ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2001年4号
SOLE
CPLはロジスティシャンの登竜門

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

APRIL 2001 80 日本にはロジスティクスについて体系的に 学べる場がない。
そうお嘆きの方は一度、S OLEの東京支部に顔を出してみてはどうで しょう。
同じ悩みを抱える人達と語り合うこ とで、きっと新鮮な発見があるはずです。
本コ ーナーではSOLEの活動内容を紹介すると ともに、ロジスティシャンのための資格試験 「CPL」の問題を毎回、出題していきます。
今回はSOLE東京支部の支部長を務める松 本賢治氏に、ロジスティクス教育の現状と東 京支部の活動内容について聞きました。
――日本では物流に関するマネジメントを体 系的に学びたくても、その手段を探すのが現 状では困難ですね。
「とくに最近は物流業者がマネジメントを 学ぼうという機運が確実に高まっています。
生産管理の現場などに比べて遅れていた人材 教育を、きちんとしたいという強いニーズが ある。
人事制度とか人事考課を見直そうとい う動きもあります。
とくに物流子会社の制度 は、ただ単に親会社の仕組みに倣っていて、 本当に物流のプロを育成する仕組みにはなっ ていませんでした。
物流マンをやる気にさせ るマネジメントや評価制度が、あまりにもな おざりにされてきたんです」 ――物流マンの評価制度は、売り上げがある わけではありませんから難しいですよね。
「従来、物流業の営業マンは、荷主に言われたことをきちんとこなせるか、トラブルを いかに上手く治められるかを問われてきまし た。
飲ませて、打たせて、俺が出ていくから 丸く治まるんだとかいう調子でね」 ――それが変わってきた。
「ある物流業者の例ですが、外資系の荷主 と二年間ぐらい付き合っていたにもかかわら ず、契約更新に際して開かれた物流コンペ に呼んですらもらえなかったという話があり ます。
社長がびっくりして理由を尋ねたとこ ろ、『確かにおたくはトラブルが起きたとき の対応も悪くないし、コストダウンにも付き 合ってくれた。
しかし、二年の間、当社に 対する提案は一つもなかった。
共に成長す るという意味で、そういうパートナーは当社 に相応しくない』と言われたそうです。
頭を 第1回 インタビュー 「CPLはロジスティシャンの登竜門」 SOLE東京支部 支部長 松本賢治 日本能率協会コンサルティング 戦略・マーケティング革新本部技術部長 81 APRIL 2001 後ろからガツンと叩かれたような気持ちだっ たと言っていました。
日本の物流業界で一 般的に良いと考えられてきた、忠実に、誠 実に仕事をこなすという姿勢が、パートナー としては評価されないという。
そんなこと日 本のほとんどの物流業者はできませんよ」 ――そういう環境にもありませんでしたから ね。
「物流業者の現在のマネジメント層には、猪 突猛進でやってきた人が相当います。
どこの 業界でも似たような傾向はありますが、とく に物流業界にはそれが強い。
チーム単位で営 業をするというタイプではないんです。
ただ でさえ物流の営業というのは、支店や営業所 単位で独立採算性になっていることが多いた め、ネットワークとかアライアンスの思想が 弱い。
そういう環境で育ってきてマネジャー になった人達が、実はいま一番とまどってい るのではないでしょうか」 ――きちんとコスト管理をできない物流業者 も少なくありません。
「ほとんどの物流業者が似たような問題を 抱えています。
売上高は把握していても、コ ストをきちんと掴んでいない。
顧客一社当た り一カ月でいくらとか、傭車一台当たりいく らとかといった契約であればいいんです。
し かし、個建ての小口荷物の扱いとなると、も うお手上げです。
当然、顧客単位のコスト把 握もできません」 ――最大の理由はなんでしょうか。
「日報をきちんと書いていないからです。
も ちろん、トータルでこれだけの作業をしまし たというレベルでは書いているのでしょう。
しかし、作業者別に、ある時間帯にどんな作 業をやって、何をいくつピッキングした、と いうレベルの情報はとっていません。
商品別 とか顧客別の原価や収益を知るためには、工 数ベースでコスト配分をする必要があります。
しかし、そんなデータはどこにもない。
こう した日報をきちんとつけることができれば、 ABM(Activity Based Management )な どもすぐにできるはずです」 ――荷主側にもきちんとした教育を受けてい る人は多くありません。
そういう意味で、S OLEの役割に期待しているのですが。
「もともと米国でSOLEが発祥した背景 には、ロジスティクスの技術者やそこに携わ る人達の職業的地位をどう高めるか、世の 中にどう認めさせるかという狙いがありまし た。
