*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。
SEPTEMBER 2006 50
ンターを運営する契約を新たに三年
間延長した。 業務内容には、様々な
付加価値サービスも含まれている。
クーネ+ナーゲルはメキシコ・シテ
ィー北部にある四万平方メートルの
物流センターでソニーのA&V機器
を中心にした製品を取り扱う。 同社
はソニー製品がメキシコの各種規制
に対応しているかどうかをチェックす
る独立部門も設ける。 また付加価値
サービスとして製品にスペイン語の説明書を差し込んだり、包装のやり直
しや製品の簡単な設定を行う作業も
提供する。
米UPS、フェデックス
運賃カルテルの疑いで召喚状
■ブルームバーグ
7・
14
UPSとフェデックスは、貨物運
賃のカルテルについて、それぞれ召喚
状を受け取った。 UPSは七月一四
日付で司法局から召喚状を受け取り、
フェデックスは六月下旬に大陪審か
ら召喚状を受け取っていた。 両社と
も「カルテルの対象として調査され
るのではないと信じている」というコ
メントを発表している。
貨物運賃のカルテルについては、今
年二月から捜査が始まっており、貨
物専用会社十二社が調査の対象とな
っていた。 燃料追加料金やセキュリ
ティ・エクスペンスと呼ばれる料金に
関する調査が進められてきた。
フェデックスの広報担当のジェス・
バーン氏は、「当社は司法当局に協力
する。 他の航空会社とは違い、当社
は捜査令状を受け取ったわけではな
い」と語っている。 UPSも司法当
局に協力すると語り、二月のうちに
司法局から電話で非公式に情報提供
を求められた、としている。
UPSやフェデックスを含む貨物
航空会社や航空会社は、燃料追加料
金を徴収して燃料費高騰を相殺して
いる。 ニューヨークにおけるジェット
燃料は、今年に入って二七%上昇し
ている。 非公式の情報を求められた
会社には、アメリカン航空や日本航
空、ブリティッシュ・エアウェィズな
どが含まれる。 いくつかの航空会社
では、不当に高い貨物料金を請求さ
れたという顧客からの訴訟が二〇件
以上に上っている。 独DHL
旧エクセルとの統合、順調に進む
■フィナンシャル・タイムズ
7・
17
ドイツポストが二〇〇五年十一月
にイギリスの大手3PL企業エクセ
ルを三八億ポンド(七六〇〇億円)
で買収した結果、傘下のDHLは3
PL部門で業界第一位となった。 新
クウェート・PWCロジ
スイスのフォワーダー買収
■同社プレスリリース
7・6
PWCロジスティクスは、スイス
のバーゼルに本社を置くクロナット・
トランスポートを買収した。 クロナッ
トはナチュラルというブランド名で取
引をしており、スイスを中心とする
ヨーロッパ諸国で、フォワーディング
やロジスティクス業務を提供してき
た。 買収後も同社の経営はスイスの
現経営陣によって行われる。 買収に
よる人員整理はない。
PWCは国際ネットワークを補強
するためにクロナットを買収した。 も
ともと両社の間には数十年にわたる
商取引があった。 買収が正式に成立
するのは政府の承認を得てから。
英ウィンカントン
フランスの宅配業者から業務受注
■同社プレスリリース
7・
13
ウィンカントンは、フランスの宅配
業者であるキアラ(Kiala)からハブ
拠点の運営に関する新規契約を獲得
した。 キアラはネット小売りや通販
会社向けに物流サービスを提供して
おり、具体的には荷主各社のネット
ワークの中で「ドロップ・オフ・ポ
イント」と呼ばれる位置まで貨物を
配送している。
ウィンカントンはフランスにキアラ
のハブ拠点を建設することで、ピー
ク時には一日最高で六万個に上る貨
物の取り扱いに対応する。
独DHL
フィンランドのJVを子会社化
■フィンランド・ポスト
プレスリリース
7・
12
フィンランド・ポストは、DHL
と共同で経営していたジョイントベン
チャー企業「カルポ・クルジェッツ・
フィ・オイ(Kelpo Kuljetus Fi Oy)」
の株四九%を、DHLに売却するこ
とで合意した。 カルポはフィンランド
国内の輸送会社で、今後はDHLの
一〇〇%子会社となる。
今回の買収は市場の変化や、フィ
ンランド・ポストの株主がコアビジネ
スに集中したいという要望を反映し
たもの。 また、DHL側にはフィン
ランド国内のネットワークを強化した
いという狙いもあった。
スイス・クーネ+ナーゲル
メキシコでソニーの業務を受注
■同社プレスリリース
7・
13
クーネ+ナーゲルはメキシコでソニ
ーの家電部門製品を取り扱う物流セ
2006年7月発表分
51 SEPTEMBER 2006
