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サプライチェーンの評価方法〈前編〉
JUNE 2003 34
◆はじめに
入念に設計されたサプライチェーン・メトリク
ス(=評価方法)は企業に多くのメリットをもたら
す。 企業によって異なるプロセスを統一する、最
も収益性の高いマーケット・セグメントに照準を
合わせる、サービスの差別化と低コストを通じて
競争力を確保する――。 こうした施策の実現によ
って成功の可能性を高めるとされている。
適切なメトリクスがなければ、カスタマーやエン
ドユーザーの要望に応えられず、部門のみならず
企業全体の業績が悪化し、競争相手に勝つ機会を
逃し、あげくの果てにはサプライチェーンの内紛を
も引き起こしかねない。 しかしながら、サプライチ
ェーンを測定する明確な基準が実際に存在すると
いう根拠はない。
その理由はいろいろ考えられる。 サプライチェー
ンというものの方向性が定まっていないこと、多
くの企業がかかわることによるメトリクスの錯綜、
他企業との情報共有に対する抵抗感、カスタマー・
商品・サプライチェーンごとにパフォーマンスを評
価することの難しさ、などが列挙できる。 とりわけ
理由として大きいのは、そうした評価基準をデザ
インし発展させてゆく方法が、いまだに見いだせ
ていないことである。
企業の責任者がサプライチェーン・メトリクス
と呼んでいるものは、リードタイム、注文充足率、
オンタイム・パフォーマンスなど、内部的な基準
であることが多い。 そうした基準はおおむね財務
(在庫回転率と収益性)に還元されるだけであり、
主要プロセスがどれだけうまく機能しているか、あ
るいはどれだけ効果的に顧客のニーズに応えてい
るか、といったことを反映するものではない。
自社以外のパフォーマンスを評価する企業の数
は増えてきている。 しかし、その範囲は一次調達
先(ティア・ワン・サプライヤー:tier one supplier
)、顧客、サードパーティ・プロバイダーに限
られている。 サプライチェーン全体の質、競争力、
顧客価値、投資価値などを増大させるチャンスが
どこにあるかを見きわめるには、これだけでは不十
分である。
本稿の趣旨は、主要なサプライチェーン・プロ
セスのパフォーマンスと、各企業がサプライチェー
ン全体に及ぼす影響などを測定するためのメトリ
クスを探求すること、そしてそれらを投資価値へ
と読みかえることである。
最初のセクションで、これまでのメトリクスの問
題点とサプライチェーン・パフォーマンス評価基
準の必要性を述べる。 第二セクションでは関連す
る諸研究を取り上げ、そのSCMへの応用を検討する。 最後にサプライチェーン・メトリクス確立
への枠組みを提案し、結びとしたい。
◆従来型メトリクスの問題点
多くの企業が現在、採用している評価基準には、
サプライチェーン・パフォーマンスを適切に評価
できないという問題点がある。 サプライチェーン・
メトリクスと称されているものは、実際には内部
的なロジスティクス・オペレーションの評価である
ことが多い。 注文充足率、リードタイム、オンタ
イム・パフォーマンス、ダメージ対応、といった一
企業で完結するもので﹇注1﹈、サプライチェーン
の評価に不可欠な全メンバー共通の基準ではない
ことが大部分である﹇注2﹈。
サプライチェーンの評価法は、いまだ確立されていない。 大部分
の企業がロジスティクスの指標を使ってサプライチェーンを管理し
ているのが現状だ。 在庫回転率という指標もSCMには効果的では
ない。 サプライチェーンのパフォーマンスを正しく評価するための
新しい評価方法の枠組みを、斯界の権威が提案する。
ダグラス・M・ランバートオハイオ州立大学/ノースフロリダ大学教授
テレンス・L・ポーレンノースフロリダ大学教授
*本稿はダグラス・M・ランバート博士の同
