ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2005年1号
特集
ヤマト運輸の決断 ヤマトモデルに勝算はあるか

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

JANUARY 2005 20郵政の大口割引はダンピングか 二〇〇四年の物流業界で最も大きな話題にな たのが ロ ソンを巡る郵政とヤマトの争いだ た 経済誌記者 ただしヤマトは二〇年前に宅配便をめぐる許認可の問題で運輸省 現・国土交通省 と論争を繰り広げた時には世論を味方につけることに成功したが 今回の郵政との論争では思うようにいかなか た 信書便に参入しないのはヤマトのわがままだ という論調のマスコミも少なくなか たからね 郵政関係者 確かに信書便参入の条件は民間にと て厳しい内容だ たが それでもヤマトは 一〇万本のポストを用意すればいいんですね わかりました 頑張ります とい て参入すればよか たんだ そもそも政治家や役人は信書便に本格参入できる事業者はヤマトしかいないと見ていた 参入条件はヤマトを市場から追い出すためではなく 郵政とヤマトの二社が並存できるようにするために用意されたものだ た しかしヤマトはお上の提案を蹴 てしま た アナリスト その結果 郵政にやりたい放題できる環境を与えてしま た もしヤマトがすんなりと参入していれば 民営化の時期がもう少し早ま ていたかもしれない ヤマトは郵政をさ さと民営化させて その上で郵政と勝負すればよか た 民営化されれば 今のような無茶なこともできなくなるからね ヤマトは完全に戦略を誤 た 一方の郵政公社は現在 露骨な価格攻勢かけている ゆうパ ク の大口荷主向けの単価は二八〇円程度まで落ちてきている その影響で民間が扱 てきた宅配便が郵政に流れ始めているようだ 宅配市場でダンピングは珍しくないと言 ても三〇〇円を切るのはあまりにも行き過ぎではないか 郵政関係者 もともと郵政の料金体系にはフレキシビリテ がない い たん本部が ここまで割り引いてもいいですよ と号令を出してしま たら 現場は突 走る 実際 いま現場はそうな ている 損益なんて完全に無視 とにかく民間から荷物を奪えばいいという発想だ アナリスト そもそも郵政にはダンピングしているという意識もない 大口割引制度の範囲内でや ているわけだから きちんと料金も届け出ているし 原価計算書も添付している 郵政の営業マンは料金表を片手に うちはどこよりも安いですよ とい て歩いている 民間よりも安い料金を提示しているわけだから当然 荷物も集まる 経済誌記者 ヤマトや佐川より安い料金なら荷主が飛びつくのは当然 数年前 日通がペリカン便倍増計画の一環でダンピングを展開したときも 百貨店や量販店からたくさんの荷物が日通に流れた ま たく同じ現象が起こ ている 民間のメ ル便に相当する冊子小包でも常識外れな価格が出ている 大口割引制度を利用すれば 一冊五五円で運んでもらえる アナリスト それも普通の会社であればダンピングだが 郵政にと てはダンピングではない 郵政の場合 インフラがダブついている 固定費がかか ている そのため 安い値段でも個数を増やしたい 個数を増やせば収入が伸びるだけでなく利益も乗 てくるだろうという考え方だろう まさしく ザ・ゴ ル の制約理論の考え方だな つまり変動費は考えない 物流業界関係者 しかし本当に五五円という単価で採算が取れているかどうかは疑問だ そもそも郵政の原価計算やコスト配分がどうな ているのかは外部からヤマトモデルに勝算はあるか物流市場の常識に逆らうヤマトモデルは本当に機能するのか。
郵政公社のヤマト潰しはどこまでのダメージを与えるのか。
市場の実情を熟知するインサイダーたちが、匿名を条件に本音で議論をぶつけた。
