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MAY 2011 38
日本船の荷降ろしを拒否
三月二七日、商船三井のコンテナ船「MOL
Presence」は、中国・廈門港での荷降ろしを現地
の出入国検査検疫局から事実上拒否され、日本に
引き返した。
同船は日本からの輸出貨物を積んで二二日に厦
門港に入港、厦門の出入国検査検疫局から船体や
コンテナ表面の放射線量の検査を受けた。 同局は検
査で異常が見つかったとして、二六日に再計測を
実施。 結果について「最大で一時間当たり三・五
マイクロシーベルトの放射線量が認められた。 入港
には船を洗浄し放射線量を下げることが必要」と
同船に通知した。
中国側のいう数値はあまりにも高すぎるものだ
った。 ある船会社の関係者は「『MOL Presence』
の日本での寄港地は東京港だけ。 しかも港に停泊
していた時間は一日足らずなので、あの数値はい
くら何でもおかしい。 計測器の故障か、何か思惑
があって後付けで出した数値ではないか」と疑問
を呈する。
事実、その後、日本の専門機関が神戸港沖で行
った検査で検出された放射線はごく微量なもので、
同船は八日、香港の検査をパスして入港を許可さ
れている。 しかし、廈門では第三者機関による検
査が認められていなかったことから、日本に引き
返すほかなかった。
福島第一原発の事故以降、海外の主要国は港湾・
空港で日本からの船舶や航空機、貨物に対する放
射線検査を強化している。 日本国内でも、外国船
社・航空会社のおよそ一〇社が成田空港や横浜港
で輸出貨物の検査を開始した。
特に欧州と米国は神経を尖らせており、東京港
や横浜港では三月中、欧米系船社を中心にコンテ
ナ船の寄港を取りやめる「抜港」が相次いだ。 中
でもドイツのハパックロイドは、約二週間にわたっ
て東京港と横浜港、名古屋港の抜港を続けている。
国土交通省港湾局によると、京浜港では三月十
四日〜四月三日の間、北米、欧州、中国航路のコ
ンテナ船計二七隻が寄港を取りやめた。 このうち
一七隻は船主や船会社本社の指示で、乗組員の安
全性の確保などを理由に寄港をキャンセルしたもよ
うだ。
外国航空会社についても同様だ。 旅客便では減
便や運休のほか、成田〜欧米間の直行便を韓国の
仁川や香港経由に切り替える動きが相次いだ。 独
貨物航空会社のルフトハンザ・カーゴは成田発着便
を関西空港に振り替えた。
航空業界に詳しいキノシタ・エビエーション・コ
ンサルタンツの木下達雄代表は「大震災の発生後、
日本発着の輸送需要は減少している。 航空会社は
経由地でも旅客、貨物を搭載して穴埋めをしたい
と考えるはず。 成田や羽田の放射線量が危険な水
準になれば、即座に便を経由地で止め、日本への
運航を打ち切ることができるのも大きい」と解説
する。
四月に入って船会社や航空会社の運航は正常化
しつつある。 しかし、放射能汚染に対する不安は
一向に収束する気配がない。 日本の土地と日本産
の食品ばかりか工業製品にまで風評被害が拡大し
ている。
工業製品の輸出企業には、海外の取引先から安
全性に対する問い合わせが相次いでいるという。 放
射能に汚染されていないという「証明」を求めら
放射能汚染の風評被害が世界に広がっている。 輸出
企業には海外の取引先から安全性に対する問い合わせ
が相次いでおり、各国は日本からの船舶・航空機や貨
物に対する放射線検査を強化している。 工業製品につ
いては放射線量の統一的な安全基準がないため、荷主
も物流業者も不安を募らせている。 (梶原幸絵)
国際輸送──放射能汚染風評被害の波紋
第2部 これから物流に何が起きるのか
特 集 3・11どうなる物流
39 MAY 2011
施し、放射線量の証明書も発行する。 「政府が輸出
