ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2010年9号
メディア批評
木村剛をコメンテーターに起用した「報ステ」逮捕にも古舘伊知郎はまったく反省の色なし

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

佐高 信 経済評論家 SEPTEMBER 2010  84  八月一○日付の『日刊ゲンダイ』が、「報 道ステーション」の古舘伊知郎がクビになる のではないかと報じている。
 
贈丕蓮癖送倫理・番組向上機構)の放 送人権委員会から「被害者や遺族への配慮に 欠け、放送倫理上、問題がある」として何度 目かの指摘を受けたためだが、それ以上に知 ったかぶりが鼻につき、「自分の発言が視聴 者の意見を代弁していると思い込んで勘違い している」古館には「早々にお引き取りいた だいた方がいいのではないか」というのである。
 私は大体、テレビ朝日のこの番組を見てい ない。
創価学会タレントの久本雅美を見たく ないので、チャンネルをかえるか、スイッチ を切るのと同じように、妙に深刻ぶった古館 の顔も私の視野から追放している。
前任の「ニ ュースステーション」の久米宏とは、まさに 雲泥の差がある。
 古館の不見識、というより無見識は、竹中 平蔵の弟分で、ようやく捕まった日本振興銀 行の元会長、木村剛を同番組のコメンテータ ーとして登場させていたことでも明らかだろう。
そう言えば、竹中もしょっちゅう出ていた。
 私はすでに二年ほど前に、「報道ステーショ ン」の?狂気?は頂点に達した、と書いたこ とがある。
木村を出演させたからだ。
 小泉純一郎と竹中平蔵の規制緩和ならぬ安 全緩和、民営化ならぬ会社化の「構造改革」 とやらに乗って踊り出た三人組がいた。
NH KならぬM ・ HKと呼ばれたが、村上世彰、堀 江貴文、そして木村剛のトリオである。
その後、 堀江と村上は捕まったが、ただ一人、木村だ けはそれを免れていた。
木村が竹中チームの 一員で小泉とも近いからだった。
 たとえば、『朝日新聞』は二〇〇六年一月 一日付の社会面トップで、その疑惑を大きく 報じている。
まず、タテ見出しで、「木村剛 氏が会長 日本振興銀融資」、ヨコ見出しで 「親族会長に一億七〇〇〇万円」。
記事は十二 段に及び、その面のほぼ半分を占めるが、「報 道ステーション」はここで報じられた木村の 疑惑を知っていて登場させたのか。
 いずれにせよ、木村逮捕の時にこのことに 触れなければならないはずだが、古館は蛙の 顔に小便という感じで、シャアシャアとして いる。
 ちなみに、前掲記事のリードはこうである。
 「竹中平蔵総務相の金融ブレーンだった木 村剛氏(四三)が会長を務める『日本振興銀 行』(本店・東京)が〇五年三月、木村会長 の親族会社に約一億七〇〇〇万円を融資して いたことがわかった。
この融資では担保価値 が低いとされる非上場の振興銀株が担保にさ れたが、振興銀は融資直前、設立時から担保 として認めてこなかった非上場株の中で、自 行株だけ認めるよう社内規則を変更していた。
金融庁は〇五年十一月から振興銀に初めて検 査に入っており、木村会長の親族会社への融 資に注目して実態解明を進めている」  そして記事は「日銀OBの木村会長は、竹 中氏が金融相当時の〇二年に発足させた金融 政策チームの主要メンバー。
その後、新銀行 として〇四年四月に開業した振興銀の経営に 参画した」と始まる。
「問題の融資を受けた のは、講演会開催や出版物販売などを行う都 内の会社」とあるが、木村が全株を保有して 始めた会社で一億七〇〇〇万円の融資を受け た時の代表取締役は木村の妻だった。
明らかに、 いわゆるトンネル会社である。
 「金融庁検査、実態解明へ」という見出し もあるが、検査する側と受ける側が同じ「竹 中チーム」なのだから、徹底的にそれが行わ れるはずもなく、木村疑惑は、政権が交代し、 金融相に反竹中の亀井静香が就任するまで解 明されるはずもなかった。
 『朝日』の疑惑報道からは三年半かかって の逮捕である。
新聞等の活字では、かつての 報道をたどることもできるが、古館のデタラ メな訳知り顔はなかなかくつがえせない。
木村剛をコメンテーターに起用した「報ステ」 逮捕にも古舘伊知郎はまったく反省の色なし

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