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JANUARY 2006 74 英Ｐ＆Ｏ 定温部門を売却 同社プレスリリース 05 ・ 11 ・２ Ｐ＆Ｏは同社の定温物流部門をカ ナダのバーサコールド（Versacold ） 社に売却すると発表した。
売却金額 は一八三〇万ポンド（三六億六〇〇 〇万円）で、そのうち一四九〇万ポ ンド（二九億八〇〇〇万円）を現金 で受け取り、残りを転換型の債務証 書で受け取る。
受け取った現金は Ｐ＆Ｏグループの赤字の埋め合わせ に使われる。
売却が正式に完了する のは、二〇〇五年十二月となる予 定。
Ｐ＆Ｏの定温物流部門の二〇〇四 年度の売り上げは二〇五六万ポンド （四一億一二〇〇万円）、営業利益が 一八四万ポンド（三 億六八〇〇万 円）。
三〇〇〇人を超す従業員を抱 え、アメリカを中心に五〇カ所の拠 点を展開している。
仏ジオディス スペインで新拠点を立ち上げ 同社プレスリリース 05 ・ 11 ・２ フランスの大手３ＰＬ業者である ジオディスのスペインの子会社は、バ ルセロナ近郊にある物流団地におい て二万五〇〇〇平方メートルの拠点 を立ち上げた。
そのうち、オペレー ションに使うのは一万二〇〇〇平方 メートルで、残りの一万三〇〇〇平 方メートルは事務所として使用する 計画だ。
新拠点からは、一日当たり貨物五 〇〇〇個、小包二万五〇〇〇個、重 量にして五〇〇トンの出荷が可能と なる。
今回の拠点立ち上げによって、 ジオディスでは、イベリア半島北東 部での業務を強化していく考え。
英ウィンカントン ビール会社との契約を更新 同社プレスリリース 05 ・ 11 ・２ ウィンカントンは、ビールのミラ ーブランドで知られるＳＡＢミラー 社との契約を更新した。
新たな契約 期間は三年間で、ウィンカントンは 複数の荷主の業務を行う二つのセン ターを使って、ＳＡＢミラー社の業 務を請け負う。
ビールや他の酒類は、チェコ共和 国やイタリア、南アフリカなどの工 場からイギリスに輸送され、ウィン カントンのセンターに保管された後、 イギリス国内に配送される。
ウィン カントンは、繁忙期には四〇〇〇万 リットルを超える酒類をセンター内で 管理 する。
米ライダー 南米自動車部門で受賞 同社プレスリリース 05 ・ 11 ・３ ライダー・システムは、同社のブ ラジルの子会社・ライダー・ブラジ ルがオート・データ賞において南米の 自動車関連のロジスティクスに関し て「ベスト・ロジスティクス・プロ バイダー」賞を受賞した、と発表した。
この賞を運営するオート・デー タ誌は、南米の自動車産業に特化し た有力専門誌。
ライダー・ブラジルは、サンパウロ に本社を置き、自動車産業やハイテ ク産業の荷主企業に対してサプライ チェーン業務を提供している。
ブラ ジルでライダーは、ゼネラル・モータ ーズのセンター運営 などで知られてい る。
ドイツの個人投資家 ＴＮＴの買収に触手 ロイター 05 ・ 11 ・９ ドイツの有力個人投資家であるコ ルネリウス・ゲベル（C o r n e l i u s Geber ）氏は、オランダのＴＮＴを 買収するために、複数の企業に出資 を求めている、と語った。
ゲベル氏 とは、クーネ＋ナーゲルの役員から 個人投資家に転身した人物。
「私が買収を働きかけているのは事 実」とゲベル氏はロイターに語って いる。
同氏は、具体的な名前は挙げ なかったものの、すでにロジスティク ス企業一社とアメリカのプライベー ト・エクイティ・ファームと話し合っ たという。
ＴＮＴ株を一〇％保有するオラン ダ政府は、買収の話は聞いていない と答えている。
ＴＮＴの広 報は、こ の件に関してノーコメントとした。
買収話が浮上した翌日、ＴＮＴの 株価は前日より一〇・八％高い二三 ユーロをつけた。
ＴＮＴの買収に関 してはこの九月、ドイツの新聞が米 ＵＰＳ役員の発言として同社がＴＮ Ｔを買収する可能性があると報道し たことがあったが、ＵＰＳはすぐに その報道を否定した。
パイロットがストに突入米ＵＰＳ、米フェデックス トランスポート・インテリジェント 05 ・ 11 ・ 17 ＵＰＳのパイロット組合であるイ ンデペンデント・パイロッツ協会は一 七日、ＵＰＳの五つの支店でストを 行った。
ＵＰＳに先立ちフェデック スのパイロット組合であるエア・ライ ン・パイロッツ協会は、その前の週 に十二都市でストを行った。
ＵＰＳ 2005年11月発表分 75 JANUARY 2006 とフェデックスはともに、独立の労 働問題の仲介機関であるナショナル・ メディエーション・ボードを利用して 労使問題の決着を図ろうとしている。
