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DECEMBER 2012　　90 　ニチレイロジグループはこのほど、東 京と大阪で「第一回ロジスティクス・ソ リューションセミナー」を開催した。
一 〇月三一日に東京の経団連会館で催し た会合には同社の顧客を中心に一九四 人が参加。
一一月九日に大阪のホテル グリーンプラザ大阪で催した会合には一 一〇人が参加して、ニチレイロジが携わ った事例の紹介などに耳を傾けた。
　セミナーの内容は東京・大阪とも同 じで、まず政策研究大学院大学の太田 弘子教授（元経済財政政策担当大臣） が「日本経済の成長戦略」と題する基 調講演を実施。
日本経済の現状につい て解説し、成長戦略や課題を提言した。
　後半はニ チレイロジグ ループが携わ った案件に 基づいて事 例を紹介。
日 本ケンタッキ ー・フライ ド・チキン （以下、ＫＦ Ｃ ） の物流 業務ユニッ ト、佐々木敏 彦ゼネラルマ ネージャーが、 ニチレイロジ 　物流行政の基本方針を定める政府 の「総合物流施策大綱」の改定に向 け、有識者検討委員会の初会合が十 一月六日開かれ、内容見直しの議論 が本格的にスタートした。
今回の大 綱は二〇一三年から五年間が対象期 間。
東日本大震災で製造業のサプラ イチェーンに大きな被害が出たこと などを受け、災害に強い物流網の構 築支援が大きな柱となるほか、日本 企業の海外展開を物流面でどのよう に支えていくかも焦点だ。
　現行の大綱でも既にグローバル化 や災害への対応を盛り込んでおり、従 来以上に実効性ある方針を打ち出す ことが求められる。
　大綱は一九九七年に初めて作成さ れた。
四年ごとに内容を全面的に刷 新して閣議決定しており、今回が四 度目。
委員会の事務局を務める国土 交通省などは来年四月にも同会議で グループの３ＰＬ事業会社であるロジ スティクス・プランナー（以下、ロジプ ラン）と共に二〇〇九年から進めた物 流再構築について、まず荷主企業の立 場で講演した。
　続いてロジプランのソリューション開 発部、盛合洋行部長が登壇。
ＫＦＣの 物流再構築を支援するなかで提案した スキームや、実際に削減したコストをＫ ＦＣとゲインシェアしながら活動を進め てきた手法などを紹介。
両社のパート ナーシップについて説明した。
　一連の講演に先立ち、主催者を代表 して挨拶したニチレイロジグループ本社 の松田浩社長は「物流はどのような業 態にも不可欠。
にもかかわらずメスを入 れにくい部分でもある。
物流を一から 再構築するのは果敢な取り組み」と物 流改革の難しさを訴えた。
同時に、こ うした日頃の業務を通じて社会に貢献 しようとしているニチレイロジグループ の姿勢を強調した。
　今回の催しを裏方として支えたニチ レイロジグループ本社の小関孝訓執行 役員営業推進部長は「紹介した事例に は当社が提供する機能が豊富に盛り込 まれており、多くのお客様に我々の活 動を知ってもらえた。
次回以降どのよ うな形式になるかは未定だが、ぜひ続 けていきたい」と、初の本格的なセミ ナーに手応えを感じていた。
（岡山） 提言をまとめた上で、同年七月をめ どに新大綱を閣議決定し、政策立案 や一四年度以降の予算編成に反映さ せたい考えだ。
　委員会は、大学教授や物流企業 トップ、経済団体の物流部門担当者、 大手メーカーのロジスティクス担当 役員、消費者団体担当者ら二四人で 構成。
初会合の冒頭、委員長を務め る杉山武彦成城大学教授が「普遍的 課題と時代の新たな要請の両方に目 配りした、バランスの取れた大綱が 必要とされている。
後に振り返った 時、新たな大綱が大変理にかなった 適切なものだったと評価されるよう 努めたい」と語った。
　国交省の担当者が、今後検討すべ き視点として、?災害に強い物流シ ステムの構築?日本企業の最適なグ ローバル・サプライチェーン構築推進 の環境整備?国内外の物流の安全確 保?少子高齢化を考慮した物流効率 化─などを提示した。
　これに対し、複数の委員から、大 綱の内容が総花的になることへの懸 念が示された。
物流効率化とＣＯ２排 出削減の両立、コンテナヤード周辺 の渋滞解消、現大綱の達成度総括な どを要望する声や、「人材育成に関す る視点が抜け落ちている」といった 指摘も出た。
　　　　　　　（藤原） ニチレイロジグループが初めてセミナーを開催 パートナーシップに基づく３ＰＬ事例を紹介 「物流施策大綱」の見直しがスタート 災害やグローバル化の対応が焦点に ニチレイロジグルー プ本社の松田浩社長 初会合の冒頭に発言する 杉山委員長（中央）