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2010年6月号
特集

第3部 主要な改善手法の効果を検証する

21  JUNE 2010 特集 良い現場──物流生産性調査 2010 に、5Sのスローガンを記した古ぼけた張り紙が掲 げられていることも珍しくはない。
活動の風化を 象徴している光景だ。
反対に、あえて5Sと呼ば なくても、それが当たり前になっている現場もあ る。
いわば5Sを卒業しているわけだ。
そうした 現場はやはり生産性も高い」  また製造業と物流業では、5Sの採用率に一定 の傾向が見られた。
いずれの業態でも上位二〇% の現場は一〇〇%導入している。
それ以外の現場 には未導入のところもあった。
 その普及率の高さを見ても物流現場における5 Sは今や常識であり、それに改めて取り組む必要 のある現場、もしくはその徹底に労力と時間をか ける必要のある現場は、レベルが低いと判断すべ きなのかも知れない。
QCサークル 効果は確認できず 解 説  QCとはクオリティ・コントロールの頭文字をと った略語で品質管理のこと。
同じ現場に所属する 作業員同士で小集団(サークル)を組織し、作業 方法や現場環境の改善を全員参加で自主的に進め ていく活動をQCサークルもしくは小集団活動と いう。
品質の向上だけでなく、生産性向上も狙い の一つ。
 物流現場におけるQCサークルの実施率は平均 で二六・三%で、5Sに比べるとずっと落ちる。
また5Sと同様に生産性との相関は薄い。
全業態 の生産性上位二〇%の現場の導入率は一九・四% で、それ以外の現場の導入率よりも八・五ポイン 主要な改善手法の効果を検証する  物流現場の運営管理に用いられている各種の改善手法 は、生産性の向上にどれだけ貢献するのか。
生産性上位 20%の現場が採用している管理手法と、それ以外の現場 の管理手法を比較し、それぞれの手法にどのような効果 を期待できるのか分析した。
5S 良い現場は既に卒業 解 説   「5S(ごえす)」とは「整理、整頓、清掃、清 潔、躾」の略。
それぞれの意味は、?整理:必要 なものと不要なものを分け、不要なものを捨てる こと、?整頓:必要なものをすぐに取り出せるよ うに置き場所、置き方を決め、いつでも取り出せ る状態にしておくこと、?清掃:掃除をしてゴミ、 汚れのないきれいな状態にすること、?清潔:整 理、整頓、清掃を常に維持すること、?躾:決め られたことを決められた通りに実行できるように習 慣付けること。
整理と整頓だけで「2S」、整理、 整頓、清掃、清潔で「4S」などと呼ばれること もある。
 5Sは物流に限らず、あらゆる現場における改 善活動の第一歩とされる。
しかし、今回の調査結 果を見る限り、5Sの導入が生産性の向上に直接 結びつくわけではないようだ。
全業態の生産性上 位二〇%の現場、下位の八〇%の現場、そして全 体平均とも、5Sの採用率は約九〇%で、ほとん ど違いがなかった。
 しかも、各業態内での採用率を見ると、流通業 では生産性上位二〇%の現場のうち三〇%が5S を採用しておらず、その他の現場よりも採用して いない割合がずっと高かった。
この結果について ロジスティクス・サポート&パートナーズの黒澤明 社長は次のように指摘する。
 「5Sはいくら掛け声をかけても現場に浸透し ていなければ意味がない。
実際、清掃が行き届か ず、整理・整頓とはほど遠い状態にある倉庫の壁 JUNE 2010  22 トも低かった。
 業態別に見ても、歴史的にQCサークルとは馴 染みが深いはずの製造業で、上位二〇%の導入率 が一〇・〇%と、それ以外の現場の三七・二%と 比べて極端に低い数値となっている。
この結果を 素直に受け取れば、良い現場ほどQCサークルを導 入していないということになる。
 QCサークルおよび、それを全社活動に拡大し たTQC(トータル・クオリティ・コントロール) は、それを日本的経営の強みだとして熱心に取り 組む企業がある一方で、厳しい批判の声もある。
 現場の小集団による自主的な取り組みというの は見せかけだけで、実態としては管理者から活動 を強要されている。
改善結果の測定やツールの作 成など、直接アウトプットを生まない作業に時間を とられるばかりでその効果も知れている、といっ た批判だ。
 さらには、作業員が小集団活動に割いている時 間が、事実上のサービス残業になっていることが社 会的に問題視されるようにもなり、現在は取り組 み機運が減退している。
現場で実際に作業をして いる人間の知恵を活かすことは大事でも、その方 法には工夫が必要なようだ。
IE/ABC 物流業では大きな効果 解 説  IE(インダストリアル・エンジニアリング)と は、作業工程や作業方法を科学的に分析し、作業 効率を改善する生産管理手法の一つ。
