ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2012年7号
ケース
TOTO 革新活動 経営計画でサプライチェーン革新を宣言在庫50%減めざしリードタイムを半減

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

JULY 2012  40 「Vプラン」で国内主力事業にメス  トイレなどの衛生陶器で国内最大手のTO TOは、創立一〇〇周年に当たる二〇一七年 に向けた中・長期経営計画「TOTO 
屮 ラン二〇一七」を掲げている。
同社はリーマ ン・ショック後の〇九年三月期に当期赤字に 転落。
その直後に経営トップに就いた張本邦 雄現社長が中心になって、わずか三カ月でこ の異例の長期計画をまとめた。
 計画では〇九年三月期に四六四五億円だっ た連結売上高を八年後に六〇〇〇億円に増や し、営業利益は同六五億円を四八〇億円に伸 ばす。
ROA(総資産営業利益率)は一・ 七%を一〇%まで向上させる。
 売上高については、ピーク時の〇七年三月 期に五一二二億円だったことを考えれば、さ ほど無理のある数字ではない。
問題は利益だ。
同社の営業利益率は、二〇〇〇年以降の一 〇年間で最高だったときでも六・三%。
平均 すると四・一%にすぎない。
これを八%まで 引き上げようとしている。
それには総売上高 の約八割を占める国内事業の収益構造に本格 的にメスを入れる必要がある。
 
圍錬圍呂榔卆呼器の分野で国内市場の約 六〇%のシェアを握り、ユニットバスでもラ イバルとトップシェアを競っている。
しかし 実は、これら国内住設事業の不振こそが赤字 転落の主因だった。
〇九年三月期には三八五 〇億円を売り上げながら十二億円の赤字を計 上した。
この事業を立て直すことが「Vプラ ン」の最優先課題だった。
 改革の切り口としてVプランは、五つの革 新活動を定めている。
?製品の企画や開発を 高度化する「マーケティング革新」、?コスト 競争力を高め強固な経営体質を実現する「サ プライチェーン革新」、?生産技術や材料開 発などを高度化する「ものづくり革新」、?間 接業務を効率化する「マネジメント革新」、そ して?事業環境の変化に対して経営判断を迅 速化する「経営情報イノベーション」である。
 これを具体的に遂行するため、一〇年四月 に組織改正を行った。
上記五つの領域ごとに 「Vプラン担当役員」を新設。
「サプライチェ ーン革新」の担当には伊藤健二副社長が就い た。
サプライチェーンにかかわる物流や購買、 生産分野におけるリードタイムの短縮といっ た個別業務は、各担当部門が主体になって活 動を推進する。
その全体を伊藤副社長が統括 するという体制である。
全国に計一六万平米の自社拠点  こうした動きは、〇九年四月からTOTO  経営計画に掲げる「サプライチェーン革新」の 一環として2010年度から物流の見直しを進めてい る。
全国で物流コンペを実施して配送ネットワー クを再編。
それと並行して物流センターの業務改 善に取り組んできた。
これまでに輸配送業務だけ で3.5億円以上のコストを削減し、センター作業で は30 %以上の生産性向上に成功している。
革新活動 TOTO 経営計画でサプライチェーン革新を宣言 在庫50%減めざしリードタイムを半減 TOTOの物流本部で本部長 を務める加藤正行上席執行 役員 41  JULY 2012 の物流本部長に就任していた加藤正行上席執 行役員にとって歓迎すべきものだった。
「ちょ うど同じ時期に物流の見直しを経営会議に諮 っており、設備やシステムに依存せず、現場 の人たちが自分の意志で業務を改善していけ るように物流センターを変えていこうとして いた矢先だった。
Vプランはタイミングがよか った」と加藤本部長は言う。
 同社の物流本部には現在、約一五〇人の 社員が所属している。
土地・建物とも自社で 所有する大規模な物流センターを全国四カ所 (北海道・千葉・滋賀・北九州)に構えてお り、これを物流本部の「東日本物流部」、「近 畿・中部物流部」、「西日本物流部」がエリア ごとに管理している。
 四カ所の自社物流センターの延べ床面積を 合計すると約一六万平方メートルに上る。
