2004b このように WebofThings の世界を作り出すことが 現存する単純なシリアルナンバ による物品識別を越えるものとして注目を集めている その一方で 物事を記述するときのセマンテ クスの問題への言及はまだない たとえば 抽象的な事象が膨大に存在する数学的モデルにおいては いかに言語構成を精緻にしても唯一無二のシリアルナンバ だけで事象を識別するのは不可能だ こうした識別をできないまま 物質世界をつなぐのと同じようなやり方で数学的なモデルを相互運用しようとしても インタ ネ トはほとんど何の役にも立たない aEPCGlobal,inc。
http://www。
epcglobalinc。
org/ ネ トワ クを通じてモデルを定義したり共有することが 将来的にはモデルそのものと同じぐらい重要になるであろう そして このようなより高いゴ ルに到達するためには インタ ネ トは WebofInformation や WebofThings に加えて WebofAbstractions へと変わ ていく必要がある WebofAbstractions を構築するには 正確で なおかつ機械で認識できる意味論的な定義をモデル化することが求められる こうして定義されたモデルは検索・集約・分類することが可能だ 膨大な情報からなる大規模に統合された環境において 複数の事象を同時に処理することができる これらの統合されたモデリング環境は仮想現実だけに存在し ある特定のモデルに対してダイナミ クな メタ構造を構築できる可能性を秘めている WebofAbstractions モデルが構築されれば デ タの利用を通じて 現実の問題により迅速に対処することが可能になる エンドユ ザ が使用しているアプリケ シ ンを介したデ タの共有もできる これを実現できればロジステ クスの専門家と研究者の双方に多大な利益がもたらされる なぜなら 現場で意思決定をするためのロジステ クス・モデルに大きな価値をもたらすことが彼らの仕事だからである モデルを表現するスキ ムコンピ タ・サイエンスの世界では WebofAbstractions を構築するうえで欠けているのはオントロジ ontol‐ogy の概念だと以前から一貫して指摘されてきた 簡単に説明すると オントロジ とは ある抽象的な概念が何を意味しているかを表現し それが周囲とどのように相互に関連しているかを特定する Fenseletal。
2003,p。
34 ことだ 知的行動のき かけとなる生の情報と その重要な目的を探し出したときに この概念によ て順序が提供される一例をあげると 人工知能の構築にコンピ タを利用してきたある研究者グル プは 次のように結論づけている 知的行動にいたる筋道というのは それが人によるか機械によるかに関係なく かなり高度な選別作業だ これは いわば綿密に調べた樹木を徹底的に刈り込むかのような作業である FeigenbaumandFeldman1963,p。
6;Allen1986,p。
3 正確にきちんと構築されたオントロジ は ネ トワ ク上を自由に行き来する抽象的な事象の検索時間を短縮する可能性を持つ 速く正確な検索が実現すれば より多くの適切なアプリケ シ ンを見出せるかもしれない ただ現実には 多数のロジステ クス・モデルの中から広範囲にわたるアプリケ シ ンの適切なものを探し出すのは容易ではない オントロジ によ て 数学的モデルのように機械的に認識できる抽象的な事象を整理するためには 二つの重要な側面を考慮しなければならない 第一に オントロジ は 抽象的なモデルにも意味論的に正確な定義が存在することを前提としている ところが数学的なモデルをキ ワ ドで分類する最近の流れには こうした正確さが欠落している たとえば プランニング や スケジ リング とい たキ ワ ドは 前後の文脈しだいでま たく異なる意味を指すことになる 61 JANUARY 2005第二に オントロジ は あるモデルを一つもしくは複数のモデルと関連づけることによ て そのモデルの機能を間接的に明らかにする役割を持つ このことは異なる複数のロジステ クス・モデルの関係を大きな視点から捉えるうえで重要な意味を持 ている 意味論的に正確なマ チングができるという点から 検索時間を大幅に短縮することも可能だ それでもロジステ クス・モデルを構築するのにオントロジ を活用することそのものに 決定的な逆行がある オントロジ を使うモデルの限界オントロジ の考え方は厳密で柔軟性を欠いており 知識の要素ごとに一つの絶対的な定義があることを前提としている そこでは正統で不滅とされる数々の抽象的なモデルを定義し それらの相互関係を描き出そうとする このことは 徹底した研究と厳密な審査しだいでは オントロジ 的な思考がロジステ クスのモデリングのためにも有効であることを意味している しかし 長い時間がた ても陳腐化しない包括的な原理を 学会に所属する個人やロジステ クスの専門家が考案できると考えるのは現実的ではない オントロジ 的な思考によるアプロ チは 中世に西洋的な思考を支配したスコラ哲学の原理と同じ欠点を持つ 系統立てて知識を伝えるやり方が 意図的にではなくその規範の外部にある高度な革新を妨げてしまうという事実は すでに歴史が証明している さらに付け加えると 融通の利かないオントロジ の構造は 帰納的な論証に基づく適応能力が欠落している 新しい知識を生み出すために 時間の経過に従 て特定の事例から何かを導き出して自動的に学ぶ能力がない これは たいていの専門システムの持つ構造的な限界でもあり 実際に使われている専門的なアプリケ シ ンが劣化してしまう主な理由でもある 極めつけの欠点は 別々のオントロジ を統合することの難しさだ 複数の抽象的なモデルを体系化することによ て検索時間を短縮するという利点を考えれば 異なるクラスの二つのモデルを統合するための簡単な翻訳方法やインタ フ スは存在しない この分野における進歩は 多様な異なるモデルの間で自由なやり取りができたときに初めて現実のものになると我々は確信している こうした能力を備えていなければ モデルを共有しながら相互運用できるコンピ タ言語の創造も徒労に終わるであろう モデル表現の相対的アプロ チコンピ タ・サイエンスの分野におけるオントロジ の不都合を克服するため 抽象的なモデルを表現するときの単一で統合されたやり方をまず放棄することを我々は提唱する 現実世界で事象を表現したり 複数の事象の相互関係を示すときには ほぼ完全に人間の視点に依存しているからである そしてこうした表現は 独りよがりで特異なものになりがちだ 別の言い方すれば あるモデルを表現する一つのオントロジ の描写に対して 我々はよりフレキシブルな表現を好む また 我々のアプロ チは ダイナミ クで高速なモデル分類の手段も生み出す その手段とは 個人の視点という機能から生み出される階層的なモデルの体系である 我々が考えるシステムではオントロジ 的な唯一無二の体系は存在せず それが複数ある ひとたび何らかの表現を入力すれば 複数の異なる表現の体系が 誰にも否定されることなく同時に存在することになる このアプロ チのなかで個別のモデルは微細な要素に過ぎず それらは同一もしくは複数の階層に分類される可能性がある 特定のアプリケ シ ンをダイナミ クに かつ新たにグル ピングするとい た分類方法や 所有権を認めるスキ ムが 商業ベ スのデ タ辞書にと て必須と産業界で認知されることになるかもしれない こうした表現方法や関係性を持つように体系化されたモデルは コンピ タがどのような仕事をこなす場合でもダイナミ クかつ柔軟に対応できるはずだ 本論文の後半では 我々の観点からみて WebofAbstractions を構築するうえで不可欠なモデルの記述方法の事例を述べる 次の二つの項では 現場での実践と理論的な観点 そこにさらにコンピ タの進化の視点も交えて ロジステ クスの研究者が長年改良を重ねてきた既存の数学的モデルに関する議論を進める ロジステ クスのアプリケ シ ンで セマンテ ク・モデリング を実現できるかどうかという見通しは コンピ タ・サイエンスとロジステ クスの実務が交差する領域において描き出されることになる セマンテ ク・モデリングモデリングの作業は 生産ラインが出現する以前の 手作業による自動車の組み立て現場に似ている モデルはいたるWeb 
錚罅。
稗遑罍錚鬘蹌瓧遙蕋錚郛霾鵑クモの巣のように張りめぐらされた世界Web 
錚罅。
圍茖蕋遑脾麒品がクモの巣のように張りめぐらされた世界ユビキタス・コンピューティング生活環境のあらゆるところにコンピュータが組み込まれている環境RFIDタグICタグ、無線タグの別称EPCグローバルUCCとEANが共同で設立したICタグの標準化団体UCC(Uniform 
達錚筍紂。
達錚ncil)米国の標準化団体EAN(European 
腺鬘遙蕋磽譯紂。
裡mbering)欧州の標準化団体Web 
錚罅。
腺癸鵤遙鬘瓧磽遙蕋錚遑鹵蠑歸な概念がクモの巣のように張りめぐらされた世界メタ構造情報に関する情報を持たせる構造セマンティック・モデリング入門 JANUARY 2005 62ところにある ユビキタスな 管理ツ ルだが たいてい互いに無関係に存在している たとえば天気予報のようなジ ンルのモデルと ロジステ クス・システムのような異なるジ ンルのモデルが 相互に影響し合うことはない その理由は明らかだ ごく最近まで人間は モデルを作り 使い かつ複数のモデルを共有し合える唯一の生物だ た そして我々の持つ限られた経験的知識に基づく能力では 適合できるモデルの数と多様性はおのずと制限されていた 一方 コンピ タは 別の膨大なコンピ タとの間でモデルを処理したり 相互にやりとりすることが可能だ グリ ド・コンピ テ ングの技術を使えば 物質的な世界を理解したり管理する我々の能力に大変革をもたらすことができる 現在のインタ ネ トの機能やそこで使用されている言語は コミ ニケ シ ンのためのバ クボ ンにはな ても 多様なモデルを記述したり統合するメカニズムは備えていない だが将来的には 利用者が必要に応じて使える 電力供給と同じようなコンピ タ網を構築し 必要に応じてモデルを作るようにな ていくはずだ London2003 我々のゴ ルは モデリングの作業を大規模な生産システムに変えていくことだ このシステムは 標準化され 大規模で かつ相互運用できる 要約すれば セマンテ ク・モデリングのための言語は以下の機能を満たしていることが不可欠となる 1内容の意味するところを自動処理するための公式構文 syntax と公式言語 semantics を兼ね備えている Fenseletal。
2003,p。
8 2 現実世界で使われている言葉に即した標準的な語彙によ て人間のエ ジ ントとも情報や知識を共有できる Fenseletal。
2003,p。
8 このゴ ルの達成は 実務の専門家が 高い生産性と適合性を併せ持つモデルを必要に応じて作れるようになることを意味する これは新しいコンピ タ時代の幕開けを先取りしたものでもある これまでにない見通しと認識に基づいてデ タを扱うことが可能になり 正しいセマンテ クの観点からモデルの活用を明確に規定できるようになるのである 我々の推進しているモデルを大量生産するメカニズムと それらの相互運用は WebofInformation における検索能力を改善してきた最近の進歩から着想したものだ W3Cには ウ ブ上の検索の全般にわたる改善のために何をすべきかを判断して取り組む義務がある W3Cによる初期の仕事のなかには 我々の研究をベ スに WebofAbstractions を開発し実施していくためのレフ レンス 言語:語や記号とそれが指示する対象物との関係 の形成も含まれている 注b:W3CSemanticWeb,http://www。
