ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2001年5号
特集
物流&IT 求車求貨・有力サイトを検証する

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

MAY 2001 28 昨年来続いたインターネット求車求貨市場への参入ラッ シュも、この春までにようやく一段落した。
これら夥しいサ イトの出現は、求車求貨市場にどんなインパクトをもたらす のだろうか。
求車求貨というシステムそのものは、決して新しくない。
中堅倉庫業者の富士ロジテックはすでにこのサービスで二〇 年近いビジネスの実績がある。
中小運送会社による協同組 合を母体にしたローカルネットも、一〇年に渡るシステムの 運営で、運送事業者間の貨物・空車融通の仕組みをすっか り定着させた。
昨年は、こうした老舗組も、先を争うようにシステムをイ ンターネット上の運営に切り替えてきた。
また、キユーソー流 通システムの「QTIS」を筆頭に、物流子会社の配車シス テムから発展した求車求貨サイトも相次いで誕生している。
これらの求車求貨サイトを一律に語ることはできない。
ロ ーカルネットに代表されるような、求貨側と求車側にマッチ ングの場を提供するだけの?掲示板サイト〞と、利用運送 事業者としての裁量で貨物と空車のマッチングを行い、その 手数料を収益とする富士ロジテックの求車求貨ビジネスとで は、本質的に性格が異なる。
また、配車システムの一機能として運営される求車求貨シ ステムには、本来?マッチング率〞という概念がない。
配車 システムとして運営する以上、マッチングしない貨物はあり えないからだ。
これも先の二例とはまた異質のものだ。
ただ、こうした性格の違いは?インターネット〞以前から あった。
ではインターネットによって求車求貨は何が変わる のか。
電話やファクスの時代と違って、電子商取引には「見 えない取引の不安」が伴う。
新たに開設されたサイトでは、 これを取り除くために決済代行や保険の付保などを付帯サー ビスに取り入れている。
だが、見えない相手との取引の不安は、もともと求車求貨 にはつきものだ。
ローカルネットは、組合間の決済代行という 画期的な仕組みを早くから取り入れることでこれを解消し、最 大規模の求車求貨システムを作り上げることに成功している。
また運営がインターネット上に変わっても、成約に至るま では当事者同士で直接か、あるいはサイト運営者のコールセ ンターなどを介して、貨物や車両情報を詳細にやり取りし、運 賃を決定しているケースがほとんどだ。
属性の多い輸送サー ビスの特性から、マッチングには配車マンの介在が必要で、 ?ヒ ューマンネット〞と併用での運用もまだまだ捨てきれない。
つまり現状の求車求貨サイト運営を見る限り、インターネ ットは単に電話やファクスよりも業務の効率を上げるだけの 道具にすぎない。
この道具をいかにうまく使いこなせるかが 当面の焦点になっている。
もっとも、それだけならインターネットによって求車求貨 市場が急激な変化を遂げることはないだろう。
インターネッ トが市場を変えるとすれば、その要素はオープン性と双方向性にある。
これを十分に活かしたサイトの出現が鍵を握る。
例えば?プライスダウン・オークション方式〞を取り入れ たサイト。
掲示板の貨物情報を見ながら運送事業者が入札 を行い、最も安い運賃で落札する。
運賃決定のメカニズムを 本質的に変えようというこうしたサイトを、どこまで市場が 受け入れるかは未知数だが、インパクトは十分ある。
もうひとつ注目されるのは、サイト開設から一年半で一六 〇〇社を超える会員を集めた「Tr@Box」の勢い。
「入 りやすさ」と「使いやすさ」が人気の理由だ。
会費・手数料 が無料の先行投資型ビジネス。
はじめから荷主名・住所な どすべて情報をオープンにし、メールで自動配信するプッシ ュ型の情報提供。
いずれもほかのサイトにはない発想だ。
これらのサイトは、参加が全くのオープンである点で共通 している。
クローズな運営で実績を上げてきた従来型のシス テムに対して、こうしたオープンサイトがどれだけ伍してい けるのかが、インターネット求車求貨の市場性を見るバロメ ーターとなるだろう。
