ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2001年10号
SOLE
米国防総省のロジスティクス

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

73 OCTOBER 2001 ロ ジ ス テ ィ ク ス 学 会(S O L E - T h e International Society of Logistics ) は ? Logistics Spectrum 〞という季刊雑誌を 発行している。
今回は同誌(Vol.35, Issue3 July-September 2001 )より米国国防総省 (DoD)に関する三つの論文のダイジェス トを紹介する。
原文のタイトルと著者は ? Achieving Logistics Excellence 〞 ( by A l l e n B e c k e t t )、?F u t u r e l o g i s t i c s Environment 〞 ( by Lou Kratz and Alex Sirnow )、?Achieving Logistics Excellence through Performance-Based Logistics 〞 ( by Lou Kratz )である。
卓越したロジスティクスの確立 昨年六月、米国では新しい大統領が選出さ れた。
米国国防総省(DoD)は政治の新し いリーダーシップを歓迎している。
このこと はDoD が定めた 21 世紀の防衛戦略と、そ れに基づくロジスティクス・パフォーマンス の要求に明確に示されている。
米国の新しい防衛戦略は将来のロジスティ クスに対して、「急速な展開能力」、「高度な 機動性」、さらに「持続性」を求めている。
D oDは調達とロジスティクス・プロセスをよ り確実で効果的なものにするために積極的な 活動を展開しており、顧客の要求に迅速かつ 正確に対応できる体制を築こうとしている。
DoDはロジスティクスに関して、次の四 つの基本的な活動方針を掲げている。
1 達成水準を向上させる指標として「顧客 の待ち時間」という概念を導入する 2 現有のロジスティクス情報システムを近 代化する 3 新旧兵器システムの信頼度と維持をより 高度なものにする 4 ロジスティクス改善を促進するために将 来のロジスティクス環境を明確にする 以下にこの基本方針の概要を説明する。
「顧客の待ち時間」という概念一九九〇年、DoDのロジスティクス局は エンド・ツー・エンドでロジスティクス・チ ェーン管理を実現することを約束した。
この 約束において重要な点は、顧客の注文から受 領までの全プロセスを対象に、新たなパフォ ーマンス測定が必要であることを認識したこ とである。
従来のレスポンスタイムの測定は、これを 一般社会の商品流通に例えれば、中間流通の パフォーマンスの測定に集中していて顧客で ある小売りや戦術上の満足を満たすものでは なかった。
さらに従来の高水準の尺度はレス ポンスタイムの平均値に集中しており、顧客 サービスの多様性への配慮に欠けていたとい う問題もあった。
第7回 米国防総省のロジスティクス OCTOBER 2001 74 これらの問題を解決するためDoDは、ロ ジスティクスシステムの応答性を管理する尺 度として「顧客の待ち時間」という考え方を 定義し、確立することを狙っている。
そのた めに国防次官補(サプライチェーン統合担 当)を中心とする全省的な活動も立ち上げた。
ここで言う「顧客の待ち時間」とは全ての要 求の充足を意味し、測定については変動基準 アプローチを用いる。
予備品・補修品のため の予備的データは軍から収集され、システマ ティックなデータ収集と分析に対する要求が 定義されている。
これらの活動は顧客の緊急要求に基づいて、 時間指定納入標準の可能性を評価するよう指 示されている。
この「顧客の待ち時間」に関 する報告は今年からスタートすることを期待 されている。
情報システムの近代化についても、次のよ うに述べられている。
「顧客の待ち時間」を 効果的に導入するために、DoDと各軍は近 代的な情報システムを要求するであろう。
ロ ジスティクスシステムの近代化を担当するデ ィレクターは、DoDのロジスティクス情報 システムの開発プロセスにおける確実性を保 証し、製品情報に対する要求を定義する。
そ して、民間市場標準へ移行し、かつモダンで 安全なビジネスシステムの展開を保証するた めに関係者全体の活動を指導している。
進行中の活動の焦点は、防衛五カ年計画の 期間中にウェブを利用したシステムへ移行す ることである。
ロジスティクスの高度化 予想される「将来のロジスティクス環境」 (後述)に対応して、DoDは「パフォーマ ンス基準ロジスティクス」(PBL)に移行 することで既存の兵器システムを維持しよう としている。
このPBLへの移行には、製品 支援プロセスのリエンジニアリングや、新し い調達ガイダンスなどが含まれており、第二 次世界大戦以来、ロジスティクス分野におけ る最も劇的な変化となる。
統合的な製品支援は顧客主導に焦点を当 てており、パフォーマンス基準の主要な要素 として次の事項を挙げている。
・プログラムマネジャー(PM)はライフサ イクル・マネジメントの責任を負う ・PMはパフォーマンス結果に基づいて顧客 との関係を樹立する ・PMはシステムの即応性と顧客へのサービ スを目指して、政府と産業界との間に構築 される統合的ロジスティクスチェーンを管 理する ・政府機関、産業界、あるいはその両方のパ ートナー関係の中からベストバリューの提 供者を選択する ・サービス提供者はパフォーマンス基準の同 意に基づいて管理される ・支援環境は長期の競争的緊張によって維持 される ・PMは特定の投資によって兵器システムの 支援性の継続的改善と運用コストの低減を 指導する 二〇〇〇年度、DoDは三〇のパイロット プログラムを特定し、「パフォーマンス基準 ロジスティクス」への革新的アプローチを評 価した。