前の検査に乗り出せば、混乱も収まるのではない
か」(中堅フォワーダー)と期待がかかる。
一方、欧州委員会は四月一五日、日本からの船
舶とコンテナなどの貨物について、放射能汚染の基
準値を〇・三マイクロシーベルト/時に設定し、E
Uの加盟各国に日本から来るすべての船舶に対し
て検査を行うよう要請したと発表した。
原発事故以降に日本港湾を出港して欧州に到着
する最初のコンテナ船は、四月一四日に欧州の玄関
港のロッテルダム港に入港する予定となっていた。
ドイツやオランダなどの空港では、三月の段階から
基準値が明確にされないまま検査が行われていた
が、海上輸送される貨物の物量は航空輸送に比べ
てケタ違いに多い。 欧州側が日本からの海上貨物
に注目し、船舶の致着に備えて準備を進めていた
様子がうかがえる。
船舶検査の対象となった第一船からは基準値を
超える放射線量は検出されず、同船は四月一四日、
予定通りにロッテルダムへの入港を許可されている。
ロッテルダム港湾局は、第一船に加えて四月一八
日までに入港する予定の三隻を合わせた計四隻の
検査を実施する。 それで異常がなければ、検査対
象を全船舶ではなくランダムに変更するなど状況に
応じて柔軟に対応する方針を示している。
大手フォワーダーの関係者は「欧米での検査はあ
くまでも放射能汚染の予防的な措置として、念に
は念を入れるということで実施されているようだ。
意外に冷静なのかもしれない」と語る。
しかし、今後については予断を許さない。 欧州
での船舶に対する検査結果と日本政府の原発事故へ
の対応、情報公開に注目しておく必要がある。
今後たとえ基準値が設定されたとしても、すべて
の輸出製品の放射線量をロットごとに測定して証
明書を添付するのは事実上難しい。
港湾・空港での検査では、運用のバラツキも大
きいようだ。 「検査のやり方は国ごと、港湾・空港
ごと、さらに中国などでは日ごとでも違う。 検査
のない日すらある。 今のところ、検査によって輸
送が遅れても概ね数時間程度で支障は少ないとい
う印象だが、時間を読むことができず、対応には
非常に苦慮している」(大手フォワーダー)。
船社関係者などによると、検査対象は船舶と航
空機、コンテナの表面が中心になっているようだ
が、貨物の抜き取り検査もあるという。
日本機械輸出組合の橋本弘二部会・貿易業務グ
ループリーダーは「工業製品の放射能汚染が疑わ
れるのはおそらく初めてのこと。 事前に定められ
た規則や手順に基づいて検査しているわけではな
いと思う。 だから日本からの工業製品がどのよう
な扱いになっているのか、検査の実態が正確にわ
からず、輸出企業はとまどっているようだ」と語
る。
EUが日本からの船舶に検査を要請
国際民間航空機関(ICAO)や国際海事機関
(IMO)といった国連の専門機関は各国に冷静な
対応を呼びかけているが、今のところ事態は好転
しそうにない。 貿易業界関係者は「悪くすれば、
日本の輸出に大きな支障が出かねない」と不安を
吐露する。
これを受けて大畠章宏国交相は四月八日、月内
にも京浜港で輸出コンテナの放射線検査を始める
考えを示した。 基準値や測定方法を定めた上で実
れることも多い。 中国で生産された日系メーカー
の製品が、日本製の部材は使用されていなかった
のにもかかわらず、輸出先で引き取りを拒否され
たこともあったという。
日本で貨物などの放射線量を測定し、証明書を
発行している検査機関には輸出企業からの問い合
わせや検査依頼が現在殺到している。 日本海事検
定協会によると、同協会への問い合わせは既に一
〇〇〇件を超えたという。
また、各地の商工会議所では「サイン証明」の
依頼が増加している。 サイン証明とは、書類発行
者が書類上に自署した署名が、商工会議所に登録
されているものと同一であることを証明するもの
