2009年11月号
ARC
ARC
地理情報システム市場は今後五年間に五〇%の成長
67 NOVEMBER 2009
地理情報システム市場は今後五年間に五〇%の成長
ARCアドバイザリーグループの最新の調査によ
れば、GIS(Geospatial Information System:
地理情報システム)の世界市場は、今後五年間で
五〇%(年平均成長率換算で九・三%)成長する
と予測される。
GIS市場は近い将来、世界的に 電力・石油・ガスなどの非循環型産業や政府部門 の支出によって支えられる見通しだ。
今後五年間 の後半には、アジア・中南米・中東などの新興市 場におけるGISの採用が増加する。
一方その頃 には、グローバルな景気後退によってもっとも打 撃を受けた産業が息を吹き返し、再びGISへの 投資を行うと予想される。
小売・不動産・サービ スなどの業界も、GISソリューションの採用を 増やすものと期待される。
GIS市場以外の企業向けソフトウェアのサプ ライヤーに関する公開情報は、どれも二〇〇九年 の売上が大きく落ち込むと報じている。
「しかしな がらGISソフトウェアに関しては、電力・ガス・ 政府部門などの非循環型分野のビジネスへの好調 な売上のおかげで、他の企業向けソフトウェア市 場とは事情が異なる。
したがってGIS市場に対 する景気後退の影響は、他のソフトウェア市場に 対する影響にくらべてだいぶ緩和されたものにな るだろう」ARCの「GISの世界市場動向調 査( Geospatial Information Systems Worldwide Outlook)の主著者で、企業ソフトウェアアナリス トのクリント・ライザーはそう語る。
電力業界が次世代送信網で採用を拡大 電力業界では送電・配電のネットワーク管理に、 標準プラットフォーム技術としてGISソリューシ ョンを採用している。
この重要な産業に対するG ISの売上は、新興経済圏における経済インフラ の増強と米国におけるスマートグリッド構想によ ってもたらされる投資の増加により、平均以上の 伸びを示すと予想される。
スマートグリッド次世 代送信網構想では発電する場所を電力網の中に分 散させるため、新たな機器の導入が予定されてい る。
そのためには大幅なネットワークの再構築が 必要となる。
GISは新しいネットワークの構成 設計、分析、管理に用いられる技術である。
こう したものへの需要が、電力産業におけるGISの 採用、更新、改善の水準を高めると期待される。
技術の進化によって変貌するGIS市場 ここ一〇年でGISサーバーソリューションや エンタープライズGISの導入がかなり増えてき た。
その結果、政府機関や電力・ガス業界などの 分野で従事する数多くの従業員が、GISにアク セスすることができるようになった。
同じ時期に モバイルGISも普及するようになり、ネットワ ーク設計や保守作業に利用されることが増えるよ うになった。
最近では、ウェブサーバーやクラウ ドコンピューティングの利用が産業界で増加傾向 にある。
顧客の人口統計的データや他の一般的な データをも対象とした広域分析機能は、SaaS ( Software-as-a-service)モデルを通してすでに市 場に提供されている。
モバイルGIS採用のさら なる浸透、SaaSのサービス提供モデル、クラウ ドコンピューティングなどには、近い将来にGIS 市場が変貌して適用範囲を拡大する大きな可能性 が秘められている。
本コーナーでは米国の大手調査会社、ARCアドバイザリーグループの市場報告書について紹介し ている。
今回はGIS(地理情報システム)の今後五年の見通しについてのレポートを取り上げる。
2009 2010 2011 2012 2013 2014 GIS マーケットの成長率 (2009 年を100 とした場合) (年) ©2009 ARC Advisory Group 200 150 100 50 0
GIS市場は近い将来、世界的に 電力・石油・ガスなどの非循環型産業や政府部門 の支出によって支えられる見通しだ。
今後五年間 の後半には、アジア・中南米・中東などの新興市 場におけるGISの採用が増加する。
一方その頃 には、グローバルな景気後退によってもっとも打 撃を受けた産業が息を吹き返し、再びGISへの 投資を行うと予想される。
小売・不動産・サービ スなどの業界も、GISソリューションの採用を 増やすものと期待される。
GIS市場以外の企業向けソフトウェアのサプ ライヤーに関する公開情報は、どれも二〇〇九年 の売上が大きく落ち込むと報じている。
「しかしな がらGISソフトウェアに関しては、電力・ガス・ 政府部門などの非循環型分野のビジネスへの好調 な売上のおかげで、他の企業向けソフトウェア市 場とは事情が異なる。
したがってGIS市場に対 する景気後退の影響は、他のソフトウェア市場に 対する影響にくらべてだいぶ緩和されたものにな るだろう」ARCの「GISの世界市場動向調 査( Geospatial Information Systems Worldwide Outlook)の主著者で、企業ソフトウェアアナリス トのクリント・ライザーはそう語る。
電力業界が次世代送信網で採用を拡大 電力業界では送電・配電のネットワーク管理に、 標準プラットフォーム技術としてGISソリューシ ョンを採用している。
この重要な産業に対するG ISの売上は、新興経済圏における経済インフラ の増強と米国におけるスマートグリッド構想によ ってもたらされる投資の増加により、平均以上の 伸びを示すと予想される。
スマートグリッド次世 代送信網構想では発電する場所を電力網の中に分 散させるため、新たな機器の導入が予定されてい る。
そのためには大幅なネットワークの再構築が 必要となる。
GISは新しいネットワークの構成 設計、分析、管理に用いられる技術である。
こう したものへの需要が、電力産業におけるGISの 採用、更新、改善の水準を高めると期待される。
技術の進化によって変貌するGIS市場 ここ一〇年でGISサーバーソリューションや エンタープライズGISの導入がかなり増えてき た。
その結果、政府機関や電力・ガス業界などの 分野で従事する数多くの従業員が、GISにアク セスすることができるようになった。
同じ時期に モバイルGISも普及するようになり、ネットワ ーク設計や保守作業に利用されることが増えるよ うになった。
最近では、ウェブサーバーやクラウ ドコンピューティングの利用が産業界で増加傾向 にある。
顧客の人口統計的データや他の一般的な データをも対象とした広域分析機能は、SaaS ( Software-as-a-service)モデルを通してすでに市 場に提供されている。
モバイルGIS採用のさら なる浸透、SaaSのサービス提供モデル、クラウ ドコンピューティングなどには、近い将来にGIS 市場が変貌して適用範囲を拡大する大きな可能性 が秘められている。
本コーナーでは米国の大手調査会社、ARCアドバイザリーグループの市場報告書について紹介し ている。
今回はGIS(地理情報システム)の今後五年の見通しについてのレポートを取り上げる。
2009 2010 2011 2012 2013 2014 GIS マーケットの成長率 (2009 年を100 とした場合) (年) ©2009 ARC Advisory Group 200 150 100 50 0