w3。
org/2001/sw/ 各々の抽象的なモデルは特徴ある一つの要素に過ぎないが それらを個別言語のように特徴的な構文や文法によ て定義することは可能だ も ともモデルを個別に定義しても インタ ネ トのような広大なネ トワ ク上で使うときには何の利益ももたらしてくれない そこでは 会話したりモデルを実行するためのプロトコ ルと そうした用途にも耐えられるコンピ タ言語の存在が不可欠だ セマンテ ク・モデリングを確立しようという我々の努力は 単に機械に何らかの情報を表示することを狙 ているのではない ある意味で デ タやモデルを定義し関連づけるという考え方に基づいている むしろ業務を自動化し 統合し そして多様なアプリケ シ ンを横断的に再利用できるようにすることを狙 ている 数多くのユ ザ が参加するネ トワ ク上で 個別モデルの横断的な再利用が加速すれば モデルの大量生産がうながされ 実務家に多大な利益をもたらすことになるはずだ さらに遠く離れた場所で個別モデルに関するモデリングを同時に進めることは 大規模な パラレル・コンピ テ ングの実現にもつながる こうした能力がデスクト プ・コンピ タをより役立つものへと向上させ ほとんど無限ともいえるモデリングの力を有効活用する環境につながるであろう 注C:SoftwareAgentsforDistributedModelingandSimulation,http://www。
informatik。
unirostock。
de/_lin/AnnounceIEEE/node2。
html W3Cは RDF ResourceDefinitionFormat と呼ばれる機械で処理可能なセマンテ クの基本について定義している Fenseletal。
2003,p。
9 しかし 膨大なスケ ルで同時にモデルを作成したり共有するための正式なコンピ タ言語を推奨しているわけではない 次の章では セマンテ ク・モデリングを実現するコンピ タ言語とプロトコ ルについて 我々が描いているビジ ンの概略を説明する システムの設計我々の基本的な考え方は モデルを形成するためのいくつかの標準的な言語体系をデザインすることにある これらのモデルは 複数のモデルを合成して利用するような環境下でも自動的に統合することが可能だ このやり方の下では 開発者はそれぞれの専門に特化して明確なモデルを作ればいい そして このモデルを皆が共有する環境下におけば 結果として相互運用できるようにな ている モデル同士の互換性を確保するためにどの程度の許容範囲を設定するべきかという問題は残るが 定義の段階で細心の注意さえ払えば 明確で記述上の表現力が豊かな個別言語を作り出すことは可能だと我々は考えている まずは たとえばAuto‐IDテクノロジ のようなものを介して 物資的な世界か 63 JANUARY 2005ら デ タを総合的に入手できる環境を創り出す必要がある そして そこから意味を見出して解釈し 現状を理解し 将来的に起こるであろう環境の変化まで予測することが最終的なゴ ルとなる こうして得るデ タは 自動的な意志決定システムにと て不可欠のものだ 言い方を換えれば デ タが意思決定のための アルゴリズムのネ トワ クをサポ トし 情報に裏付けられた決定や入念な計画を立てることを可能にする ひいてはこれが物質的な世界へフ ドバ クされることになる この種のモデリング作業は 業務を自動的に制御し監視するときに また実際にマネジメントしたり計画を立てるときに土台となる必須のものである 考えられる設計の仕様は次の四つの基本要素からなる デ タ・モデリング・ランゲ ジ DML デ タ・モデリング・プロトコ ル DMP オ トメイテ ド・コントロ ル・ランゲ ジ ACL オ トメイテ ド・コントロ ル・プロトコ ル ACP DML はモジ ルを記述するセマンテ クで 相互運用が可能なモデルの構成要素である DML で記述されたモデルは 置かれた環境のなかで モデル自身が判断しながら自動的に実行可能なモデルへと組み上が ていく 相互運用が可能なモデルを記述するやり方はたくさんあるが 我々はデ タの入力 つまりモデルの構成要素を記述する方法に焦点を当てている この考え方の詳細については 本論文の終わりの方で紹介する事例のところで改めて言及する 我々は グリ ド 注D のように異なるネ トワ ク上に位置する雑多な構成のプラ トフ ムのなかでも いかなるモデルでも縦横無尽に処理されるべきだと考えている 互いに通信し合える複数のコンピ タがあるなかで 複数のモデルの運営者の役割を果たすセマンテ クが DML である 注D:TheGlobusProject。
http://www。
globus。
