2010年4月号
特集
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第5部 求車求貨事業者に相場観を聞く
APRIL 2010 24
WebKITの加入協同組合数、組合員
数、総ID数は〇三年以降一貫して増え続け
てきた。
それに比例して求車求貨の情報登録 件数も増加していた。
ところが〇八年十二月 〜〇九年一〇月は荷動きが低迷し、求車件数 が前年同月を下回る状況が続いた(図1)。
と りわけ〇八年秋から〇九年前半はこれまでに ない異例の動きをみせた。
求車件数は例年、九月頃から年末のピーク に向けて増加する。
ところが〇八年は一〇月 に減少に転じ、十二月も前月比横ばいで、繁 忙期が消滅する事態になった。
さらに続く〇 九年一月は前年同月比三五・二%減に落ち込 み、過去初めて求車件数が求荷件数を下回っ た(図2)。
〇九年通年の求車情報登録件数は前年比一 八・九%減だが、十一月〜十二月は前年同月 を上回っている。
そして今年一月の前年同月 比は五六・六%増の二万三四八六件と〇八年 一月の水準まで戻した。
しかし本格的な回復には至っていない。
需 給の実情を最も良く示す指標として我々は一日 当たりの求車・求荷の最多情報登録件数の情 報格差(求車/求荷、一以上の状態は求車情 報が求荷情報を上回っている状態を示す)を 重視しているが、それをみると〇九年四月か ら十一月中旬までほぼ一を下回る状態が続いた 後、年末は多少回復をみせたが、今年一月以 降は再び一をきっている(図3)。
これはまだ まだ荷動きが低迷していることを示している。
とりわけ地方が厳しい。
協同組合の組合員 実運送から利用運送へのシフトが顕著に WebKIT 日本貨物運送協同組合連合会 求車求貨事業者に相場観を聞く 車両と荷物をマッチングする求車求貨システムもま た今回の不況で大きな影響を受けている。
毎日夥しい 数の運送取引を間近で見ている主要システムの運営担 当者に、リーマンショック以降の荷動きの状況と運賃 相場のトレンド、そして今後の見通しを尋ねた。
(梶原幸絵、石鍋圭) 稼働時期 一九九一年 成約件数 求車八四九七件、求荷 六〇四件(二〇一〇年二月) 利用者数 一七七九社、一四八組合 マッチング方法 インターネット掲示板を介して利 用者同士が電話で直接交渉する。
運 賃情報の登録は任意だったが、昨 年、登録を必須として情報の質を向 上させた。
運賃精算は所属する協同 組合を通じて行い、輸送の委託者、 受託者ともに成約運賃の五%以内を 所属する協同組合を通じて日本貨物 運送協同組合連合会(日貨協連)に 支払う。
荷物の破損事故に備えた荷 物保険と利用者の倒産などに備えた 運送代金支払保証制度への加入も義 務付けている。
特徴 中小の運送会社向けに全日本ト ラック協会(全ト協)がシステム を開発し、日貨協連が運営してい る。
稼働当初は協同組合間のシス テムだったが、九四年に対象を組 合員に拡大。
〇四年にはインター ネット対応とした。
入会条件は都道 府県トラック協会の会員であること と、WebKIT参加協同組合の組 合員であること。
月間の利用料は協 同組合が一万六〇〇〇円、事業者が 一〇〇〇円。
追加IDは一ID当た り五〇〇円。
特 集 トラック運賃 2010 25 APRIL 2010 は小規模事業者が中心だが、仕事が目に見え て減少し、運賃交渉を行うことすら難しいと いう話を多く聞いている。
また地方から大都 市向けの片荷輸送が目立っている。
そうした足元の状況とは別に、荷動きの低 迷が非常に長く続いたことで、実運送会社は 自社車両をどんどん手放して利用運送を拡大 している。
今後、荷動きが回復に向かった時 に需要をまかないきれるのかということを長 期的には懸念している。
(談) 「現在でも瞬間的に荷動きが少しで もよくなると、車両が不足する傾 向がみられる」 助川利信 事務局長兼キット事業部 部長 図2 WebKIT荷物(求車)・車両(求荷)情報の推移(06年1月〜10年2月) 45,000 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 (件) 06 年1月 5月 7月 9月 11 月 3月07 年1月 5月 7月 9月 11 月 3月 08 年1月 5月 7月 9月 11 月 3月 09 年1月 5月 7月 9月 11 月 3月 10 年1月 荷物(求車)登録 車両(求荷)登録 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月 07.12.19 9.9 倍 09 年荷物(求車)/車両(求荷)情報格差08 年荷物(求車)/車両(求荷)情報格差 09.12.22 6.27 倍 08.12.23 2.81 倍 07 年荷物(求車)/車両(求荷)情報格差 図3 WebKIT の07 年度〜09 年度の情報格差の推移 08.8.6 4.26 倍 07.4.25 5.2 倍 荷物(求車)/車両(求荷)情報=1:1のライン (このラインを上回ると、求荷求車情報の 荷物(求車)>車両(求荷)となることを示す) 荷物(求車)情報【成約】件数 荷物(求車)情報【成約率】 荷物(求車)情報【登録】件数 40,000 30,000 20,000 10,000 0 (件) (%) 図1 WebKIT 荷物(求車)情報・成約件数・成約率の推移(07 年〜10 年2 月) 07 年08 年09 年 50 40 30 20 10 0 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月 10 年07 年08 年09 年 07 年08 年09 年 10 年 10 年 APRIL 2010 26 荷動きは非常に厳しい。
