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JULY 2007 52
スイス・キューネ+ナーゲル
中国とインドに積極投資
■同社プレスリリース
5・8
キューネ+ナーゲルは今後、中国
とインドにおいて、3PL業務とフ
ォワーディング業務を強化していく。
同社は二〇〇五年以来、アジア太平
洋地域において積極的な投資を続け
てきた。 現在、同地域十三カ国に計
四三カ所の事務所や物流センターを
構え、センターの総面積は二〇万平
方メートルに上っている
今後、同地域で特に力を入れてい
くのが中国とインドだ。 中国では既
に二一カ所に事務所と物流センター
を持っている。 これを二〇〇七年の
終わりまでに、総面積を一〇万平方
メートル増やし、合わせて三〇万平
方メートルとする。 自力成長とM&
Aの両方の手段を使ってこの数字を
達成していく。
ドイツポスト
次期CEO候補が浮上
■トランスポート・インテリジェンス
5・9など
ドイツポストは八日、郵便事業部
門のトップであるハンス―ディター・
パトラム氏(
64
)が退任し、その後
任にはドイツ国内の郵便部門のトップ
であったジュルゲン・ゲルデス氏(
42
)
があたると発表した。 同時に役員会
のメンバーであるフランク・アペル氏
(
45
)はこれまでの〈部門を超えた調
整役〉に加えて、国際郵便部門と付
加価値郵便部門を担当することにな
った。
アペル氏が担当してきた〈部門を
超えた調整役〉とは、ドイツ政府へ
のロビー活動を意味している重要なポ
ストだ。 現在のCEOであるクラウ
ス・ツムビンケル氏は二〇〇八年での
退任が決まっており、今回の人事で
アペル氏が引き続き〈部門を超えた
調整役〉を務めることに加え、郵便
事業の一部も管轄することで、ツム
ビンケル氏後のCEO候補として浮
上してきた。
米スイフト・トランスポート
元経営者の買収で上場廃止
■同社プレスリリース
5・
10
アリゾナ州フェニックスに本社を置
くスイフト・トランスポートの全株式
が今年一月、創業者であり元CEO
のジェリー・モイヤーズ氏によって取
得された。 これに伴いナスダック市場
への上場を廃止する。 同社は区域ト
ラック業者で、従業員は二万五〇〇
〇人。 今後は未上場企業として経営
を続けていく。
独DHL
アメリカでハブ拠点を増強
■同社プレスリリース
5・
14
DHLエクスプレスは、ペンシル
バニア州アレンタウンにあるハブセン
ターの自動仕分け機を一億六〇〇〇
万ドル(一九三億六〇〇〇万円)か
けて、最新式に更新した。 これによ
り、アメリカの三カ所あるハブ拠点(オハイオ州ウィルミングトンとカリ
フォルニア州リバーサイド)のすべて
において、最新式の自動仕分け機の
導入が完了したことになる。
今回のアップグレードにより、アレ
ンタウンの手紙の処理能力はこれまで
と比べ六七%増加し、小包は八五%
増加する。 同拠点の敷地面積は二九
万平方フィート(二万六一〇〇平方
メートル)で、センターの延べ床面積
は二〇万平方フィート(一万八〇〇
〇平方メートル)。
三カ所のハブ拠点におけるアップグ
レードが完了したことで、アメリカの
ネットワーク全体の貨物処理能力は
これまでに比べ十三%増加し、また
作業効率も大幅に改善された。
米労組チームスターズ
開放阻止法案の下院通過を賞賛
■同労組プレスリリース
5・
15
チームスターズ(全米トラック運転
手労働組合)は、ブッシュ政権がメ
キシコからの営業用トラックに、アメ
リカで必要とされている安全基準や運
行基準を適用しないまま運行を許して
いるとして、それを阻止する法案をア
メリカ下院議会に提出し、賛成四十
一票、反対三票の大差で可決した。
チームスターズのジム・ホッファ会
長は、「アメリカにおける公共交通の
安全性が守られた。 ブッシュ政権は
もはや、この安全上の大切な問題に
おいて、下院の決定とアメリカ国民
の声を無視することはできない。 ブッ
シュ政権は、メキシコからの危険な
ドライバーが国境を越えてくることに
対して十分な対策を取らずにこれを認
めようとした」と語った。
蘭TNT
ベトナムの陸上輸送網に追加投資
■同社プレスリリース
5・
16
TNTは東南アジアの陸上輸送網
の充実を図るためベトナムに六〇〇万
ユーロ(九億九〇〇〇万円)を投じ
る。 すでに同地域には二〇〇万ユーロ
(三億三〇〇〇万円)を投資している
ため、合計の投資額は八〇〇万ユー
ロ(一三億二〇〇〇万円)になる。 こ
れによってTNTは二〇〇七年中に、
ベトナムの北東の国境から中国までの
2007年5月発表分
一二〇都市を結び、四〇〇〇キロの
ネットワークを完成させる。
TNTがアジアでの陸上輸送網作