求車求貨・有力サイトを検証する インターネットは求車求貨市場を変えるか ? サイト名物流ジャーナリスト内田三知代 ? 運営主体 ? URL ? 稼働開始時期 ? マッチング方法 ? サイト運営者の収入源および料金設定 ? 稼働規模 寄 稿 29 MAY 2001 <解  説> 住友商事、三菱商事、三井物産の総合商社3社を 核に、日本通運、東芝物流、三菱倉庫など17社が総 額三億円を出資して、昨年9月に設立された「ロジ リンクジャパン」が運営するサイト。
出資企業に大手運送事業者や物流子会社、倉庫会 社が名を連ねるこのサイトは、いわば、“貨物を持つ 企業同士が、傘下の傭車先・協力会社の車両を互い に活用しあう”目的で大同団結したもの。
スケール の大きさが注目の的だ。
求車求貨の仕組みは掲示板方式。
「ロジリンク」は あくまで、マッチングのための検索画面を提供する サイトであって、成約には関与しない。
会員は「貨 物」と「空車」情報を検索しピックアップした相手 と、運賃などの交渉を直接行う。
代金決済や保険契 約は付帯サービスとして代行するが、成約は当事者 同士だ。
運営は2段階に分かれる。
会員を、出資企業など を中心にした「特定会員」と、その傭車先や協力会 社からなる「一般会員」に分けて、サイトには特 定・一般会員が1つのグループとして参加。
まず、 それぞれのグループ内で求車求貨を行い、そこで貨 物や空車が見つからない場合に、“1つ上のサイト” である「ロジリンク」でグループを超えた求車求貨 を行う、という仕組み。
「どこのサイトでもマッチン グできなかった貨物と車両に、最後の場を提供する 究極のサイト」(南部周一社長)を標榜する。
成約に関与しない以上、取引上や運送上のトラブ ルにも直接はタッチしない。
原則として特定会員に 一任し、グループ単位で処理する。
2段階で運営する 理由はここにある。
料金も成約手数料ではなく、情報 提供料として徴収しリスクを回避。
大手企業を軸に したグループ運営で安全ガードを敷く。
ただ、運送 責任のあいまいさなど、掲示板サイトの弱点をどう 克服するか注目点だ。
採算分岐点は会員1000社。
2 年目に、売上高6億3000万円で単年度黒字化を狙う。
? ロジリンク ? ロジリンクジャパン ? www.j-logilink.com ? 2001年4月 ? 掲示板検索のみ ? 情報提供料として会費を徴収 (検索件数に応じて月に100件までなら月 額3万円、最高で95,000円 ? ―― <解  説> 運営母体は、日本ローカルネットワークシステム 協同組合連合会。
10年前、中小の運送事業者が各地 で組合を結成、組合間で相互に貨物や車両を融通し 合う組合の連合会として発足した。
稼働率の伸び悩 む全日本トラック協会の「KIT」を尻目に、会員 数は年々順調に増え、ピーク時には131組合、1900事 業所を超える規模まで達した。
組織拡大の最大の要因となったのは、「ローカルネ ット」が先駆的に取り入れた、組合間の運賃決済シ ステムだ。
求車求貨には常に信用リスクが伴う。
取 引の安全を保証するため「ローカルネット」では、 組合を会員とし、その所属員である運送事業者の求 車求貨を組合が仲介、組合間で運賃を精算する仕組 みを採用した。
強制加入の保険制度も充実している。
年間3万円の保険料で、荷物事故には2000万円まで、 運送代金も2億円まで補償する。
昨年5月、専用端末から、本部のサーバーとパソ コンの構成によるインターネット環境のシステムに 切り替え、オンラインリアルタイムでの情報更新が 可能になった。
「貨物」「空車」情報を登録してアク セスを待つ掲示板方式で、情報を入力しながら絞り 込み検索もできる。
相手が見つかれば当事者同士で 運賃を交渉し成約する。
この逆もある。
緊急の場合 に事業者間で直接、求車求貨を行い、結果だけを画 面に入力してシステムを通じて成約するというもの。
長年に渡る求車求貨の運用で、配車担当者間の “ヒューマン・ネット”ができた。
時間的に余裕のな い場合は、掲示板よりこちらが早い。
ただし成約は あくまで「ローカルネット」で。
組合間決済で安全 なうえに、保険も付保され、精算業務が簡素化する からだ。
月間3万7000件の入力件数のうち、この利 用形態の比重は大きい。
一方、サイトに登録された 情報の成約率はあまり高くない。
見合いの相手探し よりも、すでにルートのできた取引の保証に、この ネットの意義が移ってきたと見ることもできる。