〇八年十一月まで はトラボックスネットの情報件数は順調に増加 しており、毎月、求車と求荷合計で平均二万 件を超えていた。
ところが〇八年十二月は繁 忙期にもかかわらず、二万件に届かなかった。
続く〇九年の年明け以降も情報件数は〇八年 に比べて大きく落ち込んだ。
とにかく荷物が ないという事業者が多かった。
今年に入っても回復しているとはまだまだ 言えない。
サイトへの新規入会登録が増えて いる。
運送会社の入会件数が一日で一〇〇件 を超えた日もあった。
それだけ荷物を探す事 業者が多いということだろう。
それでもトラボックスネットに登録されてい る運賃を見ると、運賃水準は下げ止まってい る。
確かに二年前と比べると下がってはいるが、 一年前からはそれほど変わっていない。
トラ ボックスネットは運送会社の利用が多い。
運送 会社同士で助け合う仕組みになっていること が運賃下落の歯止めになっていると考えたい。
一方で、荷主が仕事の依頼を登録する物流 見積もりサイトで提示されている運賃は下が っている。
依頼登録件数もどんどん増えてい る。
物流体制の見直しとコスト削減への要請 が強いということだ。
物流見積もりサイトでは非常に安い価格で の成約もみられる。
しかしそうした取引をき っかけに荷主と密接な関係を築いて受託を拡 大することもできる。
実際に、受託範囲と荷 主数を増やして物流センターを建て、収益を 上げている例もある。
トラボックスネットも物 流見積もりサイトも一つのツールとして使いこ なして商売の役に立ててもらいたい。
いずれにせよ当面の運賃水準の見通しは厳 しい。
長期的にみれば国内運送市場の縮小は 明らかだ。
そこで当社としては現在、中国国 内の運送についての求車求荷サービスを検討 している。
(談) 荷主からの価格提示が下がっている 「運送会社同士の求車求荷では、運 賃は下げ止まっている」 吉岡泰一郎 社長 トラボックスネットトラボックス 08 年求車情報 10 年求車情報 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 15,329 3,717 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 求車求荷情報の登録件数推移 (件) 09 年求車情報 08 年求荷情報 10年求荷情報 09年求荷情報 稼働時期 一九九九年 情報件数 月間平均一万五〇〇〇件以上 成約件数 把握していない 利用者数 一万八五〇四社(二〇一 〇年二月末時点) マッチング方法 インターネット掲示板を介して利 用者同士が電話などで直接交渉す る。
トラボックスは取引には関与し ない。
求車求荷情報は携帯電話から も閲覧できる。
また携帯電話やパソ コンのメールで情報を受け取ること が可能で、事前に登録すれば地域や 車種などによって配信情報を絞り込 むこともできる。
成約手数料は不要。
特徴 足立区の運送会社の二代目経営者 二人が「誰でも気軽に使えるネット ワーク」を目指して開設した。
利用 料は月額六三〇〇円。
〇四年にトラ ボックスネットとは別に、荷主企業 が物流全般に関する仕事の依頼情報 を登録し、運送会社が見積もりを送 るサイト「一〇〇社へ物流見積も り!」を開設。
昨年二月には入札情 報サイトを運営するズノー社と提携 し、運送会社向けに官公庁、特殊法 人などの公募・入札情報を提供する 付加サービスも開始するなど、積極 的にサービスを拡充している。
特 集 トラック運賃 2010 27 APRIL 2010 やはり景気低迷と連動して当社の求車求貨 ビジネスの平均単価も落ちている。
以前の平 均単価は約五万円だったが、〇九年の二月に は四万四〇〇〇円にまで落ち込んだ。
そこか らしばらくは横ばいが続いたが、九月頃から ようやく上向いてきた。
今年二月には四万七 〇〇〇円程度にまで回復してきている。
ただ、 元の水準から比べれば厳しい数字であること に変わりはない。
荷主による、いわゆる“運賃叩き”が横行 しているとは認識していない。
運賃自体がも う下げられないところまできているというの もあるが、荷主も下請法やコンプライアンス上、 根拠のない値下げ要求はしにくくなっている のではないか。
ただ、配送システムの変更な ど仕組みを変えることによっての値下げ交渉 はあるようだ。
