ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2005年6号
現場改善
協力物流会社を疑う前に

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

69 JUNE 2005 ところがその後、得意先である卸や小売業者 から「決められた配送時間に間に合っていない」、 「荷割れや破損が多い」といったクレームが急増。
「このままP社に物流を任せ続けて良いのか疑問 を持たざる得なくなった。
といっても、具体的 にどの物流会社が当社に相応しいのか判断が難 しい」という内容であった。
私はしばらく考え、「P社の物流現場を見せて ください」とお願いした。
片方の言い分だけを 聞いても本当のところは分からないと思ったか らである。
A社のケースだけでなく、我々NL Fはこのような問い合わせがあった時には、ま ず問い合わせ先の企業自体に問題がないかを検 討することにしている。
得意先からの要望や依 頼を優先し過ぎると、アウトソーシング先の物 流会社にシワ寄せが行く。
それが結果としてク レームを一層増大させてしまうという悪循環に 陥るのを避けるためである。
協力会社の現場を抜き打ち訪問 売上高約三〇〇億円、経常利益二億四〇〇〇 万円の中堅日用雑貨品メーカー、A社から弊社 に問い合わせが入った。
電話をかけてきたのは、 A社で協力物流会社を管理する立場にある物流 管理室管理課のK氏だ。
K氏いわく、納品時間 の度重なる延滞や個口割れ、破損、クレーム対 応などの点で、現在の協力物流会社の品質に問 題がある。
他の物流会社への切り替えを考えて いるので相談に乗って欲しいとのこと。
この電話を元に、私はある仮説を持ってA社 を訪ね、K氏とその上司であるY部長と面談し た。
二人の話によると、A社が現在のアウトソ ーシング先のP社を採用したのは五年前のこと。
P社が物流業界の中でもいち早く3PL事業に 乗り出した会社として定評があったことからパ ートナーに選んだという。
後日、改めて協力物流会社P社の現場を視察 した。
訪問時間は一〇時に指定した。
受注の締 切時間であると同時に作業のピークタイムでも あるからである。
現場視察はピークタイムに限 る。
ピークタイムには現場の問題点が否応なく 露呈する。
取り繕うこともできない。
しかも、多 少P社には気の毒ではあったが、今回の訪問は P社側には一切事前に連絡しなかった。
予め訪 問日が分かれば、現場で?訪問対策〞されてし まうことが容易に想像できたからである。
当日、私とA社のK氏、Y部長の三人は、来 客用の玄関を使わず、あえて物流センターの社 員用出入り口から中に入った。
もちろん、これ もP社の現状をリアルに把握するためである。
我々は一階の入出庫口でしばらくの間、現場作 業の様子を凝視した。
現場の人々は片時も休む ことなく走り回っていた。
ダレた様子はうかが えなかった。
事例で学ぶ 現場改善 日本ロジファクトリー 岡本高士 第29回 物流品質が悪化している。
納品先からのクレームも急増してい る。
協力物流会社を変更すべきだろうか。
現場を調査した結果、 品質悪化の原因は協力会社よりも、むしろ荷主自身にあった。
パ ートナーの変更ではなく、業務の仕組みを改革することで、大き な成果を上げることに成功した。
協力物流会社を疑う前に ――中堅日雑メーカーA社 JUNE 2005 70 ?受注締切時間を過ぎて受注作業を行っている のは、A社の営業担当者からの依頼によるも のが八割を占めている。
我々も困っている。
?二〜三年前まではケース出荷が九割を占めて いたが、現在では顧客からの要望ということで、A社の指示によりボール単位での出荷が 増えている。
?A社の生産工場から出荷された商品が入荷受 付時間に間に合っていない。
P社から要望し ても改善されない。
?A社の各営業所から受け付けた返品商品の多 くは、得意先名が分からない、あるいは良品 か不良品かの区別がつかないといった理由で、 その処理にかなりの時間を要している。