で、通常は食品の衛生証明などに使用される。
原発事故以前は放射線量に関する書類にサイン
証明を求めるケースはゼロといってよかった。 とこ
ろが原発事故以降急増し、四月七日までの間に全
国の主要商工会議所には計四八七件の依頼があっ
た。 そのうち五割が工業製品に関するものだった。
フォワーダーへの検査依頼も増えている。 航空フ
ォワーディング大手の阪急阪神エクスプレスと西日
本鉄道は、荷主の要望に応じて貨物の放射線量を
計測するサービスを開始した。 今後、他のフォワー
ダーにも同様のサービスが広がりそうだ。
しかし食品と違って工業製品には、放射線量に
ついての統一的な安全基準がない。 四月一五日時
点では、主要国の港湾・空港で実施されている検
査でも、一部を除いて基準値は正式に公表されて
ない。
現状では検査機関が発行する証明書も、商工会
議所のサイン証明も放射線量という「事実」を証
明するものに留まり、「安全証明」にはならない。
MAY 2011 40
●日本からの6 万の貨物のうち(大半は航空貨物)、36の貨物
についてアラームが出たが、いずれも人体に影響の出るもので
はなかった(3/26)
●テキサス州の日系物流企業によると、
■航空輸送:検査官が航空機と貨物に測定器をさっと当てるの
みで、これまでのところ特に影響なし。 ただし、アトランタ、ニュー
ヨークでは、一部で通常よりも4〜6時間の遅れがあった(4/6)
■海上輸送:米国沿岸警備隊が米国に接岸する前に船に乗り込
み、歩きながら外装をさっと測定したとは聞くが、ほとんど影響は
出ていない。 テキサス州のヒューストン港、ブランウンズビル港
のCBPに確認したところ、「normal process(通常通り)」との
回答があった。 コンテナ船に関し、引き取りに遅れが発生した
事例はこれまで当社が扱う範囲ではないが、出発地側で一部船
会社がコンテナごとに放射線検査をしているとは聞いている(同)
●米国税関国境警備局(CBP)の担当官が航空機側/船
側まで出向き簡単な一次検査を実施。 一次検査におい
て一定以上の放射線量を検知した場合、詳細な二次検
査を行う( その他の点については、他国からの物資と同
様に従来通りの放射線検査を実施)
●CBPは二次検査となる貨物の閾値を明確にはしていな
いが、米国沿岸警備隊は4,500μremと話していた
(3/26)
米国日本からの
輸入貨物
●連邦財務省は、税関により貨物・荷物の表面のランダムなサ
ンプル調査(全品目が対象)が行われていることを認めた。 た
だしドイツへの輸入に際して特別な放射能保護策を講ずるべき
理由はないとしている。 (3/18)
●連邦政府は3月31日、「日本からの船の到着に備え州政府(船
の検査を担当)は準備を進めている。 以前から(テロ対策とし
て)船の積荷の放射線検査は実施されている。 3月中旬以降、
航空貨物、郵送物は表面汚染の検査をほぼすべて実施して
いる」と発表
●連邦環境・自然保護・原子力安全省と放射線保護委員会は
4月8日、東日本大震災後に日本を出港した船舶が4月中旬
にドイツに到着することを背景に、日本からドイツに到着する船
舶、貨物の税関・港湾の担当官庁における放射線検査では、
船舶・貨物の表面・梱包外側の放射線上限値を1 平方セン
チメートル当たり4ベクレルとするよう勧告
●東京・横浜港発の船舶および福島県沖を航行した船舶
に送付する、事前申告アンケートの項目が増えている(日
本港湾で海水が入ったか、検査または対策を受けたか
等)。 船舶は入港24 時間前までに事前申告を行う。 疑
義がある場合、入港前に水上警察が船上で検査する
●船舶の測定結果が0.2μSv/hを上回った場合には、そ
の旨をターミナル管理者と船舶所有者に通知し、詳細
な二次検査を行う(4/12)