出席者郵政関係者、物流業界関係者、アナリスト、経済誌記者司会 本誌編集部物流市場インサイダー覆面座談会第5部 冊子小包の特別割引(年間800万個以上利用した場合) 特別料金  重   量  〜150g  〜250g  〜500g  〜1kg  〜2kg  〜3kg  定   価  180円  210円  290円  340円  450円  590円    県内宛   55円   65円  95円  230円    県外宛   60円   70円  105円  240円 ゆうパックの大口割引率 
浦構个靴療堙抒箘   30% 
卸邊岾箘  33%  34%  35% 
鎧慊蟠漂構亞箘   5% 
苅各程度の余裕承諾割引   5% 
汽蹇璽襯僖譽奪氾差出割引   10% 
桐用実績加算割引  3。
3%  3。
4%  3。
5% 割引適用例(2+4+5+6)  51。
3%  52。
4%  53。
5% 
祇藐帖^幣紂 1万個 以上  2万個 以上 差出個数 条件 ※ 
横 JANUARY 2005特 集   決断 ヤマト運輸の 決断 は分からない 月次決算もしていない 民間企業と比べてどんぶり勘定であることは間違いない 経済誌記者 お客さんが郵便局に冊子小包を持ち込んだ場合 郵政側には横持ち輸送や仕分けのコストが発生する そうした作業を済ませた状態で民間宅配便業者が郵政に冊子小包を持ち込めば その分のコストを割引しますよ というのが大口割引のル ルだ 仕分けされた状態の冊子小包を扱うのであれば ヤマトの場合でもクロネコメイトの一通当たりの配送費は二〇 二五円だから 五五円という料金はあり得る 物流業界関係者 確かに郵政の配達密度を考えれば儲からないわけないか 会社向けの郵便配達など一カ所で何通もあるからね アナリスト ただし郵政のコスト計算にはトリ クがある 冊子小包や封書 ハガキについてそれぞれ配達コストを出しているが それらの数字は必ずしも正しいとは限らない 例えば 何百通を一回で届けられる年賀状と通常時では配達コストは全く違う 年賀状というドル箱を含めて計算すれば平均コストは極端に下がる それを元にして大口向けの割引を設定しているのではないか 発表数字を鵜呑みにはできない 各商品の実際の配達コストは郵政が公表する数字よりも高い?郵政関係者 年賀状を抜いて計算すれば 通常時の配達コストが見えてくる ちなみに元旦の一日だけで毎年 二十数億通が配達される 年間合計の一〇分の一だ そうした特殊事情を除けば通常時のコストは平均の倍くらい掛か ているんじ ないかな 物流業界関係者 郵政と民間事業者の配達コストを単純に比較するのは間違 ている そもそも郵政と民間とでは減価償却の考え方からま たく異なる 例えば タ ミナルに仕分け機などのマテハン機器を導入したとする 民間はこれを七年で償却するル ルにな ている しかし郵政の場合は償却でいくらでもお手盛りができる 民間の規定に合わせて郵政が償却を行 たら 二八〇円や五五円なんて数字は絶対に出てこないはずだ アナリスト 郵政のステ トメントには一応 減価償却費が約八〇〇億円と報告されている しかし それをどうや て計算したのかはよく分からない いずれにせよ総資産に対する固定資産の割合を考えると 郵政の固定資産は民間と比べて圧倒的に大きいことは間違いない 取扱急増で現場は混乱 それでもヤマトのメ ル便は伸びている 今年度も前年比で五〇%程度の伸びを示している 物流関係者 確かにそうだ ヤマトのメ ル便も今や月間一億二〇〇〇万通に上 ている これは郵便を食 ていると考えられる 実際 ゆうパ クや冊子小包は伸びているが 広告郵便や第三種郵便は大幅に落ち込んでいる その結果 通常郵便を含めた郵政の全体の取扱個数は減 てきている ゆうパ ク自体はヤマトや佐川の領域に浸食してきたと考えていいのだろうか アナリスト 郵政が攻め込んでいるのはヤマトの領域ではない ヤマトはロ ソンという取次店を失 たが それでも 宅急便 の取扱個数を伸ばし続けている 佐川もそうだ 郵政の攻勢にあ ているのはヤマトや佐川というよりも 日通や西濃だと考えたほうがいい 実際 取扱個数も落ち込んでいる 物流業界関係者 ま たく同感 コンビニからの出荷量はごくわずか ヤマトの取扱個数にはほとんど影響しない 郵政にやられているのは中堅以下の宅配便業 第一種(手紙)   
