ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2008年9号
特集
日本の3PL市場2008 前年比10%増で市場規模拡大

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

前年比10%増で市場規模拡大  日本の3PL市場の規模拡大が加速している。
2007 年度の成長率は10.0%。
前年の6.5%から成長のペー スを速めた。
主要46社の3PL事業売上高の合計額 は今や1兆3000億円に達している。
さらに今年度も 10.3 %の成長が見込まれている。
   (柴山高宏)主 戦 場 は ア ジ ア に 拡 大  本誌はこのたび国内の主要3PL企業八一社を対 象にアンケート調査を実施し、四六社から有効回答を 得た(3PL事業売上高を本誌で推定した会社も含 む。
詳細は本号二九頁の「国内主要3PL企業ガイ ド」を参照)。
その結果、昨年度の日本の3PL市場 は、少なくとも一兆三〇五八億円に達していること がわかった。
 そのうち3PL事業売上高の〇五年度、〇六年度、 昨年度実績、今年度見込みの四期分の数字が揃った 二二社の業績推移を分析すると、昨年度の合計額は対 前年度に比べ一〇・〇%増加している。
さらに今年 度も一〇・三%の増加が見込まれている。
今年度見 込みは期待値を差し引く必要があるものの、日本の3 PL市場が急速に成長を続けていることは明らかだ。
 
械丕婿業の海外展開も進んでいる。
四六社中、中 国には三一社が進出済みで、ほかに四社が進出を検 討している。
中国に次いで多かったのがアセアンで、 二四社が進出し、九社が「具体的な進出計画がある」、 あるいは「進出を検討している」と答えている。
一 方で北米や欧州は、進出済み企業よりも「進出は検 討していない」とする企業のほうが多かった。
アジ ア市場へのシフトが鮮明になっている。
 市場の拡大に伴い、課題も顕在化してきた。
今回 のアンケートでは、3PL事業の収益性の傾向を「横 ばい」、もしくは「どちらかというと低下している」 と答えた企業が全体の五二・七%を占めた。
またア ンケートの自由回答欄に、3PL人材の確保・育成 を課題として掲げる企業は四〇%以上に上った。
事 業規模の拡大に、組織体制の整備が追いついていな い状況が浮き彫りになっている。
SEPTEMBER 2008  26 140 120 100 80 60 05 年度 129.4 100 106.6 117.3 6.5% 増 10.0% 増 10.3% 増 06 年度07 年度08 年度 (見込み) 3PL市場規模のトレンド(05 年度=100) 特 集 解 説 27  SEPTEMBER 2008 日立物流 日本通運 キユーソー流通システム ヤマトホールディングス センコー SGホールディングス 三井物産 近鉄エクスプレス 三菱商事ロジスティクス 山九 ニチレイロジグループ ハマキョウレックス 鈴与 トナミ運輸 日本梱包運輸倉庫 NECロジスティクス バンテック・グループ・ホールディングス 安田倉庫 セイノーホールディングス 名糖運輸 丸全昭和運輸 富士物流 トランコム 三洋電機ロジスティクス 日本ロジテム 第一貨物 福山通運 日本トランスシティ NTTロジスコ 三井倉庫 三菱化学物流 フットワークエクスプレス 商船三井ロジスティクス 富士ロジテック 日新 新開 NYKロジスティックスジャパン キリン物流 南日本運輸倉庫 遠州トラック JFE物流 王子運送 東海運 名港海運 アサヒロジ 安川ロジステック        46 社計 ■3PL 売上高ランキング 1,385 1520 ※1 約1,800 (3382/08.3) ※1 約2,100 約1,300 約1,400 ※1 約1,500( 19014/08.3) ー 957 995 1,032( 1403/07.11) ー 1,115 914 957( 12260/08.3) 1,000 686 735 770 (2043/08.3) 820 約900 705 ※2 674 (8894/08.3) ー 約600 ※1 