特に今は長距離輸送を出来る限り減らそう という動きが荷主の間で活発になっている。
運 賃の高いトラック長距離輸送を無くせば、コ ストも削減できるし環境面でも社会に貢献で きる。
リードタイムなど取引条件の緩和を受容 し、鉄道や船へのモーダルシフトを進めている。
長距離輸送が減っている分、運賃単価も下が っている。
スポット運賃自体を下落させているのは、荷 主ではなく一部のブローカー的な業者だと思 う。
事務所に電話一本を引いて商売をしてい るような業者が、驚くほど安い値段で実運送 業者に仕事を振っている。
そういった動きが横 行すれば当然相場は崩れる。
もちろん我々も 同業者間で車を融通し合うことはあるが、互 いに依存している部分があるので、そこまで 常識はずれの運賃提示にはならない。
今懸念しているのは、運賃が今以上に低く なって運送業者の倒産が増え、運び手がいな くなってしまうこと。
現在は荷物が少ないの でまだ回していけるが、景気が持ち直し、荷 物が増えたときにトラックが無いという状況が くるかもしれない。
その時は運賃は今の逆で 高騰するだろうが、反面、荷主のニーズに応 えるのが難しくなるのも事実だ。
今後の運賃については不透明な部分が多い が、コンプライアンスや法律的な問題が影響し てくると思う。
さっきも言ったが下請法やコ ンプライアンスを順守しようという荷主が増え てきている。
あまりに低い運賃や、ドライバ ーの過剰労働などは回避する傾向にある。
現 状はもちろん厳しいが、そういったことも含 めて考えると、必ずしも下がっていく要素ば かりではない。
(談) 倒産増加による車両不足を懸念 「長距離輸送自体の数が少なくなっ てきている」 大賀卓也 執行役員運輸事業部長 Neo ACTION 富士ロジテック 稼働時期 一九八二年 事業売上高 約三二億円(二〇〇九年八月期) 平均成約件数 月約五〇〇〇件 利用者数 運送会社約三〇〇〇社、 荷主企業約一〇〇〇社 マッチング方法 荷主の貨物情報を基に、配車マン が「Neo ACTION」というシステム を使い、運送会社を選定する。
同シ ステムでは過去の支払運賃や空車状 況など取引実績を基に、成約に結び つきそうな運送業者を検索すること ができる。
運賃は荷主が提示するが、 富士ロジテックが見積もりとして提 示することもある。
富士ロジテック が収受する手数料は決まっていない が、成約運賃の一〇%が一つの目安 となっている。
特徴 求車求貨ビジネスで二〇年以上の 実績を持つ老舗。
本業は倉庫業で運 送会社を熟知していることが配車時 の強みとなっている。
マッチング・ ビジネスというより、配車のアウトソ ーシングを受けているという意識で 臨んでいるという。
荷主によって配 送時のニーズが異なるので、配車マ ンが間に介在することが重要と判断 している。
入会条件などは特に設け ていない。
APRIL 2010 28 二〇〇八年の九月にリーマンショックが起き て景気が大幅に落ち込んだ後も、数カ月は物 流情報サービス事業(求車求貨事業)に影響 は無く、概ね計画通りに推移していた。
状況 が一変したのは〇九年に入ってから。
一気に 荷物情報が無くなってしまった。
それまでは 二六〇〇件から二七〇〇件ほどあった一日の 成約件数が、二〇〇〇件台にまで落ち込んだ。
平均単価も大きく下がった。
長距離も短距 離も一〇トン車も四トン車も全部ひっくるめ た一運行当たりの平均単価が約五万三五〇〇 円というのが弊社のおおよその指標だったが、 それが〇九年の一月に入った途端に五万一〇 〇〇円台になった。
約四%も下がってしまっ たことになる。
その後もジリジリ単価は下がっていき、〇 九年の夏頃には五万一〇〇〇円を割り込むと ころまできた。
そこから低位横ばい、微増傾 向に転じていき、現在は五万一五〇〇円程度 まで戻しているといった状況だ。
物流情報サ ービス事業はこの数年順調に成長してきたが、 景気低迷の影響を通期で受ける一〇年三月期 は大幅な減収になる。
おそらく着地点は三二 五億円くらいになるだろう。
荷主からのインカムが減ったからといって、 その分、運送業者への支払いを大幅に抑える といった動きは弊社の場合なかなかできない。
景気が悪いときだけ足下を見て商売をすれば、 繁忙期に助けて貰えなくなってしまう。
特に 今後はドライバーの数が減ってくる可能性も高 い。
良質な車両、ドライバーと良好な関係を 築いておくことが、何より重要になってくる。
現状の運賃水準は運送業者にとって本当にギ リギリのラインだ。
これ以上落ちるようなこと になれば、配送品質やコンプライアンスといっ た問題以前に、業界が破綻してしまうことに もなりかねない。
ドライバー不足や荷主のロジ スティクス効率化、国の施策など色々な要素が 絡み合って予測するのは難しいが、少なくとも 弊社の元の平均単価水準である五万三五〇〇 円くらいまでは早期に戻って欲しい。