僑顕4,633  ▲6。
4  ▲4億6919 第二種(はがき)  41億7,522  ▲4。
5  ▲1億9801 第三種(新聞、雑誌)  4億1,440  ▲20。
0  ▲1億375 第四種(通信教育等)  2,110  ▲14。
9  ▲370 特殊取扱(書留、速達等)  3億0,377  ▲2。
1  ▲650 (配達記録)  1億2,992  4。
2  528 (モーニング10)  208  ▲5。
8  ▲12 通常計  117億6,081  ▲6。
2  ▲7億8115 一般小包  1億1,297  19。
7  1856 (チルドゆうパック)  865  11。
9  92 冊子小包  5億7,186  162。
0  3億5363 小包計  6億8,483  119。
1  3億7219 内国計  124億4,564  ▲3。
2  ▲4億895  平成16年度累計(4月〜10月まで) 郵政公社の引受状況  通 常 小 包 物 数  増減率  増減個数  単位:万通(個)、% JANUARY 2005 22者だ 宅配便市場はヤマト 佐川 郵政による寡占化が進んでいると考えたほうがいい 現在 郵政は値段を下げて宅配貨物を掻き集めているわけだが 急激に取扱量を増やすことで現場に混乱が生じるのではないだろうか アナリスト それはないのでは? 郵政はヤマトを凌駕するネ トワ クを持 ている ある程度個数が増えても対応できるはずだ ネ トワ クにはまだまだ余力がある むしろ いままでが暇すぎたので 荷物が増えてち うどいい ネ トワ クの固定費は一定だから 取扱量を増やして収入を増やせば きちんと利益が残るようになる いまの調子で取扱量が増えていけば 今期や来期の決算ではいい数字が期待できるのではないか ただし このまま行けば固定費は回収できても 変動費が回収できなくなる その結果 下請けにしわ寄せがいきそうだ 物流業界関係者 郵政の現場は既にだいぶ混乱していると私は聞いている 郵政は末端の配送を担当する下請け業者に様々なペナルテ を科すようにな た 汗をかかないでいいとこ取りをする郵政に反発して下請け業者が徐々に離れてい ているようだ その影響で年末の繁忙期に入 てから一部の地域で遅配が発生している 郵政は物量に見合う戦力を確保できていない つい最近まで東京 大阪間で十二 十三万円払 ていたという幹線輸送も今では昔のように おいしい 水準とは言えなくな た しかも聞くところによると郵便逓送や民間物流企業との幹線輸送の契約は 年間でいくらと最初に決めてしまうらしい つまり繁忙期になれば一日何便も走らせなければいけないのに料金は一緒 それを聞いてもともと波動のある仕事なのに随分と無謀な契約をするなあと思 た 経済誌記者 小包だけではなく 第三種郵便などの商品でも遅配が発生しているようだ 当社でも出版物の配送で第三種郵便を利用しているが 十一月に入 て読者のもとに出版物が届くのが通常月に比べ三日程度遅れた しかし本部や支社では末端の状況をほとんど把握できていない 郵政関係者 確かにそこは大きな問題だ 本部と末端の問題もあるが 同じ本部内でも部署が違うと全く情報が共有されない 隣の部が何をしているのか興味がないし やりとりもしない 役人体質と言われても仕方がない 完全な縦割りで同じ会社を経営しているという感覚がない メ ル便市場は拡大するか ヤマトはメ ル便の配達体制を抜本的に見直す計画だ クロネコメイトの数を段階的に減らしていき 最終的には メ ル便ドライバ MD というメ ル便専属の準社員で対応する体制を構築する メ ル便に関して郵政並みのネ トワ クを自前の戦力で整備していくというヤマトの決断をどう評価する?