ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2009年7号
特集
解説 物流費の相場と交渉技術を知る

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

JULY 2009  10 アウトソーシングのトレンドが逆行  「今春は大手荷主企業によるコンペラッシュだ った」とロジスティクス・サポート&パートナー ズ(LOGI─
咤弌砲竜噺僅舵副社長はいう。
必 ずしも物流企業に提案を求めているわけではな い。
作業品質は現状維持。
情報システムやマテハ ン機器も既存の設備を使うという条件で、運営費 用だけを尋ねるケースが多い。
コンペとは名ばか りの単なる相見積もりだ。
 パート・アルバイトの時給単価や倉庫の賃料相 場は大きく下がっている。
新規契約であれば買い 手市場の強みを活かして有利な条件が引き出せ る。
不況に入る以前にリソースを調達した既存の 協力会社には分が悪い。
荷主企業は契約を結び直 すだけでコスト削減できる。
 トラック運賃の場合、相場は既に底値に張り付 いている。
さすがに荷主もこれ以上は叩けない。
しかし、料金体系の変更や協力会社の見直しで支 払い運賃が下がることもある。
地域共同配送が可 能な運送会社が見つかれば無理を言わなくても 単価は下がる。
「そのため昨年秋以降、ベースカ ーゴを持つ運送会社にどんどん荷物が集まる傾 向にある」と吉原副社長は指摘する。
 いったん外部に委託した物流業務を再び内製 化する動きも活発化している。
ブランド品を扱う 専門店を展開する某中堅小売業。
不況のあおりで 来客数が激減した。
そこで販売員を各店舗から一 人ずつ選んで物流部門に異動した。
庫内作業のパ ートを解雇して、正社員を投入した。
時給単価を 考えればコスト効率は落ちるが、店で遊ばせてお くよりはいいという判断だ。
 都内のインテ リア雑貨チェー ンでは最近、ア ウトソーシング の業務領域を縮 小した。
物流セ ンターで処理し ていた値札付け などの流通加工 を店舗側で処理 する体制に改め た。
横持ち輸送 機能も店舗に移管した。
店舗間を回る自社便を設 定。
バイヤーに車両を運転させた。
従来は店舗で 売れ残った在庫を宅配便でセンターに戻して必 要に応じて別の店舗に転送していた。
 一連の内製化で物流センターの運営を委託す る協力会社に支払っていた費用項目のうち、流通 加工費、店舗側の宅配便費用、センターの入庫費 用、出庫費用、横持ち配送費用などがゼロになっ た。
もともと商品一個当たりの処理項目ごとの料 金設定になっていたため、運用体制の変更を協力 会社と交渉するまでもなく支払いが減った。
 内製化は工場でも起きている。
稼働率が下がっ ているので余剰スペースは十分にある。
外部倉庫 に預けている在庫を、工場に移すだけで費用の流 出を止めることができる。
コスト削減策としては 手っ取り早い。
構内作業も昨秋まではアウトソー シングが主流だったが、今ではトレンドが逆に振 れている。
 ただし、「内製化には相当なリスクもある」と 日本能率協会コンサルティングの小澤勇夫生産 物流費の相場と交渉技術を知る  物量の減少は対売上高物流コスト比率を悪化させる。
追い つめられた荷主企業の物流部門は、なりふり構わぬ経費の削 減に乗り出している。
しかし、運賃は既に底値。
倉庫は長期 契約。
社員のクビは切れない。
どんな手を打つべきか。
交渉 の落としどころはどこにあるのか。
LOGI-PS の 吉原和彦副社長 日本能率協会コンサル ティングの小澤勇夫チ ーフ・コンサルタント 解 説 11  JULY 2009 特 集 コスト削減 マネジメント革新本部ロジスティクス・ ソリューションセンターセンター長チ ーフ・コンサルタントは警鐘を鳴らす。