こ れだけの規模の物流施設を自ら保有している ことを前提に、TOTOの現在の物流管理は 組み立てられている。
 子会社でユニットバスの製造・販売を手掛 けるTOTOバスクリエイトや、システムキ ッチンなどの製造・販売を担当するTOTO ハイリビングなど一部のグループ企業は、独 自の物流部門を構えている。
製品特性などの 面からTOTO本体と物流管理を統合するメ リットが薄いためだ。
そうした例外を除けば、 TOTOの物流本部はグループ全体の物流戦 略を担っている。
 物流本部には「国際物流部」や「物流企画 部」といった部署もある。
国際物流部は事業 の海外展開を支援し、物流企画部は物流セン ターに保管する製品の在庫水準を設定し管理 している。
顧客に提供する物流サービスを前 提にしてここで設定する基準在庫を元に、生 産部門が製品を送り込んでくる。
輸配送改革で三・五億円余りを削減  
屮廛薀鵑離汽廛薀ぅ船А璽鶻弯靴任蓮崔卸 資産の五〇%削減」を掲げている。
在庫を減 らすことでキャッシュフローを創出し、コスト 競争力のある強固な経営体質を獲得すること をめざしている。
 〇九年三月期に全社で一・五八カ月分あっ 1.2万パレット収容の自動倉庫 水栓金具をピッキング後に検品 延べ床7.5万平米の自社DC 11トン車に満載する出荷作業 衛生陶器も出荷時には梱包する 衛生陶器は簡易梱包で入荷 千葉物流センターでも2010 年から物流革新を本格化した 2009 年策定の「Vプラン2017」でサプライチェーン革新に着手 ■高速サプライチェーンを構築 (原材料調達からお客様施工現場まで) 販売・生産・物流・情報部門の一体行動 情報統合システムの構築と品番統廃合(部品品番50%削減) 棚卸資産50%減⇒キャッシュフロー創出 コスト競争力を高め、強固な経営体質へ 在庫レスファクトリー構築 物流体制の抜本的見直し 大量生産設備解体、多品種 少量生産設備へ転換 グローバル最適生産・購買 体制の構築 調達リードタイム生産リードタイム物流リードタイム 50%減6日→3日 ◆衛生陶器 30%減 (生産工場→物流センター出荷まで) ◆ウォシュレット 50%減 ◆水栓金具 80%減 JULY 2012  42 た棚卸資産を、八年後に〇・八カ月程度まで 圧縮するという野心的な目標だ。
その具体策 として、原材料の調達から顧客への納品に至 るサプライチェーン全般のリードタイムを半減 させようとしている。
 
圍錬圍呂諒流本部が管理している製品ア 経由するパターンや、直送するパターン、さ らに協力物流会社のターミナルを何度も経由 するパターンなどが混在していた。
 結果として物流リードタイムが長くなり、 在庫負担やコスト増につながっていた。
作業 工程が多いぶんだけ荷役作業の機会が増え、 破損など品質問題の一因になるという課題も 抱えていた。
 この錯綜していた輸配送ネットワークを根 底から見直した。
すべての製品をいったんT OTOの自社物流センターに集約するように 輸送ルートを整理し、輸送のためだけの中継 業務は廃止した。
 末端配送につなぐためのターミナルでの積 イテム数は約四万に上る。
生産工程や海外か らの輸入に長いリードタイムを要する衛生陶 器のような製品から、組立型でむしろ家電製 品に近い「ウォシュレット」のような製品な ど、在庫特性は多岐にわたる。
水栓金具のよ うに多品種少量で、工夫次第でオペレーショ ンの効率が大きく変わってくる製品も少なく ない。
 部品の共通化や統廃合、全体を統合する情 報システムの構築といった横断的な施策につ いては、前掲した組織に従い、サプライチェ ーン革新という立場から全社的に対応してい く。
それと同時に、生産部門や購買部門、物 流部門がそれぞれ自分の担当するプロセスの リードタイム削減に当たっていく。
 物流部門としては、まずは物流リードタイ ムを半減させることをめざし、一〇年度から 「物流体制の抜本的な見直し」を含む?物流 革新?を本格化した。
具体的には「輸配送ネ ットワークの見直し」と「物流センター作業 の改革」という二つのテーマを追求していく ことになった。
 