経済誌記者 ヤマトは宅配便のマ ケ トをゼロから作り上げてきた いまや宅急便の取扱個数は一〇億個 宅配便マ ケ トは全体で三〇億個の規模にまで成長した ヤマトにはメ ル便の分野でも同じように新たな市場を創造できるという自信があるようだ 国民一人当たりの郵便通数は米国七〇〇通に対して 日本が二〇〇通 ヤマトではこの差が郵便のサ ビスレベルが低いことに起因していると分析している MDの投入で利便性を高められれば 日本の郵便マ ケ トはさらに拡大するというヤマトの考え方は間違 ていない気がする 物流業界関係者 その発想には賛同できないね 現在 特 集   決断 ヤマト運輸の 決断 
横 JANUARY 2005流通している郵便物の八割はジ ンクメ ル つまり受取人に読まれもしない どうでもいい郵便物なのではないか 皆さんも企業から送られてくるダイレクトメ ルのほとんどは読まずに捨てるでし う? ジ ンクメ ルのような無駄な郵便物はいずれ消えていく 日本の郵便マ ケ トはこれ以上拡大しない むしろ縮小する 結局 ヤマトは郵政の独占市場を切り崩していくしかない アナリスト 郵政並に規模を拡大することには成功しても それが事業として成り立つのかという問題もある 対面サ ビスが必要となる宅配便であれば 教育の行き届いた正社員を投入するという発想も理解できる しかしメ ル便はフリ タ やクロネコメイトのようなパ トタイマ で十分なのではないか 家庭の郵便受けにメ ルを投函する作業にどれだけの付加価値があるのか 正社員や準社員でメ ル便を配達するようになれば当然 パ トタイマ を活用するよりもコスト負担が大きくなる 郵政関係者 郵政の場合はヤマトと逆で これまで付加価値の低い仕事にも職員を張り付けてきたが それを外部やパ トに切り替えることが課題にな ている それも組合の問題があるのでなかなか進まない ヤマトも末端配送を正社員に任せるとなると そのうち組合問題に直面するのではないか アナリスト ヤマトが上場企業として株主から求められていたことは本来 メ ル便市場への参入ではなか たはず 国際という大きな舞台に立 てほしいというのが株主たちの本音だ 米国のUPSやフ デ クス ドイツポストなどのグロ バル物流企業と互角に張り合 てほしいという期待感があ た ところが ヤマトは国内の郵便マ ケ トで宝の山探しを始めてしま た 物流業界関係者 それも国際に比べれば圧倒的にボリ ムは小さい 国際を否定するのはどうか 経済誌記者 しかし 国内マ ケ トは小さくないだろう 郵政だけで二兆円あ て その上で新たな需要を作るとい ているんだから メ ル便のような宛名のあるものではなく 宛名を持たない投げ込みチラシ類まで取り込むところまでいけば かなりの事業規模にはなりそうだ 現在のところ ヤマトには国際インテグレ タ を目指すという発想がま たくないようだ 物流業界関係者 なぜヤマトが国際を捨ててまで郵便のマ ケ トに執着するのか 一言でいえば 宅急便のネ トワ クに構造上の問題があるから ヤマトはネ トワ クの網の目を細かくしてい た結果 より小さな荷物に目を向けざるを得なくな てしま た いまのネ トワ クではロ トの大きい荷物は運べない 重量に対して価格が低い荷物はペイしない アナリスト 実際 航空貨物のフ ワ ダ を買収して国際市場に本格参入するという選択肢もあ た しかしヤマトは日本国内のマ ケ ト一本に絞 ている 先日 ドイツポストと国際メ ル便の分野で提携することを発表したが つけ焼き刃的な感は否めなか た 株価もま たく反応しなか た 郵政関係者 ドイツポストとの提携はむしろ郵政公社に対する嫌がらせという面が強いのではないか あまり実質的な意味があるとは思えない 社内では航空フ ワ ダ の買収も一時検討したが 最終的には見送られたようだ 物流業界関係者 も たいない 資金は豊富なはずなのに 日本で海外と定期的にモノのやりとりをしている会社は二万社程度で そのうちコアにな ているのは一〇〇〇社に過ぎないと言われている そのためフ12億個 