素人をいきなり物流現場に投入すれば 当然、品質は悪化する。
事故も起こる。
 外部倉庫の返却も安直にはできない。
在庫を引き上げる前に、まずは工場の空 きスペースの面積と高さから保管でき る物量を確定する必要がある。
在庫を搬 入するスケジュールにも配慮がいる。
注 文の引き当て状況を見て、移管のタイミ ングを決めないと思わぬトラブルを招 いてしまう。
 立ち上げ時には出荷作業の混乱が付 きものだ。
荷主企業の物流スタッフはピ ッキングや梱包といった基本的な構内作業を一 から覚え、納品先ごとの特性にまで精通しなけれ ばならない。
運用が安定するまで、少なくとも二、 三カ月の移行期間は見るべきだ。
 小澤チーフ・コンサルタントは「内製化すると 言っても、アウトソーシングが進みすぎたせいで 荷主のロジスティクス管理能力は低くなってい る。
外部倉庫に関しても、どういった契約で借り ているのか、どのような運営をしているかなど全 く把握できていないことが多い。
現場を人質に取 られている状態ではコスト削減どころか、単価交 渉のテーブルに着くことさえできない。
荷主企業 は改めて協力物流会社と同じ土俵に上がる必要 がある」と指摘する。
 図1はイーソーコ総合研究所が作成した物流 コストの一般的な内訳と主な削減方法だ。
荷主企 業の物流コストは大きく?輸送費、?人件費、? 保管費の三つの要素から成っている。
それぞれの 要素には、それを構成する費用項目がある。
 トータルコストの約六割を占める?輸送費は、 人件費、運行三費、修繕維持費、輸送契約という 四つの要素でその大枠が決まる。
その原価構成を カサイ経営では図2のように分解した。
荷主企業 はこれらの各費用項目の相場と実態を把握するこ とで適正運賃を知る必要がある。
それが同社の創 業者、 故 ・ 河西健次氏の主張だった。
もちろん? 人件費、?保管費も同様だ。
 突然の経済危機に直面し、荷主企業は物流アウ トソーシングの棚卸しを迫られている。
環境の厳 しさは物流企業も同じだ。
相見積もりで急場を凌 げばリスクは大きい。
コスト削減を実現するため、 オペレーションの総点検を急ぐ必要がある。
年齢給 拘束時間 時短交渉 若年齢化 人件費 管理者人件費 作業人件費:25% 輸送費:60% 物流コスト分布の内訳 その他:5% 保管費:10% 固定 賃貸借契約 変動寄託料 マテハン什器 在庫の分離 保険水道 光熱通信 システム料 消耗品費 駐車場 燃料 タイヤ 点検費 事故修理 安全教育徹底 時間制 回戦契約 3強から5弱への切替 賃金規定変更 自営業化 年俸制度 ラインを独立化 現場単位で 自営業者に委託 ※イーソーコ総合研究所資料より 個人請負契約 構内請負業者化 出来高制賃金 派遣会社↓自営募集 5Sの徹底 生産性評価 社会保険脱退危機 紹介制度 自学自習制 モチベーションアップ 家賃交渉 契約期間延長 夜間利用 地方倉庫へ 従量制へ 買い取り 自作 撤去 季節商品の移動 倉庫縮小 省エネ機器 包括保険 リース料 処理委託 包装資材 伝票 プリンタ用紙 送迎バス 相乗り出勤 デジタコ 共同購入 オイル リトレッド 重量料金制 レンタル料 保守費用 時間制 データ従量制 始業点呼 タイヤ圧 休車転売 ドライブレコーダー 輸送契約 修繕維持費 運行3費 募集教育研修 作業人件費 走行変動費 直接運送原価 トラック運賃の原価構成 管理費・利益 (間接費) 燃料費 油脂費 タイヤ・チューブ費 車両修繕費 備消品費 乗務員賃金 乗務員賞与 法定福利費 退職金 厚生費 自動車保険費 自動車諸税 車両原価売却費 車庫費 一般管理費 金融費用 利益 稼働時間変動費 (固定費:車両費) ※カサイ経営資料より 稼働時間変動費 (労務費)

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