ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2012年4号
特集
第4部 ブロック別運送市場レポート 《東北》宮城県と他地域で格差

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

特別積み合わせ貨物の荷動き推移(東北運輸局) 宅配貨物の荷動き推移(東北運輸局) 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 10.0 5.0 0 -5.0 -10.0 -15.0 -20.0 -25.0 -30.0 -35.0 -40 (千トン) (%) 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 18000 16000 14000 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0 20.0 10.0 0 -10.0 -20.0 -30.0 -40.0 -50.0 (千個) (%) ※東日本大震災による被災により、輸送実績が計測不能である事業者あり 輸送トン数 取扱個数 前年同月比 増減率前年同月比 増減率 《東北》宮城県と他地域で格差  宮城県の荷動きには回復の兆しが見えている。
また、車両台数が 震災を境に減少したため、運賃は上昇基調にあるようだ。
岩手県を 含めた沿岸部では、建設資材輸送や瓦礫運搬など復興需要が本格化。
特に瓦礫運搬では高額な運賃が提示されるという。
これに対して他 地域の荷動きは弱含みで推移している。
特に、関東向けの農産物の 出荷量が不作や放射能問題のために落ちている。
運賃水準は横ばい で推移しており、燃料の値上がり分の転嫁も進んでいない。
●住宅資材の荷動きが活発になっているが、被災し た工場の中には復旧していないところもあるのでそ れ以外の品目の荷動きは良くはない。
しかし、ト ラック業者の車の絶対量が減っているので運賃相場 は若干上がってきている。
震災後に廃業が増えた 上、営業を再開した業者でも資金のやりくりがつ かず、車両を思うように調達できない。
車両台数 が震災前の半分になった業者もある。
ウチも設備 の復旧が終わっていない。
それに将来に対する不 安もある。
復興に絡んで平ボディ車やユニック車な ど一部の車両の需要は高いが、それが続くのは三 年くらいの間ではないか。
その先は全くわからな い。
だから運送会社は投資に消極的で、仕事を選 んで受ける傾向にある。
    (宮城県・倉庫) ●ドライバーの募集をしても人が集まりにくくなって いる。
アルバイトも来ないので、引っ越しシーズン なのに仕事をしたくてもできない。
それでも給与 水準は上げられない。
運賃は横ばいでも燃油代の 負担が増している。
新規の仕事では必ずサーチャー ジの交渉をしているが、それを呑んでくれる荷主 は三割いるかいないか。
  (宮城県・一般運送) ●昨年六月頃から復旧のための輸送が徐々に動き出 し、秋頃から沿岸部の工場が操業を再開して物量 が上向いてきた。
二月半ばからは特にアスファルト 原料を運ぶのに忙しく、車の稼働時間を延長して いる。
震災前、この分野の景気は悪く、原料輸送 を扱う業者が少なくなっていたところに復興需要 がきた。
一般貨物輸送も持ち直してきたので車両 を増やしている。
今後、五年くらいは復興絡みで 物量が伸びると思う。
大手に仕事を取られないよ う、地場の運送会社の強みを活かして復興の波に 乗っていきたい。
運賃水準は震災前と変わってい APRIL 2012  20 市場の声 解 説 4 ブロック別運送市場レポート ないが、瓦礫の運搬では行政の意向なのか、かな りの金額が出ている。
   (宮城県・一般運送) ●コンクリートがかなり動いている。
需要は沿岸部が 中心だが、もともと沿岸部にはミキサー車が少な かったので増車をしても追いつかない。
瓦礫の運 搬も四月頃から本格化する予定。
一般貨物の荷動 きは良くないが、当社の営業エリアのうち、宮城 では車両、倉庫ともに不足していて引き合いが多 い。
それでも便乗値上げのようなことはしていな いし、他社にも大幅な値上げの動きはない。
確か に震災直後は関東から東北向けの緊急輸送で高い 運賃が出ていたが、それは片荷になってしまう分、 割高になる人件費や燃料代を理解してもらってい たということ。
ただし、燃油価格の値上がり分は サーチャージというかたちでいただいている。
きち んと原価計算をして理論武装をした上で顧客と交 渉している。
       (青森県・総合物流) ●県内の消費財の物量は徐々に減っていて、運賃は 横ばい。
今後もそうした傾向が続くだろう。
関東 向けの農作物の運賃に変動はないが、昨年は天候 に恵まれず、出荷量が減って収支が厳しくなった。
(青森県・一般運送) ●東京向けのお米の荷動きが薄い。
福島ほどではな いが、放射能の風評被害のために一一年産がだぶ ついている。