? ローカルネット ? 日本ローカルネットワークシステム協同 組合連合会 ? www.jln.or.jp ? 2000年5月 ? 掲示板検索のみ ? 賦課金 1組合あたり:月間35,000円 1 事業所あたり:月間2,500円 システム利 用料:月間12,000円 ? 123組合 1600事業所 第1部求車求貨システムの実態 MAY 2001 30 <解  説> 中小の運送事業者を対象にした物流総合マーケット プレイスの運営をめざし、99年6月に資本金1億8000 万円で設立された、ベンチャー企業エス・ティー・ア イの求車求貨サイト。
運送事業者の入札によって運賃 が決まる自動マッチングシステムに特徴がある。
サイトには、求車側の貨物情報だけ入力。
求貨側が アクセスして希望する貨物に入札する。
オークション 方式で、入札した貨物については、入札状況を一覧で き、再入札が可能。
求車側が設定した期限内に、最も 安い運賃で落札される。
パスワードがあれば、いつでも貨物情報を閲覧でき るが、企業名は公開しない。
落札後に初めて、荷主 名・住所・電話番号などがメールで案内される。
同様 に、求車側にもどんな事業者が入札に参加しているか はわからない。
落札結果だけが通知される。
一方で、ネット上での見えない取引の不安を解消す るため、極めて人間くさい運営体制でサポートしてい る。
運送サービスは属性が多く、画面の情報だけでは 十分に内容が伝わらない。
それを補うために、コール センターにベテランの配車マンを置き、詳細への問い 合わせに応じる。
運送の遅滞や貨物の破損など、運送上のトラブル処 理も当事者任せにせず、同社のスタッフが必ず対応に あたる。
決済代行や保険の付保も怠らない。
今年4月 からは金融機関との提携で、一括請求・一括支払に簡 素化した。
入力件数は今年になってようやく月間1000 件に達した。
貨物情報を見落として入札機会を逃した 会員に、コールセンターから入札を呼びかけるなどし て、成約率も60%まで上がってきた。
社長の宇野栄一氏は、日用品問屋での物流企画業務 の経験を通じて、「中小運送事業者の底力を知り、大 手と対等に渡り合える自由な競争市場を提供するた め」このビジネスを思いついた。
ただ、成約手数料が 運賃の10%と高めなのが少し気がかり。
今年度は、会 員1万3000社、売上高3億7000万円が目標だ。
? エコロジコム ? エス・ティー・アイ ? www.sti-corp.co.jp ? 2000年1月 ? 入札による自動マッチング ? 成約手数料として運賃の10% ? 会員数 荷主企業  1600社 運送事業者 1100社 <解  説> 丸惣運送、福岡運輸など、地方の中堅運送事業者が、 10年前に組合組織でメンバー間の傭車仲介などをする ために結成した「JTP(ジャパン・トランス・パー トナーズシステム)グループ」。
そのメンバー52社のうち24社が、99年10月に、共同 出資して「株式会社JTPロジスティックス」を設立 した。
従来の組合活動の枠を越え、法人による共同事 業の拡大が狙いだ。
グループ52社の拠点数は合わせて500カ所。
車両の 総保有台数は1万1000台になる。
このネットワークを 活かした共同事業を、同社が営業窓口となって開拓す る。
インターネット求車求貨システム「楽々配車」は、 そのためのツールとして開発された。
あくまで、情報 武装の一環としての内部管理システムの構築であり、 グループ内での求車求貨の効率化が目的だった。
メンバー間の求車求貨は掲示板方式。
「貨物」「空車」 情報を見て検索し、アクセスすると1対1の画面に入 って、サイト上で当事者同士が運賃交渉をする仕組み。
実際には検索した相手と電話で直接交渉するケースが ほとんど。
成約したら、元請けの立場で同社が決済を 行う。
サイトには、同社が新規に開拓した荷主も参加。
荷 主の「求車」情報に対しては、オペレーターがマッチ ングする。
配車システムとしての運用だ。
ただ、事業者同士の掲示板は、「求貨」よりも「求 車」が圧倒的に多く、バランスがとれないため、今年 1月からグループの外からも会員募集を始めた。
当面、 メンバー各社の傭車先を対象に勧誘に力を入れている。
狙いは、サイトの収益増よりもむしろ、実運送事業 者の組織化にある。
実運送事業者から車両の提供を受 けることにより、メンバー各社の固定車比率を下げな がら共同事業を拡大することができる。
事業者間の相 互融通の域を出て、求車求貨運営を法人化した意味が ここにある。