名の論文「Supply Chain Metrics」を、博
士の許可を得て本誌が翻訳したものです。
本号と次号の2回に分けて掲載します。
35 JUNE 2003
米国の内外で開催されたセミナーで経営幹部た
ちにサプライチェーン・メトリクスを挙げてもらっ
たときも、こうした基準であることが多かった。 経
営幹部たちがサプライチェーン・パフォーマンスの
測定基準として挙げるのは、たいがい在庫回転率
であり、この点で研究者たちの意見は一致してい
る﹇注3﹈。 だが在庫回転率は、サプライチェー
ン・メトリクスとしては効果的ではない。 このこと
は、SCMになぜ新たな基準が必要なのかという理由を説明するのに都合のよい事例だ。
在庫回転率という指標は、サプライチェー
ンの各段階における製品のコスト、形態、リ
スクの相違を考慮に入れてはいない。 サプラ
イチェーンの各段階における在庫とその流れ
を示す図1をみれば、それはたやすく理解で
きるだろう。
消費者に近づくほど、在庫価値と費用は増
加する。 したがって(資金調達コストと在庫回転
率が各段階で似たようなものだとすれば)小売り
段階での在庫費用がもっとも大きくなる。 つまり
サプライチェーン・パフォーマンス全体からすると、
小売り段階での在庫回転率の改善は、サプライヤ
ー、製造、卸におけるものよりはるかに大きな効
果を生むのである。
表1に挙げた例では、かりにサプライヤー、製
造、卸、小売り段階の回転率がすべて六で、在庫
管理コストも同じ三六%とすると、六から七への
回転率改善は、それぞれ単位あたり〇・〇四ドル、
〇・二一ドル、〇・五三ドル、〇・六二ドルの削
減となる。
この事例は、在庫をサプライチェーン
の川下に押しやるというありふれた慣習
が、全体のパフォーマンスを低下させる
可能性をもつことをあらわしている。 ま
ず、サプライチェーン各部門における実
際の回転率も加味しなければならない。
図2は、回転率による在庫管理コストの
変動を示している。 データは表1の製造業者のものであるが、これがサプライヤ
ーや卸であっても曲線の形は変わらない。
では、在庫や在庫所有権はサプライチ
ェーンの川上に移すべきであるという一
般的な理論に、サプライチェーンの各段
階における在庫回転率の変化がどのよう
に影響するか考えてみよう。
仮に製造業者の回転率が五で卸のそ
れは十一であるとすると、回転率を一ポ
イント改善することは、製造業者には
〇・三〇ドル、卸にとっては〇・一七ド
物流管理の常識とは大違い
ロジスティクスの手引き
特集
図1 サプライチェーンにおける在庫の流れ
変動費
全製造コスト
販売価格
注文
支払い
情報
製品
原材料費
調達管理コスト
その他変動費
変動費合計
全製造コスト
販売価格
原材料費
調達管理コスト
変動費合計
販売価格
原材料費
調達管理コスト
変動費合計
販売価格
サプライヤー
注文
支払い
情報
製品
製造業者
販売会社/卸
注文
支払い
情報
製品
小売業者
$10
$1
$14
$25
$40
$60
$60
$2
$62
$70
$60
$7
$10
$70
$2
$72
$120
出典:Adapted from Douglas M. Lambert and Mark L. Bennion, “New Channel Strategies for the 1980s,”in Marketing Channels:
Domestics and International Perspectives, ed. Michael G. Harvey and Robert F. Lusch, Norman: Center for Economic
Management Research, School of Business Administration, University of Oklahoma, 1982, p.127.