またABC (アクティビティ・ベースト・コスティング:活動基 準原価計算)は、IEを基礎として開発された管 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 5S(業態別) 100.0 7.0 5.7 30.0 14.3 17.3 100.0 6.8 5.5 93.0 94.3 70.0 85.7 82.7 93.2 94.5 TOP 20 TOP 20 外 製造業流通業物流業 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 未導入 導入 5S(全業態) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) (%) 9.7 90.3 9.3 90.7 9.4 90.6 TOP20 TOP20 外全体平均 未導入 導入 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 QC サークル(業態別) 10.0 62.8 90.0 67.9 80.0 78.6 78.8 27.3 72.7 75.0 74.5 37.2 32.1 20.0 21.4 21.2 25.0 25.5 TOP 20 TOP 20 外 製造業流通業物流業 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 未導入 導入 QC サークル(全業態) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) (%) 80.6 19.4 72.1 27.9 73.8 26.3 TOP20 TOP20 外全体平均 未導入 導入 特集 良い現場──物流生産性調査 2010 23  JUNE 2010 理会計の手法。
すべて のアクティビティ(仕 事)のコストを﹁単 価﹂×﹁処理量﹂に 分解して把握する。
単 価とは人件費やセン ターの家賃地代、光 熱費、設備費用など をアクティビティに投 入する時間の割合に よって配分したもの。
処理量とは出荷量な どだ。
これによって物 流コストの発生要因 が明確になるため、コ スト削減に向けた具 体的な施策を立てる ことが可能になる。
さ らにABCで得られ たデータを基に、コス ト管理や業務改善を 行う経営手法をAB M(アクティビティ・ ベースト・マネジメン ト:活動基準原価管 理)と呼ぶ。
 IEやABCは本 来、生産管理の手法 であるため、製造業の 物流現場における導 入率は、流通業や物  物流管理にもテクノロジーが必要だ。
単なる思い つきや信念では改革は成功しない。
そのため我々は 科学的な管理法を身につけたテクノロジストを育成 する必要があると考えている。
そして物流管理のテ クノロジーとしてはIE(インダストリアル・エンジ ニアリング)が有効だと主張している。
 IEは製造業では、既に長い歴史がある。
物流分 野での活用も日本では一九八〇年代頃に始まってい る。
私自身これまで二〇年以上にわたり、IEを物 流センターに導入する取り組みを進めてきた。
その 結果、二〇%〜三〇%もの大幅な生産性の向上を実 現している。
 IEを導入したのに十分な成果が上がらなかった という話を聞くこともある。
しかし、それは担当者 が理論をよく学ばずに実践してしまったことが原因 であることが多い。
IEは実績を重ねて体系化され た知識とノウハウの集大成だ。
これらを知った上で 自社のセンターの条件に合わせて応用を利かせるこ とで、効率的に改善を進めることができる。
 IEは基本的に、作業を分析し、それを総合する というアプローチをとる。
物流センターに導入する 場合には、まずそのセンターがどのような仕事(ア クティビティ)を実施しているのかを観察し、分析 する。
 すると各アクティビティが限られた数の「動作要 素(エレメント)」で成り立っていることがわかる。
庫内作業であれば通常は歩行と取り置き(Get&Put) のほか、フォークリフトを使った運搬や台車運搬な ど一〇種類程度のエレメントで構成されている。
 次に、エレメントごとに標準の「時間値」を設定 してデータベースを作る。
同じエレメントでも扱うア イテムによって必要な時間は異なるため、重量や荷 姿など時間値に影響を与える変動要因も設定してお くことがポイントだ。
 そしてエレメント単位の時間値をアクティビティ単 位に組み合わせて合成すれば、アクティビティ単位 の標準時間が出来上がる。
 標準時間を設定するための分析の過程で既に、現 場作業のムダがある程度は見えてくる。
その発見に 基づいて作業方法を改善することで作業時間を短縮 する、つまり生産性を上げる。
さらにアクティビテ ィごとの標準時間を人員計画に反映させることで、 人手のムダをなくす。
 物流企業の場合には、標準時間をベースに作業料 金を設定するというのも効果的だ。