? 楽々配車 ? JTPロジスティックス ? www.jtplogi.co.jp ? 2000年8月 ? 対荷主 オペレーターがマッチング 運送事業者間 掲示板方式 ? 入会金:5,000円 月会費:2,000円 手数料:成約運賃の3% ? JTPグループの52社 荷主3社 31 MAY 2001 <解  説> 東京・足立区の二代目運送事業経営者が2人で開い たサイト。
1年半で会員1600社を集めた。
登録車両台 数は5万5000台を越える。
人気の理由は、「入りやす さ」と「使いやすさ」にある。
中小のトラック事業者 の立場からの発想で「Tr@Box」は生まれた。
ま ず、入り口の敷居を低くし、入会金・会費・手数料を 一切とらずにスタートした。
「とにかくサイトに入っ てもらうこと」(藤倉泰徳社長)を重視したからだ。
「会員が増えればマッチング率も上がり、不可欠な求 車求貨のツールとして会員にも認めてもらえる。
会費 などを徴収するのはそれから」。
この発想は、昨年相次ぎ登場したどのサイトにもな かった。
「使いやすさ」は、カレンダーで日付を、地 図で地域を選ぶといった入力方法の容易さに加えて、 入力された情報が、荷主名まで含めてすべてオープン にされるところにある。
しかもユニークなのは、事前 に希望する地域を登録しておき、該当する貨物や空車 情報の入力があると、電子メールで自動配信される点。
掲示板なのに情報提供はプッシュ型だ。
会員は配信さ れた情報を見て、相手に電話などで交渉を行う。
プッ シュ型で提供される情報に対してはレスポンス率が高 くなる。
交渉の結果、仮に成約に至らなくても、引き 続き情報入力の動機が生まれる。
「情報入力」という もう1つの入り口を重視した仕組みだ。
今年4月からは、金融機関との提携で、自動決済・荷 物保険付加サービスも開始した。
手数料は運賃の7%。
あくまでネット取引支援のための付帯サービスだ。
ただし、サイトの目的は求車求貨そのものではない。
「相手が見つかれば2度目からは当事者同士で取引す るのが自然の流れ」と割り切って、はじめから求車求貨 で儲けることではなく、そこに市場を作り出すことに 目標を置いていた。
会員が2000社を超えれば、市場とし ても十分機能できるようになる。
「中小事業者が全国 をターゲットにビジネスを広げるためのプラットフォ ーム」。
それがこの先行投資型ビジネスの到達点だ。
? Tr@Box ? トラボックス ? www.trabox.com ? 1999年11月 ? 掲示板方式 ? 検討中  ? 会員 1600社 マーケットプレイス「エヌ シーネットワーク」(会員7000社)とも提 携 <解  説> “トラック輸送の価格破壊”を真っ向からうたった、 プライスダウン・オークション方式の求車求貨サイト。
今年3月にスタートした。
主催するのは、7年前にオ ンボード・クーリエ・サービス業を立ち上げ、今は人 材派遣業を営むベンチャー企業アシスト・キャリア・ リンク。
オークションの開催時間を30分間に絞り込んだ点が、 このサイトの最もユニークなところ。
いつ、どこから アクセスがあるかわからない掲示板サイトは、24時間 監視が必要なのが欠点。
配車担当者の日常業務の中で、 これは事実上不可能で、稼働率の上がらない原因にも なっている。
「J−tex」では、貨物引き取りの前々日までに エントリーされた貨物情報に対して、前日の午前10時 から10時半にかけてオークションが行なわれる。
30分 間に監視を集中でき、ユーザーにも運営する側にもメ リットが大きい。
入札は、掲示板で求車側が設定した運賃の上限と貨 物の詳細を見て1000円単位で行い、時間内に最も安い 運賃を入札した事業者が落札する。
インターネットの 双方向性を十分に活かしたシステムだ。
運賃相場下落への批判には、「オークションへは対 等の立場で参加し、力関係でなく自己責任によって運 賃が決まり、かえって合理的」(岩澤正巳社長)と反 論する。
第一種利用運送事業の許可を申請中で、荷主(求車 側)と事業者(求貨側)の双方と直接契約によって運 賃の5%を手数料として徴収。
運送責任を負い、トラ ブル処理にも直接あたる方針。
包括保険への加入で、 一運送につき500万円までを付保する。
入会金・会費は無料。
成約手数料収入だけのリスク を負ったビジネス。
「負担からも運送責任からもあえ て逃げない」(岩澤社長)姿勢でインターネット求車 求貨市場の認知を狙う。
? J−tex ? アシスト・キャリア・リンク ? www.j-tex.com ? 2001年3月 ? 入札による自動マッチング ? 成約運賃の5% ? ――    第1部求車求貨システムの実態 MAY 2001 32 <解  説> 「求車求貨」ではなく、あえて「統合配車」と名づ けた。