私が当初懸念していた通り、物流品質悪化の 原因は協力物流会社のP社よりも、むしろ荷主 であるA社側にあることが一目瞭然であった。
A 社のK氏とY部長は、いずれもバツが悪そうな 顔をして、物流センターを後にすることになっ た。
原因は協力会社ではなく荷主に K氏とY部長が去った後も、私は引き続き物 流センターに残り、今後の改善のためのヒント を探るべくGセンター長にヒアリングを行った。
「この物流センターでボトルネックになっている のは何ですか」という私の質問に対し、Gセン ター長は「すべての要素が組み合わさって現状 があります。
一つを改善しただけでは根本的な 問題が解決するとは到底思えません」という返 答。
これから始まるA社の業務改善は困難を伴 三〇分ほど観察した頃に、P社の責任者であ るGセンター長が現れた。
Gセンター長は慌て た様子で会議室に我々を通した。
そして席に着 くなり、「今日は突然でびっくりしました。
何か あったのですか」と聞いてきた。
センター長の立 場であれば当然の反応だろう。
若干の沈黙の後、K氏が口を開いた。
「最近得 意先からのクレームが多くて、今回はその原因 を探すため視察に来ました」。
続けて私は、「早 速ですが現場を見せていただけませんか」とた たみかけた。
それでもGセンター長は臆すること もなく「どうぞ、ご案内します」と席を立った。
その姿を見て、最初に抱いていた仮説が私の頭 をよぎった。
Gセンター長に案内されて、入庫、ピッキン グエリア、返品庫、事務所を回った。
各現場を 回り、私は以下の問題点を発見した。
?受注締切時間(最終一〇:〇〇)を過ぎて、 一一:四五になってもまだ受注処理をしてい た。
?メーカー出荷にも関わらず、一ケースに満た ないボール(内箱)単位の出荷が全体の六割 に及んでいた。
?商品の入荷処理と出庫の積み込み作業が重な り、入出庫口が混雑していた。
?返品商品が常に三カ月分滞留していた。
しか も増加傾向にあるという。
雪ダルマ式に膨れ 上がった滞留商品が、一向に片付いていない。
これらの問題点を、Gセンター長に問いかけ ると以下の答えが返ってきた。
うものになりそうだと感じずにはいられなかった。
弊社に戻って今後の対策を練った。
以下がそ の骨子である。
?物流センターの混乱の原因はA社の営業部隊 にある。
これまで顧客満足のためにと行って いた業務が、実はクレームを生んでいたという 事実をA社の営業部隊に理解させる。
?営業部隊から上がってくる要望や指示を、そ のまま物流センターで受けるのではなく、営 業責任者の了承を得たものだけに対応するよ うにする。
?A社の各部署が連携せず独自に動いているこ とから発生するムダ・ムラ・ムリをなくすため に、生産・営業・物流のフローを見直す。
我々 NLFの提唱する?シクミ〞化を図る。
?得意先から各営業所に返品された商品は、A 社の営業所経由ではなく、ダイレクトに物流 センターに返品してもらう。
その時に得意先には返品理由を明記していただくように交渉 する。
業務改善骨子の?〜?はA社の物流管理課だ けが理解しても意味を成さない。
そこで営業部 隊を始め関係部署も参加する全体ミーティング の場を設けてもらうことにした。
しかし過去の 経験上、これらのミーティングを実施すると必 ず営業側からは不満が発生する。
その結果、問 題が先送りされてしまうことも少なくないので ある。
そこで今回は大まかな趣旨説明をA社の 社長にお願いし、私はその具体策や補足説明を するといった具合に役割分担を行った。
これに 71 JUNE 2005 よって、全体ミーティングの意義を 十分に果たすことができた。
いかに 社内的な発言力の強い営業部隊と いえども、自社のトップの口から出 る言葉にはさすがに真剣に耳を傾け る。
A社の社長が趣旨説明を行った 後、私は得意先からのクレームの原因がP物流会社ではなく、A社に あること。
そして現状の物流費およ び改善後の物流費イメージを明示 した。
それまでA社の営業が関心の ある数字といえば、売上高であり粗 利益や支払いリベートであった。
物 流費という概念は欠落していた。
そ のため自分だけちょっと融通を利か せたところで、全体への影響はない と思っている者が少なくなかった。