(談) 09年に入って平均単価が4 %下落 「今の運賃は運送業者がやっていけ るギリギリのラインだ」 大澤隆 執行役員物流情報サービス グループ統括マネージャー 物流情報サービス事業トランコム 400 350 300 250 200 150 100 50 0 05年 3 月 期 06 年3月期 07 年3月期 08 年3月期 09 年3月期 10 年3月期 (見込み) 物流情報サービス事業の収益推移 (億円) 稼働時期 一九八二年 事業売上高 三六三億円(二〇〇九年三月期) 平均成約件数 一日約二四〇〇件 利用者数 運送会社、荷主計約一万社 マッチング方法 アジャスターと呼ぶ配車マンが荷主 と電話で交渉して運賃を決める。
ア ジャスターは「COMPASS」という システムを使い、登録された空車情 報の中から荷主のニーズに最も近い 運送業者を選定し交渉する。
成約す ればその差額がトランコムの収益とな る。
特徴 五五年創業の愛知小型運輸が前身。
全国の拠点に約三〇〇人いるアジャ スターに交渉の権限が委ねられている。
今でも交渉のインターフェースにはイ ンターネット掲示板ではなく電話を用 いているが、これは、荷主の輸送条 件や細かなニーズを的確に把握する と同時に、求車求貨システムを利用 する実運送業者の利便性を考慮した 結果でもある。
アジャスターが使う 「COMPASS」は成約率のさらなる向 上やマッチングの迅速化をはかるため、 システム更新などの工夫が随時なさ れている。
荷主や運送会社から会費 等はとっていない。
特 集 トラック運賃 2010 29 APRIL 2010 ローカルネットの月間売上高は〇八年一〇 月まで三六カ月連続で前年同月を上回るペー スで拡大してきていたが、〇八年十一月から はそれが一転した。
〇九年十二月まで、実に 一四カ月連続で大幅なマイナスを記録した。
こ れはもちろん、景気後退の影響によるものだ。
今年に入ってからの一、二月は若干のプラス に転じたが、これは〇九年の数字があまりに 悪かっただけ。
正常の水準にはまだほど遠い状 態だ。
加盟組合員に聞いても「好転した」と いう声はあがってこない。
足下の三月も状況 は同じ。
前年同月はプラスでも、厳しい数字に なるだろう。
今年度の売上は五〇〇億円を辛 うじてキープできるかどうかというラインだ。
ローカルネットは利用者同士の直接交渉で 運賃が決まる。
我々組合本部は一件一件の運 賃を全て把握しているわけではないので、厳 密な運賃相場については正直わからない。
し かし、荷物情報が激減し、空車情報が溢れか えるといった今の状況で運賃が上がるはずは ない。
当然、相場は下がっているだろう。
この業界はなんといっても荷主の力が強い。
運送業者が厳しい状況を訴えても「運べるの はアンタのところだけじゃない」と言われれ ばそれまで。
しかも今は一時話題になった燃 料サーチャージのような値上げ交渉の武器も無 い。
厳しい交渉を強いられている事業者も少 なくないだろう。
〇八年にサーチャージを交渉の手段にして運 賃を上げて貰った業者の中には、それが仇とな って景気低迷と同時に値下げを要求された例 も少なくないと聞く。
しかも〇八年に値上げ した分以上に運賃を下げられてしまっている。
求車求貨システムの荷物の出し手は、二つの タイプに分けられると思う。
本当に困っている から荷物を運んで欲しいという出し手と、相 手の足下を見て楽に稼ごうという出し手。
通 常では考えられないほど低い値段での提示が あると聞くが、それは後者のタイプによるも のだ。
ローカルネットの基本理念は相互扶助。
そのために運送事業者としての実態がなけれ ば加盟できないようにしている。
今後しばらく運賃水準が上向くことは無い だろう。
景気もそうだが、業界構造に根本的 な問題がある。
業界全体が一つになって行動 を起こす必要があるが、現実的にはなかなか 難しいだろう。
我々としては今年五月にシス テムを五年ぶりに刷新し、これまでの画面上 ではできなかった取引も可能にするなどして、 利用者の拡大や利便性の向上を図っていくつ もりだ。
(談) 取扱額が14カ月連続で前年割れ 「現状では運賃が上向く要素が見当 たらない」 當麻保 専務理事 ローカルネット日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会 稼働時期 一九九〇年 事業売上高 五七〇億円(二〇〇九年三月期) 平均成約件数 月約三万五〇〇〇件、年約四〇万件 利用者数 実運送事業者一六五〇社 (組合数一二一) マッチング方法 実運送業者はインターネット掲示 板の求車情報を見て、荷主に直接電 話をして交渉する。
運賃決済は実運 送事業者の所属する協同組合を通し て行う。
荷主は組合に運賃を支払い、 実運送業者は組合を通じて運賃を受 け取る。
日本ローカルネット協同組合 連合会が収受する手数料は成約運賃 の五%。
特徴 設立当初も他に既存の求車求貨シ ステムはあったが、成約率や運用の 面でそれに満足しない中小の運送事 業者が共同出資で設立した。
入会条 件はローカルネットのシステムを利用 できる組合に加盟する実運送事業者 であること。
利用運送のみの事業者 などは加盟を認められない。