そのわけは、“すべての情報をプールする”と いうシステムの特徴にある。
サイトに参加する企業の貨物・車両情報をすべてプ ールし、車両運行効率を最大化する演算プログラムに よって高速処理して、最適な運行ルートを設定する。
空車に帰り荷をマッチングするだけの求車求貨システ ムに比べて、ルーティングまで行う、より付加価値の 高いシステムだ。
事業所ごとの配車を一元化すること で、より多くの情報の中から最適なルートの設定が可 能になり、効率化の効果も大きくなる、という発想か ら生まれた。
一定量以上の貨物を継続して提供できることが参加 の条件。
貨物や車両に過不足が生じた時だけの、イレ ギュラーな参加形態は認めない。
車両は原則としてす べてフリー。
ただし、特定の時間内だけ空車になる “条件付き車両”の設定は可能で、求車求貨の機能も あるが、明らかに一般の求車求貨システムとは性格が 異なる。
同社では4年前からこのシステムを、サントリーグ ループのプライベートなネットワークの中で運営して きた。
だが、グループ内では効率化に限界があること から、外部の企業とも連携を図るために、インターネ ット上での運営に切り替えたもの。
ただしサイトへの参加はオープンではない。
親会社 の貨物をベースにしながら、物量の波動を吸収して相 互に輸送を補完し合える企業だけに“共同輸送の仲間” として参加を求める、というクローズなもの。
車両も、 ビール輸送に適した最大積載重量が9.7トン以上のウ イングボディー車に限定している。
こうしたクローズな運営で着実に実車率を上げるこ とが、配車システムから派生した物流子会社系求車求 貨サイトの目的。
現在、名古屋〜大阪間では実車率が 97%の実績だ。
? 統合配車システム ? サントリーロジスティクス ? www.suntorylogistics.co.jp ? 2000年9月 ? プールした貨物・車両情報をもとに自動ル ーティング ? 効率化の度合いに応じ運賃に対し一定の手 数料を徴収 ? 会員10数社 100事業所 <解  説> キユーソー流通システム(KRS)の幹線輸送事業 部門である「キユーソーティス」が運営するサイト。
輸送効率化を目的に、98年4月にスタートした。
KRSは、自社便を持たず、実運送事業者を協力会 社として組織化して事業を拡大してきた会社。
「QT IS」は、KRSの幹線輸送の配車システムとして開 発され、協力会社を核にした会員制の求車求貨サイト としても運営されている。
従って、KRSの貨物・車両情報は、固定ルートで の定期運行からスポット輸送まですべて入力される。
このほかに、マッチングを希望する貨物や空車がある 場合に、協力会社や会員が情報を随時入力。
これらの 情報を集約してシステムで自動マッチング(配車)し た後に、配車マンが調整を行い、確定した情報を荷主 と運送事業者の双方に流す。
あくまで配車システムであり、緊急の輸送は想定し ていない。
マッチング(配車)は、輸送の前日までに 行う。
キユーソーティスは、利用運送事業者としてサイト の運営にあたっており、「求車」側は同社にとって荷 主。
運送責任を負う。
だからマッチングしない貨物は ない。
そこが、配車システムから発展した求車求貨サ イトの、掲示板サイトとは本質的に異なる点だ。
会員は78社。
入力件数は、KRSの情報を含めて月 間1万件以上になる。
マッチング率に代わって、サイ ト運営のバロメーターとなる実車率は98%で、年々上 がってきた。
親会社キユーピーの売上比率がすでに3割を切る実 力派子会社。
貨物と車両のバランスを取りながらの手 堅い運営で、着実に実車率を上げながら、親会社にも 輸送コストの削減で貢献。
今年度は、会員100社を目標に、物流子会社など貨 物を持った企業に参加を呼びかける一方で、ほかのサ イトとの連携も検討していく。
? QTIS ? キユーソーティス ? www.krs.co.jp ? 1998年4月 ? 自動マッチング後、配車マンが調整 ? 利用運送事業としての収入(荷主から収受 する運賃と運送事業者に支払う運賃の差 額) ? 会員数 78社 33 MAY 2001 <解  説> 20年近い実績を持つ求車求貨ビジネスの老舗・富士 ロジテックが、昨年4月、ホームページ上にサイトを 開設した。