隠芦個 
顕個 
恐個 
寛個 
臆個 
H11年度  H12年度  H13年度  H14年度  H15年度 宅急便 佐川急便 ペリカン便 フクツー宅配便 ゆうパック カンガルー便 その他 宅配取扱個数の推移  JANUARY 2005 24 ワ ダ はその一〇〇〇社にぴ たり人を張り付けて 深く食い込んでいる それを買うのが一番 手 取り早いというわけか アナリスト 確かに対郵政のネ トワ ク整備にカネを掛けるまえに 国際事業をテコ入れするほうが得策だ た 郵政は民営化する しないという政治的な話で数年間ゴタゴタするわけだから その間は黙 ておけばいい 宅配便の取扱個数ではヤマトが一〇億個で郵政が二億個弱 五倍以上の開きがある どんなに郵政が頑張 たところでヤマトに追いつくまでは相当な時間が掛かる ヤマトが意識すべきは郵政ではなくてドイツポストやUPS 彼らの動きを牽制してから 対郵政に軸足を移しても遅くはなか た 経済誌記者 国益という観点からも国際に目を向けてほしか た 日本代表の国際インテグレ タ としてヤマトには活躍してもらいたいという期待があ た 今やそういう時代だろう BtoB向け商品の可能性 ヤマトはロ ルボ クスパレ ト カゴ車 を利用した中ロ ト輸送の新サ ビス ボ クスチ タ 便 を開始した 既存の特積み業者を脅かすサ ビスになるのではないかと注目している アナリスト ヤマトにと て ボ クスチ タ 便 は商品ラインナ プを充実させることが目的であ て 特積みのマ ケ トに本格参入するつもりではないはずだ お客さんのところに集荷に行 た時 サイズの大きい荷物を できません と簡単に断 てしまうより ここまでなら大丈夫です と答えられたほうが印象がいいに決ま ている ヤマト社内での位置付けもその程度なのではないか 宅急便という一つのベルトコンベアを作 て そこにすべての商品を載せていこうというのがヤマトの発想 実際 そのコンベアに載る商品を次々と開発して成功を収めてきた 経済誌記者 ロ ルボ クスをそのまま宅急便のネ トワ クにのせればいいだけだから ヤマトは新サ ビスとはいえ 新たな投資をほとんど必要としないのでは これまでヤマトと他社 特積み を使い分けていた荷主は ある程度のロ トまでヤマトに一括で委託できるようになり とても便利になる 他の特積み業者にと ては少なからず影響がありそうだ 物流業界関係者 数年前 ヤマトは引越事業からの撤退を検討していた 今回の ボ クスチ タ 便 は引越部隊の蘇生という意味合いが強いのではないか 特積みのマ ケ トにと てそれほど大きなインパクトにはならないと思う ヤマトは宅急便を始めたときにロ トの大きい特積み貨物のビジネスから撤退している 今回の ボ クスチ タ 便 はヤマトによる特積み市場への再参入だと本誌は解釈している ヤマトはC 消費者 からB 企業 へ徐々に軸足を移しつつある あそこは宅配便の会社だから とヤマトを競争相手として捉えてこなか た特積み各社にと て 最近のヤマトの動きは脅威にはならないか 経済誌記者 確かに最近のヤマトはBtoB向けのサ ビス拡充に力を注いでいる フ インクレジ ト という信販会社を買収したのもその一環だろう 法人客向けの一連の取り組みをポジテ ブに評価している証券アナリストも少なくない 物流業界関係者 私の見方は少し異なる 最近のヤマトは焦 ているように見える 五年後 一〇年後に自分たちの会社がどうあるべきか ビジ ンがは きりしていないような気がしてならない 宅急便という成功体験から一歩も前に踏み出せていない 手詰まりのヤマトのB 