600〜650 ※1 600〜650( 57389/08.3) ー 515 549 551 (2923/08.3) ー ー ー 493 (511/08.3) 484 377 420 459 (4308/08.3) 500 414 428 ※2 428 (1387/08.3) 428 285 321 346 (835/08.3) 383 198 198 250 (913/07.8) ー ー ー 223 (1302/08.3) ー 約180 約200 210 (1536/08.3) ー 146 165 190 (930/08.3) 220 約145 155 174 (1619/08.3) 179 ー ー 172 (323/08.3) ー 90 163 166 (4520/08.3) 181 約150 150 ※1 150 (506/08.3)) 150 51 140 150 (975/08.3) 160 130 140 150 (419/08.3) 180 129 138 143 (621/08.3) 143 ー 119 139 (381/08.3) 150 ー ー 130 (363/08.3) 約130 110 118 126 (818/08.3) 136 300 140 116 (2524/08.3) ー 約90 98 107 (865/08.3) 110 ー ー 105 (400/08.3) 119 ー 91 100 (1044/08.3) 110 ー 64 87 (974/08.3) 83 5 43 84 (787/07.12) 84 41 44 82 (480/08.3) ー 61 68 74 (191/07.8) 78 ー ー 71 (2277/08.3) 85 約40 40 45 (309/07.12) 50 20 26 38 (180/08.3) 100 ー 26 31 (883/07.12) 39 ー ー 25 (220/08.3) ー ー ー 19 (190/08.3) 20 ー 17 17 (2282/08.3) 12 12 14 17 (339/08.3) 20 10 11 10 (403/08.3) 12 ー ー 8 (634/08.3) ー ー ー 8 (654/07.12) 8 ー ー 6 (149/08.3) 7 会社名 05 年度 06 年度 07 年度(連結総売上高/ 決算期) 08 年度見込み ※1 は本誌推定。
金額は千万円単位を四捨五入している ※2 は前期から売上高算定基準を変更している (単位:億円) 1 兆3058 億円 ■SGホールディングス  ロジスティクスに求められる機能が単一ではなく複合的 かつ多様化している。
顧客仕様にカスタマイズした柔軟 なソリューション提供が勝負になり、顧客の懐に深く入 り込む営業力と高度なロジスティクスの管理ノウハウが必 要になる。
■匿名(商社系)  海外においては地場特性に立脚した物流ニーズを把握し、 提案する力を備えた人材の配置が重要になる。
■ニチレイロジグループ  今後も3PLへのニーズ増加が予想される中、人材の確保・ 育成が喫緊の課題となる。
そのためには相応の先行投資 と教育期間が必要になる。
■匿名(倉庫業)  当社は自前主義を貫いており、今後も物流コンサル的な 頭の部分と、倉庫、車両等のインフラ設備の両方を荷主 に継続的にアピールしていく。
3PLにはインフラが前 提という考えがある。
結局、現場を上手に動かさないと 意味がないからだ。
■NECロジスティクス  
械丕牟般海亮託に当たり物流子会社のM&Aを求めら れるケースが今後も増えると思われる。
コスト削減中心 のサービスでは事業としての収益性の確保が難しい。
付 加価値のあるサービスを目指す必要がある。
■匿名(総合物流)  提案内容よりもコスト削減が優先される傾向が強く、契 約面で3PL事業者側のリスクが多い。
荷主側からの開 示情報︵物量等︶と実態の差も原因のひとつだ。
■エヌ・ティ・ティ・ロジスコ  物流センターをショールーム化し、3PL事業者として の現場力をアピールできる機会を増やしていく。
■遠州トラック  
劭藤稗弔鯀箸濆んだロジスティクス設計および提案方 法への取り組みを、今後の展開として考えている。
