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69 JULY 2005
産業調査会の事典出版センターはこ
のほど『新物流実務事典』を発刊した。
B5版で全九四五ページという分厚い
書物で、この本を作るために集まった
編集委員会が編纂した。
委員長は本誌の連載でもお馴染みの
湯浅コンサルティング、湯浅和夫社長。
十二人いる編集委員にはカサイ経営の
河西健次社長、味の素ゼネラルフーヅ
の川島孝夫常勤監査役、東京ロジス
ティクス研究所の重田靖男顧問など、
本誌が取材で日頃お世話になっている
方々が名前を連ねている。
産業調査会は九三年にも『物流効
率化事典』を世に送り出している。 今
回の『新物流実務事典』は、いわばこ
の本の最新版。 前述した編集委員の
他、豊富な執筆陣を揃えてロジスティ
クス、SCMなどを解説している。 物
流分野におけるコンプライアンス・プ
ログラム(法令遵守基本規定)やリス
クマネジメント、環境問題まで、幅広
く網羅しているのが最大の特徴だ。
全体が二部構成になっており、第一
部「経営・マネジメント編」は全六章。
内容は一章「物流管理の新潮流」(湯
浅和夫氏ほか)、二章「企業経営と物
流」(嶋正和・ロジスティクス社長ほ
か)、三章「企業物流の現状と方向」
(川島孝夫氏ほか)、以下「グローバル
化」、「行政」、「環境」と続く。
第二部「実務現場編」は全一八章。
一章「物流管理」(重田靖男氏ほか)
から始まり「組織」、「物流サービス管
理」、「物流コスト管理」、「在庫管理」
と続いている。 他にも「マテハン機器」、
「包装」、「共同化」、「IT」など、網
羅性という意味では穴を探すのが難し
いくらいだ。 一気に読める本ではない
ため、必要に応じて該当ページの情報
を参考にするという使い方がおすすめ。
立派な分、高額のため購入前の?試
読〞も可能。 詳しくは産業調査会マー
ケティングセンターまで。
問い合わせ先は、電話〇三(三三
六三)九二二二。
産業調査会・事典出版センターが六月に
九〇〇頁余りの大著『新物流事典』を発行
SBSが東京急行電鉄の物流子会社、
東急ロジスティック、日本貨物急送、伊
豆貨物急送の三社を買収する。 六月一四
日までに公開買い付け(TOB)によっ
て東証二部上場の東急ロジスティックの
株式の九四・〇八%を取得した。 買収総額は一五六億六五〇〇万円だった。 これ
に合わせて日本貨物急送と伊豆貨物急送
の二社についても東急電鉄から株式譲渡
を受ける。
この買収に先立ちSBSは昨年六月に、
雪印乳業の物流子会社、雪印物流(現・
フーズレック)の買収を行っている。 同
社は低温物流事業を基盤として約三八〇
億円の売上規模(二〇〇三年三月期)を
持つが、配送は協力運送会社への傭車が
メーンで自社車両は少なかった。 これに
対して新たに買収した日本貨物急送と伊
豆貨物急送は、低温輸送を得意としてお
り、フーズレックを補完できる。
一方の東急ロジスティックはこれまで、
食品スーパーの東急ストアや東急百貨店
を主要顧客として、食品や衣料分野の物
流事業を展開してきた。 営業エリアを首
都圏に特化しているところがSBSと共
通する。 東急ロジスティックの持つアセ
ットの有効活用や食品物流事業の強化などの相乗効果を狙う。
SBSの二〇〇四年十二月期の連結売
上高は約四五一億円。 二〇〇三年度に約
一九四億円だった売り上げが、昨年度は
雪印物流の買収によって一挙に二倍以上
に拡大した。 これに今回の東急系三社の
売上高約四〇〇億円が加わることで、い
よいよ売上高一〇〇〇億円規模が見えて
きた。 同社は今後も物流企業の買収を進
めることで数年以内に売上高二〇〇〇億
円を達成する計画だという。
SBSが東急系物流会社三社を買収
売上高は一〇〇〇億円規模へ
『新物流実務事典』
(産業調査会、税別価格二万四四〇〇円)
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
7
6
5
4
3
2
1
0
162.9
2.89 2.64
3.67
6.63
183.7 193.6
451.2
(単位・億円)
《売上高》 《経常利益》 連結売上高 332億338万円
連結営業総利益 23億9791万円
連結営業利益 11億7592万円
連結純利益 10億4831万円
連結総資産 339億7013万円
連結純資産 204億452万円
従業員数 1677人
2001 2002 2003 2004
(年度)
●エスビーエスの連結業績
売上高
経常利益
●東急ロジスティックの概要
(2005年3月期)
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