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アフターフォロー(商品購入へのお礼/
修理要求への対応/顧客満足度調査)
さらにインターネットや郵送など、電話以外のチャネルの顧客窓口はコールセンタ
ーとは別に設置している場合が多い。 顧
客は本来「ワンストップサービス」を望ん
でいる。 しかし、現状では顧客から見たと
きにレベルの低いサービスとなってしまっ
ているのである。
ある企業では、商品についての問い合
わせをしてきた見込み客がいるにも関わら
ず、その情報は、「お客さま問い合わせ窓
口」の閉じた世界だけで保持されていた。
セールスプロモーションには何ら活用され
ていなかった。 せっかく「私はお客さまに
なる
可能性がありますよ」というシグナル
をもらっていながら、それを無視していた
のである。
さらにこの会社では、顧客窓口の担当
ほんの十数年前まで、ほとんどの商品/
サービスが、顧客と直接、顔を合わせるこ
とで提供されていた。 顧客との接点は、あ
くまでも「対面」が中心だった。 それが今
日、大きく様変わりしている。 郵便・F
AXなどの書面、電話を主とした音声か
ら、eメール、インターネット上のバーチ
ャル店舗やポータルサイト等々――顧客と
のコンタクトチャネルは進化し、「顧客の
いる場所」は格段に多様化した。
そしてインターネットという新たな武器
を得た消費者が、顧客対応の質をシビア
に比較検討し、商品/サービスの購入先
を決定する
ことが、どのような業界におい
ても、もはや当たり前となっている。 この
ような新たな環境に適応したCRM(カ
スタマー・リレーションシップ・マネジメ
ント)を実現するため、「コンタクトセン
ター」を設置する企業が現在、相次いで
いる。
コールセンターの限界
顧客との対応窓口として多くの企業が自
社内にコールセンターを設置している。 し
かし、社内コールセンターのほとんどが、
次に挙げる一連の「ロジスティクス・プロ
セス」のうち、一部のみしか実現できてい
ない。
1
セールスプロモーション(ニーズ調査/
新商品・キャンペーンの紹介)
2
問い合わせ対応(新商品について/購
入済商品について/広告・キャンペー
ンについて)
3
注文受付(商品注文/注文変更・取消
対応)
4
配達状況確認
5
債権回収(督促/入金確認/請求内容
への問い合わせ対応)
6
クレーム対応
インターネットサービスの導入は、顧客窓口の分散を意味している。 そのやり方を誤れ
ば、顧客の利便性が増すどころか、対応の混乱をも招きかねない。 そこで新たに「コンタ
クトセンター」と呼ばれる組織を採用する企業が相次いでいる。 従来のロジスティクス機
能とコールセンター機能を統合し、顧客対応の窓口をコンタクトセンターに一本化するこ
とで、効果的なCRMが実現できるという。
テレマーケティングジャパン
菊池隆/萩原俊彦
CRM最前線:コンタクトセンター改革
こうした顧客対応の失敗による損失は
極めて大きい。 調査によると、「顧客に対して積極的なコンタクトをしている、ある
いはそのような評判のある企業から製品を
購入しようとする」顧客は全体の七〇%
にも及んでいる。
また「製品やサ
ービスに関する不
満は、満足した場
合と比べ、二倍の
数、周りの人に話
をする」。 十一人
の顧客を失う損害
は、その顧客が一
年間に取り引きす
る額の五倍に相当
する」との統計も
出
ている。
今後、企業が目
指すべき方向は、
分散してしまった
顧客対応プロセス
を、複数チャネル
(営業や代理店等)
や複数部門(マー
ケティング部門や
商品企画部門等)
を巻き込み、横串
で一貫した顧客対
応プロセスへと再
編することにある。
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者に購買履歴が共有されていないため、ロ
イヤルカスタマーからのクレームであるに
も関わらず、横柄な対応を取ってしまい、
貴重な顧客を逃してしまったという経験
もしている。
その中核となるのが顧客とのコンタクト
を一元的に担う、コンタクトセンターだ。
コンタクトセンターで顧客対応を一元的
にカバーすることで、顧客の利便性を高め
ると共に、コンタクトの内容を迅速かつ効
果的に、商品開発や商品購入後のフォロ
ーに活かすことができる。
実際、欧米では、商品の問い合わせ対応