そんな人たちに向けて私は「皆さ ん、現在のA社の配送費は一個当 たり一九二円です。
しかも返品にか かる費用は、トータルで一個当たり 二四三円かかっています。
納品する 配送費よりも返品されたトータル費 用の方が高くなっています」と説明 した。
そして「今月の売り上げが足りな いからと、リベートを支払って、無 理に得意先に押し込んだ商品は、大 半が返品で帰ってきています。
これ は結局、無料であげたことと同じで す。
今のままのやり方を続けていれ ば、A社のクレームは減らないどころか会社の 存続すら危うくなります」と訴えた。
これを聞いた営業部長は「このような考え方 は今までしたことなかった。
すぐに改善に取り 組もう」と発言するや否や、改善のためのプロ ジェクトメンバーを、営業中心に物流部・シス テム部・商品部・営業事務部から召集した。
メ ンバーは総勢一五人に上った。
トップダウン VS ボトムアップ まずプロジェクトの骨子とスケジュール、改 善目標(図1参照)を決定した。
改善目標値は トップダウンではなく、ボトムアップ(全員で協 議)で作成した。
トップダウンで全てを決定す ることで、活動を推進するプロジェクトメンバ ー内にやらされ感が広がってしまうことがしばし ばある。
その点、A社のプロジェクトメンバーは、 皆やる気に満ち溢れていた。
実際の改善業務も 部署間の壁を越え、部分最適ではない全体最適 を指向した議論が日を追うごとに目に付くよう になっていった。
もっとも、A社のようにボトムアップが機能 する会社は残念ながら極めて稀である。
物流先 進企業ではボトムアップもあり得るが、多くの 企業はトップダウンを取っている。
いや、取ら ざるを得ないのである。
ボトムアップ形式では、 自分達が改善できそうな範囲での目標値しか出 てこないからである。
またこのようなプロジェクトでは、推進メンバ ーが特定の部署に偏っていたり、プロジェクト メンバーは全体最適を思考していたつもりでも、 我々から見れば部分最適に陥っているというケ 図1 
措匐般害善プロジェクト 【改善目標】 業務フローの構築と シクミつくり トータルでの業務フローを構 築し在庫・配送車両の削減 と生産性の向上を行う 在  庫―在庫日数を20日⇒14日 配送車両―延べ550台/月⇒420台/月 にし、生産工場出荷商品も集荷し1,000 万円/年のコスト削減 入庫車両の滞留時間の削減 (現状の滞留時間を50%短縮) ボール出荷SKU数を現状の6300から 4000⇒2500に段階的にケース出荷 に変更 現状の滞留期間 3カ月から1カ月以内に短縮 商品の入庫時間帯のルー ル化/シクミつくり ボール単位の出荷をケース 単位に変更 業務フローの構築と シクミつくり ムダ・ムラ・ムリ・ムチャ の徹底排除 ムダ・ムラ・ムリ・ムチャ の徹底排除 ムダ・ムラ・ムリ・ムチャ の徹底排除 コスト意識を持った 各部のオペレーショ ン活動の推進 現状社内物流費+支払物流費=18.6億円/年(売上高対物流コスト率6.2%) 年間2.3億円のコストダウン 遅納件数の削減 荷割れ件数の削減 返品滞留期間の短縮 前年比50%以下にする 前年比50%以下にする ●ASNと発注情報・リアルタイム在庫情報をA社の社内・生産工場・ 物流センターが共有化し、ジャストインタイムのシクミつくりを行う ●イレギュラー出荷に対しては稟議書が出荷指示書となり配車組 みがしやすくなることで、増車を最小限に留める。
(稟議書の提出 を徹底させる) ●配車の組み替えを行い調達物流を内製化する。
●A社の発注情報を物流センター側に提供 ●生産工場からの出荷日の事前連絡(ASNの活用) ●入庫受付時間を9:00〜12:00から7:00〜10:00に変更する。
●受注締切時間の厳守 ●イレギュラー納品は3日前までに稟議書にて提出 ●入庫業務と出庫業務の荷捌き場の切り分け ●入庫時間帯のルール化 ●ボール出荷をしている商品の出荷頻度別ABC分析を行いA商 品に関しては、ケース単位での出荷に変更して頂く。
●得意先を回りケース単位での出荷に切り替えて頂く。
