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AUGUST 2007 52
米アライド・システムズ
破産法適用から脱却
■トランスポート・インテリジェンス
6・1
完成車輸送でアメリカ最大手のア
ライド・システムズ・ホールディング
ス(Allied Systems Holdings)は、
五月二九日の段階で破産状態から抜
け出した。 同社は、二〇〇五年から
連邦倒産法第十一章(通称・チャプ
ターイレブン)と呼ばれる破産法に
より保護されてきた。
同社の倒産からの脱出が成功するか
どうかは、チームスターズ(全米トラ
ック運転手組合)との交渉がカギを握
っていた。 そのチームスターズが組合
員以外の労働者を雇用しないことを条
件に一律一五%の賃金カットに応じた
ことで、再建のめどが立ったとして、
破産法の適用を取り下げた。
同社は現在、プライベート・エク
イティ・ファンドのユカイパ(Yucai
pa)社が所有している。 倒産する以
前のアライド・ホールディングスは、
アライド・システムズ・ホールディン
グスの子会社として吸収された。
仏ジオディス
買収部門の業務統合終了
■同社プレスリリース
6・1
ジオディスが買収したTNTの貨物
管理部門であるウィルソンの業務統合
が終了した。 新しく「ジオディス―ウ
ィルソン」というブランド名を採用
し、ジオディス・グループ内の貨物管
理部門として再スタートを切った。 当
初の計画通り、今年中にジオディス
の海外部門や、海外の航空・海上貨
物の子会社を新部門に吸収して効率
化を図る。 同部門の二〇〇六年の売
上高は一七億ユーロ(二八五六億円)
だった。
ウィルソン社はもともと、一五〇
年以上の歴史を持つフォワーディング
企業で、二〇〇四年にTNTによっ
て買収され、さらにジオディスが今年
の初頭に買収した。
米メンロ・ワールドワイド
東南アジアの3PL企業を買収
■同社プレスリリース
6・7
米LTL(積み合わせ輸送)大手
コンウエイの3PL部門であるメン
ロ・ワールドワイドは、シンガポール
を中心にロジスティクス事業を展開す
るクーガー・ロジスティクス(Cougar
Logistics)を買収することで合意し
た。 買収金額は三三九〇万ドル(四
一億三五八〇万円)で、内訳は現金
による支払いが二八二〇万ドル(三
四億四〇四〇万円)、負債の肩代わり
が五七〇万ドル(六億九五四〇万円)
となる。
クーガー社は、シンガポールだけで
なく、マレーシアやタイなどに十二カ
所の拠点に人員を配置し、フォワー
ディング業務や倉庫業務、ロジステ
ィクス業務を展開してきた。 顧客数
は約二〇〇社で、直近の売上高は二
三〇〇万ドル(二八億六〇〇万円)。
九〇年代からは域内における完成車
輸送に力を入れてきた。 英クリスチャン・サルベッセン
食品メーカーと一〇年契約
■同社プレスリリース
6・
12
英3PLのクリスチャン・サルベッ
センは、大手食品メーカーのバーズ・
アイと、エンドウ豆の加工処理とそ
のロジスティクスサービスに関して一
〇年契約を結んだ。 バーズ・アイは
一〇〇〇万ポンド(二五億円)を投
資して、イギリスの東海岸にあるハ
ル(Hull)にヨーロッパ最大規模
の処理工場を建設している。 工場の
完成は二〇〇八年五月で、それまで
はクリスチャン・サルベッセンの施設
でロジスティクス業務を行う。
クリスチャン・サルベッセンはこれ
までにもイギリス内の別の施設で、七
年間にわたりバーズ・アイのロジステ
ィクス業務を手がけてきた。 そこで信
頼関係を築いたことが、今回の契約
につながったとしている。
米ペンスキー・ロジスティクス
中国で複数年契約
■同社プレスリリース
6・
12
3PL企業のペンスキー・ロジステ
ィクスは、自動車部品メーカーのキ
ー・セイフティ・システムズと、中国
におけるロジスティクス業務に関して
複数年契約を結んだ。 キー・セイフ
ティ・システムズは、アメリカに本社
を置き自動車のエアバッグやシートベ
ルト、ハンドルなどを製造している。
ペンスキーが請け負う業務は、サ
プライヤーの取りまとめ、3PL企
業のマネジメント、混載業務、運賃
の支払いなど。 これに加え、ペンスキ
ーは独自のITシステムを使って、ア
ジアで生産した自動車部品がアメリカ
の複数の組立工場に運ばれるまでのビジビリティ(可視性)を提供する。
今回の契約の具体的な金額などは公
表されていない。
英ロイヤル・メール
アマゾンとの契約打ち切り
■同社プレスリリース
6・
19
ロイヤル・メールは、オンライン通
販の最大手であるアマゾン・ドット・
2007年6月発表分
コムが同社のセカンド・クラスの郵便
配達を今後利用しない意向であること
を確認した。 ロイヤル・メールにとっ