両社のパイロットの契約は一年以 上も切れている。
物流関係の多くの 組合は、大企業との契約が効率的に 更新されない現状に不満を抱いてお り、アメリカ国内のＵＰＳやフェデ ックスに加え、ＤＨＬやＴＮＴなど といった企業にもプレッシャーをかけ ていく計画だという。
独ドイチェバーン 米バックスグローバルを買収 同社プレスリリース 05 ・ 11 ・ 16 シェンカーを子会社として持つド イツの鉄道会社ドイチェバーンは、ア メリカに本社を置くバックスグローバ ルを買収した。
これによって同社は、 アジア・太平洋地域のみならず、中 国やアメリカにおいても国際的なロ ジスティクス業者としての地歩を固 める考え。
欧州中心に業務を展開し ているシェンカーとは補完的な役割 を果たす。
バックスグローバルは従業員一万 二〇〇〇人を擁し、二〇〇五年の第 ３・四半期までの九カ月間の売上高 は、二〇億四〇〇〇ドル（二二四四 億円）で、営業利益は四七二〇万ド ル（五一億九二〇〇万円）だった。
ドイチェバーンのハートムット・メ ドーン会長兼ＣＥＯは「バックスグ ローバルは当社の戦略にとって最適 な企業であり、シェンカーの事業と の補完的な役割を果たす理想的な企 業だ。
これら二社を傘下に収めたこ とで、ドイチェバーンは世界最大手 のロジスティクス企業として認知さ れるだろう」と語っている。
なお同社のプレスリリースに買収 金額は記載されていないが、報道に よると買収金額は十一億ドル（一二 一〇億円）強と見られている。
米ＵＰＳ 米国内の料金値上げを発表 同社プレスリリース 05 ・ 11 ・ 18 ＵＰＳはアメリカ国内における二 〇〇六年の新しい料金体系の骨格を 発表した。
それによるとトラック便 は三・九％の値上げ、航空便は五・ 五％の値上げとなる。
また住宅地域 に配達する際の追加料金（residential surcharge ）はトラック便で〇・ 二五ドル、航空便で〇・三五ドル値 上げする。
配送確認のサイン取りのサービス は〇・二五ドル値上げする（サイン を取る対象を大人に限定した場合は、 〇・五〇ドルの値上げとなる）。
さ らに、これまで無料だった不在届も 四回目以降から有料とする。
しかし一方で、航空燃料の追加料 金を決めるためのインデックスを従来 より二ポイント引き下げて十二・五％ とする。
同業他社のインデックスが 二〇％を超えているのと比べると、割 安感が出る。
新サービスとしては、これまで航 空便で二日目の午前中に到着するサ ービスである「UPS 2nd Day Air 」 の到着時間をこれまでの正午から午 前一〇時半に早める。
また、同サー ビスの土曜日配送も、木曜日の出荷 で可能となる。
「UPS Next Day Air Early A.M. 」 サービスの利用地域を大幅に増やす。
詳しい料金体系は、十二月一日にＵ ＰＳのサイト上で告知する。
スイス・クーネ＋ナーゲル 酒類専門の輸送業者を買収 同社プレスリリース 05 ・ 11 ・ 18 クーネ＋ナーゲルは一〇月に、デ ンマークに本社を置くジーグラー （ Ziegler ）を買収した、と発表した。
買収金額は公表していない。
ジーグ ラー社は、一八九二年の創業で、ワ インや酒類の海上輸送を手掛けてき た。
二〇〇四年の売り上げは五八〇 万デンマーククローネ（一一六〇万 円）で、スカンジナビア半島では酒 類関連のロジスティクスにおいてトッ プクラスと認識されている。
クーネ＋ナーゲルは、同社の買収 により、酒類関連のロジスティクス のノウハウを吸収して全社で共有す ると同時に、スカンジナビア半島で のサービス向上につなげていく考え。
欧州委員会 ドイツポストに買収を許可 欧州委員会 サイト 05 ・ 11 ・ 24 欧州委員会は、ＥＵの買収規則に のっとって、ドイツポストによる英 エクセルの買収を許可した。
同委員 会は、今回の買収によりドイツポス トはこれまでエクセルが大きな売上 高をもってきた地域では、市場での 存在感が大きくなるが、同業他社も 十分に競争することができる、とし た。
今回の買収でドイツポストが、航 空フォワーディング分野で、フィン ランドやハンガリー、スウェーデンと いった国で大きなシェアを占めることになるが、同委員会は、荷主企業が 通常、複数のフォワーダーを使い値 引き交渉をしている現状を考慮して、 全体としては問題なし、と 判断した。
ドイツポストは買収後も、ＵＰＳ やＴＮＴ、クーネ＋ナーゲルなどと の競争にさらされる。
荷主企業にと って、ドイツポスト以外にも価格競 争力を持ったロジスティクス企業を探 すことは容易である、と結論付けた。
《欧米編》