org/ DMP の唯一にして最大の存在理由は 異なるコンピ タ・プラ トフ ム上で同時に動く複数のモデルのオペレ シ ンを調整することだ 場合によ ては この調整能力が コンピ タ・アルゴリズムの体系を形成することにもなるはずだ 異なるプラ トフ ム上で機能している別のモデルにデ タを入力する情報伝達のタイミングとか モデルを動かすタイミングとい た秩序がここで決められる 現実をきちんと再現できることが モデルが達成すべき最初の目的となる もちろん我々が本当に実現したいと考えている中核的なゴ ルは 知的な意志決定をできるフレ ムワ クを整えることにある 現状ではこうした意志決定の大半を人間が行 ているが こうした行為は次第に統合されたシステムに取 て代わられることになる そのための要素を ACL は詳細に記述する 我々は こうした意志決定の要素が 恐らく数百万に上るであろうネ トワ クのなかで今後も存在し続けるだろうと考えている もし我々がこのようなネ トワ クの構築に成功したら 意思決定をするうえでの要素の関係は複雑なものになるはずだ この要素はすでに専門的な内容と階層的な体系を持 ているが 必要に応じてネ トワ クの接続形態が再調整され 特定の タスクを処理するのに適した下位の階層がダイナミ クに創り出されることになるであろう いずれにせよそこでは 一つの共通言語によ て 本質的に異なる要素同士のコミ ニケ シ ンを成立させることのできる標準的なプロトコ ルが必要になるはずだ この目的を達成するために ACP が機能する ACP を使うことによ て たとえ個々のモデルが異なるホストシステムのなかにあ ても 意志決定のための要素は互いを探し出すことができるのである 図1に示したように 言語とプロトコ ルの結合体である DML DMP ACL ACP は 汎用的でかつ総合的な体系を形づくるために必要な基礎構造を表現する 我々の考えでは コンピ タは自動的に総合的な体系を作りあげていくことができる さらに これを自らリアルタイムで分析し修正しながら 物理的なシステムの管理と そのシステムがどうな ていくかを予測していくことになる グリッド・コンピューティング大きな計算問題を膨大な数の小さな問題に分けて分散処理する計算技術W3CWWWで利用される技術の標準化を進める団体パラレル・コンピューティング複数のコンピュータを組み合わせて一つの高機能なコンピュータとして使う技術RDF(Resource 
庁紕罍蕋遑蕋遙蕋錚遏。
藤錚鬘蹌瓧堯望霾鵑亡悗垢訃霾鵝淵瓮疹霾鵝砲魑述する方法アルゴリズム問題を解決するための処理手順。
コンピュータでいえばプログラムタスク処理における実行の最小単位図1 
庁唯漫■庁唯弌■腺達漫△修靴藤腺達个鮖箸辰拭.皀妊螢鵐阿粒鞠或沺 (散している意思決定プロセス(各要素は「ACL」で記述) 「DML」で記述されたモデルの貯蔵庫  モデルの貯蔵庫とは「DM 
弌廚魏陲靴討笋蠅箸蠅垢襦 孱腺達弌廚鮖箸辰拭^媚弖萃衢彖任慮鯲 ●体系づけて格納されているモデルを  複数のコンピュータで相互利用する ●複数のコンピュータを相互利用する  意思決定システム 複数のコンピュータを供給源としながら意思決定の要素をモデル化する。
このモデルは「DMP」で体系づけられている。
 複数のコンピュータを供給源としながら意思決定の要素をモデル化する。
このモデルは「DMP」で体系づけられている。
 セマンティック・モデリング入門 JANUARY 2005 64ロジステ クスからの事例かつてのロジステ クス・エデ ケ タ ・カンフ レンスで ある研究者がサプライチ ンのパフ マンスにおける APS advancedplanningandschedulingsystems の効果について興味深い記事を発表していた ClossandNair2001 これはサプライチ ン・マネジメントにおけるAPSの役割について 大学生が適切に学べるようカリキ ラムを変える必要があるという主張も含む発表だ たが ここでのコメントによると 我々はAPSの重要な一部分であるFCS finitecapacityscheduling に関する文献を精査することを決めた そして初期のデモンストレ シ ンの事例からセマンテ ク・モデリングのあり方を見出していきたい とあ た 一般に FCSの解決方法は数多く存在する 不完全なものまで含めれば 数学的プログラミング シミ レ シ ン ヒ リステ ク アルゴリズム ニ ラル・ネ トワ ク 制約理論 エキスパ ト・システムなどがある このうち最初の三つは ヒ リステ クと同様の手法として実務のなかで頻繁に見かける たとえば 市販されているスケジ リングのパ ケ ジソフトの約八〇%がヒ リステ クによる解決手法を用いている Melnyk1998 詳細な分析によ て明らかにな たところによると FCSの各モデルから ソリ シ ン手法やアルゴリズムをベ スとする特性を見出すことができる SchusterandAllen1998 表1は 修正を加えていないアプリケ シ ンそのものが備えている能力をまとめたものだ スケジ リングのための手法数学的プログラミング シミ レ シ ン ヒ リステ クなど 図1に標記した各モデルクラスに属する市販のFCSからは ビジネスで利用するための重要な機能を備えていないという共通の問題点が見出せる このことは 新しいやり方でも と幅広く既存のモデルを組み合わせることができれば 将来的な前進が可能なことを示している 最近の論文が 実際に導入した際に起こりうることの予想という観点から FCSの本質的な問題について述べている Schusteretal。
2000 そこでは いくつかの異なる効果を得るためのモデルグル プも含めて取り上げられているが 基本的にすべてのグル プが同じスケジ リングの問題を扱う この一連の研究では 異なるモデルを結合することで より高い性能を持つ新しいモデルを作れるかどうかを一つのシンプルな事例を使 て紹介している そのうえで ある事例を通じて こうした作業をある程度 自動化するためのコンピ タ言語とプロトコ ルの開発が 専門家と研究者の双方にと て重要であると論証している 事例では 消費財を扱う産業に共通する 生産計画に用いるいくつかのタイプのモデルが扱われている 高度な顧客サ ビスを求められる消費財メ カ にと ては 生産末期の製品が欠品を起こすリスクに適切に対処したり 需要のピ ク時でも生産能力による制約を発生させないとい たことが重要だ 論文で扱われている各モデルは すべて同じ消費財メ カ によ て一五年間にわた て利用されてきた 以下 