2010年6月号
特別レポート
特別レポート
スペアパーツ・ロジスティクス──その市場規模と主要プレーヤー
JUNE 2010 30
スペアパーツ・ロジスティクス
──その市場規模と主要プレーヤー
三兆円市場に成長
Catロジスティクス(キャタピラー・ロ
ジスティクス)、CEVAロジスティクス、D
HL、キューネ+ナーゲル、DBシェンカー、
UPSなどの有力3PLが担うスペアパー
ツ・ロジスティクス市場は、今や年間三兆三
二五〇億円規模(一米ドル=九五円で換算)
にまで成長している。
図1にあるように産業別の内訳は、自動車 部品が全体の三五・七%にあたる一兆一八 八五億円を占め、テクノロジー関連が四一・ 一%で一兆三六八〇億円となっている。
地域別では図2に示したように、欧州が一 兆一〇二〇億円(三三・一%)、北米が八九 三〇億円(二六・九%)、アジア太平洋七九 八〇億円(二四・〇%)、その他の地域が五 三二〇億円(一六・〇%)である。
サービス領域別の内訳はざっくり分けると、 輸送にかかるコストがおよそ七〇%から七 五%、保管が二五%から三〇%程度だとわれ われは見積もっている。
ただし、輸送費の割 合は欧州よりも北米、アジアの方が高い。
ちなみにスペアパーツ・ロジスティクス市 場の見取り図を作成するにあたり、われわれ は当社が毎年行っている3PLの市場規模調 査の結果からスタートし、それをフォーチュン 五〇〇による産業区分と地域別に分けて整理 した。
また当調査で使用した3PLの市場規 模データは二〇〇八年のものであり、〇九年 は全体として七%の減少を見込んでいる。
グローバリゼーションが進む今日のものづく り産業は、高度に発達した世界規模のスペア パーツ・ロジスティクスのネットワークを必要 としている。
しかし市場の求めに応じて、地 球上のあらゆる地域と人びとをカバーできる 3PLは今のところほんの一握りだ。
以下にスペアパーツ・ロジスティクス市場 の主要プレーヤーたちの取り組みを紹介しよ う。
CEVA ──自動車物流に豊富な実績 本稿は2010年4月に米国の3PL調査会社アームストロ ング&アソシエイツ社が発表した「Spare Parts logistics: Quintessential Global Supply Chain Management─ ─Market Size and Major Players」のほぼ全文を同社 の許可を得て訳出したものである。
世界のスペアパーツ・ ロジスティクスの業界別・地域別の市場規模や、主要な 3PLプレイヤーの取り組みが解説されている。
図1 3PL の世界市場規模(産業&サブセグメント別) 産業&サブセグメント3PL 市場 合計 3PL スペアパーツ・ ロジスティクス市場 自動車部品 エネルギー テクノロジー 航空宇宙・防衛産業 コンピューター、オフィス機器 コンピューター・ソフトウェア エレクトロニクス 電機 医療機器 ネットワーク、通信機器 半導体、電子部品 電話 卸売(エレクトロニクス&オフィス機器) テクノロジー 合計 合 計 5 兆6335 億 1 兆1885 億 3 兆5245 億 7686 億 9690 億 2470 億 1 兆7955 億 2698 億 2280 億 314 億 2 兆1280 億 3249 億 1 兆1970 億 1834 億 4275 億 599 億 1520 億 219 億 1 兆5295 億 2214 億 475 億 86 億 8 兆4740 億 1 兆3680 億 17 兆6320 億 3 兆3250 億 (単位:円) 31 JUNE 2010 CEVA(シーバ)ロジスティクス(TN Tロジスティクスを前身とする3PL)は自 動車部品のロジスティクスで二〇年以上にお よぶ経験を持っており、これまで一連の自動 車部品ロジスティクスのビジネスモデルを開 発・実行してきた。
その主な中身はインバウ ンド・ロジスティクス(調達物流)、マテリア ル管理、センター管理、カンバン生産のサポ ートなどである。
その流れでスペアパーツ・ロジスティクス分 野におけるサービスも強化してきた。
そして 現在、スペアパーツ・ロジスティクスの売り 上げはCEVAの売り上げ全体の一五%以上 を占めるまでに成長している。
グローバルなスペアパーツ・ロジスティク ス・ネットワークを維持するため、CEVA は以下の各地域の中心に拠点を設けている。
●北米──ミシガン州デトロイト、フロリダ 州ジャクソンビル ●南米──サンパウロ(ブラジル) ●欧州──アントワープ(ベルギー)、バルセ ロナ(スペイン) ●アジア──シンガポール ●オーストラリア──シドニー ?スマートスペア?と名づけられたCEVA 独自のスペアパーツ・ロジスティクス管理モ デルは、これらの中央倉庫から始まる階層的 なアプローチとなっている(図3)。
ディーラー・販売店などの顧客や修理工場、 エンドユーザー、フィールドサービス・エン ジニア(FSE)のそれぞれにパーツを供給 するチャネルを設けている。
サプライチェーン上の在庫管理は、中央倉 庫とそれに併設する中央センターが担当する。
地区倉庫は主に修理工場へパーツを供給する。
図2 地域別 3PL スペアパーツ・ロジスティクス 市場規模 北米 カナダ メキシコ アメリカ 地域 欧州 フランス ドイツ イタリア オランダ スペイン イギリス その他 地域 アジア太平洋 中国 香港 インド 日本 シンガポール 韓国 台湾 その他 地域 南米 ブラジル ベネズエラ アルゼンチン その他 地域 中央アメリカ オーストラリア アラブ首長国連邦(ドバイ) その他の国・地域 合 計 地域国3PL スペアパーツ・ ロジスティクス市場 760 億 665 億 7505 億 8930 億 1710 億 1805 億 1615 億 570 億 1235 億 1615 億 2470 億 1 兆1020 億 3325 億 95 億 570 億 2280 億 95 億 570 億 285 億 760 億 7980 億 855 億 95 億 95 億 475 億 1520 億 95 億 665 億 190 億 2850 億 3兆3250 億 (単位:円) 陸上(翌日) 急送便・貸切便 (2〜8 時間) 小包/宅配便(翌日) 図3 CEVA のスペアパーツ・ロジスティクス・サービス サプライヤー 地区倉庫 FSL フォワード・ ストック・ ロケーション PUDO ピックアップ・アンド・ ドロップオフ・ロケーション 海上輸送 陸上/航空(48〜72 時間) 航空急送便(24〜48 時間) 陸上輸送 航空輸送 陸上/航空 (補充) 中央倉庫 顧客 修理工場 エンド ユーザー フィールド・ エンジニア 夜間配送 ロジスティクス・ネットワークの構成はデリ バリー・ロケーション、要求されるサービス レベル、目的地ごとのボリュームによる ( ( ( ( JUNE 2010 32 品はFSLに戻す。
部品サプライヤーから中央倉庫への輸送は、 在庫要求を満たす範囲内でもっともコストの 安いモードが選ばれる。
同様に中央・地区倉 庫からカスタマーへの出荷の際も最適の配送 方法が採られる。
またPUDOへは計画的な 夜間配送が行われている。
FSLがらみの輸送はもっとも注目すべき 点であり、既存の宅配便ネットワークを利用 して配送を行ったり、あるいは航空便での補 充が頻繁に必要とされる。
手違いや予期せぬ 問題が発生した場合には、「ネクスト・フライ ト・アウト(NFO=可能な限り早く出発す る航空便で発送するサービス)」と呼ばれる緊 急サービスが必要とされることもある。
図4はCEVAが自動車部品のロジスティ クス分野で提供しているサービスのリストで ある。
これらのCEVAのソリューションは、 数多くのWMS(倉庫管理システム)やTM S(輸送管理システム)などのITにより支 えられている。
CEVAの自動車関連顧客のリストはとて も長い。
ほとんどの自動車メーカーと何社か の大手サプライヤー(ティア1)を網羅してい る。
メジャーなブランドで欠けているのはトヨ タ自動車だけである。
顧客には自動車関連の 他にもジョンディア(農業機械)、CNH(農 業・建設機械)、コマツなどがある(図5)。
長年にわたりCEVAは自動車関連以外 の業界へもアプローチを続けてきた。
その努 かである。
フィールドサービス・エンジニアは通常、 このFSLか、あるいは「ピックアップ&ド ロップオフ・ロケーション(PUDO)」と呼 ぶ前線のデポでパーツをピックアップし、返 これらの修理工場への補充は予測しやすいた め予定は立てやすいが、扱う品目数は多い。
