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55 DECEMBER 2008
山九の3PL事業が順調に拡大し
ている。 二〇〇九年三月期の同事業
の売上高は、計画通り五〇〇億円に
達する見込みだ。 次年度からは、社
内処理の事情で過去には3PL事業
として計上してこなかった国際分野
での活動も本格化する。
実は山九がこれまでに公表してき
た同事業の売上高は、実態とかなり
乖離していた。 公表数値には主力荷
主である鉄鋼業や、海外での取扱実
績がまったく含まれていない。
その理由は、〇二年に3PL事業
推進室を設置したときに定めた社内
ルールにある。 このとき同社は、保管
や輸送など複数の業務を手掛け、E
DIで外部のシステムと連動してい
ることなどを
山九にとって
の3PL事業
として定義し
た。 結果とし
て、構内管理
などは対象外
となり、該当
する取り扱い
だけを抽出す
るのが煩雑な
海外での実績
も無視される
ことになった。
山九が国内外をつなぐ3PL事業に本腰
〇九年十二月に首都圏で大型拠点を稼働
だが山九の3PL事業はもともと、
P&Gやデュポンなど外資系企業か
らの受託が中心だ。 近年は国内での
好評価が決め手になって、海外で業
務を任されるケースも増えている。
さらに3PL事業の強化強化を目
指して川崎市の東扇島で建設計画を
進めている「首都圏物流センター(仮
称)」では、川崎港のコンテナターミ
ナルに隣接していることを強みに国
際物流まで含む包括的な業務を受託
していこうとしている。 この施設は
延べ床面積が十一万平米を超える同
社最大の物件で、文字通り首都圏で
の中核拠点となる。
にもかかわらず、現在の集計方法
では同センターで手掛ける国際物流
絡みの案件は3PL事業にカウント
されない可能性がある。 幣誌の3P
L事業売上高ランキング(〇八年九
月号掲載)で山九は現在九位に位置
しているが、集計方法次第では一気
にランクアップする可能性もある。
同社は〇八年一〇月から、十数億
円を投じる基幹システムの刷新プロ
ジェクトにも着手している。 3PL
事業部長を務める高橋寛治執行役員
は「新システムではグローバルな?見
える化?が一つのコンセプトになる。
これまで以上に当社の総合力を生か
せるようになる」と考えている。
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