ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2010年11号
NEWS
欧米編

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

NOVEMBER 2010  52 2010年9月発表分 クウェート・アジリティ  米軍関連の法廷闘争で新展開か ■同社プレスリリース  �
后Γ欧覆�  アジリティの米国法人がイラク駐 屯米軍への水増し請求で起訴されて いるジョージア州アトランタにおい て、同市の判事の一人が、アジリテ ィへの訴訟は取り下げるべきだとい う声明を発表した。
同判事は米当局 の法律の運用方法は不適切として訴 訟に反対しており、高等裁判所にお いて訴訟を継続するかどうかが審議 される。
 しかし、米国内の報道によると、法 務省は米国法人に対する訴訟を取り 下げ、クウェート本社に対する訴訟 に切り替えて全面的に争う構えだと いう。
 今回の一連の動きによって、訴訟 そのものが終わるとは考えられてお らず、法務省の担当者は通信社の取 材に対し「アジリティへの調査は継 続して行われている」と語っている。
訴訟が今後、どのような方向に向か って進展するのかについては予断を 許さない。
フォワーダーのカルテル疑惑 欧米五社が罰金五〇〇〇万ドル ■トランスポート・インテリジェンス �
后Γ瓦覆�  大手フォワーダー五社は八月三〇 日、米国向け海上・航空貨物の燃料 サーチャージに関するカルテルを認 め、罰金を支払うことで米法務省と 合意した。
罰金額は計五〇二九万ド ル(四一億七四〇七万円)に上る。
 各社の罰金額はキューネ+ナーゲ ルが九九〇万ドル、パナルピナが一 二〇〇万ドル、CEVAロジスティ クスの子会社、EGLが四五〇万ド ル、ジオロジスティックス(現アジリ ティ)が六九万ドル、シェンカーが三 五〇万ドル、BAXグローバル(現 シェンカー)が一九七〇万ドル。
五 社はいずれも二〇〇二年から〇七年 にかけ、米国の独占禁止法にあたる シャーマン法に違反したことを認め ている。
罰金と引き換えに、訴追を 免れることになる。
蘭CEVAロジスティクス イタリアでホンダと契約更新 ■同社プレスリリース �
后Γ�  オランダの3PL企業であるCE VAロジスティクスは、イタリアでホ ンダの子会社であるホンダ・ロジステ ィクス・ヨーロッパとの物流業務受 託契約を三年間延長する。
受託額は、 三年間の合計で六七〇万ユーロ(七 億七〇五〇万円)となる見込み。
 �
達釘孱舛魯ぅ織螢�馥皸豸沺察� カ所のディーラー向けの補修部品す べてを管理する。
加えて、今回の契 約更新により、芝刈り機や船舶の船 外機などの汎用製品の取り扱いを開 始。
ベルギーとイタリア北部のベロー ナにあるホンダのロジスティクス・ハ ブから出荷される完成品をイタリア 国内に配送する。
 �
達釘孱舛篭紂伺�絽緘召�薀曠� ダの業務を請け負っている。
TNTが中国の陸送網を拡充 今後数年で一・七億ユーロ投資 ■同社プレスリリース �
后Γ�  �
圍裡圓郎8綽��屬念豌�掘察� 〇万ユーロ(一九五億五〇〇〇万円) を投じ、中国国内のトラック輸送の ネットワークを拡充する。
中国国内 の宅配事業の競争力を向上し、取り 扱いの拡大を狙う。
 中国では現地法人の「TNT華宇 (TNT Hoau)」がトラック輸送を担っ ている。
同社は現在、中国の大都市 を中心に二六都市をカバーし、約八 〇〇カ所にデポを持つ。
沿岸部での オンタイム配送率は九九%を維持し ており、二〇一〇年上期は配達日指 定商品の売上高が、〇九年通年の実 績を上回る勢いで伸びているという。
 また、TNT華宇はLTL(Less Than Truckload:日本の特別積み合 わせ貨物輸送に相当)サービスも行 っており、五七カ所のハブと約一五 〇〇カ所のデポからなるネットワーク によって中国の六〇〇都市をカバー している。
英ウィンカントン アディダスとの契約を更新 ■同社プレスリリース  �
后Γ�  英国の大手3PL企業であるウィ ンカントンは、スポーツ用品大手のア ディダスとの契約を更新した。
契約 期間は三年間。
ウィンカントンは英 中部のリバプール近郊に置くセンター で、輸送業務全体の計画を策定・実 行する。
配送にはアディダスの自社 車両とウィンカントンの車両を使用 する。
 ウィンカントンは、リバプール港に 陸揚げされたコンテナ貨物を受け取 り、そのうち二〇%を直接小売りの 物流センターに納入する。
加えて、ベ ネルクス三国向けの貨物輸送の管理 も行う。
スイス郵便 英国でネット通販の返品業務 ■同局プレスリリース �
后Γ�  スイス郵便の英国法人は、欧州域 内のインターネット通販業者を対象 にした返品サービスを開始する。