ては、年間八〇〇万ポンド(二〇億
円)の取引となっていた。 アマゾンと
の契約打ち切りは、ロイヤル・メール
の労使問題のさなかに発表された。 経
営側は、アマゾンの契約打ち切りを
さらなる合理化が必要な一つの根拠と
して提示する意図があった。
英ロイヤル・メール
経営再建案に対してスト
■同社プレスリリース
6・
21
など
ロイヤル・メールのアダム・クロジ
エ最高経営責任者は、現在進められ
ている経営再建案に反対して六月最
終週に計画されているストについて、
「われわれはストが顧客に及ぼす影響
を最小限にとどめるべく最善を尽く
す。 われわれはまた組合側と交渉の
席につき、ロイヤル・メールが置かれ
た状況と、今後の合理化案について
話し合う姿勢がある」として、以下
のような数字を挙げた。
・イギリスの郵便市場は、全体で年
間二・五%縮小を続けている。
・ロイヤル・メールはすでに、法人顧
客の四〇%をライバルであるTNT
やドイツポストに奪われている。
・同業他社は、われわれより四〇%
以上効率的に業務を行っている。
・同業他社の人件費は、われわれに
比べ二五%安い。
(ロイヤル・メールの一人当たりの人
件費は、残業代やその他の手当を加
えて週四四〇ポンド=十一万円前後)
実際、ストは、一万四〇〇〇件以
上ある郵便局のうち、二六の郵便局
が参加しただけにとどまった。 同社の
スポークスマンは「組合が起こしたス
トで顧客に甚大な迷惑をかけたことを
お詫びする」と述べた上で、ほとんど
の郵便局が通常通り業務を続けたの
は、労働者にわれわれの主張が認め
られたからだ、とした。
独DHLエクスプレス
米発欧州行きを翌日配達
■同社プレスリリース
6・
25
DHLエクスプレスは、ニューヨー
クからヨーロッパの主要都市に発送す
る緊急書類の翌日配送サービスを開始
した。 ニューヨークのマンハッタンで
集荷した書類を、ヘリコプターでケネ
ディー空港まで運び、ヨーロッパの主
要八都市に向かう飛行機に乗せるとい
うもの。 八都市には、ロンドン、パ
リ、アムステルダムなどが含まれる。
独メトログループ
ICタグの利用拡大
■インターメック
6・
28
ドイツの流通の最大手メトログルー
プは、ICタグの利用の拡大に乗り
出した。 メトロは、インターメックが
開発した二種類の「スターター・パ
ック」を日用雑貨のサプライヤーに
供給している。 事前に環境設定がさ
れているこの「パック」を使えば、サ
プライヤーが容易にパレットや箱にI
Cタグをつけることができる。 メトロ
グループは九月までに、ドイツにある
「メトロ
キャッシュ&キャリー」の
店舗とドイツ西部のハムにある物流センターの計一三〇カ所にポータルを設
置する予定だ。
米国の物流コストが急騰
CSCMPの年次報告
■サプライチェーン・デジタル6・
29
CSCMP(SCMプロフェッシ
ョナル協議会)の年次報告書による
と、二〇〇六年の米国のロジスティ
クス・コストは一兆三〇五〇億ドル
(一五九兆二一〇〇億円)となり、前
年に比べ一三〇〇億ドル(一五兆八
六〇〇億円)、十一%増加した。 主な
原因は、燃料費の増加と金利の上昇、
在庫負担の増加によるもの。
同協会のリック・ブラスジェンCE
Oは、「米国の二〇〇六年のロジステ
ィクス・コストはGDP比で九・九%
となった。 これにより、三年間続け
て、GDPに占めるロジスティクス・
コストの割合が上昇したことになる」
と語った。 輸送費は、燃料費の上昇
を受けて前年比で九・四%の増加。 在
庫負担は同十三・五%の増加となっ
た。 在庫負担が増加したのは、一つ
には金利が上昇したためであり、も
う一つは、サプライチェーン全体の在
庫が増えたためだ。
米フェデックス決算
売上高九%増、最終利益十二%増
■同社プレスリリース
6・
20
フェデックスの二〇〇七年三月期
の決算は、売上高三五二億一四〇〇
万ドル(四兆二九六一億八〇〇万円、
前年同期比九・〇%増)、営業利益
三二億七六〇〇万ドル(三九九六億
七二〇〇万円、同八・七%増)、当
期利益二〇億一六〇〇万ドル(二四
五九億五二〇〇万円、同十一・六%
増)の大幅な増収増益となった。
主要部門別の売上高は、フェデックス・エクスプレスが二二六億八一〇
〇万ドル(二兆七六七〇億八二〇〇
万円)、フェデックス・グランドが六
〇億四三〇〇万ドル(七三七二億四
六〇〇万円)、フェデックス・フレイ
トが四五億八六〇〇万ドル(五五九
四億九二〇〇万円)、フェデックス・
キンコーズが二〇億四〇〇〇万ドル
(二四八八億八〇〇〇万円)となっ
た。
53 AUGUST 2007
為替レート1ドル=122円1ユーロ=168円1ポンド=250円
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