や、受注対応といった業務処理的を、従
来のコストセンター指向から、プロフィッ
トセンター指向に転換する
動きが盛んだ。
コンタクトセンターを高度なマーケティン
グの戦略機能と位置づけ、顧客にとって
の価値を最大化し、その結果として企業
にプロフィットをもたらそうとしているのである。 日本国内でも既に、このような取り組
みは始まっている。 具体的な事例をいくつ
か紹介しよう。
《事例1》電気メーカーA社
●分断されていた顧客情報を
全プロセスで共有
これまで、A社では「問い合わせ窓口」、
「購入受付け」、「アフターサービス窓口」
がバラバラに存在していた。 コンタクトセ
ンターを設置して窓口を一つに集約する
ことで、顧客満足度を格段に向上させた。
コンタクトセンターでは、購入前の各種
問い合わせ対応から、アフターフォローま
でを一貫してサービスしている。 顧客の各
企画記事
●コールセンターはコンタクトセンターへ進化する
お客様の利便性《小》 お客様の利便性《大》
お問い合わせ窓口 コールセンター マルチコンタクトセンター
お客様からの
連絡手段
顧客対応
情報共有
効率化
・電話のみ
・担当者毎、部署毎の電話対応
・入電履歴管理や入電件数・内
容などの分析なし
・電話中心(Eメール、WEB
への個別・部分対応
・インバウンド業務の一局集
中化
・入電履歴DB、顧客DBの構築
・フリーダイヤルの使用
・CTI orシステムの導入
・電話・インターネットなど、媒体
を限定しない一元対応
・コールブレンド(アウトバウンド
業務の統合)
・ログ統合
・お客様の利便性考慮されず
例―窓口オープン時間
・お客様本意のサービス
例―オープン時間拡大 or 24
時間対応
―ワンストップサービスの
提供
・お客様本意のサービス
例―オープン時間拡大 or 24時間
対応
―ワンストップサービスの提供
・紙(メモ書き程度)
・担当者レベルで死蔵
・属人的で非効率 ・一局集中による効率化
・電話以外のコンタクトの対応
が課題
・システムの活用と、科学的な運
営方式による生産性向上を実現
・FAQの電子化・共有
・情報を蓄積
・蓄積した情報を商品、サービス
の改善とお客様の獲得、維持拡
大に積極活用
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種支払い方法(銀行振込・代引き・カー
ド・クレジットローン)に関する要望、設
置サービスに関する要望へもきめ細かに対
応している。
また、商品の仕様、トラブルへの対応内
容をデータベースに登録し、問い合わせへ
の回答の際に参照し、回答時間の短縮・
回答内容の品質の維持をする他、商品企
画にも活かしている。
《事例2》海運会社B社
●複雑な見積り用件に対して、
高いスキルの担当者が対応
運搬物の見積りは、その大きさ、運搬方
法、経路、保険の種類といったいくつも
の条件を組み合わせて行われる。 この業務
には、効率的に支援するシステムと、豊富
な知識を有する担当者が必要となる。
しかし従来B社は、「見積り」、「運搬状
況の問い合わせ」、「クレーム受付」といっ
たバラバラの窓口で対応していたため、問
い合わせに対して適切な担当者を当たら
せることができなかった。
そこで新たにコンタクトセンターを設置
し、顧客対応を統合した。 「見積
り」には
研修を受けたスキルの高い担当者が対応
することで顧客の満足度を上げている。 同
時にこれまでは、今荷物はどこにあるのか、
いつ届くのかといった顧客からの問い合わ
せに即座に応え切れていなかったものが、
トラッキングシステムと融合することでタ
イムリーに回答できるよう
になった。
このモデルは、トラック
や鉄道を用いた運輸・物流
サービスにも適用可能であ
ろう。
《事例3》
精密機器メーカーC社
●保守依頼情報を集約し、
最適な担当者へ振り分け
従来、C社では、保守の
依頼受付から、保守担当者
の手配、修理完了の確認と
いった機能を地域別のコー
ルセンターで担当していた。
この体制を改め、全国から
の保守依頼を一手に引き受
け、そこから全国に散らば
る保守担当者に依頼を実施
する「コンタクトセンター」
を新たに立ち上げた。
地図情報を駆使し、現場から最短距離
にいる担当者のアサイン、ステータスの一
元管理、さらに保守担当者へ携帯端末経
由で多種多様な製品情報を提供するとい
ったことを通じて、短時間での確実な保