「フォワード・ストッキング・ロケーション (FSL)」では、急を要するパーツを少量ス トックしている。
FSLに在庫を置くのは使 用が決まっているパーツか、あるいは?ミッ ションクリティカル(交通や金融など、機能 停止が社会的に大きな影響をおよぼす業務の 遂行に必要不可欠なもの)?なパーツのどちら 図4 CEVA が提供する自動車用スペアパーツ・ロジスティクスのサービス 主要サービス 副次的サービス 無料サービス 保 管荷受けから出荷までのすべての倉庫オペレーション管理 サービスの種類内 容 配送計画 輸送 静脈物流 在庫管理 特別サービス サプライヤーへの注文とディーラーからの注文の管理と フォローアップ(ヘルプデスク、例外管理を含む) ネットワーク・ロケーションの最適化(重心位置の分析 と詳細な配送路のプランニングを含む) すべての輸配送の実行とモニタリング(ピックアップとデ リバリーに関する認定基準による定期輸送路の最適化 を含む) カスタマーからのすべての静脈物流の管理(買い戻し、 返品、再生用部品、リターナブル・コンテナ等) 最小限の在庫投資で最大限のアベイラビリティを生む在 庫レベルの管理 アセット保護を目的とする在庫品の保管状態管理 サプライチェーンの改良(設計から移行過程の管理まで) 包装、包装デザイン、税金等の追加サービスの管理 カスタマー・リレーション シップ・マネジメント 図5 CEVA のスペアパーツ・ロジスティクスの世界ネットワーク スペアパーツ・ロジスティクス・サービス その他のロジスティクス・サービス 北米 BMW、クライスラー、 イートン、ホンダ、 ジョンディア、日産 ブラジル フィアット、フォード、CNH、 BMW、イヴェコ、ジョンディア、 マニエッティ・マレリ イギリス フィアット、MAN、 フォルクス・ワーゲン、 ルノー、日産、スズキ フランス フィアット、 フィルトロート、 ピアジオ ポーランド BMW、フィアット、 イヴェコ、 マニエッティ・マレリ ドイツ エアバス、MAN、 MANN+HUMMEL、 ピアジオ トルコ フォード、GM ギリシア フィアット、ピアジオ 中国 GM、 フォルクス・ワーゲン オーストラリア BMW、GM、 いすゞ、コマツ、三菱 イタリア ボッシュ、フィアット、 GM(シボレー)、MAN、 ピアジオ、ルノー、 スカニア、ホンダ スペイン フィアット アルゼンチン フィアット 33 JUNE 2010 シンガポールの三カ所であり、九つの言語が 使用される。
?SeLECT?と名づけられたグロ ーバルITシステムが共通して使われている。
DHLがスペアパーツ・ロジスティクスで 特に力を入れているのはテクノロジー関連の企 業である(ノキア、コダック、HP、サン・ マイクロシステムズ、IBM、デル、シーメ ンス等)。
ロジスティクスサービスのモデルは CEVAのものとほぼ同様である。
DHLのインフラストラクチャーを図7に 示す。
インフラと全体のプロセスはCEVA とよく似ている(図3参照)。
このことは、グ ローバルなスペアパーツ・ロジスティクスを担 う企業がどのような機能を果たさねばならな いかを示しているといえる。
南アフリカのヨハネスブルグ近郊ランジェス フォンテーンにあるDHLのテクノロジーセン ターへ、近頃われわれは視察のために訪れた。
そして図7に示したモデルが実際にどのよう にして行われるかを目の当たりにした。
ゼネラル・マネジャーのアンドレー・ブレ スラー氏には五六〇〇?以上ある中央倉庫が 任されており、さらに各々五〇〇?程の六つ の地域倉庫が南アフリカの各要地(ダーバン、 ケープタウン、ポートエリザベス等)に配置さ れている。
ランジェスフォンテーンからのデリバリーの 九五%はフィールド・エンジニア向けであり、 主要顧客の一つがHP(ヒューレット・パッ カード)である。
なかでもっともミッション サーバーやATMその他の製品を扱っている。
イタリアではTelus/TIMの携帯電話 のロジスティクスを行っている。
ジェトロニクス社向けには「アドバンスト・ リプレースメント」サービスを行っている(図 6)。
ジェトロニクスはベネルクス諸国で最大 の情報通信技術(ICT)サービスのプロバ イダーである。
そのオペレーションはC E V Aのハイテ ク・スペアパーツ・ロジスティクスを理解す るのに格好の例である。
サービスには翌日お よび当日サービスがある。
翌日サービスの注 文はPUDOに伝達され、翌日エンジニアが そこからピックアップして顧客へ届ける。
当 日サービスの注文は指定された場所に宅配便 で送られる。
返品はリカバリーセンターへ送ら れ、可能な場合はそこで修復される。
DHL──テクノロジー産業に注力 「DHLグローバル・サービス・ロジスティ クス」は一九九六年にスタートしたが、現在 では二〇〇の顧客を抱え、一〇〇の国々でサ ービスを提供している。
規模の大きい五〇の 地域倉庫と、よりローカルなロケーションに 八五〇以上の倉庫を有している。
三言語に対応するコールセンターとコント ロールタワーが、グローバルな情報とイベント フローをコントロールしている。
コントロー ルタワーが置かれているのは米国バージニア 州スターリング、ベルギーの首都ブリュッセル、 力は特にハイテク業界において成功している。
アップル社向けには、オーストラリアでiP odとiPhoneの基盤交換を行っている。
タイでは二三〇〇?の倉庫で、IBMの各種 図6 ジェトロニクス:アドバンスト・リプレースメント ジェトロニクスのケース アドバンスト・リプレースメント サプライヤー リカバリーセンター 工場 地区倉庫 FSL (フォワード・ストック ・ロケーション) PUDO (ピックアップ・アンド・ ドロップオフ・ポイント) サービス・イベント ❶ ❷ ❸ ❹ ❺ a B B A A 担当領域 担当外 担当する輸配送 担当外の輸配送 ❶翌日サービス:PUDO へ夜間に納品 ❷翌日サービス:エンジニアがPUDO からピックアップ ❸当日サービス:FSL から宅配便で指定場所へ納品 ❹エンジニアが定期的に未使用/不良品をPUDO に返品 ❺未使用/不良品が集まると地区倉庫へ送られる 補充品は地区倉庫からFSL へ送られる 不良品はリカバリーセンターへ送られる 補修された製品は注文充足のため地区倉庫へ送られる a JUNE 2010 34 ス・ビジネスのことを?ポストセールス・サ ービス?と呼ぶ。
五つの中央倉庫(米国ケンタッキー州ルイス ヴィル、フロリダ州マイアミ、オランダのロ アモンド、香港、シンガポール)と、地域倉 庫(上海、東京、サンパウロ等)でネットワ ークを構成している。
さらに八五〇のフィー ルド・ストッキング・ロケーション(FSL) を世界中に配置している。
自社所有の施設で扱われる荷物の割合は九 〇%に上る。
欧州では九九%の地域を、FS Lから四時間以内のリードタイムでカバーし ている。
同様に北米は八八%の地域が二時間 以内配送エリアとなっている。
テクニカルサービスを提供する施設は世界 に二一カ所ある。
当日配達には宅配便が広 く利用され、必要に応じてネクスト・フライ ト・アウトも使われる。
情報インフラとしては?SPLUS?と呼 ぶシステムをグローバルに展開している。
競 合他社と同様に、オンラインでリアルタイム の幅広い情報が得られる。
注文管理、倉庫管 理、パーツ返品、出荷、受取確認のレポーテ ィングなどよって、顧客からの注文と事前出 荷予告が在庫管理モジュールに流れ込むシス テムとなっている。
UPSのスペアパーツ・ロジスティクスの 主な顧客を次のとおり。
●シリコングラフィックス(SGI)──デス 二〇件である。
ランジェスフォンテーンで働いている従業員 の数はおよそ五〇人。
南アフリカ全体の通弊 だが、いちばん厄介なのは(盗難などの)セ キュリティの問題である。
ラップトップ・コ ンピューターや携帯電話などの高価格品を扱 っているため、この問題には早急かつ継続的 に改善の努力が続けられている。
中央倉庫の在庫レベルと補充をコントロー ルするのはブリュッセルのコールセンター/コ ントロールタワーであり、すべてのパーツの在 庫レベルを把握している。
必要な場合にはネ クスト・フライト・アウトが利用される。
HPの製品に関しては、チェコのプラハに ある同社の配送センターから来るものが中心 となる。
デバイスやパーツの返品は海上コン テナに蓄積され、通常は毎週一コンテナが北 へ向けて発送される。
カスタマイズされた画 面を通じ、顧客は各スペアパーツの状況を追 跡することができる。