圍錬圍呂惑蕊覆離機璽咼好譽戰襪鮃發瓩 狙いから、末端配送にもっぱら地場に強い輸 送業者を使っており、ほぼ都道府県ごとに専 門業者と契約している。
従来はこの末端配送 に至るまでのモノの流れに整理されていない 面があった。
 工場で製品を生産してから顧客に納品する までの間に、TOTOの自社物流センターを 震災直後の混乱に対 応するため、隣接地 にあった延べ床面積 1.6万平米の倉庫を 急遽借りた。
あくまで緊急避難的 に借りた倉庫のため 投資を控えていたが、 一部に専用設備を導 入している。
東日本大震災で自動倉庫が停まり隣接する倉庫を賃借した 自社物流センターをフル活用する「輸配送ネットワークの見直し」で約3.5 億円削減 九州生産拠点⇒東日本の例 Before After 直送仕分けポイント 各生産工場幹線輸送 最寄りエリア分とのドッキング 各配達TMに振り分け 輸送パートナーのターミナルを利用した複雑な配送方式をやめ、物流センターに一括輸送し、 全てのセンターからエリアのキーターミナルに集中して送る体制に切り替えた。
直送 移送 千葉DC THL 茂原 茅ヶ崎 茅ヶ崎 ハブTM2 配達業者 ハブTM3 配達業者 キーTM2 キーTM3 お客様お客様 小倉第一 小倉第二 小倉第三 中津 大分 THL 行橘 ?中継ターミナルの廃止 経由箇所が多い  ⇒作業負荷増、品質低下 KEYWORD 『取置しない・滞留させない』 移送業者 TM THL 茂原 幹線業者 TM 配達業者 ハブTM1 キーTM1 キーTM1 キーTM2 キーTM3 小倉第一 小倉第二 小倉第三 中津 大分 THL 行橘?ルートの集約 移送 千葉DC 43  JULY 2012 けして、それぞれに幹線便を任せる輸送業者 を選んだ。
ブロック内を走る幹線便が複数の ターミナルを回るようにして、トラックの台数 を減らしていく。
コンペは終わっているため、 この六月から実務が動き出すことになる」と 加藤本部長は説明する。
新体制が軌道に乗れ ば、輸配送分野におけるコスト削減もさらに 上積みできる見込みだ。
マテハン設備を次々に撤去  輸配送改革と並行して、「物流センター作 業の改革」も進めてきた。
同社の「千葉物流 センター」(千葉DC)は、関東圏への出荷を 担当する主力拠点で、TOTOが国内で扱う 総物量の約四五%に相当する六六万ケースを 毎月処理している。
日々の出荷量は三万から 四万ケースに上る。
 千葉DCの延べ床面積は約七・五万平方 メートル。
これに加えて、昨年の東日本大震 災後の混乱を乗り切るため隣接地に約一・五 万平方メートルの倉庫を借り増しており、こ こは現在でも海外生産品などの管理に活用し ている。
TOTOの社員三六人と、製品カテ ゴリーごとに三社いる協力物流会社の作業者、 計三〇〇人余りが、同センターの運営に従事 している。
 従来は、九州を中心とする西日本に立地す るTOTOの各工場から千葉DCに横持ちし、 センター内で顧客別のピッキングや検品、梱 包作業などを終えて出荷するまでに、六日間 かかっていた。
これをサプライチェーン革新が 掲げる目標に応じて、三日まで短縮する必要 があった。
 そこで千葉DCは、午前中に入荷した製品 を、同日午後に出荷するように改め、センタ ー作業だけで従来は三日かけていた工程を一 日で処理することをめざした。
そのためにま ず、搬送用のコンベヤラインや仕分け機など の全面的な撤去に踏み切った。
 五階建ての千葉DCにはもともと、上層階 でピッキングした製品を一階に搬送するコン ベヤが走っていた。
だが物量が集中したとき には階下に運ぶだけで約一時間の搬送時間を み替え作業の手間も極力減らして、ここでの 滞留時間を減らした。
また、物流センターか らの製品の出荷は、従来は四トン車が中心だ ったのだが、中継ターミナルまでの幹線輸送 については十一トン車を満載で運行できるよ うに工夫した。
 こうした見直しにはセンター作業の変更が 前提になっていた。
そのための準備期間な どを経て、一一年度に全国で輸送パートナー を選び直すコンペを実施。
契約は従来と同様、 都道府県ごとを基本としていたが、結果的に 同じ企業に複数のエリアを任せたケースも少 なくなかった。
 一連の作業は一一年度中に完了した。