※得意先の8割は卸業者である為変更はある程度可能であるとの 見地。
(営業部との綿密な協議の上決定した) ●出荷担当者とドライバーによる2重検品 ●得意先からの返品をA社の営業所経由から物流センターへの直 接返品に変更。
●返品商品ごとに返品理由を明記して頂く。
●得意先ごとにバラバラだった運送会社をA社の 1 2 3 4 5 6 全体 項目 改善テーマ(骨子) 改善テーマ(詳細) 改善目標値(数字で表現) 実 施 内 容 JUNE 2005 72 ースが残念ながら少なからず見られる。
そのため我々は、プロジェクトメンバーの選 考時に、できるだけ多くの部署から募り、そし て挙手制をとることを推奨している。
多くの部 署からメンバーを招集することで、同じ問題に 対しても角度の違った考え方が出てくるように なる。
それだけ部分最適のリスクが小さくなる。
しかも挙手制にすることで、やらされ感も払拭 できる。
やる気のある者が集まれば当然、改善 のスピードは増す。
そして全体を巻き込むこと でシナジー効果が現れる。
社内が活気に溢れ、改 善が楽しくなるのである。
ムダのない?シクミ〞作り 話を本題に戻す。
我々プロジェクトメンバー は骨子の中で、運営フローの構築とシクミづく りに最大の時間をかけた。
ムダやムリのない運 営フローにもとづいたシクミがないとプロジェク トが終了した数カ月後には、結局もとの状態に 戻ってしまい、何の改善効果もなかったという ことになってしまうからである。
実際に我々はそのようなケースを何度も見て きた。
一度そうした状態に戻ってしまうと、現 場はやる気と自信を失い?魔のスパイラル〞に 陥ってしまう。
それを回避するために、生産か ら得意先への納品までの現状の業務フローを全 て検証し、徹底的に問題点の抽出を行った。
以下は、A社の基本的な問題点である。
?生産・発注・物流の連帯が取れていないこと による業務の重複と非効率な業務運営。
?営業発端のイレギュラー業務が各部署で多発 している。
その頻度は約五〇件/月。
?リバース物流の放置による返品商品の山。
これらをキーワードに、まず情報の共有化を 進めた。
工場・発注部署・物流を中心とした情 報ネットワークの構築を行ったのである。
発注 部署の発注情報を元に工場が生産を行い、さら に工場から出荷される日時・数量を物流に事前 連絡(ASN=Advanced Shipping Notice: 事前出荷情報)する。
ジャスト・イン・タイム (=JIT)のシクミを作った。
物流部門にイレギュラー業務を指示する場合 は、すべて稟議書を提出して上司の決済を得る ことをルール付けた。
狙いは不要なイレギュラ ー業務の削減であり、営業部隊の抑止力として の効果であった。
それだけに営業からは当初、大 反発があり、混乱も起こった。
しかし、新しいフローでは稟議書が業務指示 書として機能することになり、イレギュラー業 務は半減した。
これに伴い物流現場の煩雑さが 解消され、誤配や遅納は激減した。
結果として クレーム数は半減した。
リバース物流は、前述のように、従来は得意 先からA社の営業所経由で物流センターに返品 されていた。
これを得意先から物流センターに 直接返品する形に変えた。
その上で返品商品に 返品の理由を明記してもらったことで、良品か 不良品かの判別が明確化した。
返品商品の滞留 期間は三カ月から二週間に短縮された。
これに よって月間約一七〇万円のキャッシュフローが 改善された。
調達先にも協力を求めた。
調達先がA社への 納品に使用している車両の帰り便の活用や、納 品にA社の指定運送業者を使用してもらうこと で、リバース物流のコストを約六割削減した。
次に工場〜物流センター間の物流の改善と在 庫日数の短縮を進めた。
工場が物流拠点から近 かったこともあって、得意先への配送の帰り便 を利用して、工場に集荷に回る体制にしたので ある。
既に業務改善の第一弾として情報の共有 化を行っていたため、発注数と物流センターへ の入荷日および数量は事前に把握できていた。
配 車組みはそれほど負担にはならなかった。
