ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2005年11号
SOLE
SOLE報告

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

NOVEMBER 2005 88 アリング)能力をどのように付与するかが急務のようである。
とこ ろが現在、米国のトップクラスの大学でロジスティクスを教えてい るのは20校しかない、と嘆いていた。
これは20年前に聞いた話とま ったく同じなのでびっくりした。
[知的財産権] 今回、我々の耳に最も刺激的だったのは「知的財産権」に関する 発言だった。
昨年のイラク戦争の話では、戦争に参加した民間人が 機密情報の扱いが不適切で、いろいろ問題を起こし、やはりプロの 兵隊でなければ‥‥という話があった。
それが今年は、「情報には経 済的価値がある」と言っており、情報の取り扱いがますます難しく なってきているという印象であった。
[BRAC] これはいろいろな発言者が頻繁に使用した言葉で、B a s e Realignment and Closure、すなわち基地の再編と閉鎖の略のよう である。
トランスフォーメーションの一環なのだろうが、多くの基 地が閉鎖され、いろいろ再利用しているという。
ある基地はホーム レスのトレーニングセンターに転用されているという。
修理や整備 をしていたデポも再編され、従来軍人と民間人の比率が8対2であっ たものが、いまや5対5になっているという。
3 RFID(Radio Frequency Identification) 今回、SOLE会員であるオハイオ州立大学の教授より「Air Force Journal of Logistics 季刊」の特集記事「RFIDテクノロジーは国防 総省にとって、その将来性は恩恵になるか、重荷になるか?」の資料 を得たので、要旨を報告した。
国防総省は「トランスフォーメーション(軍改革)」の推進下、国 防総省サプライチェーン・ロジスティクスサポートシステムの強化 において全物資の可視化“Total Asset Visibility(TAV)”を重要 視し、RFIDの活用をキーとしている。
湾岸戦争・イラク戦争ではすでに衛星ネットワーク下でアクティ ブタグを利用してきているが、これは既に旧式となり高機能アクテ ィブタグへの移行と、全物資の可視化を推進するためのパッシブタ グの導入を施策としている。
これらの施策の推進には、標準・相互 接続運用性(民間・国際)などに多くのチャレンジがあるが、RFID テクノロジーは重荷より恩恵が勝るとしている。
以上(文責在事務局) 2005年11月から新しいフォーラムのシリーズを、以下のようなプ ログラムで開催する。
積極的な参加を期待しています。
このフォーラムは年間計画に基づいて運営しているが、単月のみ の参加も可能。
1回の参加費は6,000円。
参加希望などの問い合わせ は以下の事務局まで(sole_consult@jmac.co.jp)。
SOLE報告The International Society of Logistics æ t H [ ¤ m „ æ t H [ ¤ m „ SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティク ス技術やロジスティクス・マネジメントに関する活発な意見交換、 議論を行い、会員相互の啓発に努めている。
今回の報告は2005年9月14日に開催したフォーラム「SOLE2005報 告」の内容を紹介する。
スピーカーはSOLE東京支部の伝田、瀬良 の2人が担当した。
* * * 1 SOLE2005の概要 ロジスティクス学会( SOLE-The International Society of Logistics)は米国で国際ロジスティクス会議を、SOLE200xと称し て毎年開催している。
第40回を迎えた今年は「SOLE2005」として、 フロリダ州オーランドで開催された。
会期は2005年8月16日〜18日の3日間。
大まかにいうと、全体会議、 パネルディスカッション、ペーパーセッションで構成されていた。
同時に、ロジスティクスをビジネスとして手掛けている企業・団体 (主にソフトウエアハウス、コンサルティングファーム、大学など) による展示会も開かれた。
2 会議のトピックス [テーマ:Logistics : Product and Process for Capability] 意味するところは、ロジスティクスでは供給する製品(プロダク ト)と、その供給のやり方(プロセス)が不即不離で、その狙いは 能力(ケイパビリティ)をいかに期待通りに発揮させるかにある、 ということであろう。
大変、示唆に富むテーマと思われた。
[ミリタリー色] ミリタリーの色彩が年々強くなった印象であるが、湾岸戦争を戦 い、9.11テロに遭遇し、アフガン戦争、そして今回のイラク戦争を 戦う米国としては、ロジスティクスの話題はどうしてもミリタリー 色が強くなるのだろう。
しかし、同時にスペースシャトル、宇宙ス テーション、ハッブル宇宙望遠鏡といった大規模システムに対する ロジスティクスも重要な話題として取り上げられているのは注目さ れる。
[PBL(Performance Based Logistics)] 昨年の「SOLE2004」では、これからは「パフォーマンス・ベイ スト・ロジスティクス(PBL)」だ、と皆が主張していた。
ところが 今年はその反動であろうか、PBLに対する疑問や不満が噴出した感 じであった。
過去に軍(DoD)主導で、LCC導入、ILS導入、そし てCALS導入を指示され、その中心に存在したMIL-STD/SPECを 全面否定され、「今度はPBLか」という雰囲気が、やらされる民の側 にあるのかもしれない。
民としては、契約を取るためには軍の指示 に従う必要があり、このPBLにどう上手く対応するかが実は議論さ れたのであろう。
なおPBLは調達契約の際にパフォーマンスを約束し、果たせばボ ーナス、守れなければペナルティという一つの契約形態といえる。
[人材・教育訓練] ロジスティクスに従事する人々を「ロギー(Loggy)」と呼んでい る。
その人々に求められる知識、素養、技術がより高度になってき ていることを重視し、どのようにロギーに対する教育訓練をするの かが議論されていた。
ロギーは、調達担当、整備担当、在庫管理などに分業されていた。
しかし、これからのロギーは単に調達業務をするだけでなく、ある いは整備を担当するだけでなく、システムの改良・改革にも関わっ ていかねばならなくなっている。
したがってSE(システムエンジニ

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