輸送 ルートを集約すると同時に、すべてのモノの 流れを自社物流センター経由に変更。
付加価 値につながらない中継ターミナルの利用を廃 止したことで、とりあえず三・五億円余りの コスト削減に成功した。
 今後この輸配送改革というテーマでは、物 流センターから積み替えターミナルまでの「幹 線便」の効率化を進めていく。
従来は末端の 輸送業者の手配する幹線便を走らせてきたが、 このやり方だと各方面に向かう物量が細分化 されて大型トラックを常に満載にするのが難 しくなってしまう。
そこで改めてある程度の エリアごとに幹線便を集約し、複数のターミ ナルを巡回するやり方を導入していこうとし ている。
 「すでに全国を十数カ所に大きくブロック分 出荷状況が一目 でわかる「進 捗管理板」。
作 業前には赤色で、 作業終了で青色 に変わる。
ピッキングした際に各パレ ットにつける「紐付けカー ド」の回収業務も改善の 対象。
物流革新に欠かせなかった現場作業の「見える化」 要していた。
センター作業を一日に短縮する には、使い勝手に難があった。
 水栓金具の作業エリアで使っていたデジタ ルピッキング式のフローラックも、すべて撤去 した。
フローラックは出庫量にかかわらず作 業者を常に配置しておく必要があった。
ラッ ク内の物量にかかわらず、マテハン設備自体 に大きなスペースも取られる。
施設の狭隘化 にともなって増床を繰り返してきた千葉DC にとっては無用と判断した。
にレイアウト変更などにトライできるようにす ることが重要だ。
設備やシステムに依存する 仕組みを作ってしまえば、改善活動は停滞し てしまう」  こうした信念の持ち主だけに、〇九年に物 流本部長に着任してからは、改善活動の制約 になりかねないマテハン機器の撤去も進めて きた。
その後は、平置きになった製品のレイ アウトを工夫するなど、現場の人たちによる 自律的な作業改善を促している。
 その成果はリードタイムの短縮にも現れて いる。
従来は一・五日かけてカテゴリーごと 行き先ごとにバラバラと出庫・検品・搬送作 業をしていた。
これを方面別にまとめて作業 を行い、しかもすべてを半日で集中的に処理 するように改めた。
これによって、午前中入 庫の午後出荷という作業スケジュールを実現 することができた。
センターの生産性を三〇%以上改善  一方、配送トラックへの製品の積み込みは すべてパレット化した。
これは前述した輸送 ネットワークの改革にとっても必須の施策だ った。
従来は主に四トン車に一時間以上かけ て手作業で直積みしていたのだが、時間がか かるうえ、ターミナルでの積み替えにも手間 を要していた。
 そこでセンター内の作業全体を見直してい った。
あらかじめトラックへの積載効率まで 考慮しながら、製品をすべてパレットに積み  このセンターには大規模な立体自動倉庫も 二機ある。
収容能力は約一万二〇〇〇パレッ トと約七〇〇〇パレットで、十数年前に導入 したものだ。
物流部門としては本音ではこれ らも無くしてしまいたかったのだが、これだ けの施設になると撤去するだけでも億の単位 の出費になる。
やむをえず現在では、スピー ドアップした出荷作業とは関係のない用途で 使うようにしている。
 現場改善を指揮する加藤本部長の考え方は、 トヨタ流に通じるところがある。
もともと水 栓金具の設計や製造に長く携わった経験を持 ち、自ら工夫しながら生産革新などに取り組 むうちに、トヨタと同様、自動化機器などに 依存しない現場運営を志向するようになって きたのだという。
 「今から一五年ほど前には、生産技術として 自動化を進めたり、大掛かりな装置を導入し て人間の省力化をはかったりする以前に、も っとやるべきことがあると考えるようになっ ていた。