表1
※図1のデータに基づく
在庫評価額
在庫管理コスト
単位当たり在庫管理コスト
サプライヤー
$1.80
$0.90
$0.60
$0.45
$0.36
$0.30
$0.26
$0.23
$0.20
$0.18
$0.16
$0.15
製造業者
$9.00
$4.50
$3.00
$2.25
$1.80
$1.50
$1.29
$1.13
$1.00
$0.90
$0.82
$0.75
販売会社/卸
$22.32
$11.16
$7.44
$5.58
$4.46
$3.72
$3.19
$2.79
$2.48
$2.23
$2.03
$1.86
小売業者
$25.92
$12.96
$8.64
$6.48
$5.18
$4.32
$3.70
$3.24
$2.88
$2.59
$2.36
$2.16
1回転
2回転
3回転
4回転
5回転
6回転
7回転
8回転
9回転
10回転
11回転
12回転
$5
36%
$25
36%
$62
36%
$72
36%
JUNE 2003 36
ルの削減に値する。 この場合、前述の理論は
妥当しない。
また、在庫回転率という指標は、在庫品
の形態やリスクの違いを考慮に入れてはいな
い。 サプライヤーのもつ原材料の多くは、そ
のほとんどが他の製品や顧客にもまわされる。
したがって、川下での状況変化がサプライヤ
ーの在庫総量にどう影響するかを判断するの
は容易ではない。
さらに在庫回転率というメトリクスには、
リスクという視点が欠けている。 在庫が川下
に近づくほど、消費者の要望に対応できなく
なるリスクもふえる。 できるだけ川上に在庫
して加工のタイミングを遅らせることで、製
品の陳腐化と在庫のリロケーションにかかわ
る費用は減らすことができる。
つまり在庫回転率というただひとつの指標
では、サプライチェーン全体や各部分の改善
率の違いを把握することはできない。 全体の
在庫管理コストをあらわすパフォーマンスと
いうものがより有効であるのは、それが各メ
ンバーの支出するさまざまな在庫関連費用だ
けではなく、サプライチェーンの各段階にお
ける在庫評価額をも加味したものだからであ
る﹇注4﹈。
トータルの在庫管理コストは、在庫をサプ
ライチェーンの最上流に近づけることで安く
なる。 源流に遡れば遡るほど費用は減る。 つ
まり在庫回転率やその他の指標だけでは、多
数の企業が参加するサプライチェーンのパフォー
マンスを正しく評価することはできないのである。
SCMの一般的な定義がないことからも、また
ーまでもロジスティクスの観点に含めること」とし
ていた﹇注5﹈。 しかしCLMは一九九八年、ロジ
スティクスの定義を改訂し、ロジスティクスはS
別の問題が生じている。 つい最近まで
大部分のロジスティクスの実務家、研究者、コン
サルタントたちは、「SCMとは顧客やサプライヤ
図2 年間在庫管理コストと在庫回転率の関係
$9.00
4.50
3.00
2.25
1.13
0.75
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
変動費 $25
在庫維持費(%) 36%
年間在庫管理コスト $9
月間在庫管理コスト $0.75
出典:Adapted from Jay U. Sterling and
Douglas M. Lambert as referenced in Douglas
M. Lambert and James R. Stock, Strategic
Logistics Management, Burr Ridgh, IL:
Irwin McGraw-Hill, 1993, p. 390.
ティア1
サプライヤー
ティア2
サプライヤー
カスタマー カスタマー/
購買 マーケティング&セールス エンドユーザー
サプライチェーンのプロセス
図3 サプライチェーン・マネジメント:サプライチェーン・プロセスの統合と管理
ロジスティクス
製造 ファイナンス
研究開発
モノの動き
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)
カスタマーサービス・マネジメント
需要管理
注文充足
生産管理
サプライヤー・リレーションシップ・マネジメント(SRM)
製品開発・商品化
返品管理
情報の流れ
製造業者
出典:Adapted from Douglas M. Lambert, Martha C. Cooper, and Janus D. Pagh, “Supply Chain Management:, Implementation Issues
and Research Opportunities, 'The International Journal of Logistics Management,Vol. 9, No. 2(1998), p. 2.