守が可能になった。 工程毎の最適化の視
点から、受付〜サービス提供の完了まで
を一貫した視点で再編した点がヒントと
なるであろう。
《事例4》自動車ディーラーD社ほか
●個別企業を超えた受発注業務の統合
自動車の修理工場と、自動車ディーラー
が共同でコンタクトセンターを立ち上げた。
以前は個別に部品メーカーに注文してい
たものを、共同受発注センターとなるコン
タクトセンターを介する体制に転換した。
これによって?注文を束ねることによる
大量発注での価格低減、?部品に関する
●コンタクトセンターの業務
お客様
見込
新規
既存
優良
電話
・
携帯
Eメール
・資料請求
・コンテンツ問い合わせ
・サービス問い合わせ
・料金問い合わせ
・各種変更依頼
・契約解約・休止
・テクニカルサポート
・クレーム
・要望
◆受付
・資料請求受付
・コンテンツ問い合わせ受付
・サービス問い合わせ受付
・料金問い合わせ受付
・各種変更依頼受付
・契約解約・休止受付
・テクニカルサポート受付
・クレーム受付
◆発信
・折り返し発信
・不備確認発信
・加入催促
・料金督促
◆バックオフィス
・資料・申込書・請求書発送
・登録業務
・不備確認
・各種対応
・申込書・資料送付
・各種発信業務
web
FAX
ハガキ
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ノウハウの蓄積による適切な部品メーカー
への発注などを実現している。 将来的に
は、蓄積した発注情報の商品企画分野へ
の活用も検討されている。 このモデルは今
後、医薬業界や住宅メーカー等にも広が
っていくと考えられる。
アウトソーシングの活用これらの事例のようにコンタクトセンタ
ーは従来コストセンターだった顧客対応機
能をプロフィットセンターに
変える力を持っている。 現状
ではCRMの最も有効なソリ
ューションだといえる。 しか
し、コンタクトセンターを活
用するには、情報システム、
優れた人材の維持・獲得、フ
ァシリティーの整備等、多く
の投資を必要とする。
実際、センターの自社運営
を検討している企業からは次
のような声が聞こえてくる。
――どのような設備(システ
ムを含む)が必要でそれをど
う構築したら良いのか。
――運営に当たり、何を指標
とし、どう改善
していったら
良いのか。
――どのような人材が必要で、
どう育てたら良いのか、また、
どう維持するのか。
――ピークとオフピークでど
う人数調整をしたら良いのか。
――いったん仕組みを構築し
た後、どうやって機能を拡大
したら良いのか。
等々の基本的なものから、
――どのような顧客データベースの内容に
したら良いのか。
――どう顧客のデータを蓄積していったら
良いのか。
――そのデータをどう分析し、マーケティ
ングに活用できるのか。
といった、よりマーケティング指向のも
のまで、様々である。
これらを自社内で解決しようとすると、
担当者は日々頭を悩まし続けることにな
るであろう。 そこでアウトソーシングが有
力な選択肢となる。 ひと昔前まで、アウト
ソーシングの主目的は経費削減であった。
しかし、いまやより高次の目的(ゴール) がアウトソーシングには課せられている。
多くの企業は、企業のイメージそのもの
を左右するフロントオフィス機能のアウト
ソーシングにはいまだ不安
を感じている。
しかし、自社のみの限られたノウハウ・人
材・ファシリティでは限界がある。 有力な
パートナーと手を組むことは、単にコスト
面だけでなく、自社だけでは実現できない
能力を発揮するためにも必要となっている。
パートナー選考のポイント
実際にコンタクトセンターの効果を最大
化するには、?多様なチャネルに対応した
システムの採用、?新たな手法によるセン
ター運営、?eビジネス環境に対応可能
な人材による業務遂行、が不可欠となる。
企画記事
【マス/準マス/ワン・トゥ・ワン】
・マスメディア
・DM ・ 電話(IN/OUT)
・インターネット
・FAX
・店舗
・イベント
【セールス・リード】
・問い合わせ
・資料請求
・応募
・来場
・アポイントメント
【ワン・トゥ・ワン】
・DM
・ 電話(IN/OUT)
・ FAX
・ インターネット
・ 対面
【オーダー】
・ 購入
・ 契約
・ 入会
・ 登録
【ワン・トゥ・ワン】
・ DM(ニューズレタ
ー、カタログ等)
・ 電話(IN/OUT)
・ FAX