各モデルについて説明する モデルA 決定のためのシミ レ シ ン DeterministicSimulation SchusterandFinch1990 入力した顧客サ ビスのレベルから算出する在庫水準を基準に 各アイテムごとに個別に生産計画を立てる それぞれの生産アイテムは 合算すると輸送トラ クを満載できるように計算されている このモデルでは当初 生産能力には限界がなく 生産の準備をしたり 在庫を維持・管理するコストは考えていなか た しかしながらこのモデルは 需要予測のダイナミ クな変化や 在庫計画を作る段階での思惑も考慮に入れた安全在庫に関する計画手法を提供してくれる モデルB 数学的プログラミング MathematicalProgramming AllenandSchuster1994 消費財ではパ ケ ジサイズから製品群の構成を定義できる この事実を利用しながら 完成品に至るまでの工程のあいだに製品群に起きる要素を分解した 二層構造のプログラムによ て生産計画を策定する このアプロ チは コストに基づく最適なソリ シ ンを提供し さらに雑多な要素の入り交じ た数学的プログラミングの問題点を ほぼ瞬時に解決するという革新的な役割を果たすことになるはずだ モデルC 自律的な動きが連続して起こるヒ リステ クなMODS Allenetal。
1997 MODS ModifiedDixonSilver メソ ドを使 たスケジ リング 生産の準備をしたり 在庫を維持・管理する 表1 異なるスケジューリング手法の比較   属 性  数学的プログラミング  シミュレーション  ヒューリスティクス ×=機能 作 業 時 間  待 機 時 間  顧客サービス 予 測 誤 差  準 備 コ ス ト  維 持 コ ス ト  時間外コスト 処 理 能 力  生 産 ロ ット  生 産 手 順  支 払 期 日  商品群の構成 × ×  × × × × × × × × × × × × × × × × × × × ×  65 JANUARY 2005APS変化を予測しそれに基づいてスケジュールを立てるシステムヒューリスティック特定の仮定を立てることで問題解決を迅速にする手法アルゴリズム・ネットワーク問題を解決するための手順を得るためのネットワークニューラル・ネットワーク人間の神経回路をまねて情報を処理する手法エキスパート・システム特定分野に特化した専門知識のデータベースを使って推論する手法コスト さらに在庫管理に要する時間などに基づいて生産計画を最適化していく モデルD 従属的な動きが連続して起こるヒ リステ クなMODS D’Itrietal。
1998 アイテムごとのコストによ て from‐to テ ブルの向きを見直すという考え方をベ スに 連続的に生産するというMODSに基づくNNVO nearestneighborvariableorigin によるヒ リステ クの第二段階の手法 システム設計の関係性互いに互換性のある要素の集合体としてモデルを見ると 新たな組合せを見出せる可能性はとても大きくな ている 我々のシステムに関する定義を使えば DMLはさまざまな要素からなるモデルを記述することが可能だ たとえば計画段階での思惑まで考慮に入れて安全在庫を管理するモデルAで使 ている仕組みをモジ ルとしながら 他のモデルと相互運用することも可能だ そしてACPは インタ ネ トのようなネ トワ ク上に分散している多様なモデルの存在場所を 互いに認識できるメカニズムだ たとえばモデルA B C Dについて分析するとすれば 開発者は 長年の研究成果として数学的な能力と結びついたFCS領域の成果としてのモデル要素を見出すことができるようになる 分散されたモデリングが発生する場所では DMPは切り離された別のコンピ タ・プラ トフ ムにあるモデルとの間でコミ ニケ シ ンをとれる たとえば 思惑を排除した在庫計画を作るモデルAは 異なるプラ トフ ム上にあるMODS手法によるモデルCと 互いに計算結果をやりとりしながら計算を進められるかもしれない そこではDMPがモデルを動かしたり デ タを伝送するタイミングの指示を出す システム設計の項目の最後に述べるACLでは 重要な意志決定を行うためのモデル要素 出力 が 異なるプラ トフ ム上にあるモデルとコミ ニケ シ ンをとることができる あるモデルが導き出したデ タ 出力 は 別のモデルにと ては取り込むべきデ タ 入力 となるかもしれない 前述した事例でいえば モデルAが算出した安全在庫水準というデ タを モデルBとCとDに入力する この際にACLは 一つのモデルの出力と 他のモデルへの適切な入力をマ チさせることができる ロジのセマンテ クスここでのゴ ルは DML ACP DMP そしてACLをベ スとする相互運用が可能なシステムを構築することだ そこに向かうための最初の視点は モデルの意味論的な定義を正確に定めることだ た たいていのモデルは それが異なる意味を持 ているかもしれないにもかかわらずキ ワ ドに依存して記述されている そこで我々はこれとは異なる方法でモデルを定義するアプロ チを提示した DMLの意図するところは モデルのなかの共通の要素を機械が理解でき 異なる機械との間で相互運用できるように意味論的なラベルを貼 て分類することにある 意味論的なラベルをつけるという我々のアプロ チは 各々のモデルで使用されているさまざまなアルゴリズムや そこから出力される意志決定に関する主張を見過ごしかねないという問題を含んでいる しかし むしろ我々が焦点を当てているのは 各々のモデルが要求するデ タ 入力 であり これは同一グル プに属する共通のモデルが機械的に理解できるものだ このことはモデルとデ タの間に存在するユニ クかつ特別な関係を前提としている 現実の問題として我々は 