しかも、今まで物流センターで荷受けと出荷 が同じ時間帯に集中していたことによって発生 していた車両の滞留時間を半減することに成功 した。
事前に情報を得ることで、物量が多い時 は翌朝に入庫させる、あるいは当日の夜に入庫 させるといった具合に、時間と人員を有効活用 できるようになったのである。
最終的には運営フローを図2のようにシクミ 化した。
これを定着させるためにかかった期間 は約四カ月だった。
この一連の改善によって在 庫の削減も進んだ。
業務改善を進める以前の在 庫日数は約二〇日であった。
それが情報の共有 化を進めJITが軌道に乗ったことで十二日に まで短縮することができた。
取引条件の変更に踏み込む 最後に発注単位の見直しを行った。
得意先の 意向が絡むことなので改善には困難が予想され た。
最悪のケースでは取引自体が無くなる可能 性もある。
そこで、私は以下の方法で改善を推 進するよう提案した。
73 JUNE 2005 まずボール単位で出荷している商品の出荷頻 度別ABC分析を行った。
そしてAランク商品 とCランク商品に焦点をあて、以下のように改 善を試みた。
〈Aランク商品〉 ?出荷回数が週二回以上の企業をピックアップ した。
?二割の企業でAランク商品の八割がボール単 位での出荷になっていた。
?二割の得意先に対して直近三カ月の出荷履歴 を調査しその情報を提示した。
?二割の得意先に対して出荷履歴表をもとに発 注・入庫・保管に関するテマ・ヒマ・時間が かかり過ぎており、ケース単位での発注への 切り替えを促した。
※通常、ボール単位での出荷は、ケース出荷と比べると約五倍のコストがかかっている。
結果、二割の得意先のうち九割からケース単 位の発注に切り替えることを了承してもらうこ とができた。
残りの企業のためにボール単位で の出荷を続けるか、それとも全ての取引先を対 象にケース単位の出荷に切り替えるかの判断は、 A社の営業責任者と社長の判断に委ねた。
〈Cランク商品〉 ?出荷回数が月一回以下の商品をピックアップ した。
?Cランク商品の九割が、一割の得意先にしか 販売されていないことが分かった。
?商品改廃の対象とした。
生産を即中止し、在 庫限りの出荷にした。
?上記に加え、廃盤に伴う入れ替え商品を得意 先に提案することで改善した。
メーカーにとって自社開発した商品は、手塩 にかけて大事に育てた子供と同じだろう。
しか し売れない商品を作り続ければ、リバース物流 を増大させ、最終的には廃棄処分せざる得なく なる。
大量に出た返品商品を特別損失として計 上するよりも改廃のスピードを上げて市場で売 れる商品を供給した方が、メーカーにとっても 小売りにとっても得策であるはずだ。
一連の業務改善は大きな成果を上げた。
しか しA社のプロジェクトメンバーは、安堵するど ころか、これから始まる次の業務改善プロジェ クトに燃えている。
A社のように自立した従業 員によるボトムアップ型の改善に成功する企業 がもっと増えていくことを切に願っている。
おかもと・たかし 1973年9月生まれ。
九州産業大 学 経営学部 国際経営学科卒。
大手ディスカウント チェーンのミスターマックスに入社、店舗運営部に所 属し、雑貨部門の売場責任者として店舗稼動計画立案・ マネジメントを行い、年間を通し売上・利益を拡大させ る。
また、米国流通セミナー等の参加によりチェーンス トア理論と業務改善ノウハウを習得、実践する。
2001 年、大手雑貨卸のパルタックに入社。
支社において物 流ABCの実施・推進責任者となり、多くの物流改善に 取り組む。
その後、商品部MD(=マーチャンダイザー) となり各種キャンペーンやXMD・VMDを手がける。
その後、株式会社日本ロジファクトリーに入社。
『最終 顧客の目線で現場を見つめ、数字をもって改善を行う』 を信念に、エネルギッシュな改善活動を展開している。
図2 運営フローの構築 A社 得意先様 物流センター (P社) 生産工場 発 注 受 注 発注情報 調達物流 事前出荷情報 在庫管理・入出荷・検品 輸配送/返品引取 地域外:指定業者での返品

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