2009年6月号
ARC
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二〇〇八年のWMS市場規模は一%の縮少
JUNE 2009 86
二〇〇八年のWMS市場規模は一%の縮少
一九三〇年代以降最悪の世界同時不況にもか
かわらず、W M S( Warehouse Management
System=倉庫管理システム)市場は約一%の後退に
とどまった。
二〇〇九年のWMS市場はさすがに大 きく後退するとARCでは予測しているが、一〇年 には回復基調に転ずるであろう。
〇八、〇九両年 の縮小が影響し、十三年にいたる五年間の年平均成 長率(CAGR)は二・二%にとどまると見られ る。
ARCの最新の調査によれば、〇八年に一二・ 四七億ドルであった市場は、十三年には十三・八八 億ドルになると予測される。
二つに分かれる市場 ARCの「WMS(倉庫管理システム)の世界市 場動向調査」の主著者であり、サプライチェーン管 理担当役員のスティーブ・バンカーは次のように語 っている。
「〇八年の規模縮小は比較的軽微で済んだとはい え、市場は二つに分かれている。
大手のサプライヤ ーはどこも業績を伸ばした一方、中小は異口同音に 悲惨な状況を語った。
年初は好調なスタートを切っ たが、第3四半期には商談が滞るようになり、第 4四半期になると多くのサプライヤーは新規受注が できなくなった」 世界的な不況の下では、〇八年にWMS市場が後 退したことは驚くべきことではない。
しかしそうし た状況の中でも、上位五社は好業績だったことは特 筆に値するだろう。
上位五社はすべて、業績を伸ば したのである。
サプライヤー五社のうち四社は収益 が対前年比で二桁伸びたと報告しており、特にその うちの一社は三五%以上も増えた。
バンカー氏は「〇八年の市場がわずか一%の後退 にとどまったことは驚くべきことである。
しかしな がら、サプライヤー上位五社が全市場の売り上げの 半分以上を占めていることを理解すれば、理解でき ない話ではない。
上位のWMSサプライヤーの業績 が良くなければ、市場の後退はさらに大幅なものと なっただろう」と語る。
市場縮小の影響 ARCでは一〇年以上にわたってWMSの調査を 実施してきた。
そのほとんどの年で市場シェアを伸 ばしてきたのは、大手のWMSサプライヤーだった。
「この傾向が今後もずっと続くことはない。
大手 サプライヤーがシェアを伸ばすためには、他の大手 からシェアを奪わざるをえない時期がそのうち来る だろう。
もしかすると来年がその時期になるかもし れない。
ARCでは、WMS市場から撤退するサプ ライヤーは、少なくとも一〇社に上るだろうと予想 している」 より小規模なWMSサプライヤーは、つねにその 存立基盤を問われ続けている。
このサプライヤーは 二〜三年後もサポートを続けているだろうか? 製 品開発にどれだけ投資をし続けることができるの か? ユーザーはよくこうした問いかけをする。
そ のサプライヤーが生き残れるかどうかを確認するため、 ユーザーがサプライヤーの財務状況を審査すること は、まだ一般には行われていない。
今後、中小のサ プライヤーは今まで以上に財務諸表の公開をもとめ られるようになり、その多くは審査に合格すること ができないだろう。
バンカーは次のように結んでいる。
「縮小したり統合されたりする市場では限りなく ゼロサムゲームになるということに、主要サプライ ヤーは気が付くことになるだろう。
こうした市場で ある特定のサプライヤーが伸びるということは、ど こかで別のサプライヤーが割を食っているというこ となのである」 本コーナーでは米国の大手調査会社、ARCアドバイザリーグループの市場調査報告書につい て紹介している。
今回はWMS市場の今後五年の見通しについてのレポートを取り上げる。
1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 WMS(倉庫管理システム)市場 (百万ドル) (年) ©2008 ARC Advisory Group
二〇〇九年のWMS市場はさすがに大 きく後退するとARCでは予測しているが、一〇年 には回復基調に転ずるであろう。
〇八、〇九両年 の縮小が影響し、十三年にいたる五年間の年平均成 長率(CAGR)は二・二%にとどまると見られ る。
ARCの最新の調査によれば、〇八年に一二・ 四七億ドルであった市場は、十三年には十三・八八 億ドルになると予測される。
二つに分かれる市場 ARCの「WMS(倉庫管理システム)の世界市 場動向調査」の主著者であり、サプライチェーン管 理担当役員のスティーブ・バンカーは次のように語 っている。
「〇八年の規模縮小は比較的軽微で済んだとはい え、市場は二つに分かれている。
大手のサプライヤ ーはどこも業績を伸ばした一方、中小は異口同音に 悲惨な状況を語った。
年初は好調なスタートを切っ たが、第3四半期には商談が滞るようになり、第 4四半期になると多くのサプライヤーは新規受注が できなくなった」 世界的な不況の下では、〇八年にWMS市場が後 退したことは驚くべきことではない。
しかしそうし た状況の中でも、上位五社は好業績だったことは特 筆に値するだろう。
上位五社はすべて、業績を伸ば したのである。
サプライヤー五社のうち四社は収益 が対前年比で二桁伸びたと報告しており、特にその うちの一社は三五%以上も増えた。
バンカー氏は「〇八年の市場がわずか一%の後退 にとどまったことは驚くべきことである。
しかしな がら、サプライヤー上位五社が全市場の売り上げの 半分以上を占めていることを理解すれば、理解でき ない話ではない。
上位のWMSサプライヤーの業績 が良くなければ、市場の後退はさらに大幅なものと なっただろう」と語る。
市場縮小の影響 ARCでは一〇年以上にわたってWMSの調査を 実施してきた。
そのほとんどの年で市場シェアを伸 ばしてきたのは、大手のWMSサプライヤーだった。
「この傾向が今後もずっと続くことはない。
大手 サプライヤーがシェアを伸ばすためには、他の大手 からシェアを奪わざるをえない時期がそのうち来る だろう。
もしかすると来年がその時期になるかもし れない。
ARCでは、WMS市場から撤退するサプ ライヤーは、少なくとも一〇社に上るだろうと予想 している」 より小規模なWMSサプライヤーは、つねにその 存立基盤を問われ続けている。
このサプライヤーは 二〜三年後もサポートを続けているだろうか? 製 品開発にどれだけ投資をし続けることができるの か? ユーザーはよくこうした問いかけをする。
そ のサプライヤーが生き残れるかどうかを確認するため、 ユーザーがサプライヤーの財務状況を審査すること は、まだ一般には行われていない。
今後、中小のサ プライヤーは今まで以上に財務諸表の公開をもとめ られるようになり、その多くは審査に合格すること ができないだろう。
バンカーは次のように結んでいる。
「縮小したり統合されたりする市場では限りなく ゼロサムゲームになるということに、主要サプライ ヤーは気が付くことになるだろう。
こうした市場で ある特定のサプライヤーが伸びるということは、ど こかで別のサプライヤーが割を食っているというこ となのである」 本コーナーでは米国の大手調査会社、ARCアドバイザリーグループの市場調査報告書につい て紹介している。
今回はWMS市場の今後五年の見通しについてのレポートを取り上げる。
1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 WMS(倉庫管理システム)市場 (百万ドル) (年) ©2008 ARC Advisory Group