37 JUNE 2003
CMの一部分にすぎないとした。
「ロジスティクスとは、顧客の要望に応えるため
に、仕出し地点から消費地点までの物品・サービ
ス・関連情報のフローと保管を、効率的かつ効果
的に計画・実施・コントロールすることである」
﹇注6﹈
SCMは企業間のビジネスプロセスに関するロ
ジスティクスだけでなく、より広い視野で諸機能
の効果を考慮するものである。
「SCMとは、顧客や株主にとっての価値を生む
製品・サービス・情報を提供するため、エンドユ
ーザーから末端のサプライヤーにいたる主要なビジ
ネスプロセスを統合することである」﹇注7﹈
図3に挙げたのは、一企業だけでなく、サプラ
イチェーンの全主要メンバーが実行しなければな
らない八つのプロセスである。 このうち「サプライ
ヤー・リレーションシップ・マネジメント(SR
M)」とは、もともと調達と呼ばれてきたものであ
るが、残念なことにロジスティクス研究や現場に
おける調達という概念は、部門別調達と混同され
ている。 そこでわれわれは今回、それをSRMと
呼ぶことにした。
またロジスティクスではなくSCMとしたのは、
多くの企業が採用している尺度がサプライチェー
ン・パフォーマンスを評価するものではなく、たん
なるロジスティクスのメトリクスであるという研究
結果に基づいている﹇注8﹈。
◆研究の概況当分野の研究論文などで論じられている方法や
評価基準は、あくまで一組織におけるパフォーマ
ンス改善を目的としており、サプライチェーン全
体のパフォーマンスや、あるいは各組織が全体の
パフォーマンスにどのようにかかわるかという視点
が欠けている。
サプライチェーン全般におよぶ評価基準の必要
性に言及している研究者がいても、そのための方
法は明示しておらず、パフォーマンス改善のプロ
セスを指摘するには至っていない。 現状では業績
評価システムの分析と分類が大半であり、サプラ
イチェーン・パフォーマンス評価基準に取り組ん
でいる研究は数えるほどしかない﹇注
10
﹈。
サプライチェーン・メトリクスの確立とその実
施への障害を克服するには、さらなる研究が求め
られる。 いかなるものを、いつ、なぜ測定するのか、
それを見極めるための研究が必要なのである。
サプライチェーンは全体としてとらえられるべき
ものであり、いかなる評価システムといえどもサプ
ライチェーン全体にわたるものでなければならない
﹇注
11
﹈。 現場の担当者が高いパフォーマンスレベ
ル獲得に向けて注意を集中でき、改善の余地がど
こにあるかをはっきり明示するような評価システム
の構築こそが、我々の課題となる﹇注
12
﹈。
◆なぜサプライチェーン・メトリクスか?
SCMの新たな評価基準が必要であることには、
いくつかの理由がある
・サプライチェーン全体のパフォーマンスを評価す
る基準の欠如
・一企業の内部的基準にとどまらない、サプライ
チェーン全体を視野にいれたパースペクティヴの
要請
・企業とサプライチェーン間の、パフォーマンスの
相関関係を見極める必要性
・SCM固有の複雑さ
・サプライチェーンの目的達成のため、それぞれの
機能を結びつけ、パフォーマンス評価基準の情
報を共有しなければないないこと
・サプライチェーンに対する?視線〞を伸ばした
いという要求
・機能分担の見直しで生じる、負担および受益再
配分の必要性
・競争力を維持するための差別化の必要性
・企業の各部門や、各企業間の共同作業を円滑な
らしめるという目的の存在サプライチェーン全体をカバーする基準は存在
せず﹇注13
﹈、しかもロジスティクスその他の評価
基準は、SCMの領域を適切に反映していない﹇注
14
﹈。 責任者たちは、最終的な収益の分析や大事な
顧客を失うといった事実に直面してはじめて、自
分たちが企業目標に貢献できたかどうかを知るこ
とになるのである﹇注
15
﹈。
従来の基準はサプライチェーンの戦略と目標に
かならずしも一致しないため、サプライチェーンに
とっては非効率的であることもある﹇注16
﹈。 各社
共通のメトリクスとは全く新しい考え方であり﹇注
17
﹈、いまだその黎明期であるとはいえ、相互に接
しあったチャネルメンバー(サプライヤー、キャリ
物流管理の常識とは大違い
ロジスティクスの手引き
特集
ダグラス・M・ランバート
オハイオ州立大学/
ノースフロリダ大学教授
けることができ、ネットワーク全体にひろがるビジ
ネスプロセスを統御するのに欠かせない要素であ
る組織・機能・働きなどを特定し、制度化するこ
とができる﹇注
29
﹈。 サプライチェーン・パフォー
マンスのレベルアップのためどの分野の改善に着