ブレスラー氏が現在いちばん頭を悩ませてい るのは燃料価格の不安定さである。
顧客に請 求する燃料代金は彼の担当であり、コストを 想定し料金を設定するのが非常に難しい。
ま た、ここでは二五種類の付加価値サービスが 提供されている。
なお南アフリカ周辺諸国へ の配送は、DHLエクスプレスが担当する。
UPS──グローバルに拠点を展開 U P Sではスペアパーツ・ロジスティク クリティカルな最終顧客は、株式市場や経済 活動の中心地にある銀行である。
当日配送を実施するため宅配便を広く利用 しており、それには一件あたり五〇〜六〇ド ルの費用が発生する。
発送は通常受注から二 〇分以内に行われる。
一日に一五〇〜二五〇 件発送し、そのうち緊急の発送は一〇件から 図7 DHL のグローバルに統合されたインフラ サプライヤー 陸上 空路 海上 グローバル/ 地域倉庫 地域/ ナショナル倉庫 ローカル倉庫 ティア1 ティア2 ティア3 PUDO 48〜72 時間輸送(陸上/航空便) 24〜48 時間輸送(航空急送便) 翌日配送 同日 (ミッションクリティカルの 場合は1〜4 時間) 補充 (陸上/航空便) 夜間配送 エンドユーザー カスタマーの倉庫 ディーラー ディストリビューター フィールド・ エンジニア コンサインメント ストック 工場からの入荷/リペアー 地域での補充 最終目的地への配送 3 つのリージョナル・ロジスティクス・ カスタマー・サービスセンター 特定プログラム 管理 請求書・送り状の 一括発行 サプライチェーンにおける エンドツーエンドの可視性 35 JUNE 2010 ったのは〇四年である。
九六年にUPSはSGIの在庫をルイスヴ ィルに集約する業務を開始した。
現在は月に 二〇〇〇個以上の荷物を出荷している。
これ らの注文のほとんどは二〜四時間以内に出荷 しなければならない。
UPSが現在保管して いるパーツは三万一〇〇〇個である。
特別に 迅速な静脈物流のプロセスも利用可能だ。
ディシジョンワンに対しては在庫計画、七 社ある返品補修ベンダーの管理、中央倉庫 (ルイスビル)の管理などのサービスを提供し ている。
ディシジョンワンの顧客から四時間 以内の場所に一〇〇カ所以上のFSLを持ち、 二四時間年中無休で利用可能である。
また、 自社の店舗やその他のロケーションを活用し て一一〇〇カ所のピックアップ・ポイントを 確保している。
フィールド・エンジニアはリ アルタイムのオーダー処理状況を参照するこ とができる。
キューネ+ナーゲル・リードロジスティ クス・ソリューションズ(KN LLS) ──世界各国に一〇時間以内配送 サービスパーツと静脈物流を行うKN L LSのアフターマーケット・マネジメントは、 世界四五〇カ所でパーツ配送センターを運営 している。
このサービスには届け先までのラ ストワンマイルや、サービス技術者への配送 を含む。
返品に関しては、求めに応じてカー トリッジの回収や廃棄物マネジメントなども行 ●静脈物流──不良品保管、フリー・トレ ード・ゾーン ●小包配送──国内外 HP向けのこうした新しいサービスが始ま クトップ・ワークステーション、サーバー、 ソフトウエア ●ディシジョンワン──ITサービス ●東京エレクトロン──半導体製造装置 ●HP──ハイテク機器 ●スプリント──電話 ●エンブラエル──航空機 ●フィリップス・ヘルスケア──ヘルスケア ●日立グローバルストレージテクノロジーズ─ ─HDD 〇六年、UPSはフィリップス・ヘルスケ ア向けにグローバルな宅配便サービスを開始 した。
中央倉庫をケンタッキー州ルイスビル、 オランダ、シンガポールの三カ所に設置。
こ のほか世界で五〇カ所のFSLを利用してお り、サービス技術者は一〇〇〇カ所のPUD Oを活用している。
フィリップスはこの新しいネットワークによ り二三〇万ユーロの費用を削減し、在庫をト ータルで三〇%削減した。
デリバリーの確実 性も九五%向上した。
HPに対するサービスは以下の通り。
●宅配便/ネクスト・フライト・アウト ●フィールド・ストッキング・ロケーション (FSL)──北米、カナダ ●IT、通過、空輸 ●フルフィルメントサービス──コールセンタ ー/ヘルプデスク 図8 UPS のグローバル・インフラストラクチャー:FSL ネットワーク 世界中に張りめぐらされたフィールド・ストッキング・ロケーション(FSL) FSL の数 211 46 22 65 281 363 988 ピックアップと配達に利用されるタッチポイント ■世界全体の貨物のうち90%(南北アメリカでは96%以上)がUPS の所有する施設での取扱。
■ ■ 欧州・中東・アフリカ地域のPUDO(ピックアップ&ドロップオフ)ポイントが650カ所 ■ UPSストア&MBX(Mail Boxes Etc.)が5900 店 ■ UPSドロップボックスが4 万カ所 ■ 取扱代理店が1 万7000カ所 ■ドライバーが6 万5000 人 ■ 顧客からのピックアップ数が1日180 万件 米国カナダメキシコ南アメリカアジア 太平洋 ネットワーク 合計 欧州・中東 アフリカ “ホールド・フォー・ピックアップ=荷物を取りに来る人向けのカスタマーセンターでの留 め置き”が1300カ所 JUNE 2010 36 シェンカーと顧客の間はEDIとインター ネットをベースとする環境統一され、リアル タイムで情報が更新される。
顧客ごとにそれ ぞれ別のコントロールセンターを設置している。
保管はマルチクライアントが標準だが、在庫 の可視性とイベントのレポーティングは非常に 良好である。
航空宇宙関連の顧客の一つに、航空機用ブ レーキシステム大手のメッサー・ブガッティが ある。
メッサー・ブガッティ向けに、シェン カーは世界の五カ所でパーツを保管している。
シンガポール、シドニー、ドバイにはエアバ クス(後述)と同等のレベルに達している。
ドイツ、南北アメリカ、中国、フランス、 マレーシアの自動車組立産業に幅広く貢献し てきたシェンカーにとり、自動車スペアパー ツ・ロジスティクスへの進出は自然な流れで あった。
顧客にはBMW、ポルシェ、日産 自動車、ダイムラー、フォルクス・ワーゲン、 ボッシュなどが名を連ねる。
産業別では航空宇宙産業のグローバルネッ トワークの分野でもサービスを提供している。
ネットワークの要となっているロケーションは ロンドン、パリ、シンガポール、ドバイ、ソ ウルの各都市である。
顧客にはGE、SIA、 エアバス、メッサー・ブガッティ、エンブラ エル、Revima APU、ロックウェル・コリン ズ等が挙げられる。
スペアパーツ・ロジスティクスに関してシェ ンカーは以下のようにコメントしている。
「三つのことを考慮に入れて欲しい。
空港ハ ブも増やしている。
われわれは世界の二〇カ 所以上でAOG(aircraft on ground=飛行 不可能になった航空機への補修部品の緊急デ リバリー)を行っているが、空港ハブの目標 はAOGと同等レベルに達することが目標だ。
加えてAOGのネットワークを利用し、RM S(返品管理サービス)もオプションで提供 している。
これらはネットワーク主導型で展 開しており、われわれはもともと空港に拠点 があることから、新たなハブをきわめて迅速 に立ち上げることができる」 っている。
この主なセグメントの顧客は医療機器、デ バイス、ハイテク/コンピューター関連企業 などである。
二〇〇六年、放射線治療機器メーカーのト モセラピーは、グローバルなスペアパーツ・ ネットワークのデザインと運営をKN LLS に委託した。
時には世界各地に一〇時間以内 に届けなければならないような緊急事態も発 生する業務だ。
これに対してKNは二四時間年中無休のコ ールセンターと一八の地域倉庫を運営し、ネ クスト・フライト・アウト・サービスも含む グローバルな輸送網を管理している。
KNのトモセラピー向け専従部隊が、年間 一万二〇〇〇件のオーダーを処理している。
コールセンターでは注文を処理するほか、緊 急な要請や変更、荷物の追跡なども行う。
創 業間もない企業でも、このソリューションを 利用することで次々と増えていく必要な設備 を世界中で速やかに利用できるようになる。
DBシェンカー/シェンカー・ロジステ ィクス ──世界各地に空港ハブを設置 シェンカーは自動車、エネルギー、エレク トロニクスの分野で、スペアパーツ・ロジス ティクスの幅広いアプリケーションを提供して いる。
