ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2007年4号
メディア批評
御手洗経団連会長が朝日新聞を兵糧攻めに注目される?政治部出身〞秋山社長の対応

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

67 APRIL 2007 佐高信 経済評論家 『リベラルタイム』が健闘している。
三月号 が「福井俊彦の錬金術研究」であり、四月号が 「石原慎太郎傲慢の研究」である。
特に目を引 いたのが三月号の「大人げない!『キヤノン・ 御手洗』の『朝日』への広告出稿停止」。
筆者 は『朝日』OBの阿部和義である。
キヤノン会長で経団連会長でもある御手洗富 士夫について、私は『東京新聞』からコメント を求められ、二月二十四日付けの同紙でこう批 判した。
「一族経営のボンボン経営者が財界代表とい うのもあまり例がない」「不見識というより無 見識。
一言で言うと、首相と同じ庶民の暮らし への想像力を著しく欠いた?安倍型〞の人物」 「彼は会社が富めば従業員はどうでもいいと いう『社富員貧』をモットーとしている。
新自 由主義者でもなんでもない。
十九世紀型の幼い 資本主義者だ」 このボンボン経営者は、『朝日』に批判され たら、キヤノンの広告をストップさせたという わけである。
話は昨年秋のことになる。
道路特定財源を一般財源にしようという安倍 内閣の方針に、御手洗は財政諮問会議では「賛 成」しながら、日本経団連ではトヨタ自動車会 長の張富士夫に合わせて「反対」した。
それを十一月十四日付けの経済面で『朝日』 が次のように批判したのである。
「ガソリン税などの税収で賄われる『道路特定財源』の見直し問題を巡って御手洗富士夫・ 日本経団連会長(キヤノン会長)の腰が定まら ない。
御手洗氏は経済財政諮問会議の民間議員 として、道路以外にも使えるようにする『一般 財源化』の政府方針を支持した。
ところが自ら 率いる経団連は『財源が余るなら、税率を下げ て納税者に還元するのが筋だ』と一般財源化に 反対しており、矛盾する主張を使い分けてい る」 そして、「御手洗氏らの『二枚舌』がこの問 題を一層混迷させそうだ」と結んだのだが、 「二枚舌」がカチンときたようなのである。
し かし、その通りではないか。
多分、図星だった から腹が立ったのだろう。
批判を受け付けない、というより、批判その ものを理解できない点でも、安倍と御手洗は似 ている。
『リベラルタイム』のレポートで、阿部はこ う弾劾する。
「日本経団連会長は『財界総理』ともいわれ、 経済界を引っ張る立場。
そうした人物が、広告 で『兵糧攻め』をしようというのはいかにも大 人げない。
財界トップは批判されるのは当然と思わなく てはならないだろう。
第六代経団連会長の新日本製鉄の斎藤英四 郎会長は、朝日に『暗愚の帝王』とまで書かれ たが、新日鉄が広告を止めることはなかった。
?財界本流〞の新日鉄は、是々非々をわきまえ た大人の会社だったといえよう。
それにひきかえ、『公私混同』で広告出稿を ストップさせたキヤノンは、?財界会社〞として の公意識が薄い、未熟な会社だといわざるをえ ない」 「未熟な会社」の「未熟な会長」というわけ だが、阿部は出身の『朝日』の問題点も指摘す る。
前社長の箱島信一時代、会社に屈して編集 長を交代させたりしたことがあったからである。
それについて阿部は経済部OBの次のような 声を紹介する。
「箱島社長の時代は、経済部の記事が広告に 影響してボツになる心配があったり、企業の幹 部から抗議があった時は、箱島社長が経済部の 担当者やデスク、部長を呼んでいろいろ文句を いってました。
箱島社長としては、会社の収益 源である広告を取る邪魔をする記事はけしから ん、ということでしょう」 箱島の後の現社長、秋山耿太郎は政治部の出 身である。
キヤノンの横暴に屈しないかどうか、 注目したい。
御手洗経団連会長が朝日新聞を兵糧攻めに 注目される?政治部出身〞秋山社長の対応

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