仕事の採算を把 握できるだけでなく、荷主に対して料金の妥当性を 証明することができる。
          (談) IEの導入で物流生産性は20〜30%向上する 福島和伸 城西大学経営学部 教授 ふくしま・かずのぶ 1949 年生まれ。
早稲 田大学理工学部応用物理学科卒業、同大学院 理工学研究科修士課程修了。
松下電器産業生 産技術研究所勤務、日本能率協会チーフコン サルタントを経て、現在、城西大学経営学部・ 大学院経営学研究科教授、経営学部副学部 長、教務部長。
早稲田大学より博士(学術) を授与される。
技術士(経営工学)。
JUNE 2010  24 流業と比較して高いだろうと本誌は予想していた。
ところが今回の調査では、この設問の製造業の有 効回答が五〇以上あるにも拘わらず、IEやAB Cを導入している現場がほとんどなかった。
業態 別の導入率はIEは物流業、ABCは流通業で最 も高かった。
 この調査結果が一般的な傾向を示しているのか、 それとも今回の回答が偏っているだけなのかは分 からないが、製造業における本設問の調査結果は 参考程度に留めておいたほうが良いと本誌では判 断している。
 一方、物流業の現場においては、IEやABM の導入と生産性に強い相関が認められた。
上位二 〇%の現場は、それ以外の現場よりもIE、AB Cとも導入率が格段に高かった。
物流業の上位二 〇%の現場のIE導入率は二七・三%で、それ以 外の現場よりも一八・二ポイント高かった。
ABC の導入率も、上位二〇%はそれ以外の現場よりも 二二・八ポイント高く、二七・三%になっている。
 IEやABCは、生産現場においては既に成熟 した手法だが、少なくとも物流業においては十分 に効果的な改善手法だと考えられる。
日別管理 生産性との相関は最強 解 説  日別管理とは日々の業務計画に基づく実績管理 のことで、日次損益ともいう。
物流センターの日々 の売り上げや出荷実績と、人件費、地代家賃、減 価償却費、システム償却費、光熱費などの費用実 績から日別の損益計算書を作成し、収支実績・予 算達成度に基づいて改善を進める。
IE(全業態) IE(業態別) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 87.1 12.9 93.0 7.0 91.9 8.1 TOP20 TOP20 外全体平均 未導入 導入 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 100.0 95.3 96.2 90.0 92.9 92.3 72.7 90.9 87.3 4.7 3.8 10.0 7.7 9.1 27.3 12.7 TOP 20 TOP 20 外 製造業流通業物流業 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 (%) 7.1 未導入 導入 ABC(全業態) ABC(業態別) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 83.9 16.1 89.9 10.1 88.8 11.3 TOP20 TOP20 外全体平均 未導入 導入 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 100.0 97.7 98.1 80.0 76.2 76.9 72.7 95.5 90.9 2.3 1.9 20.0 23.1 4.5 27.3 9.1 TOP 20 TOP 20 外 製造業流通業物流業 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 (%) 23.8 未導入 導入 特集 良い現場──物流生産性調査 2010 25  JUNE 2010  日別業務計画に基づく実績管理は、生産性向上 のカギといえるだろう。
全業態の導入率が三七・ 五%、生産性の低い八〇%の現場の導入率が二七・ 一%であるのに対して、生産性上位二〇%の現場 の導入率は八〇%を超えている。
 業態別に見ても上位二〇%とそれ以外では、日 別管理の導入率に顕著な差が出ている。
導入効果 は明らかで、生産性の高い現場では既に標準的な 管理手法になっているともいえる。
 有力3PLのハマキョウレックスの大須賀正孝 会長が「収支日計表」を独自に開発し「日々決算」 を行うことで同社を高収益企業に育て上げたこと は物流業界では既に広く知られている。
 センターの管理者はもちろん、パート・アルバイ トを含めた現場のスタッフにまで、その拠点の日々 の収支を公開することで、作業効率を高めて無駄 な経費を抑えようという意識を現場に浸透させて いる。
 物流業の現場だけではなく、流通業や製造業の 自社センターでも同じ手法を適用できる。
卸や小 売業のセンターではセンターフィー収入、メーカー であればセンター運営にかかる経費予算を、売り上 げとして位置付ける。