なかでも自動車のスペアパーツ・ロジ スティクスは、CEVAやCatロジスティ 図9 DB シェンカーの空港ハブモデルの概要 インバウンド─アウトバウンドサービス 通常/緊急/ AOG ■ 注文書の状況フォローアップ ■ 迅速なピックアップとデリバリー ■ 通関 ■ 空輸 ■ 輸送チェーンのモニタリング ■ 最新のフィードバック ■ AOG サポートを提供するためのヘルプデスクと積み降ろし ■ 一本化されている窓口 ■ 航空・ロジスティクスの専門家を配置 ■ 24 時間365 日稼働 ■ 独自のITシステムATOL(AOG Tool On-line)による情報管理 レギュラー・ピックアップ 週一便 通常 デイリー・ピックアップ 同日便 緊急 スペシャル・ピックアップ 直近の便 AOG 4〜5 日以内2〜3 日以内24 時間以内 37 JUNE 2010 ばれる品質改善手法が採用されている。
米国オハイオ州コロンバスに、シェンカー は?メガセンター?と呼ぶ施設を持つ。
ここ では顧客向けの消耗品と、フィールド・エン ジニア向けのサービスパーツを供給している。
メガセンターは二万?の延べ床面積を持ち、 二万六〇〇〇のロケーションから円形コンベ アで自動で高速ピッキングを行う、「ピック・ トゥー・ライト」というシステムを採用して いる。
フィールド・エンジニアは通常のサービス に加えて緊急要請にも対応する。
一日約八〇 〇件の注文がある。
急を要するものには緊急 出荷・NFOで対応し、近隣の顧客にはカス タマイズ済みのコピー機を出荷している。
三 〜四ある大きなディーラーには毎日の注文に 応じている。
コロンバスで使用されているWMSはイン フォア社の「Exceed」で、社内外のオペレー ションで利用する数多くのアプリケーションの コントロールセンターとなっている。
Catロジスティクス ──日本にも大型拠点 Catロジスティクスはグローバル・サプ ライチェーンを運営する3PLであり、高付 加価値の保管・配送サービスを特色とする。
主な顧客は自動車・機械工業だが、鉱業、石 油&ガス、宇宙航空防衛、テクノロジー、耐 久消費財などの業界にも進出している。
親会社キャタピラーの一九三三カ所におよ ぶディーラー支店、一四〇七カ所のレンタル 店にサービスを提供している。
在庫には六五 万種類に上るキャタピラー独自のパーツ類が 含まれる。
六大陸二三カ国の拠点から一九一 カ国へサービスを提供し、一〇八の施設で二 〇の言語が使用される。
アメリカ大陸では六 一の施設に従業員六二〇〇人、欧州・アフリ カ・中東には三三施設に四四五〇人、アジア には十二の施設に一二五〇人を擁する。
Catロジスティクスのサービスを具体的 に日本の事例で見ることにしよう。
日本におけるCatロジスティクスの歴史 は、九四年に東京でサン・マイクロシステム ズのコンピューターパーツの扱いを始めた時以 来のものだ。
その後、九六年にはクライスラ ー向けにパーツの配送と完成車受け入れのオ ペレーションを開始した。
現在の顧客は親会 社であるキャタピラー以外に、3PLの顧客 として三菱重工、フォード・オートモーティ ブ、ランドローバーなどがある。
日本での従業員はおよそ三八〇人で、その うち三〇〇人は相模原物流センターに配置さ れている。
提供しているのはゲートウェー・ サービス、パーツ調達、梱包、国内外へのパ ーツ配送などである。
相模原物流センター 五万?の相模原物流センターは、〇七年十 一月にオープンした。
オープニング前、三菱 スの三八〇種類のパーツが保管され、なかで もシンガポールとシドニーでは保管に加えてA OGサービスも行い、二四時間年中無休で稼 働している。
デリバリーの状況は一五分以内 に確認できる。
ボンバルディア向けには成田空港のハブに 四二〇?の倉庫スペースがあり、およそ三〇 〇〇SKUが保管されている。
上海ではシェフラーグループの自動車用部 品を保管しており、二五〇のエンドユーザー とOEMの委託先へ出荷している。
シェンカ ーのWMSとTMSによってKPI(重要業 績評価指標)は良好に管理されている。
世界最大の印刷機器メーカー、ハイデルベ ルグは、米国インディアナ州インディアナポリ スにあるスペアパーツ・ロジスティクス用施 設でシェンカーを起用している。
シェンカーはハイデルベルグの印刷機器の スペアパーツ用に、FTZ(フリー・トレー ド・ゾーン)として認定された倉庫をインデ ィアナポリスに立ち上げた。
三万六〇〇〇S KUを取り扱い、シェンカーのWMSをハイ デルベルグのSAP社のシステムに統合し二 四時間年中無休で稼働している。
また、この 地域ではコピー機を?ホワイトグローブ?サー ビス(開梱・設置まで行う)で配送している。
ここでも他のすべてのシェンカーのオペーシ ョンと同様、カイゼンとリーン方式、シック スシグマをベースに、プロセスを不断に改革 する?永続最適化プログラム(POP)?と呼 JUNE 2010 38 スティクスにあたえられている時間はちょう ど一時間である。
同様に三菱重工のオーダーも七五%が緊急 である。
輸出オーダーは緊急出荷向けには翌 日出荷が求められる。
オペレーションには無 線スキャナーを利用するSAP社のWMSが 採用されている。
センター内の保管場所は、各パーツや製品 それぞれの需要予測に応じて決められている。
動きの鈍い品物は、可能な場合には屋外やあ るいは二階部分に保管する。
全体量のうちお よそ二〇%がそうしたエリアでピッキングさ れる。
残り八〇%は一階でピッキングされる が、なかでも多いのは中央に位置する三層構 造のメザニン(中二階式の棚)からで、全体 の六四%を占める。
一階ではセンター面積の 約一割を占める部分で梱包サービスも行って おり、一〇〇人が従事している。
Catロジスティクスは世界中のキャタピ ラー・ネットワーク向けに、日本でパーツ調 達サービスを行っている。
サービスパーツと製 品は出荷前に標準的な量ごとに梱包する必要 のあるものが多く、主に二つの梱包用ライン で対応している。
三〇%はプラスチック製の 袋に自動で袋詰めされ、残りは人手で処理さ れる。
その後パーツは大きな単位にまとめら れ、国内向けのオープントップコンテナや保 管庫へ収納したり、輸出用に梱包される。
付加価値サービスとしては、比較的大きめ なパーツに対する木枠梱包、市場別・顧客別 の個別ラベリング、製品の防錆処置などがあ る。
なおCatロジスティクスは独自の梱包 用システムを開発し、SAPのWMSにそれ を組み込んでいる。
主な取扱量とサービスレベルは以下の通り である。
●入荷:荷降ろしをするサプライヤーのトラッ クが一日におよそ九〇台。
●出荷:三菱重工とキャタピラー・ジャパン のディーラー向けに出荷するトラックが一日 におよそ五〇台。
●海上コンテナの出荷:世界のCatロジス ティクス・ネットワーク拠点向け(米国イ リノイ州モートン、ベルギーのブリムベルゲ ン、シンガポール)に、四〇フィートコンテ ナが一日七本。
●配送品質:指定場所への定刻配送が九九% 以上。
●特徴:相模原物流センターでは毎日、イリ ノイ州モートンにあるキャタピラー社最大の パーツセンターとほぼ同じ規模の緊急/J IT出荷を処理している。
オーダーが入っ てから出荷トラックに積み込める状態にま でもっていくのには一時間しかかからない。
重工とキャタピラー・ジャパンはそれぞれ九 四八〇?、三万三〇〇〇?のパーツ保管倉 庫を自前で運営していた。
新倉庫への移管は大がかりなプロジェクト であり、フィージビリティスタディは〇四年 に始まった。
〇五年八月、Catロジスティ クスは三菱重工とキャタピラーに対し、効率 的なロジスティクス・オペレーションへの統合 を提案した。
〇六年六月九日、キャタピラーと三菱重工 との間にロジスティクス契約が結ばれて、現 在新センターが建っている場所にあったキャタ ピラーのセンターが取り壊され、新しい建物 の建設が始まった。
相模原物流センターは二階建てだが、三階 部分も増築可能である。
キャタピラー用には およそ三万五〇〇〇?、三菱重工には一万六 〇〇〇?ほどが充てられ、そのうち二万一〇 〇〇?がパーツ/製品の保管場所となってい る。
約三八万SKUのパーツ/製品がいつで も出荷可能な状態で在庫されている。
一日平均三八〇〇品目のパーツ/製品を受 け入れ、十一万個を出荷用に梱包、一万三〇 〇品目を出荷している。
標準的なオーダーについていえば、キャタ ピラー・ジャパンからの国内向けオーダーの およそ八〇%が緊急/JIT条件によるもの である。
オーダーが入ってから、在庫のピッ クアップおよび梱包をして、出荷用トラック への積載準備を完了させるのに、Catロジ ©Copyright 2010 Armstrong&Associates, Inc.