入力するデ タに特有の言葉でモデルを定義しようとしている そうすることで それぞれの構成要素 モデル に使われているアルゴリズムの分類を試み より定義が比較しやすい明確なセマンテ クを得ようとしている モデルを形づくる複雑なアルゴリズムを定義するキ ワ ドが 意味論的に異なる定義を持 ていることは周知の事実だ さらに付け加えるならば ときとしてキ ワ ドの記述は ロジステ クスやマネジメント・サイエンスに関する正式な訓練を受けていない専門家のビジネスにと ては何の意味も持 ていない 表2 次ペ ジ では セマンテ クを作りあげるために デ タ入力がどのようなツ ルになるのかを示している この表からは モデルA Dまでのすべてに D1 D4とD7の入力デ タが共通していることが分かる このことはモデルA Dを同じグル プに分類することが自然であることを示している これらのモデルを同じデ タで使うと まず最初に同様の問題にぶつかることが分かる この場合は 消費財メ カ の生産ラインのスケジ リング また この四モデルはデ タに関する相互運用が可能だ いずれのモデルについても 生産ラインのスケジ ルを得るために同じデ タを利用することができた 結論として デ タ入力からモデルを定義することで 意味論的に明確な結果をも てモデルを共通のグル プにあてはめることができると分か た さらに 入力するデ タをセマンテ クスの確立に使うことは グル プのなセマンティック・モデリング入門 JANUARY 2005 66かのモデル間の違いを明確にするうえでも役に立つ おそらく 仮に異なるソリ シ ン アルゴリズム を使用したら モデルグル プのデ タ入力は同一ではなくなるだろう また 表2からは すべてのモデルが消費財業界に特有の生産工程のスケジ ルを編み出すことができない限り 四モデルのいずれでも 入力された同じデ タを共有することはできないことも分かる このことから デ タ入力によ て同じグル プに分類されたモデル間でも違いを認識することができる また 使用されるソリ シ ン アルゴリズム の手法から間接的に暗示されることもある たとえば モデルB C Dには容量による制限という共通項がある これらのモデルはいずれもFCSシステムのクラスに属すると推察でき おそらく相互運用が可能だ もう一つのケ スとしては モデルA Dまでのすべてが サ ビスレベルを パラメ タ として持 ており そこには安全在庫に関する問題も含まれていることが表2から分かる この事例が言及していない他の在庫モデルは 同様のデ タを使いながらも安全在庫を算出する異なるやり方を提供してくれるかもしれない なぜなら こうしたモデルは モデルA Dで相互運用が可能な入力デ タを共有しているからだ 読者が忘れてはいけないことは 我々はモデルを原子と同じような視点で捉えているということだ 化学分野の事例で説明すると カルシウム Ca のような単一の元素は 異なる分子と結合したり 化学反応を通して 水酸化カルシウム CaOH や塩化カルシウム CaCl の一部になる これと同様に 一つのモデルは たとえば安全在庫に関するモデルAを モデルB Dと組み合わせることで全く新しいモデルを形づくることが可能になる DMLの一部としてのデ タ入力では あたかもモデルが化学反応のように自動的に組み合わせることが可能な オ プン・ア キテクチ の開発がカギになるであろう 要約すると DMLを使用する目的は デ タ入力の観点からモデルを意味論的に分類することも含めて これを機械が理解できるようにすることだ モデルによる出力は 以下のことを表すときにのみ重要になる (a)モデリングに取り組む目的についての一般的なガイダンス(b)場面によ てはモデル入力にも変わることのできるモデル出力の定義意味論的なアルゴリズムの記述は 決してキ ワ ドに依存するべきではなく そこではDMLが重要な役割を果たすであろうことを我々は確信している ここで言及しなか たモデルの分類に関する重要なポイントとして モデルの仮定に関することが含まれている あるモデルの役割を意味論的に明確に仮定することは 将来的な研究課題として興味深いテ マになるかもしれない 複数のオントロジ による事例モデルの定義や 他のモデルとの関係から 複数のオントロジ が存在することを説明するためにモデルA Dを含む最後の事例を調べてみよう ここでは視点を変えることによ て モデルに二通りの異なる使い方があることが分かる 生産計画の担当者にと てモデルは 安全在庫の水準と需要予測から必要な在庫量を割り出し 生産計画のタイムスケジ ルや生産量を教えてくれる サプライチ ンの管理者にと てモデルは 安全在庫の水準と需要予測から必要な在庫量を割り出し どれだけの製品を工場倉庫から出荷すればいいかを教えてくれるいずれの使い道でもこのモデルが利用されたという事実が 視点を変えることで異なるモデルの使い方ができるという何よりの証拠になる この簡単な事例は 同じ ライブラリ に属するモデルでも 利用者の視点が違えば 別々の意味や異なる関係を持 ていることを示している この相対的な関係が 実践では使うことの難しい融通の利かないオントロジ を作りあげてしま た しかしながら我々は コンピ タが自動で認識できるセマンテ クスを生み出す際の障害を どうや て取り除けばいいか分か ている 一つのオントロジ からなる設計を完全に捨て去る前に この分野の研究をも と続ける必要があることだけは間違いない 複数のオントロジ を構築するカギが モデル間の関係次第であることは明らかだ 複雑な関係によ て特徴づけられるシステムに直面したとき エンジニアはときとしてグラフを使 て説明しようとする こうしたアプロ チにおいて我々は グラフの端が示すものが 同じグル プのモデルの異なるオントロジ をあ表 2 データ入力の視点からの比較  データ入力  モデルA  モデルB  モデルC  モデルD 初期在庫 需要予測(週毎) 発送履歴(週毎) 予測履歴(週毎) 作業時間(日) 待機時間(日) サービスレベル(在庫引当率) 準備コスト(段取り替えあたり) 準備時間(準備あたり) 維持コスト(週あたり) 処理能力の限界(時間あたり) 商品群の構成(完成品グループあたり) 時間外コスト(時間あたり) その他セットアップ費用の合計 × × × × × × × × × × × × × × × × ×  ×  × ×  ×  × ×  ×  × × ×  ×  × ×  × × ×  × × × × 