・ インターネット
・ 対面
【リピート・オーダー】
・ 継続購入
・ グレードアップ
・ 拡大購入
利用チャネル
レスポンス
見込客の顧客化
顧客の常顧客化
潜在関心客の見込客化
常顧客
データ
顧 客
データ
見込み客
データ
不特定
多数
顧客データベースの構築
顧客データベースの活用
●マーケティングの各段階でコンタクトセンターは重要な機能を果たす
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これらの三つのポイントを元に、企業はア
ウトソーシング先となるパートナーを選択
する必要がある。 それぞれについて説明し
よう。
?多様なチャネルへの対応
電話・Eメール・webなどのマルチ
チャネルに対応し、コンタクト履歴・顧客
データベースを一元的に管理したり、回答
候補の自動生成・メールの自動振分け等
を行うシステムが必要である。 そのシステ
ムで必要となる機能は、次のようなもので
ある。
・異なるチャネル(電話やEメール等)か
らの問い合わせであっても、同じお客さ
まであれば対応の全履歴を一覧で参照
可能
・Eメールで受けた問い合わせについて、
電話で確認を受けた場合でも、スムー
ズに対応履歴を検索して表示し、担当
者が対応する
ことが可能
・一覧上で、対応状況や、未対応・対応
中等のステータスが把握可能
・対応者を指導する管理者の端末でも、随
時対応状況をリアルタイムで参照可能
・対応履歴と、レポート・分析ツールを
組み合わせることで、「顧客ニーズ集約
レポート」等の作成が可能
これらの機能を有するシステムを利用す
ることで、例えば、初回にEメールで問い
合わせた件について、顧客から電話で確
認があった場合でも、長時間の保留や、担
当者間で電話を転送することなく、的確な回答を行うことができる。
?新たなセンター運営方法
コンタクトセンターの運営に当たっては、
電話対応のみのコールセンターとは異なる
新たな運営方法を取り入れることが必要
である。 その具体的な方法をいくつか挙げ
ると次のようなものがある。
・コンタクトセンターのパフォーマンスの
目
標
:
K
P
I
(
Key Performance
Indicator
)の設定と、その管理(例:
Eメールでの問い合わせ受け付け後、基
本的に一定時間以内に返信)
・センター内の電話対応担当者と、Eメ
ールやウェブ対応担当者との、最適な
ブレンディング(組み合わせ)方法
(例:電話とEメール対応の両方をでき
る担当者を一部配置しておき、状況に
より電話とEメール対応者の割合を調
整する)
・頻出する問い合わせの抽出・回答例の
作成、その周知等を担当する:「ナレ
ッジマネジャー」の役割設定・業務遂
行方法
?eビジネス環境に対応可能な人材
Eメールの場合、問い合わせの実質的な
内容が同じであっても、文章には顧客ご
との個人差がある。 電話と異なり、その場
で「聞き直す」ということができないため、
顧客が何を知りたいかのかを効率良く把
握するスキルが担当者には求められる。 こ
のスキルの育成には、スキル修得のための
特別な研修を用意し、業務遂行者は必ず
受講しておく必要がある。
蓄積データでCRMを実現
さらに、蓄積したデータを活用してCRM
を進化させるためには、マーケティング戦
略・企画立案(目的をきちんと持つ)から
コンタクトセンターの立ち上げ・運営まで、
総合的に推進する必要がある。 これに成功
すれば、多数の競合他社のなかから際立ち、
顧客をひきつけ、離さない、強い顧客ロイヤルティを獲得することができる。
とくにエンドユーザーを直接相手とする、
ロジスティクスビジネスを推進する企業に
おいて、コンタクトセンターによる高品質
のサービスを提供することは、今後のビジ
ネス成功の鍵を握ると言っても過言では
ない。 顧客とのコンタクトの戦略、その実
施方法、サービスレベルついて是非、熟考
していただきたい。
企画記事
問い合わせ先
株式会社
テレマーケティングジャパン
営業本部
営業管理室
フリーダイヤル:0120―777―500
電話:03―5454―5590
Eメール:ad@telemarketing.co.jp
URL:http://www.telemarketing.co.jp/TM
T11/
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