図1にあるように産業別の内訳は、自動車 部品が全体の三五・七%にあたる一兆一八 八五億円を占め、テクノロジー関連が四一・ 一%で一兆三六八〇億円となっている。
地域別では図2に示したように、欧州が一 兆一〇二〇億円(三三・一%)、北米が八九 三〇億円(二六・九%)、アジア太平洋七九 八〇億円(二四・〇%)、その他の地域が五 三二〇億円(一六・〇%)である。
サービス領域別の内訳はざっくり分けると、 輸送にかかるコストがおよそ七〇%から七 五%、保管が二五%から三〇%程度だとわれ われは見積もっている。
ただし、輸送費の割 合は欧州よりも北米、アジアの方が高い。
ちなみにスペアパーツ・ロジスティクス市 場の見取り図を作成するにあたり、われわれ は当社が毎年行っている3PLの市場規模調 査の結果からスタートし、それをフォーチュン 五〇〇による産業区分と地域別に分けて整理 した。
また当調査で使用した3PLの市場規 模データは二〇〇八年のものであり、〇九年 は全体として七%の減少を見込んでいる。
グローバリゼーションが進む今日のものづく り産業は、高度に発達した世界規模のスペア パーツ・ロジスティクスのネットワークを必要 としている。
しかし市場の求めに応じて、地 球上のあらゆる地域と人びとをカバーできる 3PLは今のところほんの一握りだ。
以下にスペアパーツ・ロジスティクス市場 の主要プレーヤーたちの取り組みを紹介しよ う。
CEVA ──自動車物流に豊富な実績 本稿は2010年4月に米国の3PL調査会社アームストロ ング&アソシエイツ社が発表した「Spare Parts logistics: Quintessential Global Supply Chain Management─ ─Market Size and Major Players」のほぼ全文を同社 の許可を得て訳出したものである。
世界のスペアパーツ・ ロジスティクスの業界別・地域別の市場規模や、主要な 3PLプレイヤーの取り組みが解説されている。
図1 3PL の世界市場規模(産業&サブセグメント別) 産業&サブセグメント3PL 市場 合計 3PL スペアパーツ・ ロジスティクス市場 自動車部品 エネルギー テクノロジー 航空宇宙・防衛産業 コンピューター、オフィス機器 コンピューター・ソフトウェア エレクトロニクス 電機 医療機器 ネットワーク、通信機器 半導体、電子部品 電話 卸売(エレクトロニクス&オフィス機器) テクノロジー 合計 合 計 5 兆6335 億 1 兆1885 億 3 兆5245 億 7686 億 9690 億 2470 億 1 兆7955 億 2698 億 2280 億 314 億 2 兆1280 億 3249 億 1 兆1970 億 1834 億 4275 億 599 億 1520 億 219 億 1 兆5295 億 2214 億 475 億 86 億 8 兆4740 億 1 兆3680 億 17 兆6320 億 3 兆3250 億 (単位:円) 31 JUNE 2010 CEVA(シーバ)ロジスティクス(TN Tロジスティクスを前身とする3PL)は自 動車部品のロジスティクスで二〇年以上にお よぶ経験を持っており、これまで一連の自動 車部品ロジスティクスのビジネスモデルを開 発・実行してきた。
その主な中身はインバウ ンド・ロジスティクス(調達物流)、マテリア ル管理、センター管理、カンバン生産のサポ ートなどである。
その流れでスペアパーツ・ロジスティクス分 野におけるサービスも強化してきた。
そして 現在、スペアパーツ・ロジスティクスの売り 上げはCEVAの売り上げ全体の一五%以上 を占めるまでに成長している。
グローバルなスペアパーツ・ロジスティク ス・ネットワークを維持するため、CEVA は以下の各地域の中心に拠点を設けている。
●北米──ミシガン州デトロイト、フロリダ 州ジャクソンビル ●南米──サンパウロ(ブラジル) ●欧州──アントワープ(ベルギー)、バルセ ロナ(スペイン) ●アジア──シンガポール ●オーストラリア──シドニー ?スマートスペア?と名づけられたCEVA 独自のスペアパーツ・ロジスティクス管理モ デルは、これらの中央倉庫から始まる階層的 なアプローチとなっている(図3)。
ディーラー・販売店などの顧客や修理工場、 エンドユーザー、フィールドサービス・エン ジニア(FSE)のそれぞれにパーツを供給 するチャネルを設けている。
サプライチェーン上の在庫管理は、中央倉 庫とそれに併設する中央センターが担当する。
地区倉庫は主に修理工場へパーツを供給する。
図2 地域別 3PL スペアパーツ・ロジスティクス 市場規模 北米 カナダ メキシコ アメリカ 地域 欧州 フランス ドイツ イタリア オランダ スペイン イギリス その他 地域 アジア太平洋 中国 香港 インド 日本 シンガポール 韓国 台湾 その他 地域 南米 ブラジル ベネズエラ アルゼンチン その他 地域 中央アメリカ オーストラリア アラブ首長国連邦(ドバイ) その他の国・地域 合 計 地域国3PL スペアパーツ・ ロジスティクス市場 760 億 665 億 7505 億 8930 億 1710 億 1805 億 1615 億 570 億 1235 億 1615 億 2470 億 1 兆1020 億 3325 億 95 億 570 億 2280 億 95 億 570 億 285 億 760 億 7980 億 855 億 95 億 95 億 475 億 1520 億 95 億 665 億 190 億 2850 億 3兆3250 億 (単位:円) 陸上(翌日) 急送便・貸切便 (2〜8 時間) 小包/宅配便(翌日) 図3 CEVA のスペアパーツ・ロジスティクス・サービス サプライヤー 地区倉庫 FSL フォワード・ ストック・ ロケーション PUDO ピックアップ・アンド・ ドロップオフ・ロケーション 海上輸送 陸上/航空(48〜72 時間) 航空急送便(24〜48 時間) 陸上輸送 航空輸送 陸上/航空 (補充) 中央倉庫 顧客 修理工場 エンド ユーザー フィールド・ エンジニア 夜間配送 ロジスティクス・ネットワークの構成はデリ バリー・ロケーション、要求されるサービス レベル、目的地ごとのボリュームによる ( ( ( ( JUNE 2010 32 品はFSLに戻す。
部品サプライヤーから中央倉庫への輸送は、 在庫要求を満たす範囲内でもっともコストの 安いモードが選ばれる。
同様に中央・地区倉 庫からカスタマーへの出荷の際も最適の配送 方法が採られる。
またPUDOへは計画的な 夜間配送が行われている。
FSLがらみの輸送はもっとも注目すべき 点であり、既存の宅配便ネットワークを利用 して配送を行ったり、あるいは航空便での補 充が頻繁に必要とされる。
手違いや予期せぬ 問題が発生した場合には、「ネクスト・フライ ト・アウト(NFO=可能な限り早く出発す る航空便で発送するサービス)」と呼ばれる緊 急サービスが必要とされることもある。
図4はCEVAが自動車部品のロジスティ クス分野で提供しているサービスのリストで ある。
これらのCEVAのソリューションは、 数多くのWMS(倉庫管理システム)やTM S(輸送管理システム)などのITにより支 えられている。
CEVAの自動車関連顧客のリストはとて も長い。
ほとんどの自動車メーカーと何社か の大手サプライヤー(ティア1)を網羅してい る。
メジャーなブランドで欠けているのはトヨ タ自動車だけである。
顧客には自動車関連の 他にもジョンディア(農業機械)、CNH(農 業・建設機械)、コマツなどがある(図5)。
長年にわたりCEVAは自動車関連以外 の業界へもアプローチを続けてきた。
その努 かである。
フィールドサービス・エンジニアは通常、 このFSLか、あるいは「ピックアップ&ド ロップオフ・ロケーション(PUDO)」と呼 ぶ前線のデポでパーツをピックアップし、返 これらの修理工場への補充は予測しやすいた め予定は立てやすいが、扱う品目数は多い。
「フォワード・ストッキング・ロケーション (FSL)」では、急を要するパーツを少量ス トックしている。
