2009年9月号
CLIP
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プロロジスの資産・人員が分離独立物流不動産プレイヤーの勢力図が一変
33 SEPTEMBER 2009
今年七月、日本の物流不動産マーケ
ットに一大プレイヤーが現れた。
GLプ ロパティーズ。
同社が国内で管理・運 営する物件は七一棟、総延べ床面積は 二五〇万平方メートルを超える。
これ は国内マーケットシェアトップ。
それも、 現時点で二位のAMBプロパティジャパ ンの資産規模(約三〇棟、一〇〇万平 方メートルと推察される)を大きく引き 離す圧倒的首位だ。
GLプロパティーズは今年三月に設立 され、七月末から営業を開始したばか りの会社。
なぜ突如、業界トップの座 に躍り出ることになったのか。
同社設立の経緯には、これまで世界 の物流不動産マーケットを牽引してきた プロロジスが深く関係している。
プロロ ジスは、リーマンショックに端を発する 昨秋来の不況により、大きな経営ダメー ジを被り、株価も大幅に下落した。
こ れを受け、米国本社はそれまで拡大路 線を推進してきた会長兼CEOのジェ フリー・シュワルツ氏の辞任を発表。
同 時に、損失を補填するため中国での全 事業と日本で保有する物流施設の大半 を売却することを決定した。
売却先はシンガポール政府系の不動 産投資会社GICリアルエステート(G ICRE)。
中国と日本の資産を取得し たGICREは、そのポートフォリオを 管理するため、グローバル・ロジスティ ック・プロパティーズ(GLP)を今年 三月に設立。
代表にプロロジスを退社し たシュワルツ氏を起用した。
GLPの日本法人がGLプロパティ ーズだ。
つまり、現時点で同社が管 理・運営する資産は、全てプロロジス が保有していた物件ということになる。
さらに、GLプロパティーズ社員の顔ぶ れは、三木真人社長以下四三人、全員 がプロロジス出身者で占められている。
GICRE・プロロジス間の交渉にお いて、取得した資産を管理する人材を、 プロロジスから新会社に移籍させること が一つの条件になったとみられる。
当初発表されていたGLプロパティー ズの業務内容は、GICREがプロロ ジスから取得した資産を管理するアセッ ト・マネジメント(AM)業務のみだっ た。
実際に物件を運営し、顧客との リレーションを図るプロパティ・マ ネジメント(PM)業務は、引き続 きプロロジスに委託する形を取ると されていた。
そのため、プロロジス から移籍する人員もAM事業部に限 定されると目されていた。
ところが七月二九日、営業開始の 記者会見に臨んだ三木社長の口から 思いもかけない発言が飛び出した。
「AM業務のみの展開ではなく、 PM業務も自社で行う。
そのために 必要な人員もプロロジス社から移籍 している。
さらに、今後の市況次第 で新規開発や既存物件の取得にも打 って出る。
そのために必要な部門は、 既にフルフィルメントで備えてある」 プロロジスとまったく同じ業態を取る と宣言したのだ。
ある業界関係者は「規 模は大きいとはいえ、AM会社が一社 増えるだけという認識だった。
しかしP M業務や新規開発、投資事業まで手掛 けるとなると事の重大性は変わってくる。
巨大プレイヤーが突然現れ、一夜にして マーケットの勢力図が塗り変わったとい う印象だ」と語る。
AM会社という当初の既定路線から 物流施設プロバイダーへと舵を切ること になった経緯については、今のところ 明らかになっていない。
三木社長はプロ ロジスとの関係性について、敵対関係 にないことを強調しつつも「両社間に はビジネスにおける契約や取り決めは一 切存在しない。
健全な競合は当然起こ りうるし、それはマーケットにとっても マイナスではない」と説明している。
今後、GLプロパティーズが管理する 物件では「ProLogis」のロゴ が外され、順次同社のそれに置き変わ っていく。
昨秋来マーケットは冷え込み、各プ レイヤーは身動きが取れない状態にある が、三木社長は「大型物流施設へのニ ーズは潜在的に大きいと確信している。
利用者のニーズに合った施設を提供し ていく」と語る。
GLプロパティーズの 誕生により、マーケットの風景は一変 した。
(石鍋) プロロジスの資産・人員が分離独立 物流不動産プレイヤーの勢力図が一変 GLプロパティーズの三木 真人社長 日本の物流不動産マーケットシェア オリックス 3% 大和ハウス 3% 産業ファンド 2% コマーシャルアールイー 2% メープルツリー 2% 三菱商事 1% 三井物産 0.3% GL プロパティーズ 30% AMB プロパティ ジャパン 11% ラサールインベスト メントマネジメント 10% 日本レップ 8% プロロジス 7% 日本ロジスティクス ファンド 7% 野村不動産 7% その他 8% ※GLP 資料から本誌編集部が作成
