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NOVEMBER 2007 82
日本郵政と日本通運は一〇月五日、両
社の宅配便事業を統合するための基本
合意書を締結した。 二〇〇八年の一〇
月をメドに、宅配便事業の統合を目的と
した共同出資会社を設立する。 新会社
の株式は郵政が過半を握る。 郵政の株式
上場後、株式を相互に持ち合うことも検
討している。
新会社における人材、施設、システム、
新サービスの価格等の詳細は未定。 郵政
の「ゆうパック」と日通の「ペリカン便」
の両ブランドは統一し、新ブランドを構
築する。 これらを二〇〇八年の四月をメ
ドに詰めていく。 しかし商品の販売面・
営業面での協力や輸送の共同化など、早
期に実施可能な施策については、事業統
合に先立ち積極的に推進していくという。
また両社は提携に伴い、引越に関する
トータルサービスを行う構想も視野に入
れている。 住民票や公共料金の支払い
等、転居に伴う届け出を一括して郵便局
会社で引き受ける。 家財の運送が必要な
場合は、日通に引越サービスを依頼する。
日通の重量物の幹線輸送網を活用する
ことで、新たなサービスを提供する格好
だ。 課題の国際物流に関しても同様に日
通の協力を得ていく考えだ。
新会社は郵政の子会社となる。 現
在の国内宅配便市場のシェアは日通
が三位で十一%、郵政が四位で八%
郵政・日通が宅配便事業を統合
来秋をメドに新会社を設立
と、日通の方が高い。 それでも日通の川
合社長は、「総合物流企業である当社と
しては宅配の機能も必要なのは事実だ。
しかし新会社においても品質や価格面
で当社の意見が十分に通れば、どちらの
子会社でもいい。 形にはこだわらない」
と、宅配便事業を切り離した理由を説明
する。 日通は重要事項に対する拒否権
を持つためにも、三分の一以上は株式を
保有する方針だ。
郵政の西川善文社長は、「宅配便事業
は大変厳しい環境にあるというのが両社
共通の認識だ。 規模の経済性が十分に発
揮できない状況下で、両社単独で取扱
個数やシェアを拡大することは容易では
ない。 多様化する顧客のニーズに対応し、
収益基盤を確保するためには全面的な提
携を構築することが必要だった。 今後も
両社のシナジーを発揮できる事業を検討
していき、ナンバーワンプレイヤーを目
指す」と、提携に至った経緯と今後の展
望を語った。
会見後、報道陣に応じる日本郵政の西川
社長(右)と日本通運の川合社長(左)
ICタグ検証施設見学会を大阪で実施
トーヨーカネツソリューションズ
物流システム・機器販売大手の
トーヨーカネツソリューションズ
(本社東京都江東区、社長加藤進
一郎)はこのほど、RFID(IC
タグ)検証施設「HP RFID Noisy
ラボ・ジャパン(略称Noisy ラボ)」
の大阪では初めてとなる見学会を
開催した。
同社は電波ノイズの多く発生す
る環境におけるRFIDの実証実
験を目的に、平成一七年十二月、
アライアンス企業三社、ワールド・
ロジ、日本ヒューレット・パッカー
ド、アイデックコントロールズと共
同で千葉県木更津に「Noisyラボ」
をオープンしており、現在までの
見学者は延べ二〇〇〇人に及ぶ。
通常見学会は千葉県木更津市
で毎月行われるが、今回は大阪市
住之江区にあるワールド・ロジ大
阪フルフィルメントセンターに検
証施設を移設し、見学会を実施し
た。 まずはワールド・ロジ大阪フ
ルフィルメントセンターを見学、そ
のあとRFIDの基礎知識や導入
事例を紹介し、最後がRFIDの
検証デモという順番で行われた。
検証デモの主な内容は、
■入荷一括ICタグ読み取りテス
ト:パレットに積まれたままの
複数のケースを、ゲート通過時
に一括で読み取る。
■ICタグ仕分け認識テスト:コ
ンベヤ付属のアンテナで貨物の
タグ情報を読み取り、その情報
に応じて経路を制御して貨物の
仕分けを行う。
■RFID鍵管理システム:IC
タグを取り付けた鍵と無線通信
用アンテナで、鍵の持ち出し・
返却状況を電子的に管理するシ
ステム。
■リライタブルラベルシステム
■WMS
など。
今後は従来どおり木更津での開
催となる。
お問い合わせ先
トーヨーカネツソリューションズ
管理部マーケティンググループ 下井隆史
電話:03(5857)3134
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