とにかく現場第一主義で、現場の人 たちが自分たちの意志で自由に、しかもすぐ JULY 2012  44 センター作業の見直しで物流リードタイムを6日から3日に短縮 Before After 移送:TOTO 拠点間の輸送 ※九州拠点→東京送りの例 直送:お客様への配送 生産拠点(工場) 物流センター(DC) N‐6 N‐5 N‐4 N‐3 N‐2 N‐1 N N‐6 N‐5 N‐4 N‐3 N‐2 N‐1 N 入庫予定 移送出荷 DC着 直送出荷 移送手配期間(2日)輸送日数(2日)出荷手配期間(2日) 物流リードタイム(6日) 工場DC 3日短縮 入庫予定 移送出荷 DC着 直送出荷 輸送日数(2日) 物流リードタイム(3日) TOTOの物流本部東日本物 流部の中村正幸部長 現場改善を競い合う協力物流会社  このように荷主企業と協力物流会社の役割 に一線を引く一方、両者が手を携えながら物 流現場の改善を進めていくことも重視してい る。
TOTOは二年前から毎月欠かさず現場 で「改善報告会」を実施している。
 千葉DCの場合は、センター作業を委託し ている三社とTOTOの物流担当者が、一緒 に現場を回りながら改善活動について話し合 う。
加藤本部長もほぼ毎月参加して、各社の 独自の工夫などに耳を傾ける。
 この改善報告会も加藤本部長の肝いりでス タートしたものだ。
物流本部で千葉DCなど を管轄している物流本部東日本物流部の中村 正幸部長は、「正直言ってわれわれも最初は、 ついていくのが精一杯だった。
だが毎月、報 告会を繰り返すなかで、どうにかやれる雰囲 気になってきた」という。
 協力会社三社はライバル同士でもあるが、 改善活動についてはオープンだ。
互いに成果 を競い合い、良いアイデアはどんどん真似るこ とで切磋琢磨している。
「この二年間で、協 力会社さんたちの間には会社の壁を越えた結 束も生まれてきている」と中村部長は評価し ている。
 こうして、Vプランで掲げた物流分野にお けるリードタイムの短縮は現在、ほぼ達成さ れている。
今後は地道な改善活動などを通じ、 さらに効率化を進めていく方針だ。
 
圍錬圍倭澗里箸靴討蓮当初、Vプランで 想定していた国内住設事業のテコ入れが着実 に進んでいる。
これまでの革新活動の成果を 踏まえて、今年四月末の決算説明会で張本社 長は、「この二年間で国内住設事業の立て直 しが大変進んだ」と語った。
 しかし、同社のサプライチェーン革新はま だ途上にある。
棚卸資産は、〇八年度の一・ 五八カ月分が、翌〇九年度には一・四一カ月、 一〇年度には一・二五カ月と減少した。
とこ ろが一一年度は東日本大震災の後の増産など による一時的な要因もあって、一・二五カ月 と下げ止まっている。
目標とする〇・八カ月 はまだ先にある。
(フリージャーナリスト・岡山宏之) 付けるように業務フローを再構築した。
出荷 時に十一トン車にフォークリフトで積み込む 作業も、一台あたり一五分で満載できるよう に工夫した。
こうしてセンターでの作業全体 を見直し、徹底的にムダを省いていった結果、 現場の人たちも最初は半信半疑だった半日で の処理を実現することができた。
 輸配送改革でセンター経由の荷物を増やし たことで、千葉DCの取扱物量は一・五倍程 度に増大している。
しかし、センター作業に 携わる人員はそこまで増えていない。
物流セ ンターの作業生産性は、以前に比べると三〇 〜四〇%向上しているという。
 
圍錬圍呂郎鯒、新しい考え方に基づくセ ンター運営を実現する狙いで、輸送分野と同 様に、構内作業を委託する物流パートナーの コンペも実施した。
一部の領域では新たな協 力物流会社を迎え入れ、今では全国四カ所の 自社物流センターで計六社に構内作業を委託 している。
 もっとも、彼らに管理業務まで含む全面的 な物流アウトソーシングをするつもりはない。
「われわれ自身がアセットを持ち、改善の意 欲とそれなりの実力も持っている限り、3P Lに頼る必要はないと思っている。
3PLに 業務を全面的に委託してしまうと、何年か先 には改善活動が止まってしまうかも知れない。
海外においてはわれわれも3PLを使ってい るが、国内ではあくまで自分たちで物流を管 理していく」と加藤本部長は強調する。
45  JULY 2012 黒色のプラ板をベースに別の 物流会社が製作。
斜めポケッ トではないが進捗状況は一目 瞭然。
青色のプラ板とパイプ を使い物流会社が自作。
各ポケットを斜めにして 荷札を可視化している。
同じ「荷札差し」でも物流会社によって異なる工夫

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