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《関東》荷動きは堅調だが運賃は横ばい
首都圏の荷動きは他のエリアに比べれば底堅く推移している。 しか
し、運賃の値上げ機運には乏しい。 大手メーカーを荷主とする場合
には、ベース運賃は据え置きながら、燃料費の値上がり分を転嫁す
る動きが一部には見られる。 リーマンショック直後と比べれば荷主の
値下げ圧力は緩んでいる。 しかし、車両の供給過剰は解消されてい
ない。 運送会社から運賃交渉を持ちかけられる環境にはない。 当面、
相場は横ばいが続きそうだ。
●運賃は今後も良くて横ばい。 上がりはしない。 ベー
スとなる運賃は上がっていなくても、コンプライア
ンスの強化によって荷主の支払い運賃の総額は増え
ている。 最大積載量や拘束時間のルールを厳密に
適用すれば、使用する車両台数が増えたり、時間
外手当が発生したりと、どうしてもコストアップに
なってしまう。 荷主による法令順守の徹底は協力
運送会社にとってプラスになっているはず。 その分、
運賃自体を値下げしてもらいたいぐらい。
(東京・物流子会社)
●大手メーカー向けの仕事では〇八年からサーチャー
ジ制を導入していて、三カ月に一度のペースで料金
を見直している。 そのため運賃のベースは変わって
いないが、燃料費の上昇分は転嫁できている。 当
社は工材をメーンに運んでいるが、震災の復興需要
は発生していない。 今のところ瓦礫の撤去などの
復旧段階にとどまっていて、復興が本格化するの
はまだ先になりそう。 (神奈川・一般運送)
●震災後、千葉では液状化に襲われた湾岸地区から
内陸部に荷物が一時的にシフトした。 しかし、秋口
には元に戻った。 その後、今年の年明けから内陸
部の柏周辺で、大型センターの稼働ラッシュが起き
ている。 国道一六号線沿線の倉庫はどこも満杯で
荷動きはいい。 東日本向けの在庫を東北から引き
上げて集約する動きが見られる。 ただし、運賃水
準としては横ばい。 また成田空港周辺の倉庫は依
然として空きが目立っている。 (千葉・一般運送)
●平ボディの運賃は上がる傾向にある。 クレーンで積
み降ろしする荷物などは、平ボディ車でないと対応
できない。 しかし、ウィング車ばかり増えたところ
に震災が来てしまった。 東北の資材輸送等で急に
平ボディの需要が増え、タマが不足している。
APRIL 2012 24
特別積合せ貨物の荷動き(関東運輸局) 宅配貨物の荷動き(関東運輸局)
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
15.0
10.0
5.0
0
-5.0
-10.0
-15.0
-20.0
(千トン) (%)
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10
月
11
月
12
月
1月
2月
3月
80000
70000
60000
50000
40000
30000
20000
10000
0
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0
(千個) (%)
4月5月
6月
7月
8月
9月
10
月
11
月
12
月
1月
2月
3月
平成22 年度
前年同月比
平成23 年度
平成23年度 前年同月比
取扱個数
平成22 年度
取扱個数
平成22 年度
輸送トン数
平成23 年度
輸送トン数
平成23 年度前年
同月比増減率
平成22 年度前年
同月比増減率
市場の声
解 説
4 ブロック別運送市場レポート
(東京・利用運送)
●地元の青果物を中心に運んでいるが、荷動きとし
ては悪くない。 しかし、運賃はずっと横ばい。 値
上げを認めてもらえる環境にはない。 足下でじわ
じわと燃料費が上がってきたが、これも自分で吸
収するしかなさそう。 〇八年前半の燃料高騰時に
も値上げは認めてもらえなかった。 サーチャージ制
の導入も青果物に関しては聞いたことがない。
(神奈川・一般運送)
●昨年末の繁忙期には荷物はよく動いていた。 ただ
し、ピークの期間は短かった。 また、年末の反動
なのか年明けは荷物が少なかった。 三月に入って
ようやく盛り返してきたところ。 昨年は震災後に
東北方面の運賃が跳ね上がった。 帰り荷がないた
め、片道で二〜三割、ピーク時には五割近く上がっ
たが、それも夏までには収束した。 現在は震災前
の水準に戻っている。 基本的に首都圏は車両がダ
ブついている。 値上げを要請すれば仕事を他社に
とられるだけ。 (東京・利用運送)
●ここ数年、運賃水準は全く変わっていない。 運送
会社からの値上げ要請もない。 それどころか毎年
三月になると、大手特積みの営業マンが決算の数
字を確保するために、通常よりも運賃を下げるの
で荷物を欲しいと言ってくる。 しかし、新年度に
入ってまた元の水準に戻る。 その繰り返しだ。
(埼玉・倉庫)
●3PLや物流子会社は荷主から、運賃単独ではな