一二一 組合の約三分の二が、ローカルネッ トを利用するために新設された。
組 合本部に納める会費として、各組 合は月三万五〇〇〇円、組合員は 五五〇〇円を納める。
それに比例して求車求貨の情報登録 件数も増加していた。
ところが〇八年十二月 〜〇九年一〇月は荷動きが低迷し、求車件数 が前年同月を下回る状況が続いた(図1)。
と りわけ〇八年秋から〇九年前半はこれまでに ない異例の動きをみせた。
求車件数は例年、九月頃から年末のピーク に向けて増加する。
ところが〇八年は一〇月 に減少に転じ、十二月も前月比横ばいで、繁 忙期が消滅する事態になった。
さらに続く〇 九年一月は前年同月比三五・二%減に落ち込 み、過去初めて求車件数が求荷件数を下回っ た(図2)。
〇九年通年の求車情報登録件数は前年比一 八・九%減だが、十一月〜十二月は前年同月 を上回っている。
そして今年一月の前年同月 比は五六・六%増の二万三四八六件と〇八年 一月の水準まで戻した。
しかし本格的な回復には至っていない。
需 給の実情を最も良く示す指標として我々は一日 当たりの求車・求荷の最多情報登録件数の情 報格差(求車/求荷、一以上の状態は求車情 報が求荷情報を上回っている状態を示す)を 重視しているが、それをみると〇九年四月か ら十一月中旬までほぼ一を下回る状態が続いた 後、年末は多少回復をみせたが、今年一月以 降は再び一をきっている(図3)。
これはまだ まだ荷動きが低迷していることを示している。
とりわけ地方が厳しい。
協同組合の組合員 実運送から利用運送へのシフトが顕著に WebKIT 日本貨物運送協同組合連合会 求車求貨事業者に相場観を聞く 車両と荷物をマッチングする求車求貨システムもま た今回の不況で大きな影響を受けている。
毎日夥しい 数の運送取引を間近で見ている主要システムの運営担 当者に、リーマンショック以降の荷動きの状況と運賃 相場のトレンド、そして今後の見通しを尋ねた。
(梶原幸絵、石鍋圭) 稼働時期 一九九一年 成約件数 求車八四九七件、求荷 六〇四件(二〇一〇年二月) 利用者数 一七七九社、一四八組合 マッチング方法 インターネット掲示板を介して利 用者同士が電話で直接交渉する。
運 賃情報の登録は任意だったが、昨 年、登録を必須として情報の質を向 上させた。
運賃精算は所属する協同 組合を通じて行い、輸送の委託者、 受託者ともに成約運賃の五%以内を 所属する協同組合を通じて日本貨物 運送協同組合連合会(日貨協連)に 支払う。
荷物の破損事故に備えた荷 物保険と利用者の倒産などに備えた 運送代金支払保証制度への加入も義 務付けている。
特徴 中小の運送会社向けに全日本ト ラック協会(全ト協)がシステム を開発し、日貨協連が運営してい る。
稼働当初は協同組合間のシス テムだったが、九四年に対象を組 合員に拡大。
〇四年にはインター ネット対応とした。
入会条件は都道 府県トラック協会の会員であること と、WebKIT参加協同組合の組 合員であること。
月間の利用料は協 同組合が一万六〇〇〇円、事業者が 一〇〇〇円。
追加IDは一ID当た り五〇〇円。
特 集 トラック運賃 2010 25 APRIL 2010 は小規模事業者が中心だが、仕事が目に見え て減少し、運賃交渉を行うことすら難しいと いう話を多く聞いている。
また地方から大都 市向けの片荷輸送が目立っている。
そうした足元の状況とは別に、荷動きの低 迷が非常に長く続いたことで、実運送会社は 自社車両をどんどん手放して利用運送を拡大 している。
今後、荷動きが回復に向かった時 に需要をまかないきれるのかということを長 期的には懸念している。
(談) 「現在でも瞬間的に荷動きが少しで もよくなると、車両が不足する傾 向がみられる」 助川利信 事務局長兼キット事業部 部長 図2 WebKIT荷物(求車)・車両(求荷)情報の推移(06年1月〜10年2月) 45,000 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 (件) 06 年1月 5月 7月 9月 11 月 3月07 年1月 5月 7月 9月 11 月 3月 08 年1月 5月 7月 9月 11 月 3月 09 年1月 5月 7月 9月 11 月 3月 10 年1月 荷物(求車)登録 車両(求荷)登録 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月 07.12.19 9.9 倍 09 年荷物(求車)/車両(求荷)情報格差08 年荷物(求車)/車両(求荷)情報格差 09.12.22 6.27 倍 08.12.23 2.81 倍 07 年荷物(求車)/車両(求荷)情報格差 図3 WebKIT の07 年度〜09 年度の情報格差の推移 08.8.6 4.26 倍 07.4.25 5.2 倍 荷物(求車)/車両(求荷)情報=1:1のライン (このラインを上回ると、求荷求車情報の 荷物(求車)>車両(求荷)となることを示す) 荷物(求車)情報【成約】件数 荷物(求車)情報【成約率】 荷物(求車)情報【登録】件数 40,000 30,000 20,000 10,000 0 (件) (%) 図1 WebKIT 荷物(求車)情報・成約件数・成約率の推移(07 年〜10 年2 月) 07 年08 年09 年 50 40 30 20 10 0 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月 10 年07 年08 年09 年 07 年08 年09 年 10 年 10 年 APRIL 2010 26 荷動きは非常に厳しい。