FSLに在庫を置くのは使 用が決まっているパーツか、あるいは?ミッ ションクリティカル(交通や金融など、機能 停止が社会的に大きな影響をおよぼす業務の 遂行に必要不可欠なもの)?なパーツのどちら 図4 CEVA が提供する自動車用スペアパーツ・ロジスティクスのサービス 主要サービス 副次的サービス 無料サービス 保 管荷受けから出荷までのすべての倉庫オペレーション管理 サービスの種類内 容 配送計画 輸送 静脈物流 在庫管理 特別サービス サプライヤーへの注文とディーラーからの注文の管理と フォローアップ(ヘルプデスク、例外管理を含む) ネットワーク・ロケーションの最適化(重心位置の分析 と詳細な配送路のプランニングを含む) すべての輸配送の実行とモニタリング(ピックアップとデ リバリーに関する認定基準による定期輸送路の最適化 を含む) カスタマーからのすべての静脈物流の管理(買い戻し、 返品、再生用部品、リターナブル・コンテナ等) 最小限の在庫投資で最大限のアベイラビリティを生む在 庫レベルの管理 アセット保護を目的とする在庫品の保管状態管理 サプライチェーンの改良(設計から移行過程の管理まで) 包装、包装デザイン、税金等の追加サービスの管理 カスタマー・リレーション シップ・マネジメント 図5 CEVA のスペアパーツ・ロジスティクスの世界ネットワーク スペアパーツ・ロジスティクス・サービス その他のロジスティクス・サービス 北米 BMW、クライスラー、 イートン、ホンダ、 ジョンディア、日産 ブラジル フィアット、フォード、CNH、 BMW、イヴェコ、ジョンディア、 マニエッティ・マレリ イギリス フィアット、MAN、 フォルクス・ワーゲン、 ルノー、日産、スズキ フランス フィアット、 フィルトロート、 ピアジオ ポーランド BMW、フィアット、 イヴェコ、 マニエッティ・マレリ ドイツ エアバス、MAN、 MANN+HUMMEL、 ピアジオ トルコ フォード、GM ギリシア フィアット、ピアジオ 中国 GM、 フォルクス・ワーゲン オーストラリア BMW、GM、 いすゞ、コマツ、三菱 イタリア ボッシュ、フィアット、 GM(シボレー)、MAN、 ピアジオ、ルノー、 スカニア、ホンダ スペイン フィアット アルゼンチン フィアット 33 JUNE 2010 シンガポールの三カ所であり、九つの言語が 使用される。
?SeLECT?と名づけられたグロ ーバルITシステムが共通して使われている。
DHLがスペアパーツ・ロジスティクスで 特に力を入れているのはテクノロジー関連の企 業である(ノキア、コダック、HP、サン・ マイクロシステムズ、IBM、デル、シーメ ンス等)。
ロジスティクスサービスのモデルは CEVAのものとほぼ同様である。
DHLのインフラストラクチャーを図7に 示す。
インフラと全体のプロセスはCEVA とよく似ている(図3参照)。
このことは、グ ローバルなスペアパーツ・ロジスティクスを担 う企業がどのような機能を果たさねばならな いかを示しているといえる。
南アフリカのヨハネスブルグ近郊ランジェス フォンテーンにあるDHLのテクノロジーセン ターへ、近頃われわれは視察のために訪れた。
そして図7に示したモデルが実際にどのよう にして行われるかを目の当たりにした。
ゼネラル・マネジャーのアンドレー・ブレ スラー氏には五六〇〇?以上ある中央倉庫が 任されており、さらに各々五〇〇?程の六つ の地域倉庫が南アフリカの各要地(ダーバン、 ケープタウン、ポートエリザベス等)に配置さ れている。
ランジェスフォンテーンからのデリバリーの 九五%はフィールド・エンジニア向けであり、 主要顧客の一つがHP(ヒューレット・パッ カード)である。
なかでもっともミッション サーバーやATMその他の製品を扱っている。
イタリアではTelus/TIMの携帯電話 のロジスティクスを行っている。
ジェトロニクス社向けには「アドバンスト・ リプレースメント」サービスを行っている(図 6)。
ジェトロニクスはベネルクス諸国で最大 の情報通信技術(ICT)サービスのプロバ イダーである。
そのオペレーションはC E V Aのハイテ ク・スペアパーツ・ロジスティクスを理解す るのに格好の例である。
サービスには翌日お よび当日サービスがある。
翌日サービスの注 文はPUDOに伝達され、翌日エンジニアが そこからピックアップして顧客へ届ける。
当 日サービスの注文は指定された場所に宅配便 で送られる。
返品はリカバリーセンターへ送ら れ、可能な場合はそこで修復される。
DHL──テクノロジー産業に注力 「DHLグローバル・サービス・ロジスティ クス」は一九九六年にスタートしたが、現在 では二〇〇の顧客を抱え、一〇〇の国々でサ ービスを提供している。
規模の大きい五〇の 地域倉庫と、よりローカルなロケーションに 八五〇以上の倉庫を有している。
三言語に対応するコールセンターとコント ロールタワーが、グローバルな情報とイベント フローをコントロールしている。
コントロー ルタワーが置かれているのは米国バージニア 州スターリング、ベルギーの首都ブリュッセル、 力は特にハイテク業界において成功している。
アップル社向けには、オーストラリアでiP odとiPhoneの基盤交換を行っている。
タイでは二三〇〇?の倉庫で、IBMの各種 図6 ジェトロニクス:アドバンスト・リプレースメント ジェトロニクスのケース アドバンスト・リプレースメント サプライヤー リカバリーセンター 工場 地区倉庫 FSL (フォワード・ストック ・ロケーション) PUDO (ピックアップ・アンド・ ドロップオフ・ポイント) サービス・イベント ❶ ❷ ❸ ❹ ❺ a B B A A 担当領域 担当外 担当する輸配送 担当外の輸配送 ❶翌日サービス:PUDO へ夜間に納品 ❷翌日サービス:エンジニアがPUDO からピックアップ ❸当日サービス:FSL から宅配便で指定場所へ納品 ❹エンジニアが定期的に未使用/不良品をPUDO に返品 ❺未使用/不良品が集まると地区倉庫へ送られる 補充品は地区倉庫からFSL へ送られる 不良品はリカバリーセンターへ送られる 補修された製品は注文充足のため地区倉庫へ送られる a JUNE 2010 34 ス・ビジネスのことを?ポストセールス・サ ービス?と呼ぶ。
五つの中央倉庫(米国ケンタッキー州ルイス ヴィル、フロリダ州マイアミ、オランダのロ アモンド、香港、シンガポール)と、地域倉 庫(上海、東京、サンパウロ等)でネットワ ークを構成している。
さらに八五〇のフィー ルド・ストッキング・ロケーション(FSL) を世界中に配置している。
自社所有の施設で扱われる荷物の割合は九 〇%に上る。
欧州では九九%の地域を、FS Lから四時間以内のリードタイムでカバーし ている。
同様に北米は八八%の地域が二時間 以内配送エリアとなっている。
テクニカルサービスを提供する施設は世界 に二一カ所ある。
当日配達には宅配便が広 く利用され、必要に応じてネクスト・フライ ト・アウトも使われる。
情報インフラとしては?SPLUS?と呼 ぶシステムをグローバルに展開している。
競 合他社と同様に、オンラインでリアルタイム の幅広い情報が得られる。
注文管理、倉庫管 理、パーツ返品、出荷、受取確認のレポーテ ィングなどよって、顧客からの注文と事前出 荷予告が在庫管理モジュールに流れ込むシス テムとなっている。
UPSのスペアパーツ・ロジスティクスの 主な顧客を次のとおり。
●シリコングラフィックス(SGI)──デス 二〇件である。
ランジェスフォンテーンで働いている従業員 の数はおよそ五〇人。
南アフリカ全体の通弊 だが、いちばん厄介なのは(盗難などの)セ キュリティの問題である。
ラップトップ・コ ンピューターや携帯電話などの高価格品を扱 っているため、この問題には早急かつ継続的 に改善の努力が続けられている。
中央倉庫の在庫レベルと補充をコントロー ルするのはブリュッセルのコールセンター/コ ントロールタワーであり、すべてのパーツの在 庫レベルを把握している。
必要な場合にはネ クスト・フライト・アウトが利用される。
HPの製品に関しては、チェコのプラハに ある同社の配送センターから来るものが中心 となる。
デバイスやパーツの返品は海上コン テナに蓄積され、通常は毎週一コンテナが北 へ向けて発送される。
カスタマイズされた画 面を通じ、顧客は各スペアパーツの状況を追 跡することができる。
ブレスラー氏が現在いちばん頭を悩ませてい るのは燃料価格の不安定さである。
顧客に請 求する燃料代金は彼の担当であり、コストを 想定し料金を設定するのが非常に難しい。
ま た、ここでは二五種類の付加価値サービスが 提供されている。
なお南アフリカ周辺諸国へ の配送は、DHLエクスプレスが担当する。