庁院。
庁押。
庁魁。
庁粥。
庁機。
庁供。
庁掘。
庁検。
庁后。
庁隠亜。
庁隠院。
庁隠押。
庁隠魁。
庁隠 67 JANUARY 2005パラメータープログラムで処理ごとに与えるデータオープン・アーキテクチャー異なるネットワーク間でソフトを相互利用できるような設計ライブラリーここではモデルを体系的に格納した貯蔵場所を指すらわす答えだと信じている 実践的な挑戦モデリングの歴史をみると 特定の問題に対処するための強力なソリ シ ンを与える一つの包括的なモデルを公式化するためには 個人とか小さなチ ムによる努力の積み重ねがあ たことが分かる だが 複数のモデルを包含するために 標準的な審査を越えてこうした努力がなされたことはほとんどなか た この論文で提案するシステムを創出するためには 学術的な機関のカルチ を 未来のモデル設計者のためのトレ ニングセンタ に変えていく必要がある 言語とプロトコルの正式な組み合わせとしてDML DMP ACL ACPを開発することは モデル構築の文化を変え 前進させることになるであろう ひとたび実務の専門家が コンピ タ間でモデルを自動的に共有できることの効果を経験してしまえば このシステムは受け入れられると我々は信じている そして モデルの構築に携わるさらに多くの人々が この言語とプロトコルを使い始めることで ネ トワ クを駆使して生産性向上の結果を得られる機会はますます増えるであろう セマンテ ク・モデリングの優位性を論証する最初のステ プとして 我々は二つのプロトタイプを構築している これによ て モデリングに問題を抱えている専門家やソフトウエア業界や また大半の先進的なモデルが生み出されている学術的な機関などの支持を取り付けたいと考えている 一つめのプロトタイプは 金融情報産業のコ ルセンタ 業務をサポ トするうえで必要なリソ スをモデリングするためのものだ そして二つめはERPに関するモデルだ このERPシステムは インタ ネ ト上にあるモデルの貯蔵庫から 必要に応じて生産計画や需要予測などの多様な要素を引き出してくるように作られている この二つのプロトタイプのために我々は ネ トワ ク上にあるモデル要素の位置を把握できるブラウザに似た検索エンジンのインタ フ スを開発した ひとたび適切なモデルを配置できれば 他のコンピ タのインタ フ スが 実践的なソリ シ ンのためにいかに多様なモデルの要素が存在しているかを視角化してくれる 視覚化のカギは 利用できるモデルの様々な具体的な組み合わせを二次元または三次元で表示することだ この種のインタフ スを使えば ユ ザ はモデルとデ タを適切にマ チさせ モデル間で相互運用できる これが究極的には モデルを大量生産することによ て実践的な結果を出すための努力を加速できるであろう 概念に関するコミ ニケ シ ンを容易にするため 我々は一つの M と名付けた考え方の下でDML DMP ACL ACPを組み合わせた 我々は マイクロソフトのウ ンドウズの代案として評価されているオ プンなOSであるリナ クスと似たやり方でMが開発されるだろうとみている つまりモデルの設計者にと ても 実務の専門家にと ても Mは非常に廉価で利用できるのである 開発プロセスをスタ トするにあた て我々は Mを使 たセマンテ クな検索方法でデ タを定義するオンライン・コミ ニテ を作 ている これを作るのは退屈なプロセスではあるが 正確なセマンテ クでモデルを構築するための方法は他にはない 国際標準化機構 ISO のような産業団体と 米国の政府系機関である国立標準技術研究所 NIST によ て行われてきた研究が その成果を補完してくれるであろう 我々が形づくろうとしているオンライン・コミ ニテ は セマンテ ク・モデリングの様々な側面と Mの開発状況に関する情報交換もまた可能にする Mのプロトタイプを一年以内に構築できるとしても モデルの設計者や実務の専門家がセマンテ ク・モデリングを活用するうえで どのようなインセンテ ブ 誘因 があるのかという疑問が残る だが我々のアプロ チは 将来的にモデルを構築することと モデルの格納場所を作ることに焦点を当てている 現在 一般的に使われている数百ものロジステ クス・モデルは Mによる適切な言語やプロトコ ルでコ ド化する必要があるという問題に直面している 多くのモデルはユ ザ 独自のシステムとして動いているため 新しいインタ フ スや翻訳の機能が開発されないかぎり コ ド化の業務が重大な意味をも ている これはMを開発するうえで我々が取り組むべきことの一つなのだ Mを使 てモデルを構築する人たちに与えるインセンテ ブの一つとして 我々は新しいインタ ネ トでの支払い技術を想定している Huang2004 このシナリオでは 開発者は彼らのモデルをMを使 て表現し 機械が理解できるフ マ トでインタ ネ ト上に配置する 人間であろうと機械であろうとモデルを探すときには 最適なモデルがどこにあるかを必ず検索する ユ ザ がセマンテ クな検索によ て見つけた特定のモデルをダウンロ ドするときに 