手すべきか、責任者たちはそのことに専念できる
ようになるのである﹇注30
﹈。
サプライチェーン全体を覆うメトリクスを設定
することは、同時に企業の目標と戦略に近づくこ
とでもある﹇注
31
﹈。 各メンバーはそれぞれ独自の
メトリクスと目標をもつため、主だったビジネスプ
ロセスを統合することは容易ではない﹇注
32
﹈。 し
かし目標の齟齬は、サプライチェーンにおける確
執と非効率をまねく恐れがある﹇注
33
﹈。 メンバー
JUNE 2003 38
ア、顧客など)のパフォーマンス評価という点に
焦点が絞られつつある。
サプライチェーン・アプローチの採用は、さまざ
まな評価基準や各業務のコントロール﹇注
18
﹈、そ
して多岐にわたる指標の使用を意味する。 機能別
であったものからプロセス別へと移行するには、新
たな財務会計やオペレーションのみならず、いまま
でとは別の指標が必要とされる﹇注
19
﹈。 一企業の
機能別オペレーションではなく、サプライチェーン
こそが新たな課題となるのである﹇注
20
﹈。
各メンバーがビジネスプロセスのパフォーマンス
にそれぞれ責任を負うようになるため、すべてのメ
ンバーに評価基準へのアクセスを保証する総合的
な情報システムが欠かせないものとなる﹇注
21
﹈。
経営陣は、サプライチェーンの上流と下流それぞ
れの機能とコストを理解しなければならない﹇注
22
﹈。
◆企業パフォーマンスと
サプライチェーン・パフォーマンス
企業とサプライチェーン、それぞれのパフォーマ
ンスの相互関係を理解するには、財務的なものと
非財務的ものを統合する全体論的(ホーリスティ
ック)視点に立つ測定基準が必要である﹇注
23
﹈。
そうして得られた指標を投資価値へ読みかえるこ
とこそが、全体の目標設定に欠かせない。 そうし
た指標があれば、とりわけメンバーのいずれかによ
って投資や資産の積み増しが主張されている分野
において、それとはトレードオフの関係にあるコス
ト同士を比較検討できるようになる。
いままでの評価システムでは、「それは私にとっ
てどんな価値があるのか?」という質問に答える
ことができない﹇注
24
﹈。 きたるべきSC
Mの姿は、企業パフォーマンスへの貢献
が、いつどのようにして可能になるかを
探求することのうちにあきらかになるだ
ろう。
サプライチェーンの複雑さから、メト
リクスのデザインやパフォーマンス評価
にはそれぞれ異なるアプローチが要求さ
れる。 製造業者にとってみれば、サプラ
イチェーンは樹木にたとえられる。 根の
部分はサプライヤー、枝は顧客というわ
けである(図4)。 どの枝や根がサプライ
チェーンに価値をもたらすかを責任者た
ちは理解しなければならない。
通常サプライチェーンは複雑な構造を
もち、各層における個々の働きが相互に
どのように関係し影響しあっているかを
把握するのは容易ではない。 パフォーマ
ンス評価基準は、この複雑さを反映し、末端のサ
プライヤーから最終消費者にいたる多数の企業が
かかわるさまざまなオペレーションを考慮にいれな
ければならない﹇注
25
﹈。
◆メトリクスと戦略の関係
サプライチェーン戦略を実行するには、パフォ
ーマンスと各メンバーが持つそれぞれの目標とを
共通化する必要がある。 自分のオペレーションを
最適化するだけではなく﹇注
26
﹈、おのおのが最大
の利益を得るために、他社と協力しながら事にあ
たらねばならない﹇注
27
﹈。
共通化されたメトリクスがあってこそ、責任者
たちはサプライチェーン全体の目標達成に目を向
図4 企業間ビジネス・プロセス・リンクの諸類型
管理プロセスリンク
監視プロセスリンク
非管理プロセスリンク
非メンバープロセスリンク
当該企業
サプライチェーンメンバー
非サプライチェーンメンバー
ティア3〜サプライヤー
ティア3
サプライヤー
ティア3カスタマー/
消費者/エンドユーザー
ティア2
サプライヤー
ティア2
カスタマー
ティア1
サプライヤー
ティア1
カスタマー
1
2
n
1
n
1
2
3
n
1
n
1
n
1
n
1
2
3
n
1
2
n
1
2
n
1
n
1
2
3
最上流のサプライヤー
ティア3〜サプライヤー
カスタマー/エンドカスタマー
出典:Adapted from Douglas M. Lambert, Martha C. Cooper, and Janus
D. Pagh, “Supply Chain Management:, in Implementation Issues and Research
Opportunities, 'The International Journal of Logistics Management,
Vol. 9, No. 2(1998), p. 7.