そして自社の業態や条件に 合わせて経費項目を設定し、管理表を作成すれば いい。
(二八頁参照) レイバー・スケジューリング・システム           川下の拠点に有効 解 説  レイバー・スケジューリングとは、作業量に合わ せて適切に労働力を投入するための人員管理の手 レイバー・スケジューリング レイバー・スケジューリング・システム(業態別) ・システム(全業態) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 87.1 12.9 96.1 3.9 94.4 5.6 TOP20 TOP20 外全体平均 未導入 導入 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 100.0 97.7 98.1 90.0 100.0 98.1 72.7 90.9 87.3 2.3 1.9 10.0 1.9 9.1 27.3 12.7 TOP 20 TOP 20 外 製造業流通業物流業 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 未導入 導入 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 19.4 80.6 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 日別管理(業態別) 80.0 81.4 20.0 69.8 30.0 64.3 57.7 90.9 72.7 9.1 60.0 18.6 30.2 70.0 35.7 42.3 27.3 40.0 TOP 20 TOP 20 外 製造業流通業物流業 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 未導入 導入 日別管理(全業態) (%) 62.5 37.5 72.9 27.1 TOP20 TOP20 外全体平均 未導入 導入 JUNE 2010  26 法。
一九七〇年代に米国でチェーンストアの店舗運 営を効率化する手法として開発された。
日本の小 売業でも八〇年代後半から導入が始まった。
九〇 年代以降は、それを物流現場に転用する動きが活 発化している。
 導入のためにはまず、作業を分類・整理し、そ れぞれの工数・手順を標準化し、標準作業時間を 設定する。
その上で個別の作業を完了するために 必要な人時の基準値を設定し、全体のスケジュール や要員配置を組み立て、人員配置の最適化を図る。
これを処理する情報システムとしてレイバー・スケ ジューリング・システムの開発も進んでいる。
 物流現場においては比較的新しい管理システム であり、全体の導入率はまだ五・六%にとどまっ ている。
しかし、生産性上位二〇%の現場の導入 率は十二・九%に上っている。
生産性の向上には 有効だと評価できる。
 業態別に見ると、物流業と流通業で普及が進ん でおり、製造業の物流現場にはほとんど導入され ていない。
製造業の上位二〇%の導入率はゼロだ った。
製造業の現場では、流通業や物流業と違っ てその日の作業量を生産計画から予測することが できる。
人員計画を立てやすいことが背景にある と考えられる。
 それに対して流通業や物流業の現場は事前に作 業量を予測することが難しく、物量の変動も大き い。
さまざまなメーカーの商品を扱うことから業 務内容も複雑で機械化・自動化にも馴染みにくい。
現場作業はパート・アルバイトの労働力に頼らざる を得ない。
そうした特徴を持った現場では、レイ バー・スケジューリングが有効に機能する。
スタッフ報酬制度 物流業で導入に遅れ 解 説  生産性や品質の高い現場スタッフに対して、イ ンセンティブを与える制度。
作業員一人ひとりの作 業スピードやミス率を把握して、成績上位のパート を表彰したり、一定の基準を満たした場合に時給 を上げるといった評価制度を導入する。
これによ って現場に競争意識を植え付けると共に、優秀な 作業員のモチベーションを向上して勤続を促す。
一 方で成績の悪い作業員を淘汰する効果もある。
 生産性上位二〇%の現場の導入率は二五・八% で、それ以外の現場よりも一〇ポイント以上高い。
なかでも製造業の上位二〇%の現場の導入率は六 〇%にも達している。
その一方、物流業では上位 二〇%の導入率がゼロだった。
 スタッフ報酬制度は基本的に、時給で働くパー ト・アルバイトを対象としている。
正社員中心の 現場や、業務請負・派遣社員を多く使っている現 場には馴染まない。
 しかし、労働者派遣法の改正を見こして現在、 物流現場では派遣から直接雇用のパート・アルバイ トへの移行が進んでいる。
これに伴い新たにパー ト・アルバイトを対象とした労務管理の仕組みが必 要になっている。