UPS──グローバルに拠点を展開 U P Sではスペアパーツ・ロジスティク クリティカルな最終顧客は、株式市場や経済 活動の中心地にある銀行である。
当日配送を実施するため宅配便を広く利用 しており、それには一件あたり五〇〜六〇ド ルの費用が発生する。
発送は通常受注から二 〇分以内に行われる。
一日に一五〇〜二五〇 件発送し、そのうち緊急の発送は一〇件から 図7 DHL のグローバルに統合されたインフラ サプライヤー 陸上 空路 海上 グローバル/ 地域倉庫 地域/ ナショナル倉庫 ローカル倉庫 ティア1 ティア2 ティア3 PUDO 48〜72 時間輸送(陸上/航空便) 24〜48 時間輸送(航空急送便) 翌日配送 同日 (ミッションクリティカルの 場合は1〜4 時間) 補充 (陸上/航空便) 夜間配送 エンドユーザー カスタマーの倉庫 ディーラー ディストリビューター フィールド・ エンジニア コンサインメント ストック 工場からの入荷/リペアー 地域での補充 最終目的地への配送 3 つのリージョナル・ロジスティクス・ カスタマー・サービスセンター 特定プログラム 管理 請求書・送り状の 一括発行 サプライチェーンにおける エンドツーエンドの可視性 35 JUNE 2010 ったのは〇四年である。
九六年にUPSはSGIの在庫をルイスヴ ィルに集約する業務を開始した。
現在は月に 二〇〇〇個以上の荷物を出荷している。
これ らの注文のほとんどは二〜四時間以内に出荷 しなければならない。
UPSが現在保管して いるパーツは三万一〇〇〇個である。
特別に 迅速な静脈物流のプロセスも利用可能だ。
ディシジョンワンに対しては在庫計画、七 社ある返品補修ベンダーの管理、中央倉庫 (ルイスビル)の管理などのサービスを提供し ている。
ディシジョンワンの顧客から四時間 以内の場所に一〇〇カ所以上のFSLを持ち、 二四時間年中無休で利用可能である。
また、 自社の店舗やその他のロケーションを活用し て一一〇〇カ所のピックアップ・ポイントを 確保している。
フィールド・エンジニアはリ アルタイムのオーダー処理状況を参照するこ とができる。
キューネ+ナーゲル・リードロジスティ クス・ソリューションズ(KN LLS) ──世界各国に一〇時間以内配送 サービスパーツと静脈物流を行うKN L LSのアフターマーケット・マネジメントは、 世界四五〇カ所でパーツ配送センターを運営 している。
このサービスには届け先までのラ ストワンマイルや、サービス技術者への配送 を含む。
返品に関しては、求めに応じてカー トリッジの回収や廃棄物マネジメントなども行 ●静脈物流──不良品保管、フリー・トレ ード・ゾーン ●小包配送──国内外 HP向けのこうした新しいサービスが始ま クトップ・ワークステーション、サーバー、 ソフトウエア ●ディシジョンワン──ITサービス ●東京エレクトロン──半導体製造装置 ●HP──ハイテク機器 ●スプリント──電話 ●エンブラエル──航空機 ●フィリップス・ヘルスケア──ヘルスケア ●日立グローバルストレージテクノロジーズ─ ─HDD 〇六年、UPSはフィリップス・ヘルスケ ア向けにグローバルな宅配便サービスを開始 した。
中央倉庫をケンタッキー州ルイスビル、 オランダ、シンガポールの三カ所に設置。
こ のほか世界で五〇カ所のFSLを利用してお り、サービス技術者は一〇〇〇カ所のPUD Oを活用している。
フィリップスはこの新しいネットワークによ り二三〇万ユーロの費用を削減し、在庫をト ータルで三〇%削減した。
デリバリーの確実 性も九五%向上した。
HPに対するサービスは以下の通り。
●宅配便/ネクスト・フライト・アウト ●フィールド・ストッキング・ロケーション (FSL)──北米、カナダ ●IT、通過、空輸 ●フルフィルメントサービス──コールセンタ ー/ヘルプデスク 図8 UPS のグローバル・インフラストラクチャー:FSL ネットワーク 世界中に張りめぐらされたフィールド・ストッキング・ロケーション(FSL) FSL の数 211 46 22 65 281 363 988 ピックアップと配達に利用されるタッチポイント ■世界全体の貨物のうち90%(南北アメリカでは96%以上)がUPS の所有する施設での取扱。
■ ■ 欧州・中東・アフリカ地域のPUDO(ピックアップ&ドロップオフ)ポイントが650カ所 ■ UPSストア&MBX(Mail Boxes Etc.)が5900 店 ■ UPSドロップボックスが4 万カ所 ■ 取扱代理店が1 万7000カ所 ■ドライバーが6 万5000 人 ■ 顧客からのピックアップ数が1日180 万件 米国カナダメキシコ南アメリカアジア 太平洋 ネットワーク 合計 欧州・中東 アフリカ “ホールド・フォー・ピックアップ=荷物を取りに来る人向けのカスタマーセンターでの留 め置き”が1300カ所 JUNE 2010 36 シェンカーと顧客の間はEDIとインター ネットをベースとする環境統一され、リアル タイムで情報が更新される。
顧客ごとにそれ ぞれ別のコントロールセンターを設置している。
保管はマルチクライアントが標準だが、在庫 の可視性とイベントのレポーティングは非常に 良好である。
航空宇宙関連の顧客の一つに、航空機用ブ レーキシステム大手のメッサー・ブガッティが ある。
メッサー・ブガッティ向けに、シェン カーは世界の五カ所でパーツを保管している。
シンガポール、シドニー、ドバイにはエアバ クス(後述)と同等のレベルに達している。
ドイツ、南北アメリカ、中国、フランス、 マレーシアの自動車組立産業に幅広く貢献し てきたシェンカーにとり、自動車スペアパー ツ・ロジスティクスへの進出は自然な流れで あった。
顧客にはBMW、ポルシェ、日産 自動車、ダイムラー、フォルクス・ワーゲン、 ボッシュなどが名を連ねる。
産業別では航空宇宙産業のグローバルネッ トワークの分野でもサービスを提供している。
ネットワークの要となっているロケーションは ロンドン、パリ、シンガポール、ドバイ、ソ ウルの各都市である。
顧客にはGE、SIA、 エアバス、メッサー・ブガッティ、エンブラ エル、Revima APU、ロックウェル・コリン ズ等が挙げられる。
スペアパーツ・ロジスティクスに関してシェ ンカーは以下のようにコメントしている。
「三つのことを考慮に入れて欲しい。
空港ハ ブも増やしている。
われわれは世界の二〇カ 所以上でAOG(aircraft on ground=飛行 不可能になった航空機への補修部品の緊急デ リバリー)を行っているが、空港ハブの目標 はAOGと同等レベルに達することが目標だ。
加えてAOGのネットワークを利用し、RM S(返品管理サービス)もオプションで提供 している。
これらはネットワーク主導型で展 開しており、われわれはもともと空港に拠点 があることから、新たなハブをきわめて迅速 に立ち上げることができる」 っている。
この主なセグメントの顧客は医療機器、デ バイス、ハイテク/コンピューター関連企業 などである。
二〇〇六年、放射線治療機器メーカーのト モセラピーは、グローバルなスペアパーツ・ ネットワークのデザインと運営をKN LLS に委託した。
時には世界各地に一〇時間以内 に届けなければならないような緊急事態も発 生する業務だ。
これに対してKNは二四時間年中無休のコ ールセンターと一八の地域倉庫を運営し、ネ クスト・フライト・アウト・サービスも含む グローバルな輸送網を管理している。
KNのトモセラピー向け専従部隊が、年間 一万二〇〇〇件のオーダーを処理している。
コールセンターでは注文を処理するほか、緊 急な要請や変更、荷物の追跡なども行う。
創 業間もない企業でも、このソリューションを 利用することで次々と増えていく必要な設備 を世界中で速やかに利用できるようになる。
DBシェンカー/シェンカー・ロジステ ィクス ──世界各地に空港ハブを設置 シェンカーは自動車、エネルギー、エレク トロニクスの分野で、スペアパーツ・ロジス ティクスの幅広いアプリケーションを提供して いる。
