ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2012年7号
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スタートトゥデイが物流拠点を四倍に拡張四〇〇〇億円規模の商品取扱高への対応が可能に

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

71  JULY 2012  ファッションショッピングサイト 「ZOZOTOWN」を運営するス タートトゥデイが物流拠点を拡張す る方針を打ち出した。
物流施設開発 のプロロジスが五月二八日に千葉県 習志野市で着工した「プロロジスパ ーク習志野4」の全フロアを、完成 後に借り切る。
同施設は約四万六〇 〇〇?の敷地に地上五階建て、延床 面積約一〇万八五〇〇?の大型物 流施設で、完成予定は来年八月。
当 初は複数の企業が入居する「マルチ テナント型」として開発される計画 だったが、スタートトゥデイ側の強い 要望から一社占有契約に至った。
賃 借年数は非公開だが、リース総額一 二五億円超の大型契約だ。
 スタートトゥデイは現在、同じく プロロジスが開発した「プロロジスパ ーク習志野3」の一部を、基幹物流  大手食品卸の日本アクセスは五月二 八日、二〇一二年三月期の決算発表を 行った。
売上高一兆五八一九億五二〇 〇万円(対前年比十一・六%増)、営 業利益一五九億二六〇〇万円(同十 三・七%増)、経常利益一六四億二九 〇〇万円(同十三・二%増)、当期純 利益九一億六〇〇万円(同四八・九% 増)を計上し、九期連続となる増収増 益を果たした。
 温度帯別の売上高は、「ドライ分野」 が六一三〇億八七〇〇万円(同四・ 三%増)、「チルド分野」が五三八五億 八八〇〇万円(同八・二%増)、「フロ ーズン分野」が二八一七億九一〇〇万 円(同一〇・一%)といずれも堅調に 推移した。
 本業以外で最も目を引くのが「ロジ スティクス事業」の数字だ。
売上高は 一二九〇億三五〇〇万円、対前年比 一二九・二%増と大幅に伸長してい る。
これは既に大手物流企業に伍す規 模で、?食品 特化型の3 PL?と捉 えれば、キ ユーソー流 通システム を抜き国内 首位の座に ある。
センター「ZOZOBASE」とし て活用している。
そこから約八〇〇 メートルの距離に誕生する「習志野 4」の全フロアを追加で賃借するこ とで、使用する物流拠点の面積は一 気に四倍にまで増える。
 同社が物流拠点の増強を選択した 背景には、急激なビジネスの拡大が ある。
直近決算では売上高約三一八 億円(前期比三三・六%増)、商品 取扱高約八一八億円(同四三・二% 増)を達成した。
今後も業容拡大が 見込まれることから、現在の物流体 制では近いうちに限界が訪れると判 断。
新たな拠点整備が急務となった。
「習志野4」稼働後には三〇〇〇億 〜四〇〇〇億円程度の商品取扱高 に対応することが可能となり、当面 の成長を支える体制が整う。
 スタートトゥデイの前澤友作社長 は「習志野4」の起工式で「ネット 通販を手がける企業の成長にとって、 立地・機能に優れた物流拠点は欠か せない存在だ」と述べた。
開発を手 がけるプロロジスの山田御酒社長は 「習志野4は東京湾のベイエリアに面 しており、物流施設の立地としては 最適。
建物には免震構造や緊急地震 速報システムを導入するなど、テナ ント企業のBCPにも配慮している」 と説明した。
      (石鍋)  躍進は昨年三月、同じ伊藤忠商事グ ループでコンビニ配送に強みを持つ物 流企業、ファミリーコーポレーション (FC)を吸収合併したことに起因す る。
会見の席上、田中茂治社長は「こ れまで当社にとって物流サービスは本 業の卸事業をサポートする一機能に過 ぎなかったが、FCの吸収合併を機に 位置づけを変えた。
今後は収益の一つ の柱として育てていく」と述べている。
 その一環として、昨年の組織改編で は新規顧客の獲得をミッションとする 「ロジスティクス営業部」を新設した。
従来は流通の川下に当たる小売業への 物流サービスの提供が主だったが、今 後は川上のメーカーにも積極的に食い 込んでいく方針だ。
既に昨年度だけで 数十件の案件を受注。
年間一億円ほど の規模の案件が多くを占めるが、プリ マハムをはじめとする大口顧客も複数 獲得している。
 ロジスティクス事業を管掌する黒澤 洵吉専務(六月十一日付で退任)は 「商流だけの取引しかない企業に物流の 販路を拡大させていく。
ゼロから関係 を構築するよりも話がまとまりやすい。
これは大手卸だけが持つ強みだ。
二〇 一五年〜一六年までに3PL国内トッ プクラスとなる売上二〇〇〇億円、利 益一〇〇億円を目指す」と今後の戦略 目標を語った。
      (石鍋) スタートトゥデイが物流拠点を四倍に拡張 四〇〇〇億円規模の商品取扱高への対応が可能に 日本アクセスがロジスティクス事業に本格参入 今後四年間で売上高を二〇〇〇億円規模に 会見に臨む田中社長 起工式で握手を交わす前澤社長(右) と山田社長(左)

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