〇八年十一月まで はトラボックスネットの情報件数は順調に増加 しており、毎月、求車と求荷合計で平均二万 件を超えていた。
ところが〇八年十二月は繁 忙期にもかかわらず、二万件に届かなかった。
続く〇九年の年明け以降も情報件数は〇八年 に比べて大きく落ち込んだ。
とにかく荷物が ないという事業者が多かった。
今年に入っても回復しているとはまだまだ 言えない。
サイトへの新規入会登録が増えて いる。
運送会社の入会件数が一日で一〇〇件 を超えた日もあった。
それだけ荷物を探す事 業者が多いということだろう。
それでもトラボックスネットに登録されてい る運賃を見ると、運賃水準は下げ止まってい る。
確かに二年前と比べると下がってはいるが、 一年前からはそれほど変わっていない。
トラ ボックスネットは運送会社の利用が多い。
運送 会社同士で助け合う仕組みになっていること が運賃下落の歯止めになっていると考えたい。
一方で、荷主が仕事の依頼を登録する物流 見積もりサイトで提示されている運賃は下が っている。
依頼登録件数もどんどん増えてい る。
物流体制の見直しとコスト削減への要請 が強いということだ。
物流見積もりサイトでは非常に安い価格で の成約もみられる。
しかしそうした取引をき っかけに荷主と密接な関係を築いて受託を拡 大することもできる。
実際に、受託範囲と荷 主数を増やして物流センターを建て、収益を 上げている例もある。
トラボックスネットも物 流見積もりサイトも一つのツールとして使いこ なして商売の役に立ててもらいたい。
いずれにせよ当面の運賃水準の見通しは厳 しい。
長期的にみれば国内運送市場の縮小は 明らかだ。
そこで当社としては現在、中国国 内の運送についての求車求荷サービスを検討 している。
(談) 荷主からの価格提示が下がっている 「運送会社同士の求車求荷では、運 賃は下げ止まっている」 吉岡泰一郎 社長 トラボックスネットトラボックス 08 年求車情報 10 年求車情報 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 15,329 3,717 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 求車求荷情報の登録件数推移 (件) 09 年求車情報 08 年求荷情報 10年求荷情報 09年求荷情報 稼働時期 一九九九年 情報件数 月間平均一万五〇〇〇件以上 成約件数 把握していない 利用者数 一万八五〇四社(二〇一 〇年二月末時点) マッチング方法 インターネット掲示板を介して利 用者同士が電話などで直接交渉す る。
トラボックスは取引には関与し ない。
求車求荷情報は携帯電話から も閲覧できる。
また携帯電話やパソ コンのメールで情報を受け取ること が可能で、事前に登録すれば地域や 車種などによって配信情報を絞り込 むこともできる。
成約手数料は不要。
特徴 足立区の運送会社の二代目経営者 二人が「誰でも気軽に使えるネット ワーク」を目指して開設した。
利用 料は月額六三〇〇円。
〇四年にトラ ボックスネットとは別に、荷主企業 が物流全般に関する仕事の依頼情報 を登録し、運送会社が見積もりを送 るサイト「一〇〇社へ物流見積も り!」を開設。
昨年二月には入札情 報サイトを運営するズノー社と提携 し、運送会社向けに官公庁、特殊法 人などの公募・入札情報を提供する 付加サービスも開始するなど、積極 的にサービスを拡充している。
特 集 トラック運賃 2010 27 APRIL 2010 やはり景気低迷と連動して当社の求車求貨 ビジネスの平均単価も落ちている。
以前の平 均単価は約五万円だったが、〇九年の二月に は四万四〇〇〇円にまで落ち込んだ。
そこか らしばらくは横ばいが続いたが、九月頃から ようやく上向いてきた。
今年二月には四万七 〇〇〇円程度にまで回復してきている。
ただ、 元の水準から比べれば厳しい数字であること に変わりはない。
荷主による、いわゆる“運賃叩き”が横行 しているとは認識していない。
運賃自体がも う下げられないところまできているというの もあるが、荷主も下請法やコンプライアンス上、 根拠のない値下げ要求はしにくくなっている のではないか。
ただ、配送システムの変更な ど仕組みを変えることによっての値下げ交渉 はあるようだ。
特に今は長距離輸送を出来る限り減らそう という動きが荷主の間で活発になっている。
運 賃の高いトラック長距離輸送を無くせば、コ ストも削減できるし環境面でも社会に貢献で きる。
