2008年6月号
NEWS

海外トレンド報告

JUNE 2008  48 2008年4月発表分 デンマーク郵便 スウェーデンの郵便会社と合併 ■同社プレスリリース 4・1  デンマークとスウェーデン両政府 は、両国の郵便事業会社を合併さ せることで合意した。
EUで進む郵 便事業の自由化に対応する。
 デンマークのデンマーク郵便やス ウェーデンのポステンのような中堅 規模の郵便事業者は、国内市場へ の依存度が高い。
郵便事業の自由化 が進む中、合併や海外進出による貨 物量の確保が不可欠となっているこ とが背景にある。
 新会社の会長職にはデンマーク郵 便のフリッツ・H・シュアー会長が 就任する。
同会長は「今後数年間は、 小包とロジスティクスの分野で企業 合併などがさらに進むだろう。
ポス テンとの合併で、われわれはそうし た新たな挑戦に立ち向かう確固たる 足場ができた」と語っている。
英ウィンカントン 欧州全域でM&Aを検討 ■トランスポート・インテリジェンス 4・3  ウィンカントンは、英国やアイル ランド、欧州全域でさらなるM&A (企業の合併・買収)を検討している。
グレアム・マックファウルCEO最 高経営責任者が明らかにした。
 ウィンカントンは昨年十一月に小 規模なM&Aを行い、今年一月には コンテナ輸送のハンベリー・デービ スを買収。
買収後の業務統合は順調 に進んでいるという。
また、大陸側 ではドイツとフランスに加え、経済 成長が続くポーランドでの事業拡大 に注力している。
 同CEOは「当社にとって、自力 成長と同じく、M&Aによる成長の 可能性も前向きに検討している」と 語った。
フランス国鉄 仏ジオディスを完全子会社に ■アイフォートランスポート 4・7など  フランス国鉄( S N C F ) は、 フランス最大の物流業者ジオディス を買収する。
四月六日、ジオディ スに対し、友好的TOB(株式公 開買付)を行う考えを明らかにした。
これに対し、ジオディスの役員会は 同二八日、買収提案の受け入れを 決定した。
 S N C Fはジオディスの株式四 二%強を保有する筆頭株主。
残り全 株の取得を目指し、完全子会社とす る方針。
一株当たりの買付額は一三 五ユーロ(二万一八七〇円)。
ジオ ディスの三月の平均株価に七九%の プレミアムを上乗せした。
 SNCFは今後新たに物流・貨 物輸送部門を設置し、同部門のトッ プにジオディスのピエール・ブライ ヨ現会長を据える考え。
七月をめど に株式の譲渡手続きを完了する。
 今年三月に就任したSNCFの新 総裁は、サルコジ大統領から「(S NCFは)物流と貨物輸送でフラン ス最大の企業になるべき」との意向 を伝えられていた。
 欧州では、ドイツ鉄道が二〇〇二 年にシェンカー(現DBシェンカー) を買収。
豊富な資金力をバックにB AXグローバルの買収など大型M& Aを続け、物流・貨物輸送部門を 大きく成長させた例がある。
ジオデ ィスもSNCFの後ろ盾を得、大規 模なM&Aを通じてドイツポストや ドイツ鉄道に肩を並べるようなプレ ーヤーへと変貌を遂げる可能性が高 い。
 ジオディスの〇七年の売上高は、 前年比二六・四%増の四七億八二 〇〇万ユーロ(七七四六億八四〇〇 万円)、最終利益は十一・〇%増の 五四〇〇万ユーロ(八七億四八〇〇 万円)。
 パ ナ ル ピ ナ 南米向け航空サービス開始 ■同社プレスリリース 4・8  スイスの大手物流業者パナルピナ は四月、南米向けの航空輸送サービ スを開始する。
 業務提携先の米貨物航空会社セ ンチュリオン・エア・カーゴのマイ アミ空港のハブ拠点を利用し、欧 州、アジア、北米発の貨物を輸送す る。
南米での主な仕向地は、コロン ビア、ベネズエラ、ペルー、ブラジ ルの四カ国・六都市。
主力の欧州発 の貨物は、ルクセンブルグの空港で 日曜発のマイアミ便に搭載する。
TNT 一億ユーロ投じ欧州〜アジア強化 ■同社プレスリリース 4・ 14  TNTは今後五年間で、東南アジ アなどに一億ユーロ(一六二億円) を投資する。
シンガポールを東南ア ジアのハブ拠点として、欧州〜東南 アジア〜中国を結ぶ輸送インフラを 強化する。
 欧州〜アジア間で急速に伸びてい るエクスプレス貨物の輸送需要に対 応する。
ハイテク産業や医薬品産業 が需要を牽引しており、TNTは高 付加価値貨物の物量は今後さらに拡 大するとしている。
 ジェームズ・マクローマックCO O(最高執行責任者)は「当社は 既に、欧州だけでなく中国国内や東 南アジアでもトラック輸送網を完成 させている。
