ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2012年7号
物流指標を読む
第43回 震災の反動で国内総輸送量は増加へ 日通総合研究所「2012年度の経済と貨物輸送の見通し」

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

  物流指標を読む JULY 2012  76 震災の反動で国内総輸送量は増加へ 第43 回 ●2012年度の総輸送量は前年度比1.4%増の見込み ●自動車輸送統計の調査方法・集計方法が変更に さとう のぶひろ 1964年 ●生産関連では一般機械・自動車・鉄鋼などが堅調に 生まれ。
早稲田大学大学院修 了。
89年に日通総合研究所 入社。
現在、経済研究部担当 部長。
「経済と貨物輸送量の見 通し」、「日通総研短観」など を担当。
貨物輸送の将来展望 に関する著書、講演多数。
AKB 48 の経済効果  今や総選挙と言えば、衆議院ではなくAKB 48 の選抜総選挙。
スポーツ紙だけでなく一般紙も 選挙結果を取り上げる、国民的行事となっている。
筆者は、投票こそしなかったが、六月六日の総選 挙の実況中継を見るともなく見てしまった。
順位 が確定するたびに各メンバーが挨拶をしていたが、 皆がしっかりとした話をするのを聞いて、正直驚 かされた。
失礼を承知で申し上げるが、同世代の 若者たちの、いかにもIQの低そうな会話を常に 耳にしているからで、やはり厳しい競争に打ち勝 つべく日頃から鍛錬に励んでいる人たちは違うと 改めて思った次第である。
いや、官僚が後ろにい なければろくに答弁もできない民主党の大臣たち より、はるかに立派に見えた。
 ところで、経済アナリストの森永卓郎氏による と、この選抜総選挙の経済効果は二〇〇億円にも なるという。
CDの売上げ、広告費、さらにガイ ドブックなど関連商品の売上げなど、直接的な効 果だけで一〇〇億円、さらに波及効果など間接的 なものを含めて二〇〇億円にのぼるそうだ。
 以前、野村総合研究所が、オタク市場の規模を 四一一〇億円と推計したことがあったが、AKB 48 の選抜総選挙だけで二〇〇億円の経済効果を生 み出したのであれば、オタク層の経済への寄与度、 侮りがたしということになる。
無知な夕刊紙など は、「景気起爆剤はAKB」と書いていた。
 しかし、冷静に考えると、経済効果はそれほど 大きくはなかったのではないか。
たとえば「▲▲ 優勝の経済効果は○○億円」とか「△△イベント の経済効果は○○億円」なんて話がしばしばマス コミに取り上げられるが、この手の話においては、 プラス効果を積み上げた数値のみが発表され、マ イナス効果は加味していないことが多いのだ。
 