ただし求車求貨の仕組みそのものは、電 話・ファクスでの従来のシステムと基本的に変えてい ない。
ホームページからも空車情報を入力できるよう になっただけ。
画面に入力された求貨と求車の情報を 見ながら、配車マンがマッチングを行い、運賃を決定 する。
この工程は機械には置き換えられない、と同社 では考えるからだ。
車両の種類や装備品によって積み込む貨物は制約を 受ける。
逆に、配送先の条件によっては配車できる車 両が限定される。
貨物と空車のマッチングには、そう した細かな要件を考慮したうえでのフォワーディング 技術が必要。
しかも多くの場合、緊急性が求められる。
同社では全国5カ所のセンターに20人の配車マンを 置き、システムを運営している。
新規荷主のもとへは、 必ず配車マンが事前に現地訪問をし、配送条件などを チェック。
初めて配車する際には、配車マンが運転す る立場で自ら作成した地図をドライバーに送信する。
これもシステム運用の一環だ。
運賃は、求車側の希望をもとに、相場・品質・緊急 性などから判断。
情報は双方に対し非公開のまま、マ ッチングの都度、配車マンが“ダブル・クローズド・ オークション”を行いながら決めていく。
一連のプロセスがすべて「プロの技」に依っている。
このように、輸送サービスという属性の複雑な商品 の特性と、配車の本質を理解し、配車マンの運送コー ディネーターとしてのセンスで運営される求車求貨シ ステムが、稼働率も高い。
同社では82年にこのビジネ スを始めて以来、一度も赤字を出したことがないとい う。
ただ、インターネット化では「ユーザーのパソコ ン・スキルがもっと上がらないと有効には機能しな い」(岡元正敏運輸部長)と、やや思惑がはずれた。
? Neo 
腺達圍稗錬 ? 富士ロジテック ? www.fujilogi.co.jp/action/ ? 2000年4月 ? 求車求貨情報をもとに配車マンがマッチング ? 求車側(荷主)から収受する運賃と求貨側 (事業者)に支払う運賃の差額 ? 荷主会員: 600社 運送事業者会員: 6000社 マッチング件数:月間6000件 <解  説> 造船大手の石川島播磨重工業(IHI)と、大阪の 中小トラック事業者協同組合「ネットワークなにわ」 のジョイント・ビジネス。
旧通産省の広域物流効率化 推進事業で両者が共同開発した、輸配送情報ネットワ ークシステムの事業化をめざし、昨年8月に共同出資 で「アイ・エル・ネット」を設立。
インターネット求 車求貨サービスをスタートした。
組合での体験を通じて、「事業者同士の求車求貨に は限界がある」(保田亘理事長)と痛感してきたネッ トワークなにわが、IHIというパートナーを得て、 新しい求車求貨の考え方を示したのがこのシステム。
それは、意思決定に時間のかかる組合ではなく、事 業者が直接会員になり、荷主も会員に加え、システム 運営者が運送責任を負う、というものだ。
ここで“荷主”とは、利用運送事業者ではなく“真 の荷主”を意味する。
運送サービスの請け負いは多重 構造を極めており、従来型の求車求貨の多くは、その 構造のうえで運営されてきた。
「この多重構造こそ、 輸送品質の向上を阻み、運賃の下落を招く原因」(保 田氏)とみて、ILNetではその解消を理念として 前面に打ち出した。
筆頭株主のIHIを荷主会員に迎えて、“荷主の加 わる求車求貨サイト”をまず実現。
一方で、事業者会 員については、車両を保有して一般事業許可を有する 企業に限定。
入会の際に自社車両の登録を要件とし、 事実上、利用運送だけの事業者を排除している。
「中 間の取り扱い手数料を省くことでコストダウンを実現。
荷主のニーズが末端に直接伝わることで品質向上にも つながる」という図式だ。
求貨側が貨物情報を検索し、先にアクセスした順に マッチングする仕組みは一般的なものだが、傭車を認 めるのは事業者会員同士の求車求貨だけで、荷主会員 の貨物は登録した自社車両での輸送を原則にしている 点が、ほかのサイトにない特徴。
向こう3年半に3000社の会員を募る計画だ。
? ILNet ? アイ・エル・ネット ? www.ilnet.co.jp ? 2001年1月 ? 求貨側が貨物情報を検索し、アクセスした 順にマッチング ? 入会金:10万円 月会費:1万円 システ ム使用料:月額5000円 手数料:成約運 賃の3.5% ? ―― 第1部求車求貨システムの実態

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