遙錙。
存け新商品「ボックスチャーター便」。
カゴ車に荷物を積み込んだ後に専用シートを被せて鍵で封印する 25 JANUARY 2005状態だ アナリスト 宅急便に次ぐ経営の柱が育 ていないことにヤマトが焦りを感じているのは確か それこそメ ル便を第二の柱として育てていこうとしているわけだが メ ル便は一冊数十円という世界だから この先一〇 二〇億通を取り扱 たとしても収益に与えるインパクトとしてはそれほど大きくない 特積みのマ ケ トだ て 規模はたかが知れている 決済の部分は大化けする可能性があるが e コレクト で先行している佐川と比べると 出遅れた感がある やはり日本国内だけでなく 国際のマ ケ トにもきちんと目を向けてほしか た それでもヤマトは強い ヤマトの経営も盤石ではない?郵政関係者 そうはい ても宅急便とメ ル便の二本柱で今後五年間くらいはヤマトが優位な状況は続きそう そもそもヤマトに追随できる物流企業が日本国内には存在しない 郵政も小口貨物の分野ではヤマトを脅かす存在にはなれない アナリスト ヤマトの経営が悪くな てい たとしても それは九〇点が八〇点になるだけ 日通や西濃など同業他社に比べると それでも相対的に点数は高い ヤマトが引き続き優等生であることは間違いない 経済誌記者 陸運のドメステ ク 国内 な分野ではヤマトと佐川の二強時代が今後もしばらく続くと思う 特積み全体のパイが縮小傾向にあるのに両社は取扱量を毎年伸ばしている それは宅配便だけでなく特積みのマ ケ トが両社によ て寡占化されつつあることを意味している 海外の実力のある物流企業が日本市場に参入して全国ネ トを構築しない限り 両社の有利な立場は変わらない 怖いのはスキ ンダルくらいかな そのくらい両社はすでに市場で圧倒的なシ アを握 ている 両社の存在を脅かすとしたら外資?アナリスト 資金力のある外資が特積み会社を狙 ているのは確かだ ただし彼らはもう少し様子見を続けると思う 日本経済は再び景気後退の局面に入 た ようやく業績が回復してきた特積み各社はその影響でしばらくすると再び経営が苦しくな てくる そのタイミングまで待 て買い叩こうというのが外資の戦略のようだ 経済誌記者 オリ クス傘下にあるフ トワ クが九州産交運輸をグル プ内に組み込むなど企業買収を加速させている フ トワ クはいずれ東日本の特積み会社も手に入れ全国ネ トを完成させるだろう オリ クスがそのタイミングで外資にフ トワ クを売却する可能性もある 外資からしてみれば 有力な特積み会社を一社ずつ買収していき 全国ネ トを整備していくよりもそのほうが手 取り早い ヤマトが外資に買収される可能性は?アナリスト ないわけではない ある米国投資会社のヤマトの持ち株比率が一〇%を超えた 買収工作が始まるとしたら ここが突破口となるだろう ITバブルの頃 ヤマトの株価は四〇〇〇円台を超えていたが 現在では一四〇〇円台まで下落している 買いやすい状態にな ている ヤマトを狙 ている有力外資は少なくない 物流業界関係者 数年前までヤマトが買収されたらなどという話は笑い話にもならなか た しかし今は違う 少し長いスパンで現在の物流市場を見れば やはり国際が一つのカギにな ていくように思う その時にヤマトの現在の決断がどういう意味を持 てくるのかを考える必要がある 特 集   決断 ヤマト運輸の 決断 ヤマト運輸の株価――1500円前後で低迷している

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