これらのプログラムは主要な兵器シ ステムグループの、ライフサイクルの異なる フェーズを対象としたものである。
将来のロジスティクス環境 DoDは「将来ロジスティクス環境(FL E)」を提唱し、種々の活動を推進している。
FLEはDoDのパフォーマンスを中心にし た活動で、卓越したロジスティクス・ビジネ ス環境の実現を目指しており、すでに二〇二 〇年までのフェーズ分けされたロードマップを描いている。
このロードマップには二〇〇〇年〜二〇一 〇年にかけて、総資産の可視化、顧客待ち時 間、戦略的供給管理の推進、ウェブベースの システム、自動認識技術――などのキーワー ドが列挙されている。
FLEの活動は、作戦要求に対応し、優れ たロジスティクス支援を実行する能力を設計 し、導入することを求められ、各種の研究や 活動を通じて定量的なパフォーマンス目標を 定めた。
その一部は次の通りである。
・世界中のいかなる地域にも三〇日以内に、 一二〇日の軍事行動を行う安定的かつ小 規模の突発事態対応戦力(SSC)を展 開すること ・六〇日以内に、一八〇日の軍事行動を行う 75 OCTOBER 2001 安定的な主要戦域戦力(MTW)を展開 すること ・総合的な資産管理(仕掛、在庫、輸送中を 可視化する)を実現すること ・四八時間以内にひとつの航空派遣軍(AE F)を展開し、一五日以内に五つ以上のA EFを展開できるようにし、かつ対象を半 減させること ・飛び立った後九六時間以内に陸軍の一旅団 を、一二〇時間以内に一個師団を、さらに 三〇日以内に五個師団を世界中のいかなる 地域にも展開すること 定められたこれらのパフォーマンス目標に あわせてDoDは、パフォーマンス、プロセ ス、インフラストラクチュア、組織、情報シ ステム、要員などを含むロジスティクス供給 システムのキーとなる要素をFLEの設計特 性として示した。
現在ではすでにフェーズ1 の活動を終え、フェーズ2、すなわち詳細設 計の段階に入るところである。
SOLE東京支部フォーラム報告 SOLE東京支部では毎月「フォーラ ム」を開催し、ロジスティクス技術やマネ ジメントに関する会員相互の情報交換に努 めている。
九月のフォーラムでは、米国で 開催されたSOLE2001(「年次国際 ロジスティクス会議」と展示)に参加した 支部のメンバーの報告を聞いた。
SOLE東京支部についてのお問合せ、 ご意見などはsole_consult@jmac.co.jp まで。
Q1“therblic(サーブリック)”についての記述で、正しいの はどれか? a.仕事の単位 b.ソフトウェアを構成する最小単位 c.Gilbrethのスペルの逆 d.“a.”、“c.”のいずれも正しい Q2 最も一般的な組織の構造は次のどれか? a.プロジェクト組織 b.マトリックス組織 c.統合的組織 d.官僚主義的組織 Q1の正解は「d」。
Frank Gilbrethという人は米国の経営学 者で「モーションスタディ」の研究を行った。
動作を分解し、 作業の最小単位をある種の記号で表した。
例えば、「手を伸ば す」は、「掴む」は、「物を運ぶ」は、「手放す」はな どとし、その記号を自分の名前のつづりを逆にし、「サーブリ ック」と名づけた。
この動作分析は後の標準時間設定手法の 一つ(PTS法:既定時間値法)である「WF」や「MTM」 の基礎となった。
また、徹底して合理主義を追及したFrank Gilbrethは、映画「ダースなら安くなる」のモデルでもあり、自 身も12人の子持ちという。
Q2の正解は「d」の官僚主義的組織で、いわゆるピラミ ッド型の組織が最も一般的。
プロジェクト組織はあらかじめ定 められた期間と予算の範囲内で、特定の目的を果たすために 設けられる臨時的な組織。
これに対してマトリックス組織は、 専門能力を有する集団の管理を横軸におき、日々の活動単位 を縦軸に置く。
例えば、各事業部長の秘書はそれぞれの事業 部に所属すると同時に、秘書業務・能力の管理上は秘書部門 に所属する。
「ワンマン、ツーボス」などと呼ばれ、エンジニア リング会社などによく見られる組織である。
第7回 
達丕未了邯殻簑蠅膨戦 今回は第2領域「システム設計と開発」からの問題です。
Q1 保全概念(メンテナンスコンセプト)の内容に関す る次の記述のうち正しいのはどれか? a.保全に関する期待水準、全般的な修理方針、保全に 関する組織責任、主要なロジスティクス支援要素、保 全環境に関する効果性要求 b.保全に関する期待水準、全般的な修理方針、保全に 関する組織責任、主要なロジスティクス支援要素、シ ステムサポートに関する効果性要求、保全のための特 殊な道具や試験機器 c.保全に関する期待水準、全般的な修理方針、保全に 関する組織責任、保全施設、システムサポートに関す CPL(Certified Professional Logistician)の試験問題に挑戦 前回のおさらい ※今回の設問の答えと解説は、本誌11月号の当コーナーでお読みいただけます る効果性要求、保全のための特殊な道具と試験機器 d.保全に関する期待水準、全般的な修理方針、保全に 関する組織責任、主要なロジスティクス支援要素、シ ステムサポートならびに保全環境に関する効果性要求 Q2 システムにおける人間的要素を検討する時、考慮す べき事項は次のどれか? a.人間の感覚器官、人体測定的、生理学的、心理学的 要素 b.人間の感覚器官、環境的、生理学的、心理学的要素 c.人間の感覚器官、人体測定的、生理学的、物理的要 素 d.人間の感覚器官、人体測定的、安全、心理学的要素

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