しくDHLロジスティクスのトップと
なったジョン・アレン氏(元エクセ
ルCEO)は「買収後の業務統合は
順調に進んでおり、ロジスティクス
市場全体の成長率である年率五〜
六%を上回る成長が可能である」と
語った。
エクセルの買収で、DHLはダイ
ムラー・クライスラーや英国の大手小
売りマークス&スペンサーなどの荷主
を手に入れた。
「われわれはイギリスの小売業界に
おける成功を、世界中に広げていく。
われわれは特にFMCGと呼ばれる
日用雑貨にノウハウを持っている。 高
級品についてのシェアは低いが、今
後はこの分野も開拓していく可能性
がある」(アレン氏)
欧州4カ国の郵便業者
ECに郵便完全民営化求める
■アイ・フォー・トランスポート
7・
17
ドイツ・オランダ・スウェーデン・フ
ィンランドの郵便事業のCEOは共
同で、欧州委員会(EC)に対して、
欧州連合(EU)における郵便事業
の民営化が二〇〇九年までに完了す
ることを要望すると声明を出した。
ECは現在、三段階目となる郵便
事業の規制の見直しを行っていると
ころで、二〇〇六年の年末までには、
新たな指令を発表することになってい
る。 共同声明はECに対して、郵便
事業の完全自由化の最終期限を二〇〇九年として、それ以上引き延ばさ
ないことを要望したもの。
四カ国の郵便事業者にとっては、完
全自由化はビジネス拡大の追い風と
なり、新規サービスや作業効率化に
つながると見ている。 郵便市場の八
五%の顧客が、法人であることから
も、これまで完全自由化の足かせと
なってきた「ユニバーサル・サービ
ス」の基準を厳格に維持する必要は
ないとしている。
米コン・ウエイ
宅配便部門を売却
■同社プレスリリース
7・
24
コン・ウエイは同社の急送便部門
をパンサー・エクスペディット・サー
ビシーズ=Panther Expedited
Servicesに売却する。 コン・ウエイ
は同部門を売却することで、同社の
中核業務である路線便業務と貸し切
り輸送業務、3PL業務に一層注力
する。 売却金額は、インセンティブ
によって若干上下するために七〇〇
〜八〇〇万ドル(七億七〇〇〇万〜
八億八〇〇〇万円)となる見込み。
パンサーは未上場企業ながら、急
送便業界の大手で、今回コン・ウエ
イから急送便部門を買い取ったこと
で、独立系の急送便業者としては北
ジスティクス市場の動向、それに最
大の問題として、現在の経営陣を、
分割に伴ってどうやって切り分けるの
かがある、としている。
国際運輸連合
ロジ部門売却でTNTを非難
■同連合プレスリリース
7・
26
ロジスティクス分野の大手労組・
国際運輸連合(ITF)とユニオン・
ネットワーク・インターナショナル
(UNI)は、TNTがそのロジステ
ィクス部門の売却に関して、組合側
との話し合いを拒否していることを非
難する声明を出した。
三万六〇〇〇人が働くTNTロジ
スティクスの売却に関連して、組合
側は、?売却相手の選定に関してT
NTが詳細に説明する場を設けるべ
き、?三万六〇〇〇人の雇用確保を
最優先事項とするべき、?売却先の
企業が労働条件や給与や年金などに
ついて現状の条件を維持するべき― ―などとしている。
UNIのジョン・ペダーセン副書
記長は、「TNTは人権擁護をうたっ
た国連のグローバル・コンパクト宣言
をしながら、自社の社員の雇用につ
いて組合と話し合いを行わないのは、
そういった行動が口先だけのものに過
ぎないことを表している」と非難し
ている。
米最大規模となり、車両台数は一九
〇〇台となる。
ドイツ鉄道
シェンカーなどロジ部門を分割か
■トランスポート・インテリジェンス
7・
24
ドイツ・バーン(ドイツ鉄道)は、
ロジスティクス部門であるシェンカー
とBAXグローバルの分割を迫られ
ている。 ドイツ運輸省のウォルフガ
ング・ティフェンス大臣は、国内の
ジャーナリストに対して、ドイツ鉄道はこの秋までに株式上場できるよう準
備を進めるべきだと語った。 ドイツ
鉄道のハートムット・メドーンCEO
も株式上場の時期については、運輸
相と一致している模様。
株式上場のためには、同社のロジ
スティクス部門であるシェンカーBA
Xグローバル、スティネスを売却し
て、上場するのが最も容易な方法と
いわれている。 この方法だと、ドイ
ツ政府は五〇億ユーロ(七五〇〇億
円)以上を手にすることができると
見られており、ドイツ国内の喫緊の
課題である健康保険制度の改革のた
めにはどうしても必要な資金だ。
しかし連立内閣の最大政党である
キリスト教民主同盟の中からは、ロ
ジスティクス部門を分割して民営化
することに疑問の声が上がっている。
分割した後の売却予定や、国内のロ
|