39 JUNE 2003
間はおろか、トレードオフの関係にある機能同士
を効果的に調整することさえ不可能になるのであ
る﹇注
34
﹈。
そこで、自分がコントロールできない業務や企
業のパフォーマンスを評価することで全サプライチ
ェーンへの?視線〞を強化する必要が生じるので
ある﹇注
35
﹈。 一企業のマネジメントだけでは、全
サプライチェーンをコントロールし、改善の余地が
どこにあるかを見きわめることはできない﹇注
36
﹈。
そして、それぞれ独立したものを統合・同調・最
適化するには、ビジビリティの強化とメトリクスの
共有化が役に立つのである。
ビジビリティは、サプライチェーンの透明性を
増すことでパフォーマンス改善への道程をあきら
かにする。 責任者たちは、顧客の要望にどう応え
るかという意志決定や、パフォーマンスの改善を
必要としている部分を見極めることができるよう
になる。 一企業のコントロール外にある欠陥を特
定することで、パフォーマンス改善と同時に、上
下流の諸活動に対する一定のコントロール機能獲
得を目的としたプログラムを組むことができるよう
になる。 責任者たちが実際にエンドユーザーと対
面する機会などめったにないが、サプライチェー
ン・メトリクスさえあれば、メンバー全員が顧客
の要望の変化にいっそう柔軟に対応できるように
なるのである﹇注
38
﹈。
企業間の機能移転やトレードオフ関係にあるコ
スト同士の検討には、最終的な利益とコストを評
価する基準が欠かせない。 サプライチェーン全体
のコスト削減・最適化のためには、ある企業が自
らの効率を犠牲にすることを強いられたり、新た
な機能分担を負わされることもあるだろう﹇注
39
﹈。
こうした機能分担の見直しによって利益を得る
企業もあれば、新たな負担やコストを背負い込む
ことになる企業も出てくる。 したがって、どこにど
のような受益と負担が生じるかを見きわめる能力と、利益を公正に再配分するメカニズムが必要な
のである﹇注
40
﹈。
サプライチェーン・メトリクスには、競争力・
サービス・差別化の維持という必要条件が課せら
れている。 製品の普及や競合品の登場により、パ
フォーマンス改善をつうじた製品の差別化を余儀
なくされる。 その結果、サプライチェーンにおける
収益改善や、ブランドによる差別化とコスト削減
に最大の寄与をする分野を見きわめねばならなく
なる﹇注
41
﹈。
ここに共通化されたメトリクスがあれば、サプラ
イチェーンの競争力を自己評価し、そして競争力
を高めるためにどの部分を改善すればよいのかが
判断できるようになるわけである﹇注
42
﹈。
そればかりではなく、労働意欲の改善にもサプ
ライチェーン・メトリクスが役に立つ。 報酬や報
奨金というものは通常、顧客やサプライチェーン
ではなく、内部的なパフォーマンスの評価基準に
基づく﹇注
43
﹈。 しかしサプライチェーン・メトリ
クスは、労働者の行動やサプライチェーンのパフ
ォーマンスに影響を与える﹇注
44
﹈。 各メンバーの
パフォーマンスが改善もしくは低下したか、あるい
はそれがどんな要因によるものか、などの判断基
準となるためである。 また、価値や競争力の強化
を評価する基準や信賞必罰の制度を採用すること
は、各企業の責任者たちの行動を規制することに
もなる﹇注
45
﹈。
内向きのロジスティクス・メトリクスとはつまる
ところ、サプライチェーン戦略とは一致しない。 各
企業のオペレーションの目指すところはお互いに
矛盾する場合が多く、サプライチェーンにとって
の非効率となりがちである﹇注
46
﹈。 各企業の評価
基準はそれぞれ独自に定めることが大半であり、戦
略というよりは従業員の報酬に関係するものであ
る。 基準が戦略と連動しないことによって内向き
の風土が形成され、それがサプライチェーン・メ
トリクスの確立を阻む﹇注
47
﹈。
それがさらにヒエラルキーの下部においては、真
の戦略とは無関係かつ、実行不可能な戦略レベル
の基準を設定することになる。 たとえば顧客満足
という戦略上の目標はあっても、顧客の立場に立
ったカスタマーサービスの基準がない、といったこ
とになってしまう。
さまざまなカスタマーサービスの質は、そのサプ
ライチェーン・パフォーマンスへの影響力にもかか
わらず、既存のパフォーマンス測定基準では正し
くとらえることができない﹇注48
﹈。 当然のことな
がら、それではサプライチェーン・パフォーマンス
と顧客価値を生みだすものとの関係は、あきらか
にすることができないのである。
※次号「後編」に続く、文中の﹇注の説明は﹈次ページに掲載
物流管理の常識とは大違い
ロジスティクスの手引き
特集
テレンス・L・ポーレン
ノースフロリダ大学教授
JUNE 2003 40
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41 JUNE 2003
物流管理の常識とは大違い
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