く倉庫料金込みのトータルコストを継続的に削減し
ていくことを約束させられている。 しかし、荷物
が減っている状況で、作業のコスト効率を上げるの
は至難の業。 結局のところ協力運送会社に運賃値
下げというかたちで応分の負担を求めるしかない。
荷主の物量が本当に増えてこない限り、運賃の値
上げはあり得ない。 (東京・物流コンサルタント)
25 APRIL 2012
平成22 年4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
平成23 年1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
93.9
89.9
105.1
99.8
91.5
103.0
97.8
99.2
101.9
87.6
105.0
100.2
111.3
95.7
109.1
97.2
96.7
103.6
100.7
101.2
100.3
106.2
102.4
102.6
102.1
103.4
103.1
96.5
102.8
103.5
103.4
104.9
91.6
98.9
103.6
104.4
99.4
102.2
98.4
98.9
98.4
97.9
前月比
(%)
前年同月比
(%)
一般貨物の荷動き営業用貨物車両台数の推移
267,238
266,930
266,776
265,964
265,854
265,655
265,247
265,404
265,542
265,446
265,525
265,760
265,277
264,851
264,703
264,677
264,675
265,144
265,149
265,309
33,166
33,055
32,992
32,734
32,693
32,647
32,593
32,650
32,636
32,598
32,581
32,505
32,393
32,338
32,249
32,237
32,208
32,240
32,120
32,103
37,628
37,658
37,718
37,803
37,874
37,926
37,952
37,990
38,105
38,178
38,206
38,262
38,270
38,311
38,331
38,358
38,451
38,582
38,586
38,718
普通貨物小型
四輪貨物被けん引車
出所)国土交通省
出所)全日本トラック協会
景況感一覧
宅配貨物 宅配以外 一般貨物
10 年
1〜3月
10 年
4〜6月
10 年
7〜9月
10 年
10〜12月
11 年
1〜3月
11 年
4〜6月
11 年
7〜9月
11 年
10〜12月
12 年
1〜3月(見通し)
特積貨物雇用関連総合計
判断指標
矢印
茨城
栃木
群馬
埼玉
千葉
東京
神奈川
山梨
計
特積
事業者数
一般
事業者数
5(+1)
6(±0)
3(±0)
18(-2)
6(±0)
32(-1)
7(-2)
3(±0)
80(-4)
2215(-11)
1075(+14)
1151(-2)
3319(+15)
2096(+11)
5524(-22)
2545(+10)
497(+49)
18422(+64)
… -100 … -60 … -20 … +20 … +60 … +100 …
運送事業社数〈2011年3月時点〉運輸・郵便業の賃金水準〈2011 年6月時点〉
(括弧内は対前年増減) (括弧内は対前年増減もしくは比率)
※男性一般労働者出所)厚生労働省
出所)国土交通省
平均年齢 労働者数(十人)
(歳)
平均勤続
年数(年) 平均現金給与額(千円) 平均年間賞与その他
特別給与額(千円)
1971
1149
1757
9002
6977
19605
8932
672
(53.4%)
(61.5%)
(74.5%)
(79.2%)
(129.8%)
(98.5%)
(82.9%)
(140.3%)
45.0(+0.5)
48.3(+1.9)
46.9(-0.3)
45.1(+0.7)
45.1(+0.5)
46.9(+1.8)
44.9(-0.2)
44.6(-2.9)
12.7(+1.5)
12.3(+2.1)
12.9(-1.0)
10.6(-0.7)
11.2(-0.7)
11.7(-0.3)
12.2(-0.2)
9.9(-1.9)
311.8
312.5
307.3
305.3
317.1
356.8
354.2
299.8
(99.2%)
(108.5%)
(97.3%)
(87.2%)
(96.8%)
(97.6%)
(102.5%)
(93.7%)
472.4
491.1
404.0
471.0
613.9
622.8
656.8
392.7
(102.2%)
(124.9%)
(87.3%)
(78.5%)
(96.2%)
(82.6%)
(120.9%)
(89.6%)
特集
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