開発者はあらかじめ決ま ている金額か もしくは市場動向によ て決まる金額の支払いを受けることができる わりとシンプルなモデルについては より小さい わずかな課金 がダウンロ ドの分量に応じて発生するようにした方がいいかもしれない あるモデルが 実セマンティック・モデリング入門 JANUARY 2005 68務の専門家に長らく忘れられていた古いモデルの開発のために選択されれば それは開発者に金銭的なインセンテ ブを与えることになる 我々は新しい産業が生み出されるであろうことを想像できる ある専門的な会社が古いソフトウエアを定期的に点検したり Mによ てコ ド化されたモデルに商業的な価値があるかどうかを新聞や雑誌の記事が批評したりして そうした情報をインタ ネ トを通じて流通させるような産業だ 場合によ ては パ ケ ジ化されたソフトウエアの販売を長らくビジネスとしてきたような大企業が Mを使用したモデルの格納場所の管理に特化する新世代の企業に負けてしまうかもしれない このシナリオでは モデルのアプリケ シ ンによ て恩恵を受ける実務の専門家は 目の前の問題に直面することになる むしろ現在以上に多くの企業が パ ケ ジ・ソフトウエアの需要に応じて性急に組織的なプロセスを見直さなければならないような状況が生まれるかもしれない 何にもましてセマンテ ク・モデリングは ネ トワ ク上で縦横無尽にモデルを交換することを通じて 本当の価値を評価することを可能にするはずだ Mを導入するうえでの最終的なハ ドルとして 標準への執着が考えられる あらゆる機会ごとに新しい標準が出現し 採用者が自らの目標物を見出すために標準をねじ曲げてしまう機械はいつでもある これと同じことがEDI標準を開発するときにも起こ た 完全な状態を維持するためには 良い標準をデザインすることに加えて 活動的な産業団体によ てこれを監視し 守る必要がある その他のアプリケ シ ン我々が提案する構造のアプリケ シ ンは ロジステ クスの知識の体系を越えて拡大していき 産業界や商業界の見解に徐々に変化をもたらすはずだ センサ によ て集められた大量のデ タを使用するいかなるシステムも セマンテ ク・モデリングから利益を得ることができる 病院では リアルタイムで測定し続けることをベ スに 患者の健康を監視し 予見することができる 在宅医療の手助けをする機関を手伝 たときには 個々の患者の代謝や予想される活動に応じて投薬を調節できる 自動車においては ダイナミ クに動力やトランスミ シ ン サスペンシ ン ブレ キを調節することによ て道路状況に応じた運転を実現することができる また首都圏の信号機能を最適化する試みでは 劇的に時間の遅れを減らすことができ ネ トワ クの効率を改善する効果を得られる 農業や家畜の管理でも 餌を与えることや収穫のような日々の業務を管理するうえで多様なデ タを広範に活用できる AllenandSchuster2004 農薬 肥料 飼料を 個々の効率のために最適になるよう複雑なパタ ンで施すことができる コンピ タ制御のゲ ムなどを扱うエンタ テイメント業界では 動画の視覚的な効果が 複雑な肉体を持つモデルやキ ラクタ の動きに大きく左右される これらの産業は オ プンなモデリング環境によ て利益を得られるばかりか アプリケ シ ンの幅広い分野でテクノロジ とモデリングの構成要素としても貢献できる さらに 魅力的な映像をつくりだす彼らの能力は 抽象的なデ タと 予想される物理的な環境との間での情報交換を 多くの領域で助けてくれることだろう 環境問題に関する研究や公共政策は 物理的なモデルと感覚的なデ タに大きく左右される オ プンかつ標準的なシミ レ シ ンの構成要素を共有し 複数の独立したモデルを利用することによ て環境の変化を予測できる さらに危険物質の流通や 化学薬品の拡散 そしてリサイクル物質の流通を 正確な分析モデルによ てい高いレベルで予測し コントロ ルすることもできる 証券 保険 銀行 住宅融資とい た金融サ ビス産業の調整は 分析モデルとデ タ予測によ てほぼ完璧にできる 開かれたモデリングのインフラによ て リアルタイムで経済的なモデルを交換したり強化でき 財政的な予測と経済効率を高めることが可能になる 商法から犯罪防止まで 法律的なサ ビスでは さまざまなケ スに応じて専門用語と法律からなるモデルを利用する これらのモデルは 特定のケ スの必要性に応じて問題を処理するために作られる 相互運用が可能なモデリング環境では 法律の専門家は他産業で培われた人間の物理的な行動に関するモデルを共有することができる エンジニアリングや科学の分野では 仕事のあらゆる面においてモデルを使う オ プンな環境でモデルを作り 共有する能力が この分野に途方もなく大きな利益をもたらすことは明らかだ 結 論こうした変化によ て見込める利益の共有は 標準的な言語とプロトコルを介して世界中の至るところでロジステ クスのモデルをつくる試みを通じて自然にできてしまう このことは産業界と商業界を通じて空前の利益と節約を可能にするだけでなく これまで人類が努力してきたあらゆる面において革命的な変化を起こす可能性がある 理論的に到達できるであろう点についても 実践的な導入でも そこにはまだ桁違いの挑戦と難問が待 ている いわば報酬なしで行うのが難しい旅のようなものだが この旅こそ 本当のインテリジ ント・モデリング・ネ トワ クに続くものなのだろう 本稿は 二〇〇四年一〇月に米フ ラデルフ アで開催されたCLMのロジステ クス・エデ ケ タ ・カンフ レンスに提出された論文を 著者の許可を得て編集部が翻訳した セマンティック・モデリング入門

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