ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2008年8号
メディア批評
広告費や印刷代によるマスコミ支配の効果か公明党元委員長の学会提訴を報じない大新聞

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

佐高 信 経済評論家 71  AUGUST 2008  『週刊新潮』の五月二九日号に「矢野元委 員長『創価学会提訴』を記事にできない『大 新聞』」とある。
 元公明党委員長の矢野絢也が、言論活動の 中止を強要されたとして創価学会とその幹部 七人を訴えたのだが、『朝日』『読売』『毎日』 等の大新聞はそれを報ぜず、『産経』と『東京』 だけがベタ記事にしたという。
 なぜ、取り上げなかったのか?  朝日新聞広報部は、  「ニュースの取捨選択については、日々の 紙面作りの過程でその都度判断しております。
個別のケースについてはお答えできません」  と答え、毎日の社長室広報担当も、  「記事の掲載は、ニュースの量や紙面のスペ ースを勘案しながら総合的に判断しております」  と同じような答えだったとか。
 創価学会ウォッチャーの乙骨正生は学界のカ ネによるマスコミ支配の効果が如実に出たとし て、こう語っている。
 「まず、毎日や読売をはじめ、各社は学会 系新聞の印刷を委託されています。
聖教新聞 (公称五五〇万部)、公明新聞(同二〇〇万部)、 月二回発行の創価新報(同一五〇万部)と、 印刷代は莫大な金額(一〇〇億を超えるとも) になります。
 もう一つは新聞広告。
新聞の広告収入が落 ち込む中、学会系の出版物の広告はバンバン 出してくれます。
五月三日には、学会のカラ ー広告が朝毎読と産経、東京の各紙に同時に 出ていました。
新聞社にとって、このご時世、 何の注文も付けずにポンと何千万円もの広告 費を出してくれる学会は、有り難いお得意様 です」  さすがに東京のキー局ではまだ流れていな いが、地方のテレビでは、「提供、創価学会」 がやたらに目立つ。
 『週刊朝日』は六月六日号で、「公明党よ! 目を覚ませ」という特集を組んだ。
「目を覚ま せ」は『朝日』を含む大新聞にこそ言いたいが、 その特集での公明党広報委員長、上田勇の回 答は完全に居直りである。
 昨年の参院選の公明党のマニフェストには、 自動車関係諸税、特に自動車重量税は「暫定 税率の引き下げにより納税者に還元することや、 その使途のあり方を検討することなど、見直 します」とあるのに、公約違反ではないかと 問われて、こう答えているのである。
 「(マニフェストの文面は)正直言ってどっ ちを向いているかわからないでしょう?  そこは党内に様々な意見があったことの表 れなんです。
ただ、与党になると国の財政が よく見えるし、予算編成もしなければいけない。
(引き下げを)言うのは簡単ですが、今の財 政事情を考えると、廃止するとまでは踏み込 めなかった。
とはいえ、自賠責保険の保険料 をずいぶんと働きかけて引き下げるなど、た だ手をこまねいていたわけではありません」  要するに、都合よく変わるのである。
かつ ての委員長にさえ、竹入義勝に続いて矢野と、 非難の集中砲火を浴びせるのだから、同党の マニフェストは、それこそ?暫定マニフェスト? と思った方がいい。
 ここに矢野が一九九四年に出した回想録、 『二重権力・闇の流れ』(文藝春秋)がある。
そこで当時書記長だった矢野は委員長の竹入 と画策した二階堂進擁立劇に触れてこう語っ ている。
 「二階堂には、富士宮市や百条委員会でも 世話になった。
(池田)名誉会長を市議会に 召喚するってんですから。
彼が大昭和の齊藤(了 英)の赤坂の自宅まで行ったんだ。
市議会には、 齊藤さんの息のかかった人が多いもんで。
まあ、 あっちこっちに頭下げましたわ」  本山だった大石寺のある富士宮市議会が池 田を喚問しようとしたのだろう。
それで、あ わてた矢野が齊藤にその阻止を頼みに行った。
そうしたことが書いている「矢野メモ」が怖 くて矢野の口を封じにかかったのである。
広告費や印刷代によるマスコミ支配の効果か 公明党元委員長の学会提訴を報じない大新聞

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