リードタイムなど取引条件の緩和を受容 し、鉄道や船へのモーダルシフトを進めている。
長距離輸送が減っている分、運賃単価も下が っている。
スポット運賃自体を下落させているのは、荷 主ではなく一部のブローカー的な業者だと思 う。
事務所に電話一本を引いて商売をしてい るような業者が、驚くほど安い値段で実運送 業者に仕事を振っている。
そういった動きが横 行すれば当然相場は崩れる。
もちろん我々も 同業者間で車を融通し合うことはあるが、互 いに依存している部分があるので、そこまで 常識はずれの運賃提示にはならない。
今懸念しているのは、運賃が今以上に低く なって運送業者の倒産が増え、運び手がいな くなってしまうこと。
現在は荷物が少ないの でまだ回していけるが、景気が持ち直し、荷 物が増えたときにトラックが無いという状況が くるかもしれない。
その時は運賃は今の逆で 高騰するだろうが、反面、荷主のニーズに応 えるのが難しくなるのも事実だ。
今後の運賃については不透明な部分が多い が、コンプライアンスや法律的な問題が影響し てくると思う。
さっきも言ったが下請法やコ ンプライアンスを順守しようという荷主が増え てきている。
あまりに低い運賃や、ドライバ ーの過剰労働などは回避する傾向にある。
現 状はもちろん厳しいが、そういったことも含 めて考えると、必ずしも下がっていく要素ば かりではない。
(談) 倒産増加による車両不足を懸念 「長距離輸送自体の数が少なくなっ てきている」 大賀卓也 執行役員運輸事業部長 Neo ACTION 富士ロジテック 稼働時期 一九八二年 事業売上高 約三二億円(二〇〇九年八月期) 平均成約件数 月約五〇〇〇件 利用者数 運送会社約三〇〇〇社、 荷主企業約一〇〇〇社 マッチング方法 荷主の貨物情報を基に、配車マン が「Neo ACTION」というシステム を使い、運送会社を選定する。
同シ ステムでは過去の支払運賃や空車状 況など取引実績を基に、成約に結び つきそうな運送業者を検索すること ができる。
運賃は荷主が提示するが、 富士ロジテックが見積もりとして提 示することもある。
富士ロジテック が収受する手数料は決まっていない が、成約運賃の一〇%が一つの目安 となっている。
特徴 求車求貨ビジネスで二〇年以上の 実績を持つ老舗。
本業は倉庫業で運 送会社を熟知していることが配車時 の強みとなっている。
マッチング・ ビジネスというより、配車のアウトソ ーシングを受けているという意識で 臨んでいるという。
荷主によって配 送時のニーズが異なるので、配車マ ンが間に介在することが重要と判断 している。
入会条件などは特に設け ていない。
APRIL 2010 28 二〇〇八年の九月にリーマンショックが起き て景気が大幅に落ち込んだ後も、数カ月は物 流情報サービス事業(求車求貨事業)に影響 は無く、概ね計画通りに推移していた。
状況 が一変したのは〇九年に入ってから。
一気に 荷物情報が無くなってしまった。
それまでは 二六〇〇件から二七〇〇件ほどあった一日の 成約件数が、二〇〇〇件台にまで落ち込んだ。
平均単価も大きく下がった。
長距離も短距 離も一〇トン車も四トン車も全部ひっくるめ た一運行当たりの平均単価が約五万三五〇〇 円というのが弊社のおおよその指標だったが、 それが〇九年の一月に入った途端に五万一〇 〇〇円台になった。
約四%も下がってしまっ たことになる。
その後もジリジリ単価は下がっていき、〇 九年の夏頃には五万一〇〇〇円を割り込むと ころまできた。
そこから低位横ばい、微増傾 向に転じていき、現在は五万一五〇〇円程度 まで戻しているといった状況だ。
物流情報サ ービス事業はこの数年順調に成長してきたが、 景気低迷の影響を通期で受ける一〇年三月期 は大幅な減収になる。
おそらく着地点は三二 五億円くらいになるだろう。
荷主からのインカムが減ったからといって、 その分、運送業者への支払いを大幅に抑える といった動きは弊社の場合なかなかできない。
景気が悪いときだけ足下を見て商売をすれば、 繁忙期に助けて貰えなくなってしまう。
特に 今後はドライバーの数が減ってくる可能性も高 い。
良質な車両、ドライバーと良好な関係を 築いておくことが、何より重要になってくる。
現状の運賃水準は運送業者にとって本当にギ リギリのラインだ。
これ以上落ちるようなこと になれば、配送品質やコンプライアンスといっ た問題以前に、業界が破綻してしまうことに もなりかねない。
ドライバー不足や荷主のロジ スティクス効率化、国の施策など色々な要素が 絡み合って予測するのは難しいが、少なくとも 弊社の元の平均単価水準である五万三五〇〇 円くらいまでは早期に戻って欲しい。