なかでも自動車のスペアパーツ・ロジ スティクスは、CEVAやCatロジスティ 図9 DB シェンカーの空港ハブモデルの概要 インバウンド─アウトバウンドサービス 通常/緊急/ AOG ■ 注文書の状況フォローアップ ■ 迅速なピックアップとデリバリー ■ 通関 ■ 空輸 ■ 輸送チェーンのモニタリング ■ 最新のフィードバック ■ AOG サポートを提供するためのヘルプデスクと積み降ろし ■ 一本化されている窓口 ■ 航空・ロジスティクスの専門家を配置 ■ 24 時間365 日稼働 ■ 独自のITシステムATOL(AOG Tool On-line)による情報管理 レギュラー・ピックアップ 週一便 通常 デイリー・ピックアップ 同日便 緊急 スペシャル・ピックアップ 直近の便 AOG 4〜5 日以内2〜3 日以内24 時間以内 37 JUNE 2010 ばれる品質改善手法が採用されている。
米国オハイオ州コロンバスに、シェンカー は?メガセンター?と呼ぶ施設を持つ。
ここ では顧客向けの消耗品と、フィールド・エン ジニア向けのサービスパーツを供給している。
メガセンターは二万?の延べ床面積を持ち、 二万六〇〇〇のロケーションから円形コンベ アで自動で高速ピッキングを行う、「ピック・ トゥー・ライト」というシステムを採用して いる。
フィールド・エンジニアは通常のサービス に加えて緊急要請にも対応する。
一日約八〇 〇件の注文がある。
急を要するものには緊急 出荷・NFOで対応し、近隣の顧客にはカス タマイズ済みのコピー機を出荷している。
三 〜四ある大きなディーラーには毎日の注文に 応じている。
コロンバスで使用されているWMSはイン フォア社の「Exceed」で、社内外のオペレー ションで利用する数多くのアプリケーションの コントロールセンターとなっている。
Catロジスティクス ──日本にも大型拠点 Catロジスティクスはグローバル・サプ ライチェーンを運営する3PLであり、高付 加価値の保管・配送サービスを特色とする。
主な顧客は自動車・機械工業だが、鉱業、石 油&ガス、宇宙航空防衛、テクノロジー、耐 久消費財などの業界にも進出している。
親会社キャタピラーの一九三三カ所におよ ぶディーラー支店、一四〇七カ所のレンタル 店にサービスを提供している。
在庫には六五 万種類に上るキャタピラー独自のパーツ類が 含まれる。
六大陸二三カ国の拠点から一九一 カ国へサービスを提供し、一〇八の施設で二 〇の言語が使用される。
アメリカ大陸では六 一の施設に従業員六二〇〇人、欧州・アフリ カ・中東には三三施設に四四五〇人、アジア には十二の施設に一二五〇人を擁する。
Catロジスティクスのサービスを具体的 に日本の事例で見ることにしよう。
日本におけるCatロジスティクスの歴史 は、九四年に東京でサン・マイクロシステム ズのコンピューターパーツの扱いを始めた時以 来のものだ。
その後、九六年にはクライスラ ー向けにパーツの配送と完成車受け入れのオ ペレーションを開始した。
現在の顧客は親会 社であるキャタピラー以外に、3PLの顧客 として三菱重工、フォード・オートモーティ ブ、ランドローバーなどがある。
日本での従業員はおよそ三八〇人で、その うち三〇〇人は相模原物流センターに配置さ れている。
提供しているのはゲートウェー・ サービス、パーツ調達、梱包、国内外へのパ ーツ配送などである。
相模原物流センター 五万?の相模原物流センターは、〇七年十 一月にオープンした。
オープニング前、三菱 スの三八〇種類のパーツが保管され、なかで もシンガポールとシドニーでは保管に加えてA OGサービスも行い、二四時間年中無休で稼 働している。
デリバリーの状況は一五分以内 に確認できる。
ボンバルディア向けには成田空港のハブに 四二〇?の倉庫スペースがあり、およそ三〇 〇〇SKUが保管されている。
上海ではシェフラーグループの自動車用部 品を保管しており、二五〇のエンドユーザー とOEMの委託先へ出荷している。
シェンカ ーのWMSとTMSによってKPI(重要業 績評価指標)は良好に管理されている。
世界最大の印刷機器メーカー、ハイデルベ ルグは、米国インディアナ州インディアナポリ スにあるスペアパーツ・ロジスティクス用施 設でシェンカーを起用している。
シェンカーはハイデルベルグの印刷機器の スペアパーツ用に、FTZ(フリー・トレー ド・ゾーン)として認定された倉庫をインデ ィアナポリスに立ち上げた。
三万六〇〇〇S KUを取り扱い、シェンカーのWMSをハイ デルベルグのSAP社のシステムに統合し二 四時間年中無休で稼働している。
また、この 地域ではコピー機を?ホワイトグローブ?サー ビス(開梱・設置まで行う)で配送している。
ここでも他のすべてのシェンカーのオペーシ ョンと同様、カイゼンとリーン方式、シック スシグマをベースに、プロセスを不断に改革 する?永続最適化プログラム(POP)?と呼 JUNE 2010 38 スティクスにあたえられている時間はちょう ど一時間である。
同様に三菱重工のオーダーも七五%が緊急 である。
輸出オーダーは緊急出荷向けには翌 日出荷が求められる。
オペレーションには無 線スキャナーを利用するSAP社のWMSが 採用されている。
センター内の保管場所は、各パーツや製品 それぞれの需要予測に応じて決められている。
動きの鈍い品物は、可能な場合には屋外やあ るいは二階部分に保管する。
全体量のうちお よそ二〇%がそうしたエリアでピッキングさ れる。
残り八〇%は一階でピッキングされる が、なかでも多いのは中央に位置する三層構 造のメザニン(中二階式の棚)からで、全体 の六四%を占める。
一階ではセンター面積の 約一割を占める部分で梱包サービスも行って おり、一〇〇人が従事している。
Catロジスティクスは世界中のキャタピ ラー・ネットワーク向けに、日本でパーツ調 達サービスを行っている。
サービスパーツと製 品は出荷前に標準的な量ごとに梱包する必要 のあるものが多く、主に二つの梱包用ライン で対応している。
三〇%はプラスチック製の 袋に自動で袋詰めされ、残りは人手で処理さ れる。
その後パーツは大きな単位にまとめら れ、国内向けのオープントップコンテナや保 管庫へ収納したり、輸出用に梱包される。
付加価値サービスとしては、比較的大きめ なパーツに対する木枠梱包、市場別・顧客別 の個別ラベリング、製品の防錆処置などがあ る。
なおCatロジスティクスは独自の梱包 用システムを開発し、SAPのWMSにそれ を組み込んでいる。
主な取扱量とサービスレベルは以下の通り である。
●入荷:荷降ろしをするサプライヤーのトラッ クが一日におよそ九〇台。
●出荷:三菱重工とキャタピラー・ジャパン のディーラー向けに出荷するトラックが一日 におよそ五〇台。
●海上コンテナの出荷:世界のCatロジス ティクス・ネットワーク拠点向け(米国イ リノイ州モートン、ベルギーのブリムベルゲ ン、シンガポール)に、四〇フィートコンテ ナが一日七本。
●配送品質:指定場所への定刻配送が九九% 以上。
●特徴:相模原物流センターでは毎日、イリ ノイ州モートンにあるキャタピラー社最大の パーツセンターとほぼ同じ規模の緊急/J IT出荷を処理している。
オーダーが入っ てから出荷トラックに積み込める状態にま でもっていくのには一時間しかかからない。
重工とキャタピラー・ジャパンはそれぞれ九 四八〇?、三万三〇〇〇?のパーツ保管倉 庫を自前で運営していた。
新倉庫への移管は大がかりなプロジェクト であり、フィージビリティスタディは〇四年 に始まった。
〇五年八月、Catロジスティ クスは三菱重工とキャタピラーに対し、効率 的なロジスティクス・オペレーションへの統合 を提案した。
〇六年六月九日、キャタピラーと三菱重工 との間にロジスティクス契約が結ばれて、現 在新センターが建っている場所にあったキャタ ピラーのセンターが取り壊され、新しい建物 の建設が始まった。
相模原物流センターは二階建てだが、三階 部分も増築可能である。
キャタピラー用には およそ三万五〇〇〇?、三菱重工には一万六 〇〇〇?ほどが充てられ、そのうち二万一〇 〇〇?がパーツ/製品の保管場所となってい る。
約三八万SKUのパーツ/製品がいつで も出荷可能な状態で在庫されている。
一日平均三八〇〇品目のパーツ/製品を受 け入れ、十一万個を出荷用に梱包、一万三〇 〇品目を出荷している。
標準的なオーダーについていえば、キャタ ピラー・ジャパンからの国内向けオーダーの およそ八〇%が緊急/JIT条件によるもの である。
オーダーが入ってから、在庫のピッ クアップおよび梱包をして、出荷用トラック への積載準備を完了させるのに、Catロジ ©Copyright 2010 Armstrong&Associates, Inc.