当社の最終的な目的は、 49  JUNE 2008 為替レート:1 ユーロ= 162 円 国内のネットワークを域内のネット ワークにつなげ、さらにはエクスプ レス便の国際ネットワークに結びつ けることだ」と語った。
DHLとフェデックス 米国部門での提携交渉が不調に ■フォーブス・ドット・コム 4・ 15 など  複数の報道によると、ドイツポス ト傘下のDHLの米国部門とフェデ ックスとの提携交渉は、不調に終わ ったもようだ。
フォーブス・ドット・ コムは「ドイツポストとフェデック スの戦略提携をめぐる話し合いは瓦 解した」と伝えた。
 DHLは〇二年に米国市場に参入 して以来、米国部門の赤字に苦しん できた。
〇七年十二月期の決算で は六億ユーロ(九七二億円)の評価 損を出している。
二月に就任したド イツポストのフランク・アペルC E Oも同部門の立て直しが必要と表明 しており、フェデックスと水面下で 話し合いを進めていたとみられている。
 両社ともに正式なコメントは発表 していないため、具体的な交渉の 内容は明らかになっていない。
ただ、 フェデックスがDHLの米国部門を 買収すれば独占禁止法に觝触する 可能性が高い。
またドイツポストも 売却は望んでいなかったとみられる。
このため、DHLがフェデックスの 拠点や車両などの資産の共同利用を 提案した、との推測が流れている。
 米国経済の減速もあり、ドイツポ ストは今後、DHLの米国部門につ いて厳しい選択を迫られることにな りそうだ。
蘭CEVAロジスティクス イタリアの宅配業者を買収 ■同社プレスリリース 4・ 15  CEVAロジスティクス(旧TN Tロジスティクス)は、イタリアの ハイテク貨物専門宅配会社スピーデ ィマック(SPEDIMACC)を 買収した。
イタリアでの事業基盤を 拡充する。
買収金額は公表していない。
 スピーディマックの昨年の売上高 は一七〇〇万ユーロ(二七億五四〇 〇万円)と小規模だが、今後数年 間で一・五倍に引き上げる計画。
買 収により、CEVAのイタリア国内 での倉庫面積は三万平方メートルと なり、約一〇〇台のハイテク貨物の 専用車両を擁することになる。
 スピーディマックは一九七四年に 創業。
九八年からTNTエクスプレ ス傘下になっていた。
TNTポスト 賃上げ率三%を労組に提案 ■同社プレスリリース 4・ 16 ほか  TNT傘下のTNTポストは一六 日、同社労働組合に対し、定期昇 給分一・五%を含む三%の賃上げと 〇九年の賃上げ率一・五%を提案し た。
 労組側は先に三・五%を要求して いた。
三%の賃上げ率についての諾 否を決定後、そのほかの労働条件に ついて会社側と詰めていく。
三%の 賃上げで合意すれば、四月一日にさ かのぼって適用される。
また〇九年 の賃上げ率一・五%は、今後両者 が労働条件の基本部分についての話 し合いを行うことが前提条件になっ ている。
 オランダ国内では年々郵便物が漸 減。
EUの郵便事業自由化もあり、 事業環境は悪化している。
このため TNTポストは、人員削減を中心に コスト削減に取り組んでいた。
従業 員の士気を落とさず、かつ事業の利 益率を維持できる内容で、労組との 交渉を妥結させたい考えだ。
デンマークDSV フィンランドの物流業者買収 ■同社プレスリリース 4・ 23  デンマークの物流最大手DSVは、 フィンランドの物流業者、テルモラ イン( Termoline)を買収した。
テ ルモラインの株式五七%の取得で合 意した。
さらに、今後一年で残りの 四三%も買い取り完全子会社化する 可能性もあるとしている。
 テルモラインの直近の売上高は七 八〇万ユーロ(十二億六三六〇万 円)、営業利益は五〇万ユーロ(八 一〇〇万円)。
事業の柱は花きを含 む低温輸送。
DSVは買収後の業務 統合を一年以内に完了する方針だ。
ドイツポスト 四%の賃上げでスト回避 ■同社プレスリリース  4・ 30  ドイツポストは「Ver.di(統 一サービス産業労働組合)」と二〇 一一年六月末日までの労働条件に ついて合意した。
 合意内容は、二〇〇ユーロ(三万 二四〇〇円)の一時金の支給、今 年十一月からの四%の賃上げ、来年 十二月からの三%賃上げなど。
一 週間の法定労働時間は、ドイツの公 務員と同じ三八・五時間とする。
 同労組は全従業員四七万人のう ち十三万人が加盟する産業別組合。
四月中旬から七%の賃上げ要求を掲 げ、ストも辞さない強硬姿勢で賃金 交渉を進めてきた。
 ドイツポストは賃上げの見返りと して、一週間につき五〇分の労働時 間延長で労組側と合意。
労組が要求 した一〇日間の休日の増加について は拒否した。

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