テレビ報道によると、税関がランダムに放射能チェックを
始めた。 ULD自体に行われているのか、個々の貨物が
対象なのかは不明(4/12)
食品以外の物品に関しても、輸入時に検査を課す確率を
上げる可能性がある(4/12)
ドイツ
デュッセル
ドルフ空港
日本から到着
する船舶
●航空会社が実施した検査で陽性の結果は報告されていない
(4/14)
●数日中に日本における状況に変化がなければ、管轄官庁によ
る航空貨物の検査実施の可能性あり(同)
●海上貨物の検査は航空会社の検査にならい、探知式の措置
を検討中(同)
●原子力安全当局は企業に対し、日本から製品を輸入する際の受
領時の放射線検査に関するテクニカル実施要項を送付
●政府が航空会社に放射能モニターを指示。 航空会社
はパレットまたはコンテナ単位で日本からの出発前に表
面放射線検査を実施する。 出発前検査ができなければ
フランスで検査する
●製品ごとの検査結果は求められていない(4/12)
●第三国を経由して入る便については対象外(同)
●エールフランスは日本、JALとANAはフランスで検査を
実施(同)
日本からの
航空輸入貨物
日本からの
航空輸入貨物
英国 成田空港から 政府の指示により、ランダムに放射線検査を実施(4/12)
到着した貨物
●食料・飼料以外の日本からの輸入品に対する検査について
特段の動き、基準値の設定等は報告されていない(3/21)
●欧州委員会は4月15日、加盟各国に対して日本からEUに
入港するすべての船舶に対し、検査を行うよう要請したと発表。
船舶やコンテナの検査基準値を通常の放射線量である0.1μ
Sv/hに0.2μSv/hを加えた値とする指針を示し、基準値を超
えた場合は除染などの措置をとるよう各国に求めている
欧州委員会
フランス
●沿岸警備隊が、福島第一原子力発電所の50マイル(約
80キロメートル)域内を航行しないよう船舶に勧告
●同エリアを航行した船舶は、米国港到着96 時間前まで
に、エリア内を航行した日と航行時間を到着予定港の
沿岸警備隊に通知する。 入港前に沿岸警備隊がCBP
の検査とは別に放射線検査を実施
船舶
同上
ハンブルク港
フランクフルト
空港
●労働組合と港湾安全基金が、日本からのコンテナに放射能汚染
の可能性があるとして、港湾労働者に対し注意を促した(3/21)
●4月14日に検査開始。 検査対象となった第一船の日本からの
積み荷は電子機器など。 途中寄港した英国のフェリクストウ港
で英国とオランダが共同で実施した検査でも異常が見つからな
かったため、同船はロッテルダム港への入港を許可された。 入
港後は貨物に対する検査が行われている
●港湾局は、4月18日までに入港する最初の4 隻で異常がなけ
れば検査の実施対象をランダムにするなど、状況に応じて対
応を変更する方針(4/14)
入港前に海上で検査
●日本での積み込み時にすべての貨物を対象に検査を実施●航空会社によると、積み込み時点で放射線が検出され
た場合は積み込みされないことを前提としているため、ス
キポール空港で放射線チェックを行う予定はない(4/12)
オランダ
日本から到着
する船舶等
日本からの
航空輸入貨物
スキポール
空港
ロッテルダム港
●鉄鋼製品の放射線レベルに関して安全であることを示すレ
ター、証明書を求める動きがドイツ、ベルギーのバイヤーから出
始めている(4/7)
●放射線被災地域とは全く関係のないエリアで船積みした自動車
が、4月中旬にアントワープ港に入港予定。 港湾労働者は車
に乗り込んで陸揚げするのを拒んでいる。 同様の動きはベル
ギーの他港でも起こっている様子(同)
●複数の日系物流業者に当局から放射線チェックをしたいという
連絡あり。 対象は日本発のすべての貨物のもよう(4/12)