■安川ロジステック  顧客への切り口として、部分的サービス実施による改善 提案を通じて物流合理化を実現し、信頼関係を築く中で 機能受託範囲を拡大していく。
アンケートで読む3PL業者のホンネ ─
械丕婿業の課題や対策、今後の展開について SEPTEMBER 2008  28 3PL事業の収益性について (回答数:34) 海外の3PL事業について/アセアン (回答数:44) 海外の3PLについて/欧州 (回答数:44) 海外の3PL事業について/北米 (回答数:44) 3PL事業の収益性の傾向について (回答数:38) 海外の3PL事業について/中国 (回答数:44) 営業利益率 1%〜3%未満 17.6%(6) 3〜5%未満 38.2%(13) 5〜8%未満 32.4%(11) 8%以上 11.8%(4) 赤字 0 向上している 13.2%(5) どちらかといえば 横ばい向上している どちらかといえば 低下している 34.2%(13) 39.5%(15) 13.2%(5) 進出している 進出を 検討している 進出は 考えていない 70.5%(31) 9.1%(4) 20.5%(9) 具体的な進出計画がある 0 低下している 0 撤退を検討している 0 撤退した 0 進出している 進出を 検討している 進出は 考えていない 54.5%(24) 15.9%(7) 25.0%(11) 具体的な進出計画がある具体的な進出計画がある 撤退を検討している 0 撤退した 0 進出している 40.9%(18) 4.5%(2) 2.3%(1) 進出を 検討している 13.6%(6) 進出は 考えていない 43.2%(19) 撤退を検討している 0 撤退した 0 進出している 40.9%(18) 具体的な進出計画がある 2.3%(1) 進出を 検討している 11.4%(5) 進出は 考えていない 45.5%(20) 撤退を検討している 0 撤退した 0 ■匿名(総合物流)  料金の安さだけで3PL業者選定するのではなく、事業 継続を前提とした適切な料金設定や物流管理体制を評価 ポイントに置くことが重要。
安かろう、悪かろうでは事 業継続が困難となる。
■SGホールディングス  荷主企業と良好な関係を保つためにも、取り組みにストー リーを持たせる。
例えば1年目:コスト削減、2年目: 品質向上、3年目、荷主企業の売上と利益への貢献など。
■近鉄エクスプレス  荷主からの情報開示において不十分な点なケースも見ら れるので、出来るだけ多くの情報を開示してもらいたい。
■匿名(倉庫業)  原油価格高騰の影響により相当ひどいダメージを受けて いる。
実際、当社の下請け業者の倒産が目立っており、 運ぶこと自体が困難な状況に陥りつつある。
この現状を 受け止めてほしい。
■NECロジスティクス  旧来からの物流の下請的な外注と、3PLとの相違を荷 主側でよく認識し、相互にWin─
廝蕋遒隆愀弦獣曚 可能なビジネスモデルのあり方を構築すべき。
■セイノーホールディングス  効率化=コスト削減の追求により、低賃金、長時間労働、 不安定な労働環境という問題が物流現場に広がっている。
優秀な人材確保にしわ寄せがきており、このままでは物 流業界全体でサービスレベルの維持が望めなくなる。
■匿名(メーカー系3PL)  物流コスト意識は高いが、改善提案に対する理解度が不 足している。
商売のやり方の変化を嫌がる傾向にある。
■エヌ・ティ・ティ・ロジスコ  単価算定時は付帯業務、イレギュラー事象が把握しきれ ていない場合が多い。
OJTで事前受け入れしてもらえ る案件はスムーズに立ち上げ、移行ができ、物流改善のチャ ンスとなっている場合が多い。
■匿名(メーカー系3PL)  ここ数年、3PL案件のコンペ開催企業が増加傾向にあ る。
その際には、顧客自身の判断に頼るのではなく、コ ンサル等の意見を交えた評価ポイントの絞り込み、マス トとなる条件の洗い出しによる判断基準の明確化が必要 だろう。
─荷主企業への要望、メッセージなど

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