(談) 09年に入って平均単価が4 %下落 「今の運賃は運送業者がやっていけ るギリギリのラインだ」 大澤隆 執行役員物流情報サービス グループ統括マネージャー 物流情報サービス事業トランコム 400 350 300 250 200 150 100 50 0 05年 3 月 期 06 年3月期 07 年3月期 08 年3月期 09 年3月期 10 年3月期 (見込み) 物流情報サービス事業の収益推移 (億円) 稼働時期 一九八二年 事業売上高 三六三億円(二〇〇九年三月期) 平均成約件数 一日約二四〇〇件 利用者数 運送会社、荷主計約一万社 マッチング方法 アジャスターと呼ぶ配車マンが荷主 と電話で交渉して運賃を決める。
ア ジャスターは「COMPASS」という システムを使い、登録された空車情 報の中から荷主のニーズに最も近い 運送業者を選定し交渉する。
成約す ればその差額がトランコムの収益とな る。
特徴 五五年創業の愛知小型運輸が前身。
全国の拠点に約三〇〇人いるアジャ スターに交渉の権限が委ねられている。
今でも交渉のインターフェースにはイ ンターネット掲示板ではなく電話を用 いているが、これは、荷主の輸送条 件や細かなニーズを的確に把握する と同時に、求車求貨システムを利用 する実運送業者の利便性を考慮した 結果でもある。
アジャスターが使う 「COMPASS」は成約率のさらなる向 上やマッチングの迅速化をはかるため、 システム更新などの工夫が随時なさ れている。
荷主や運送会社から会費 等はとっていない。
特 集 トラック運賃 2010 29 APRIL 2010 ローカルネットの月間売上高は〇八年一〇 月まで三六カ月連続で前年同月を上回るペー スで拡大してきていたが、〇八年十一月から はそれが一転した。
〇九年十二月まで、実に 一四カ月連続で大幅なマイナスを記録した。
こ れはもちろん、景気後退の影響によるものだ。
今年に入ってからの一、二月は若干のプラス に転じたが、これは〇九年の数字があまりに 悪かっただけ。
正常の水準にはまだほど遠い状 態だ。
加盟組合員に聞いても「好転した」と いう声はあがってこない。
足下の三月も状況 は同じ。
前年同月はプラスでも、厳しい数字に なるだろう。
今年度の売上は五〇〇億円を辛 うじてキープできるかどうかというラインだ。
ローカルネットは利用者同士の直接交渉で 運賃が決まる。
我々組合本部は一件一件の運 賃を全て把握しているわけではないので、厳 密な運賃相場については正直わからない。
し かし、荷物情報が激減し、空車情報が溢れか えるといった今の状況で運賃が上がるはずは ない。
当然、相場は下がっているだろう。
この業界はなんといっても荷主の力が強い。
運送業者が厳しい状況を訴えても「運べるの はアンタのところだけじゃない」と言われれ ばそれまで。
しかも今は一時話題になった燃 料サーチャージのような値上げ交渉の武器も無 い。
厳しい交渉を強いられている事業者も少 なくないだろう。
〇八年にサーチャージを交渉の手段にして運 賃を上げて貰った業者の中には、それが仇とな って景気低迷と同時に値下げを要求された例 も少なくないと聞く。
しかも〇八年に値上げ した分以上に運賃を下げられてしまっている。
求車求貨システムの荷物の出し手は、二つの タイプに分けられると思う。
本当に困っている から荷物を運んで欲しいという出し手と、相 手の足下を見て楽に稼ごうという出し手。
通 常では考えられないほど低い値段での提示が あると聞くが、それは後者のタイプによるも のだ。
ローカルネットの基本理念は相互扶助。
そのために運送事業者としての実態がなけれ ば加盟できないようにしている。
今後しばらく運賃水準が上向くことは無い だろう。
景気もそうだが、業界構造に根本的 な問題がある。
業界全体が一つになって行動 を起こす必要があるが、現実的にはなかなか 難しいだろう。
我々としては今年五月にシス テムを五年ぶりに刷新し、これまでの画面上 ではできなかった取引も可能にするなどして、 利用者の拡大や利便性の向上を図っていくつ もりだ。
(談) 取扱額が14カ月連続で前年割れ 「現状では運賃が上向く要素が見当 たらない」 當麻保 専務理事 ローカルネット日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会 稼働時期 一九九〇年 事業売上高 五七〇億円(二〇〇九年三月期) 平均成約件数 月約三万五〇〇〇件、年約四〇万件 利用者数 実運送事業者一六五〇社 (組合数一二一) マッチング方法 実運送業者はインターネット掲示 板の求車情報を見て、荷主に直接電 話をして交渉する。
運賃決済は実運 送事業者の所属する協同組合を通し て行う。
荷主は組合に運賃を支払い、 実運送業者は組合を通じて運賃を受 け取る。
日本ローカルネット協同組合 連合会が収受する手数料は成約運賃 の五%。
特徴 設立当初も他に既存の求車求貨シ ステムはあったが、成約率や運用の 面でそれに満足しない中小の運送事 業者が共同出資で設立した。
入会条 件はローカルネットのシステムを利用 できる組合に加盟する実運送事業者 であること。
利用運送のみの事業者 などは加盟を認められない。
一二一 組合の約三分の二が、ローカルネッ トを利用するために新設された。
組 合本部に納める会費として、各組 合は月三万五〇〇〇円、組合員は 五五〇〇円を納める。