資格制度のようなモノがあれば認知さ れるのではと考えて、CPL(Certified Professional Logistics )という試験制度も 作られたんです」 「これは日米に共通することですが、かつて ロジスティクスに携わる人達の社会的地位と いうのは決して高くはありませんでした。
し かし、低く見ていたにもかかわらず、ロジス ティクスという分野が重視されるようになっ てしまい、そこにいる人達はやはりダメだと いうことが分かった。
そこで、もっと力を付 けてもらおうと各企業が教育に力を入れたり、 資格をとらせるという方向に進みはじめたん です」 ――東京支部(旧:日本支部)を設置した狙 いも同じだったんですか。
「東京支部が発足した最初のいきさつは、メ ンテナンス(整備)なんです。
もともとロジ スティクスには補給と整備という機能があり ますが、SOLEはメンテナンスにより重点 を置いてきた組織です。
一方、CLM ( Council of Logistics Management )という 団体は、輸送とか物流を重視してきたという 経緯があります。
それが、いつのまにかSO LEも輸送を手掛けるようになり、CLMも 整備を手掛けるようになって領域がクロスし てきたんです」 「日本ではなかなか言葉が定着しませんが、米国には?ロジスティシャン〞と呼ばれる 人達がたくさんいます。
あなたの職業は何か と問われると、彼らはロジスティシャンだと 答えます。
米国のSOLEという団体は、こ うした人達の集まりです。
ある意味で、共 通の利害関係を持つ関係者の集まりでもあ る」 「これに対して東京支部の場合は、もっと 純粋にロジスティクスの勉強や情報交換を目 的としてきました。
東京支部ができた二十数 年前は、物流とはどうあるべきか、ロジステ ィクスに必要な技術とは何かということすら 分からなかった時代です。
ですから最初は、 メンテナンス分野の人や、学者や、自衛隊の 兵站部門の人達などが、情報交換と研鑽の場 を求めて参加してきました。
最近では企業の APRIL 2001 82 物流部門や物流事業者、またコンサルタント の方などの参加も増えて、だんだんバランス が良くなってきています。
ただ基本的な運営 方針は変わっていません」 ――具体的な活動内容を教えてください。
「五つくらいの柱があります。
一番目はO R(Operations Research )など理論的な話 のベーシックな部分を取り上げること。
二番 目は、物流を構成する技術の話。
例えば、通 信インフラや包装技術、リサイクルなど固有 技術の話です。
三番目は、もっと先進的なI Tとか電子タグなど先端技術の話。
四番目は 事例研究ですね。
そして、最後の五番目はも っとも人気のあるプログラムなんですが、現 場見学です。
必ず一年に二回やっているんで すが、自衛隊の施設を見学したり、築地の魚 市場に行ったりね」 ――そうした活動には会員が個人として参加 するのですか。
「メンバーは原則としてすべて個人会員で す。
しかし、堅いことばかり言っていても面 白くありませんので、忙しいときは代理の方 に出ていただいても結構という法人会員制に 近い部分もあります。
これは米国でも同じで すが、登録は個人で、お金は会社が出すとい うケースが少なくありません。
もっとも、ほ とんどの会員の参加目的は個人のスキルアッ プです。
書物とか新聞では得られない情報を 求めて来る方が多いようです」 ※SOLE東京支部ホームページアドレス http://www.jmac.co.jp/sole/ CPLの試験問題に挑戦 本連載では毎回、米SOLEの行う資格試験(CPL)の問題をいく つか紹介します。
なお、今回の問題の答えと解説は、五月号の本コーナ ーで紹介します。
Q1 以下の空欄に入る言葉としてa〜dのどれが最も適切でしょうか? 製品に対する保守が重要な要素である場合、製品の供給者はしばしば 提供するサービスプログラムの﹇ ﹈によって評価される。
そこに は、サービスや修理のためのネットワークの﹇ ﹈や﹇ ﹈と 同様に、最終ユーザーへの製品の﹇ ﹈が含まれている。
a. 品質、品質、利便性、保証 b. 深さ、能率、有効性、保証 c. 品質、品質、利便性、インセンティブ d. 広さ、品質、利便性、インセンティブ Q2 マーケットの在庫拠点数を増やすと、どんな影響が予想できま すか? a. 製品納入に要する時間が増え、供給コストが変わる b. 製品納入に要する時間が減り、供給コストを増大させる c. 製品ユニットコストの低減によって、顧客への反応が良くなる d. a とc の両方とも当てはまる

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