GLプ ロパティーズ。
同社が国内で管理・運 営する物件は七一棟、総延べ床面積は 二五〇万平方メートルを超える。
これ は国内マーケットシェアトップ。
それも、 現時点で二位のAMBプロパティジャパ ンの資産規模(約三〇棟、一〇〇万平 方メートルと推察される)を大きく引き 離す圧倒的首位だ。
GLプロパティーズは今年三月に設立 され、七月末から営業を開始したばか りの会社。
なぜ突如、業界トップの座 に躍り出ることになったのか。
同社設立の経緯には、これまで世界 の物流不動産マーケットを牽引してきた プロロジスが深く関係している。
プロロ ジスは、リーマンショックに端を発する 昨秋来の不況により、大きな経営ダメー ジを被り、株価も大幅に下落した。
こ れを受け、米国本社はそれまで拡大路 線を推進してきた会長兼CEOのジェ フリー・シュワルツ氏の辞任を発表。
同 時に、損失を補填するため中国での全 事業と日本で保有する物流施設の大半 を売却することを決定した。
売却先はシンガポール政府系の不動 産投資会社GICリアルエステート(G ICRE)。
中国と日本の資産を取得し たGICREは、そのポートフォリオを 管理するため、グローバル・ロジスティ ック・プロパティーズ(GLP)を今年 三月に設立。
代表にプロロジスを退社し たシュワルツ氏を起用した。
GLPの日本法人がGLプロパティ ーズだ。
つまり、現時点で同社が管 理・運営する資産は、全てプロロジス が保有していた物件ということになる。
さらに、GLプロパティーズ社員の顔ぶ れは、三木真人社長以下四三人、全員 がプロロジス出身者で占められている。
GICRE・プロロジス間の交渉にお いて、取得した資産を管理する人材を、 プロロジスから新会社に移籍させること が一つの条件になったとみられる。
当初発表されていたGLプロパティー ズの業務内容は、GICREがプロロ ジスから取得した資産を管理するアセッ ト・マネジメント(AM)業務のみだっ た。
実際に物件を運営し、顧客との リレーションを図るプロパティ・マ ネジメント(PM)業務は、引き続 きプロロジスに委託する形を取ると されていた。
そのため、プロロジス から移籍する人員もAM事業部に限 定されると目されていた。
ところが七月二九日、営業開始の 記者会見に臨んだ三木社長の口から 思いもかけない発言が飛び出した。
「AM業務のみの展開ではなく、 PM業務も自社で行う。
そのために 必要な人員もプロロジス社から移籍 している。
さらに、今後の市況次第 で新規開発や既存物件の取得にも打 って出る。
そのために必要な部門は、 既にフルフィルメントで備えてある」 プロロジスとまったく同じ業態を取る と宣言したのだ。
ある業界関係者は「規 模は大きいとはいえ、AM会社が一社 増えるだけという認識だった。
しかしP M業務や新規開発、投資事業まで手掛 けるとなると事の重大性は変わってくる。
巨大プレイヤーが突然現れ、一夜にして マーケットの勢力図が塗り変わったとい う印象だ」と語る。
AM会社という当初の既定路線から 物流施設プロバイダーへと舵を切ること になった経緯については、今のところ 明らかになっていない。
三木社長はプロ ロジスとの関係性について、敵対関係 にないことを強調しつつも「両社間に はビジネスにおける契約や取り決めは一 切存在しない。
健全な競合は当然起こ りうるし、それはマーケットにとっても マイナスではない」と説明している。
今後、GLプロパティーズが管理する 物件では「ProLogis」のロゴ が外され、順次同社のそれに置き変わ っていく。
昨秋来マーケットは冷え込み、各プ レイヤーは身動きが取れない状態にある が、三木社長は「大型物流施設へのニ ーズは潜在的に大きいと確信している。
利用者のニーズに合った施設を提供し ていく」と語る。
GLプロパティーズの 誕生により、マーケットの風景は一変 した。
(石鍋) プロロジスの資産・人員が分離独立 物流不動産プレイヤーの勢力図が一変 GLプロパティーズの三木 真人社長 日本の物流不動産マーケットシェア オリックス 3% 大和ハウス 3% 産業ファンド 2% コマーシャルアールイー 2% メープルツリー 2% 三菱商事 1% 三井物産 0.3% GL プロパティーズ 30% AMB プロパティ ジャパン 11% ラサールインベスト メントマネジメント 10% 日本レップ 8% プロロジス 7% 日本ロジスティクス ファンド 7% 野村不動産 7% その他 8% ※GLP 資料から本誌編集部が作成