アントワープ入港前に寄港した10 港に日本港湾などが含
まれている場合、港湾当局が乗船の上、放射線量を測定。
異常値が検出されれば連邦原子力管理庁(FANC)が追
加的対応を行う
空港公団の判断で滑走路上で放射線チェックを開始した
ほか、上屋内での抜き取り放射線検査を実施中
ベルギー
オーストリア
日本から到着
する船舶
イタリア 日本からの輸入品
東京発直行便
サンプル検査を実施
国・地域等 対象 基準・実施内容等 その他
アントワープ港
ウィーン
空港
現在まで異常値は出ていない(4/12)
■経済産業省、ジェトロ、日本機械輸出組合、阪急阪神エクスプレスのホー
ムページへの4月15日時点の掲載情報および各種発表資料・報道より
作成。 一部、未確認情報を含む
■必要と思われるものには、各情報の判明した日付をカッコ内に付記したμSv/h:マイクロシーベルト/ 時間、μrem:マイクロレム
鉱工業製品に対する海外での放射線検査の実施状況一覧
特 集 3・11どうなる物流
41 MAY 2011
その他
国・地域等
ウクライナ
●既存法令で輸入品に対する放射線検査を義務付け
●3月29日、輸入貨物に対する放射線スクリーニングを
強化
輸入品( 特に日本の
原発により放射線の
蓄積が見込まれる地
域からの輸入品)
日本から輸入される、
機械類、電気類、
電子類、化学工業
類、電子情報通信
機器類等658 品目
被災地周辺の13カ所の湾
岸(宮城県仙台新港等)か
らの全ての輸入コンテナ
日本からの船舶・航
空機や輸入貨物(詳
細不明)
●航空貨物は放射線量表面検査、海上貨物は東京や
横浜など比較的福島原発に近い港から出港したものを
中心に、放射線量サンプル表面検査を実施
●化粧品などの衛生商品についてはサンプルを抽出し詳
細検査を実施(4/7)
●サンプル検査を実施。 ただしコンテナに異常が検知され
ない限り、開梱することはないとしている(3/26)
●基準等は原子力委員会が以下の通り設定
■放射線管理暫定基準を0.2μSv/hと設定。 ただし、天
然放射性物質による放射量はこの制限に入らない
■測定結果が0.2μSv/hを超えた場合には、その所有者
は除染を行うか、その物品を直接送り返すかの措置を
取らなければならない
●税関職員が放射線探知機でコンテナの外側を検査する
●0.2μSv/hを超える放射線量を検知した場合、輸入者
に対し除染もしくはコンテナの積み戻しを行うよう通知
日本の6カ所の国際空
港(成田、羽田、関西、
中部、花巻、仙台)から
到着した航空貨物用コ
ンテナ、国際宅配便等
原発被災による放射線
被害を受けた地域および
その周辺の日本の港から
到着したすべての貨物
●航空機からの取り降ろし時に検査
●検査の結果、0.2μSv/hを超えた場合は主管機関に通
知するほか、輸入者に対し除染あるいは積み戻しをする
よう通知
タイ原子力庁がランダムに検査。 危険レベルに達している
貨物は精密検査にまわされる
台湾
韓国
貨物の5%程度がサンプル検査の対象となっているが、実施要
領は不明。 サンプル検査で問題は発生していないもよう(4/12)
●左記のほか、空港のターミナル会社(TACT、EGAC)で成田
発貨物の20%を対象に自主的な放射能検査が行われている
●TACTでは測定値が0.5μSv/h、EGACでは0.2μSv/hを超
える貨物は空港でホールド。 その他ターミナルでも今後同様の
動きが予想される(4/12)
日本からの輸入貨物
(ULDおよびバルク貨物)
日本からの輸入貨物
荷降ろし前に小型放射線検知器でチェックを行う
シンガポール
タイ
インドネシア
スリランカ
トルコ
国境保護警備局(ICA)は船積み前に貨物の輸出側または船社
が予防策を打てないか検討中(3/21)
頻度はごく稀で、遅延は発生していない(3/21)