 正社員向けの管理手法はパート現場には使えな い。
これまでのようなOJT(オン・ザ・ジョブ・ トレーニング)頼みから脱却して、パートの実態に 即した採用ノウハウ、教育システム、評価制度を確 立する必要がある。
スタッフ報酬制度もその一つ と言える。
ロケーション管理 月一回以上の入れ替えを 解 説  出荷頻度によってアイテムをA〜Cまたはそれ以 上に分類(ABC分析)し、それに基づいて庫内 のレイアウトや保管ロケーションを決める。
各アイ テムの出荷頻度は時間の経過と共に変化し、また アイテム自体の入れ替えも発生するため、効率的 な庫内レイアウトを維持するには定期的なメンテナ ンスも必要になる。
 生産性上位二〇%とそれ以外の現場を比べても、 ABC分析に基づくロケーション管理の実施率に は、ほとんど差はみられなかった。
業態別では流 通業でのみ有効といえる数値が出た。
 生産性との相関は、ABC分析を導入している かどうかよりも、むしろロケーション・メンテナン スの頻度のほうが高かった。
具体的には年十二回 以上、つまり月一回以上、保管ロケーションを見 直している現場の生産性が高かった。
 月一回以上のメンテナンスを実施している現場 の比率は、全業態の生産性上位二〇%の現場では 三七・五%に上っている。
それ以外の現場よりも 二〇ポイント以上高い。
業態別でも製造業、流通 業、物流業のすべてで上位二〇%の現場の導入率 が、それ以外よりも高くなっている。
 また流通業では年四回以上のメンテナンスが生産 性の分かれ目になっている。
シーズン商品の入れ替 えを反映したものと考えられる。
流通業の上位二 〇%の現場で年四回以上のメンテナンスを行ってい る比率は八五・七%に達し、それ以外の現場と二 一ポイントの差が付いた。
特集 良い現場──物流生産性調査 2010 27  JUNE 2010 ロケーション・メンテナンスの頻度(業態別) TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 製造業流通業運輸業 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 71.4 28.6 23.8 9.5 7.1 14.3 5.9 4.9 29.4 26.8 60.0 38.7 3.2 2.4 43.9 25.0 33.3 25.0 57.1 50.0 51.2 20.0 48.4 41.5 33.3 42.9 28.6 14.7 17.1 20.0 9.7 12.2 年12回 以上 年4回 以上 年1回 以上 年1回 以下 ロケーション・メンテナンスの頻度(全業種) TOP20 TOP20 外全体平均 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 37.5 37.5 25.0 17.4 45.3 31.4 5.8 21.8 32.7 4.5 40.9 年12回 以上 年4回 以上 年1回 以上 年1回 以下 ABC分析に基づくロケーション管理(業態別) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 10.0 90.0 81.4 66.7 63.5 63.6 63.6 63.6 83.0 50.0 18.6 17.0 50.0 33.3 36.5 36.4 36.4 36.4 ABC 分析に基づく ロケーション管理(全業態) TOP20 TOP20 外平均 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 32.3 67.7 29.5 70.5 30.0 70.0 製造業流通業物流業 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 未導入未導入 導入 導入 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 74.2 25.8 スタッフ報酬制度(全業態) スタッフ報酬制度(業態別) 83.8 16.3 86.0 14.0 TOP20 TOP20 外全体平均 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 60.0 40.0 90.7 81.1 80.0 88.1 86.5 100.0 79.5 83.6 9.3 18.9 20.0 13.5 20.5 16.4 TOP 20 TOP 20 外 製造業流通業物流業 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 TOP 20 TOP 20 外 全体 平均 未導入 導入 (%) 11.9 未導入 導入

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