ネ ット通販の利用者が、欧州一八カ国 から小型郵便物での返品を無料で行 53  NOVEMBER 2010 換算レート:1米ドル=83円、1ポンド= 132円、1ユーロ=115円 えるというもの。
 郵便料金はネット通販企業が負担 するが、利用者は無料で返品・交換 が可能なため、購買意欲が高まると している。
スイス郵便を利用する通 販業者は発送の際に重さ二キロまで の商品に返品用のラベルを封入する か、利用者がネットからラベルをダウ ンロードするよう設定できる。
 英国の郵便市場は海外の事業者に も開放されており、新サービスの開 発によって競争が活発になっている。
英ロイヤルメール 政府が民営化法案提出へ ■BBCニュース �
后� 11 など  英国のビンス・ケーブル民間企業 相(日本の経産相に相当)は、今秋 の議会に英国郵便(ロイヤルメール) の民営化法案を提出する方針を明ら かにした。
ロイヤルメールを分社化 し、民間資本を投入可能にする考え だ。
また、この直後に発表されたロ イヤルメールに関する特別報告書に は、ロイヤルメールが瓦解するのを防 ぐには「緊急の措置が必要」とある。
 ケーブル大臣によると、ロイヤルメ ールには経営にとって致命傷となり 得る課題が複数ある。
同大臣は、 ■年金基金の損失が、二〇〇八年の 二九億ポンド(三八二八億円)か ら一〇年は八〇億ポンドに達した ■一日の郵便物の取扱個数が〇五年 の八四〇〇万通から一〇年は七一 〇〇万通に減少した ■主力の封書部門の損失額が、〇九 年の二億ポンドから一〇年は三億 三三〇〇万ポンドに拡大した ■国際郵便の取扱量が、今後五年間 で二五〜四〇%減少すると見込ま れている などの点を挙げ、現状のままではロ イヤルメールが崩壊するとした。
 英国ではこれまで何度もロイヤル メールの分社化・民営化について議 論されてきたが、左派陣営や労働組 合、国民感情への配慮から一進一退 を繰り返してきた。
しかし経営悪化 を受けた今回の法案提出で、分社化・ 民営化が一気に動き出す可能性が高 くなってきた。
 英政府は景気の動向や市場の反応 を見極める考えで、民営化の具体的 なタイムテーブルやプロセスを明らか にしていない。
株式の一部を従業員 が保有する形態をとる選択肢も残さ れているという。
UPSが海上小口貨物の新商品 日本発米国向け輸送時間を短縮 ■同社プレスリリース �
后� 15  �
妝丕咾脇鐱榿�胴餮�隠味達� ( Less than Container Load:コン テナ一本に満たない混載貨物)輸送 で、ドア・ツー・ドアの輸送時間を 二〇%短縮する新サービス「プリフ ァード・LCL・オーシャン・フレイ ト」を発売する。
 米国西海岸の港に陸揚げされた貨 物を航空輸送することで、日本から 全米各地に十一〜一八日で配達す る。
東海岸向けの場合、輸送時間は 従来に比べ五〜六日短くなるという。
また、到着日指定も可能とする。
ドイツ・ダクサ デンマークに大型物流センター ■同社プレスリリース  �
后� 18   ド イ ツ の 3PL企 業 で あ る ダ ク サ は、デンマークのコペンハーゲンに七 万平方メートルの物流センターを開設 した。
投資額は二〇〇〇万ユーロ(二 三億円)。
同社がドイツを中心に持つ ネットワークと接続し、デンマーク国 内だけでなくスカンジナビア半島諸国 の荷主に対するサービスを向上する。
 新センターはデンマークの幹線道 路の一つである「E20」に隣接し ており、コペンハーゲンの中心部まで 一〇キロ強の地点に立地する。
内部 には四一〇〇平方メートルの仕分け スペースを設け、四一基のトラックバ ースを整備した。
事務所のスペース は三〇〇〇平方メートル、従業員数 は約一〇〇人。
 なお、同社は一〇日、オランダの ロッテルダム港に海上・航空貨物を 取り扱う事務所も開設している。
同 社は未上場ながら、直近の売上高は 約三二億ユーロに上り、従業員数は 計一万七〇〇〇人となっている。
YRCワールドワイド チームスターズと年金問題で合意 ■同社プレスリリース �
后� 24  経営再建中の米トラック輸送大手、 YRCワールドワイドは、チームスタ ーズ(全米トラック運転手組合)と 年金問題について暫定合意に達した。
 同社は経営状況の悪化を受けて、こ れまで年金基金への拠出金を一時凍 結してきたが、経営再建が軌道に乗 ったとして拠出を再開するとみられ ている。
併せて、長期的な成長戦略 も策定し、一〇月中旬にも具体的な 内容について合意する見通し。
 同社はまた、ウィリアム・ゾラス 会長兼社長兼CEO(最高経営責 任者)の辞任も発表した。
現在策定 中の経営再建計画がまとまり、後任 のCEOが見つかり次第、引退する。
同氏は九〇年代、大手3PLのライ ダー・システムの上級副社長からY RC(当時はイエロー・フレイトウェ イズ)のCEOに転じ、一〇年以上 にわたりトップを務めてきた。

購読案内広告案内