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AUGUST 2001 66
ロ
ジ
ス
テ
ィ
ク
ス
学
会
(
S O L E - T h e
International Society of Logistics
)では
「
Logistics Spectrum
」という機関誌を発
行している。 今回は同誌からサプライチェー
ン・マネジメントと情報技術のアウトソーシ
ングに関する論文を紹介する。 原文のタイト
ル
は
?
Outsourcing Supply Chain
Information Technology
〞
、著者はWilliam
B. Smith
である。
はじめに
米国産業界において近年、アウトソーシン
グは一般的なビジネス慣行として大きな発展
を遂げている。 企業と外部プロバイダーとの
新しい関係が構築され、ジョイントベンチャ
ーやパートナーシップは、もはや珍しいもの
ではなくなった。
ある企業では、コアとなるロジスティクス
機能を保持しながら、情報技術(IT)をア
ウトソースすることで、新たなる技術の優位
性とスケールメリットを享受し、人件費の削
減によるコスト低減を果たしている。 さらに
アウトソーシングには外部業者の専門能力の
活用と、情報システムの維持管理コストの低
減という狙いもある。
今日の企業は自社のサプライチェーンIT
システムの一部をサードパーティー業者にア
ウトソースすることを考慮すべきである。 こ
の論文で筆者は、そう強調したつもりだ。 た
だし、ここで問題にするのはITに関してで
あって、ロジスティクスの諸機能については
触れないことにする。
情報:決定的な要素
サプライチェーンは、供給者から顧客にま
たがる相互に関係する活動の流れであり、そ
こには資材供給業者、サービス提供者、施設
提供者、3PL業者など、多くのサプライチ
ェーン・プレーヤーやパートナーがいる。 そ
して、これまでに多くの3PL業者が、独自のSCMの定義を編み出している。 サプライチェーン・カウンシル(SCC)
では一九九六年に「SCORモデル」を提唱
している。 このモデルは「計画」、「調達」、「生
産」、「納入」の四つの活動から構成される。
そして、それぞれの活動はITが可能にする
運用戦略によって統合されるとされている。
さらにサプライチェーンITプロバイダー
であるアーンスト&ヤングは、この四つの活
動に、最終活動としての「販売」を追加した。
これらサプライチェーンを構成する五つの活
動の目的は、オーダーの完全処理であり、情
報フローはそれに対応しなければならないと
強調している。
典型的なサプライチェーンは二つの「サブ
チェーン」から構成されている。 第一のサブ
第5回
サプライチェーンITのアウトソーシング
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