お米の輸送は入札制度が導入されて 下がりきって以降、この数年は横ばいが続いてい る。
県内の消費財も荷動き・運賃ともに横ばいが 続いている。
       (秋田県・総合物流) ●関東向けの荷動きが昨年秋頃から回復しているが、 企業業績が悪いので運賃の下げ圧力が強い。
震災 後、宮城、福島方面への輸送依頼が増えたけれど、 一時的なものに過ぎない。
今は運賃の下げ幅を少 しでも抑えるために燃油価格のことをお客さんに 説明するしかない。
    (山形県・一般運送) 21  APRIL 2012 平成22 年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平成23 年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 93.2 90.0 108.6 108.0 95.2 104.0 105.4 100.4 102.6 86.1 103.3 82.9 115.2 102.8 112.0 106.8 99.6 103.6 108.8 98.8 101.3 106.0 101.6 102.3 109.4 107.9 105.0 104.5 104.1 101.1 99.5 99.8 74.1 87.0 98.7 99.5 97.2 101.9 100.2 102.6 101.1 101.4 前月比 (%) 前年同月比 (%) 一般貨物の荷動き営業用貨物車両台数の推移 64,231 64,164 64,240 64,117 64,118 64,126 64,015 64,070 64,061 63,988 63,901 63,848 63,585 63,157 62,801 62,695 62,771 62,924 63,050 63,275 4,201 4,209 4,213 4,202 4,193 4,224 4,229 4,206 4,219 4,206 4,184 4,179 4,159 4,127 4,104 4,088 4,090 4,127 4,104 4,084 6,168 6,158 6,162 6,174 6,165 6,179 6,184 6,190 6,180 6,182 6,188 6,180 6,163 6,106 6,022 5,994 5,994 5,994 5,986 6,013 普通貨物小型 四輪貨物被けん引車 出所)国土交通省 景況感一覧 宅配貨物 宅配以外 一般貨物 10 年 1〜3月 10 年 4〜6月 10 年 7〜9月 10 年 10〜12月 11 年 1〜3月 11 年 4〜6月 11 年 7〜9月 11 年 10〜12月 12 年 1〜3月(見通し) 特積貨物雇用関連総合計 出所)全日本トラック協会 判断指標 矢印 … -100 … -60 … -20 … +20 … +60 … +100 … 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 計 特積 事業者数 一般 事業者数 5(±0) 4(±0) 3(-1) 0(±0) 1(±0) 4(±0) 17(-1) 793(-4) 543(+4) 1098(-41) 357(-4) 364(-4) 913(-5) 4068(-54) 労働者数(十人) 平均年齢 (歳) 平均勤続 年数(年) 平均現金給与額 (千円) 平均年間賞与その他 特別給与額(千円) 1537 1895 1645 1146 1171 1705 (99.9%) (155.1%) (58.8%) (85.7%) (112.7%) (90.9%) 47.4(+0.9) 47.8(+1) 46.7(-1.5) 49.0(+1.2) 46.3(-0.9) 44.3(-1.9) 12.6( +0.9) 12.0(-0.7) 11.6(-1.9) 15.4(+2.4) 10.1(-5.7) 14.6(+0.5) 241.4 261.5 276.6 264.4 252.5 293.0 (94.4%) (100.5%) (101.3%) (100.6%) (91.3%) (104.3%) 209.5 285.6 497.9 530.4 236.9 566.8 (63.0%) (59.8%) (116.3%) (118.2%) (72.4%) (163.1%) 震災のため計測不能の事業者以外で算出した一般貨物の荷動きの前年同月比増減率 (%) 23年2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 -0.1 -35.4 -23.5 -12.1 -13.6 -9.3 -5.8 -9 -17.5 -6.2 29.6 出所)東北運輸局 運送事業社数〈2011 年3月時点〉運輸・郵便業の賃金水準〈2011 年6月時点〉 (括弧内は対前年増減) (括弧内は対前年増減もしくは比率) ※男性一般労働者出所)厚生労働省 出所)国土交通省 特集

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