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69 AUGUST 2009
特別レポート
■■荷動き
世界経済は減速基調を強めており、そ
の影響は荷動き動向に顕著に表れた。 財務
省発表の二月貿易統計によると、輸出額
は前年同月比四九%減、輸入額は前年同
月比四三%減となり、ともに過去最悪の
減少率を記録した。
■■需要
総じて見れば、テナント需要は物流量の
急減を受けて減退しており、オフィスセク
ターと同様に集約、縮小を目的とした動き
が目立った。 一方で、「プロロジスパーク
市川I」(延べ床面積:約十二万五〇〇〇
?)に食品小売のコストコ、読売新聞傘下
の読売インフォメーションサービス、3P
L事業者のトランコムが入居し、それぞれ
二万八〇〇〇?、一万五六〇〇?、八六
〇〇?を賃借して合計五万二二〇〇?が
吸収された事例は、業務効率の向上を目
指す日用品等を扱う事業者による需要が持
続している状況を示した。
■■供給
内陸部において「羽村物流センター」(延
べ床面積:四万三〇〇〇?・地上四階建
て)が竣工した。 ラサールインベストメン
トマネジメントによるビルド・トゥ・スー
ツ(BTS)型の開発案件であり、テナ
ントには建設業のトーヨーが入居した。
物流量の減少等によるテナント需要の低
迷を受けて、開発案件に対する金融機関
の貸出姿勢は厳しさを増しており、工事中
断を余儀なくされた開発案件も報告され始
めた。
■■賃料・価格動向
今期のベイエリアの平均賃料は月額坪当
たり六四〇〇円となり、前四半期比マイナ
ス四・五%となり、
3四半期連続の下
落となった。
売り手と買い手の
希望取引価格の相
違により、全体的に
取引数は少なくとど
まった中、次の取引
事例が見られた。 「東
雲物流センター」
(延べ床面積:約三
万四〇〇〇?)の準
共有持分四七%を日本ロジスティクスファ
ンド(JLF)が一一八億円、NOI利
回り五・五%で取得した。 これにより本物
件は残りの持分五三%を保有する産業ファ
ンド(IIF)との共有となった。
三井物産リアルティ・マネジメントが組
成した物流倉庫特化型のファンドは、II
Fより、「武蔵村山物流センター」(延べ床
面積:約四万九〇〇〇?)を八〇億四〇
〇〇万円で取得した。 IIFは売却目的
をLTV比率(借入金比率)の引き下げ
としている。 このほか、JLFは「加須
物流センター」(延べ床面積:約二万五〇
〇〇?)を三七億九〇〇〇万円、NOI
利回り五・六%で取得した。
■■見通し(十二カ月)
物流量の減少と長引く景気低迷を受け
て、今後もテナント需要は弱含みで推移し、
賃料と価格はともに下落傾向で推移する
ものと考えられる。 但し、売り手と買い手
の希望価格の乖離幅は徐々に縮小に向かう
ものと予想される。
サステイナビリティに関連した取り組み
は緊急課題であり、ロジスティクスセクタ
ーでもCO2排出削減に向けた積極的な取
り組みが見られる。 こうした中でプロロジ
スは環境に配慮した物流施設の開発を進め
ており、「プロロジスパークセントレア」に
おいて、建築物総合環境性能評価システム
であるCASBEEよりAランク認証を取
得した。
ジョーンズラングラサールは6月、「アジア・パシフィック・プロパティ・
ダイジェスト日本版2009第1四半期」を発表した。 東京の物流不動産
マーケットは景気の悪化、物量の減少を受けて、需要・賃料が大幅に
減退していることなどが明らかになった。 以下、同レポートの「東京:
ロジスティクスマーケット」部分を抜粋し、紹介する。
ジョーンズラングラサール調査
─ベイエリアの物流不動産賃料、前四半期比4.5%マイナス─
05年第1
四半期
第3
四半期
06年第1
四半期
第3
四半期
07年第1
四半期
第3
四半期
08年第1
四半期
第3
四半期
出所:東京都港湾局
26
24
22
20
18
●海上出入貨物─東京港
05年第1
四半期
第3
四半期
06年第1
四半期
第3
四半期
07年第1
四半期
第3
四半期
08年第1
四半期
第3
四半期
1.2
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
百万TEU
百万トン
●コンテナ取扱数─東京港
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