日本からの
輸入貨物
日本から輸入
される製品
コンテナを開けずに外側から簡易検査を実施。 基準値を超
える値が検知された場合、サンプルを抽出し、詳細検査
ロシア
ポーランド
日本からの
輸入貨物
日本からの電機および家電製品の輸入で、一部の電機製品販売
会社が日本の製造元およびルーマニアの輸入会社に放射能に汚
染されていないことを証明する検査結果の発行を求めた事例がある
●ウラジオストク税関が4月5日、日本から到着した中古車など
から通常の3〜6 倍の放射線が検出されたと発表
●国家質量監督検験検疫総局が各地の検査検疫機関
に対し、通関港・空港での核物質と放射能の監視業
務に確実に取り組むよう要求
●各空港・港湾で検査を実施
●海上・航空貨物ともに検査基準値の公表はなく、基
準値を超えた場合の対応も明確にされていない(4/6)
●各地域により検査対象の貨物や検査方法等は異なってい
るもよう
中国●国家質量監督検験検疫総局は4月2日、3月16日から4月2日
までの間に中国各地での検査で入国者、航空機、船舶、コンテ
ナなど計10件から基準値を超える放射線量が検出されたと発表
●3月31日、放射線濃度基準値を超える日本からのコンテナが
1 本、大連大窯湾で見つかった。 放射線除去処理を行った
結果、基準値以下となったため入境が認められた
●大連空港、大連港での荷降ろし等に問題は出ていない(4/6)
●大連港では入港前検査(乗組員および船体)、コンテナ外装
検査(コンテナを降ろした船社コンテナヤードにて)、コンテナ
内検査の計3回実施される(同)
対象基準・実施内容など
香港
空港職員によると、空港では日本からの輸入貨物に対して放射
線検査を行う予定はない(3/23)
●TAEKが精査を行ったのは輸入者側が要請した機械のみで、
問題はなかった(4/8)
●これまで日本から到着した航空機に関しては、機内・機体とも
に問題のないレベルだったため、現在は機体に対する検査は
行っていない(同)
●港湾では3月11日以降に日本を出港した船舶の到着はなく、
通関は通常通りに行われている(同)
基準等は公表されていない
空港の税関で貨物をランダムに検査していたが、4月10
日で休止(4/14)
●空港、港湾での通関時に検査を行い、0.5μSv/hの
基準値を超えたものに関してはトルコ原子力エネルギー
機構(TAEK)に報告し、TAEKが精査する
●精査の結果、問題が認められればTAEKから輸出入
業者、在トルコ日本公館に通知する予定(4/8)
サウジアラビア
アブダビ首長国
日本から輸入
される製品
日本からの
航空輸入貨物
●日系物流企業によると、4月5日時点で本格的かつ全面的な
検査は行われていない。 ケースバイケースの対応
●実際には何も行われていない。 ただし出荷がある場合には事
前連絡必須(4/12)
貨物航空会社のエティハド・クリスタル・カーゴが、日本からの
すべての貨物を24 時間留め置き、空港当局の検査を受ける措
置をとったもよう(3/25)
イスラエル ●貨物輸送の遅れは生じなかった
●サウジアラビア商工業省が3月16日、日本から輸入さ
れるすべての消費財について通関時に放射線検査を
実施するよう通知した。 サウジアラビア商工会議所連
盟に対しても、消費財の輸入業者は、日本からの輸入
消費財が汚染されていないことを証明する検査の実施
が義務付けられることを周知するよう通知
●税関当局は3月23日、日本製品に対する放射線検査
の実施体制を強化すると発表
●対象や許容量などの具体的な基準は不明(4/6)
特に混乱は生じていない(3/21)
航空機の機体に対する抜き打ち検査あり(4/12)
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