腺烹 48 の選抜総選挙の経済効果にしても、マ イナス効果を加味すると、二〇〇億円という数値 は過大であろう。
その根拠として、AKB 48 のフ ァン層は一〇代・二〇代の若者が中心であり、乱 暴な言い方をすれば、AKB 48 は可処分所得の少 ない層に支えられていることがあげられる。
 彼らは、CDを買い、コンサートや握手会イベ ントなどに参加するために交通費を使い、チケッ トやグッズを購入する。
しかし、あまりお金を持 っていないため、その分、他の消費支出を減らす ことになる。
また、イベントなどの終了後も、せ いぜいファストフード店や安い飲食店で反省会を する程度で、居酒屋などに大金を落とすこともあ まりない。
昔、筆者がよく通っていた秋葉原にあ る大衆中華料理店に、日曜日の夕方たまたま入っ てみたら、いかにもオタク風の連中で賑わってい たが、皆、酒を飲むわけではなく、大声で話をし ながら定食や麺類を食べていた。
しかも、連中は 長っ尻であるから、店にとっては大した上客でも ない。
店の親父に、「こんな客層ばかりだと大変 だね」と言って、早々に退散した。
 また、ある二〇代後半の女性アイドルが「AK B 48 のせいで、仕事が減った」とぼやいていた。
すなわち、週刊誌などのグラビアやテレビでAK B 48 のメンバーがひっぱりだことなる一方で、他 のアイドルの仕事やCDなどの売り上げが激減し ており、そのマイナスの経済効果は決して小さく 日通総合研究所「2012年度の経済と貨物輸送の見通し」 77  JULY 2012 は計り知れない規模になるかもしれないが‥‥。
 なお、上記の分析は筆者の独断と偏見に基づく もので、絶対的な証拠に基づいたものではないこ とをお断り申し上げておく。
 最後にひとつだけ、AKB 48 のファンの皆さん に申し上げたいことがある。
選抜総選挙に大騒ぎ するのも結構だが、そのエネルギーの一〇分の一 でもよいから、政治への監視に向けてほしい。
終 戦後にGHQがとった3S政策を思い出してほし い。
言うまでもなく、大衆の関心を政治に向けさ せないための愚民政策である。
AKB 48 に国民が 熱狂している姿をみて、その間に消費税率を上げ、 東電問題をうやむやにしようと、醜悪な政治屋た ちはほくそ笑んでいるのではないか。
「優子」だ 「まゆゆ」だ「ゆきりん」だなんて大騒ぎしてい る間に消費税率が一〇%や一五%に引き上げられ ても、あなたたちは生きていけますか。
建設関連貨物もわずかに上昇  閑話休題。
日通総合研究所は六月中旬に「二〇 一二年度の経済と貨物輸送の見通し」を発表した。
その結果を示す前に、国土交通省が発表している 「自動車輸送統計」の調査方法・集計方法が変更 されたことについて触れておく必要がある。
 一般にあまり周知されていないようだが、国土 交通省は自動車輸送統計の精度向上などを目的 に、二〇一〇年一〇月分より、自動車輸送統計の 調査方法・集計方法を変更した。
それに伴い、自 動車輸送量から自家用のうち軽自動車の輸送量が 対象から除外されている。
また、一〇年四月から 九月までの輸送量に関しては、国土交通省が遡及 値を公表しているが、それ以前の輸送量(遡及値) は公表されていないため、過去に遡って統計を使 用する場合は、旧統計数値に国土交通省が設定し た接続指数を乗じることにより遡及値を求めなけ ればならない。
ただし、上記の接続指数は、営業 用・自家用別、車種(普通車、小型車、特種用途 車、軽自動車)別に設定されており、品目に関し てはとくに配慮されていない。
そのため、品目に よっては、旧統計数値と遡及値とが大きく乖離し ているものもあるので、使用の際に注意が必要で ある。
 今回の国内貨物輸送量を予測するに当たり、上 記の手法により過去データの遡及作業を行った。
一 二年度における国内貨物輸送量の見通しは以下の とおりである。
 一二年度の国内貨物輸送量は、上期は生産等の 回復や前年度における大幅減の反動などを受けて 二%台のプラスとなり、反動の影響が一巡する下 期においても、堅調な内需を背景に前年同期を若 干上回る水準を維持できそうである。
こうしたこ とから、総輸送量は一・四%増と一九九九年以来 十三年ぶりに増加に転じよう。
 品類別にみると、消費関連貨物は、個人消費が 若干上向くことから、日用品や食料工業品などを 中心に一%台の増加を見込んだ。
生産関連貨物は、 一般機械、自動車・自動車部品、鉄鋼、石油製 品などに堅調な動きが予測されるため、三%弱の 伸びが期待できる。
建設関連貨物については、大 型の公共土木工事の実施は見込めないものの、公 共投資ならびに住宅投資のプラスに伴い、わずか ながらも前年度水準を上回るものとみた。
はないのである。
結局、低所得者層が支えている オタク市場はゼロサム市場であるから、当然のよ うに需要の偏在が発生してしまうのだ。
わが国の 上場企業の社長さんたちが、こぞってAKB 48 の 選抜総選挙に投票するのであれば、その経済効果 国内貨物輸送量の見通し 年度・期 機関 2011 年度2012 年度 2010 年度2011 年度2012 年度 総輸送量 2,337.4 2,444.4 2,390.7 2,458.0 4,993.4 4,781.8 4,848.7 (△7.4) (△1.0) (2.3) (0.6) (△2.5) (△4.2) (1.4) 17.5 22.7 19.4 22.5 43.6 40.2 41.9 (△16.8) (0.7) (10.6) (△1.0) (0.9) (△7.8) (4.1) 13.4 16.3 14.1 16.1 30.8 29.6 30.2 (△10.4) (2.6) (5.5) (△1.0) (△0.2) (△3.7) (1.9) 4.2 6.4 5.3 6.4 12.9 10.6 11.7 (△32.3) (△3.9) (27.1) (△0.8) (3.7) (△17.5) (10.2) 2,144.9 2,234.5 2,192.1 2,247.4 4,582.1 4,379.4 4,439.5 (△7.7) (△1.1) (2.2) (0.6) (△3.5) (△4.4) (1.4) 1,474.0 1,528.4 1,520.0 1,552.8 3,119.8 3,002.4 3,072.8 (△7.7) (0.3) (3.1) (1.6) (△3.3) (△3.8) (2.3) 670.9 706.1 672.2 694.6 1,462.3 1,377.0 1,366.7 (△7.7) (△4.0) (0.2) (△1.6) (△3.7) (△5.8) (△0.7) 174.5 186.7 178.7 187.6 366.7 361.3 366.4 (△2.6) (△0.4) (2.4) (0.5) (10.4) (△1.5) (1.4) 0.437 0.458 0.442 0.458 0.941 0.896 0.901 (△7.6) (△2.0) (1.1) (△0.1) (△1.9) (△4.8) (0.5) 上期下期上期下期 鉄道 自動車 内航海運 国内航空 営業用 自家用 J  
その他 単位:百万トン、( )内は対前年同期比増減率(%) 注)1.原系列。
                  2.2010 年度まで実績値。
3.実績値は国土交通省の各種統計・資料による。
 4.端数の関係で合計が合わない場合がある。

購読案内広告案内