りを手掛けたのは二〇〇五年のこと。
最初はマレーシア、シンガポール、タ
イを結ぶものだった。 年中無休でT
NTの貨物を運ぶトラックにGPS
(全地球測位システム)を搭載して貨
物追跡を可能にしたところ、一年以
内に二ケタ台の成長を果たした。
TNTはすでに中国とインドにおい
て複数の企業を買収しており、今回
のネットワークへの投資によって、二
〇〇七年の同地区でのエクスプレスの
売上において前年比で一〇〜一五%
の増加を見込む。
米フェデックス
商務省と連携して輸出促進
■同社プレスリリース
5・
16
フェデックスは米商務省と連携し
て、今後五年間、アメリカの中小企
業のために輸出促進の環境を整える
ことで合意した。 両者が協力して複
雑な国際貿易の手続きを簡略化する
ことで、中小企業が海外の市場で製
品やサービスを販売することをサポー
トするというもの。
フェデックスは二〇〇四年から商務
省と共同で輸出促進のコンセプトを固
めてきた。 これまでに約一〇〇〇社
に輸出業務のノウハウを伝えている。
今回の五年の合意によって、マーケ
ットリサーチや無料のセミナーなどの
手法を活用して輸出をさらに後押し
していく考え。
米ペンスキーとベルギーABX
ブラジルで合弁企業立ち上げ
■両社プレスリリース
5・
18
ペンスキー・ロジスティクスとAB
Xロジスティクスは、ブラジルのサン
パウロにジョイントベンチャーとして
〈ABX―ペンスキー・エア&シー〉
を立ち上げた。 株式は両社が五〇%
ずつ所有し、本社は当面の間、ペン
スキーの南米本社に間借りする。
両社は二〇〇六年九月に、国際ロ
ジスティクス業務を拡大していく上で
の戦略的パートナーシップを結んでい
る。 今回のJVの立ち上げに伴い、
ブラジルに工場移転を図る製造業者
や店舗展開を狙う小売業者のロジス
ティクス業務を取り込みたい考え。 な
お、新会社の資本金については明ら
かにしていない。
CEVA(旧TNTロジスティクス)
米EGLを二〇億ドルで買収
■同社プレスリリース
5・
24
プライベート・エクィティ・ファン
ドのアポロマネジメントが所有するC
EVAは、テキサス州に本社を置く
EGLを約二〇億ドル(二四二〇億
円)で買収することで正式合意した。
これにより、EGLの株主は、一株
当たり四七・五ドル(五七四八円)
を受け取ることになる。
EGLは八四年の創業で、ナスダ
ック上場企業。 直近の売上高は三二
億ドル(三八七二億円)を超え、フ
ォワーディング業務や通関、国内配
送などを主業としている。
CEVAの買収話が持ち上がる以
前からEGLには別の投資ファンド〈クレーン・グループ〉による買収話
が先に進んでいた。 一株当たり四七・
五ドルという買収金額は、EGLの
二〇〇六年末の株価に六〇%のプレ
ミアを乗せた額であり、クレーン・
グループがEGLの買収で提示した
三八ドル(四五九八円)に二五%の
プレミアを乗せた額となる。
CEVAは今回の買収により、フ
ォワーディング業務と3PL業務の
市場占有率において、DHL、キュ
ーネ+ナーゲル、シェンカーなどにつ
いで業界第四位となる。 EGLの役
員の多くはCEVAにとどまる予定。
買収が正規に完了するのは、二〇〇
七年の第3四半期となる。
米UPS
デルとの契約打ち切り
■トランスポート・インテリジェンス
5・
23
など
アメリカの新聞やウォール街のアナ
リストによると、コンピュータの直販
メーカーであるデルが四月末で、UP
Sとの配送契約を打ち切った。 五月
に入ってから、契約打ち切りの具体
的な内容がアメリカのメディアに流れ
始めた。
UPSはこれまでデルと親密な関係
を築いてきた。 デルが製造するコンピ
ュータの約半分を客先まで配送するだ
けでなく、インバウンドや工場内のロ
ジスティクス業務からサプライチェー
ン全体の設計にまで関わってきた。 U
PSのネットワークの弱いヨーロッパ
でも、4PLの形でロジスティクス
業者を統轄することを任されてきた。
契約打ち切りの主な原因は、配送
料金にあるようだ。 UPSの役員は
アメリカの新聞に対し、「価格の問題
と契約の更新について折り合いがつか
なかった」と語っている。
デルがUPSのどのようなサービス
を利用してきたのかは不明。 アメリカ国内の配送にはフェデックスやDH
Lを利用しているともいわれるが確認
はされていない。 しかしUPSにとっ
てデルが最大顧客の一つであったのは
間違いない。 ウォール街の複数のア
ナリストは、デルの宅配業務から上
がるUPSの売上は年間で一億五〇
〇〇万ドル(一八一億五〇〇〇万円)
になっていたと推計する。
53 JULY 2007
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