ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2013年2号
特集
注目企業 トップが語る強さの秘訣 第2位 日立建機ロジテック──機能会社に徹してグループに貢献 頬椰痢ー卍

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

FEBRUARY 2013  24 日立建機ロジテック ──機能会社に徹してグループに貢献  中国など新興国を中心に建機需要が持ち直し、世界同 時不況で大打撃を受けた業績は急回復した。
ただし、親 会社の日立建機は2011〜13年度で国内の物流コストを 30 %削減する目標を打ち出している。
こうした方針や経 済情勢の変化を踏まえ、中期計画の業績目標を減額修正。
物流子会社として建機事業の競争力向上に徹する方針だ。
中国の建機需要は一三年後半に回復へ ──二〇一〇年三月期は売上高が前期からほぼ半減 と、成長に急ブレーキが掛かりました。
しかし、そ の後は業績が急速に持ち直しています。
 「かなりのV字回復となりました。
主に中国を始 めとした新興国向けの建機などの需要が再び拡大に 転じたためです。
特に鉱山関係の大型、超大型機械 が急激に伸びました。
増産が続き、売上高はリーマ ンショック前の水準までほぼ戻りました」 ──ただし、日立建機は昨年一〇月に一三年三月期 の業績予想を下方修正しました。
主力の油圧ショベ ルの需要見通しは前期比九%減に引き下げており、 特に成長が鈍化している中国(三四%減)、インド(十 三%減)の落ち込みが目立ちます。
 「現状では今期(一三年三月期)の売上高は四〇 〇億円超と、前期並みを確保できる見込みです。
し かし、一三年の前半は厳しいと感じています」  「中国関係の建機の仕事が落ち込んだのは一二年 に入ってからでした。
超大型ショベルといった鉱山 関連機器もユーロ危機などのあおりで中国の鉄鋼が だぶつき、インドネシアなどの石炭や鉄鉱石に飛び 火した影響で、やはり昨年から需要が減ってきてい ます」  「今は在庫調整の局面ですが、今年の一〜三月辺 りが一番の底になるのではないかと見ています。
中 国関係も今年後半ごろからは在庫調整が一巡し、生 産が再び始まることで荷物が動いていきそうです」 ──業務の大半が親会社向けだけに、業績が建機需 要の上下に大きく左右されています。
そうした環境 からの脱却も課題では。
 「もう少し大きな周期で需要が変動するのであれ ば我々も対応できるのですが、現状では生産計画を 毎月見直していますし、なかなか身動きが取れない のが正直なところです。
我々は事業会社と言うより はグループの物流機能会社です。
そもそも、機能会 社が利益を厳しく追求する必要があるのか。
個社と しての利益の追求は外販を増やしていく時に考えて いくことになるのではないでしょうか」 ──以前は外販について、「現状の五%を早期に一 〇%、将来的には二〇%まで引き上げる」との目標 を示していました。
どの程度まで拡大していますか。
 「その方針を示した時は経営環境が厳しく、建機 の物流以外にも仕事をやらなければいけないという 雰囲気が強かったのだと思います。
その後、建機の 物量が底を打って再び拡大しており、現状はグルー プの物流をきちんとやっていくので手一杯というの が正直なところです」  「しかし、そうは言っても外販は維持していきます。
外販ができれば自身のサービスレベルが最低限世間 並みの水準にあるということですし、外での経験を 自身の事業に取り入れていくことも必要です。
まず は建機の物流をきちんと確立し、その後に違う展開 を考えるかもしれません。
大型製品の輸送や梱包技 術といったノウハウを活かせる分野で地道に取り組 むことになるでしょう」 親会社のコスト競争力向上を支援 ──リーマン後の業績悪化では相当の経費抑制や業 務効率化を迫られたのでは。
 「海上運賃や、製品の梱包に用いる鋼材に関し、 業者の方々と値下げ交渉をし、輸送運賃や鋼材の価 格を見直してもらいました。
また、海外へ運ぶ部品 の梱包具をリターナブルにして再利用を進めています。
頬椰痢ー卍 注目企業 トップが語る強さの秘訣 第 2 位 第 5 位 第 7 位 第 9 位 第15 位 第18 位 25  FEBRUARY 2013 一二年度は原価を五%弱削減できそうです」 ──日立建機自身、中期経営計画で経営基盤強化 戦略の一環として、総原価の徹底した低減を打ち出 しています。
 「日立建機は一一年度に『総原価低減プロジェクト』 を立ち上げ、当初は資材費の抑制を推進してきまし たが、物流費もその対象となり、一二年度は当社か ら担当者四人を出して専従で取り組んでいます。
生 産体制の見直しなど、当社だけでは実現できない部 分もあるため、両社が共同でアイデアを考えています」 ──具体策は?  「例えば、我々が外部に借りている倉庫の集約で す。
稼働状況を精査して大型拠点に集めることで横 持ちの輸送費や賃借料の削減を目指しています。
ま た、大型建機などを国内の工場から海外へ出荷する際、 顧客の需要や港に船が着くタイミングに合わせて効 率的に生産、出荷する方式に変更することで、船積 みまでのリードタイム短縮や保管などの費用圧縮を 図っています。
やはり値引きだけでなく、抜本的に 構造改革しなければなりません」 ──物流費抑制の数値目標は?  「日立建機は一一〜一三年度で日本国内と日本か ら相手国に届けるまでの物流費を三〇%下げること を目標にしています。
それと同時に部品の現地調達 率を上げるという方針も掲げています。
これも日本 から運ぶモノ自体を減らすことになります。
三〇% の半分ぐらいは現地調達の形で実現されそうです。
物流費の低減は我々にとっては売価の低減を意味し ますが、まずは総原価低減に貢献することで建機の コスト競争力を高め、グループの一員として連結業 績の成長を支えていきます」 ──一一年度からのロジテックの中計では、一四年 度に売上高五〇〇億円、経常利益二五億円という数 値目標を掲げていましたが、達成の可能性は。
 「その後の経済情勢の変化や物流費削減の方針な どを踏まえ、内部で数字を見直しています。
それで も一四年度の売上高は現状の四二〇億円より増えそ うです。
建機の需要が拡大していけば、日本から海 外の生産拠点に送る部品のうち肝になる重要なもの は物量が増えますが、それ以外は現地調達率を上げ ることで全体の輸出量は大きく伸びない。
そういう 中では我々も物流面の新規投資は慎重にしなければ ならないし、既存のリソースを活用していく中で物 流効率化の余地がまた出てくるでしょうから、適切 に対応していきたい」 ──日立建機は今やグループの海外売上比率が七割 を超えています。
グローバル化は今後も進む。
どの ように対応しますか。
 「物流会社のグローバル化となると、海外に拠点を 作るという話になるのでしょうが、日立グループ全 体として会社をあまり増やさないという方向性があ るので、従来通り海外にある日立建機の販売や生産 の子会社に人を出して物流のネットワーク構築など をサポートするというかたちで関わっていきます」 ──親会社向け物流の品質向上という面で進めてい ることはありますか。
 「昨年四月に国内の建機販売とリース・レンタルの 部門を統合した『日立建機日本』が発足し、初めてリー スやレンタルに絡む物流も我々が担当することにな りました。
販売はある程度計画的な輸送になります が、リース・レンタルはぱっと依頼が来て、注文を 受けたらすぐに製品を運ばなければいけない。
その時々 で一番安くて効率が良い物流業者さんをすぐに選べ るネットワークを構築しようと検討しています」 日立建機の国際物流を後押し  1999年10月、日立建機の物流業務の一部と、同社傘 下で出荷梱包を手掛ける「建機発送エンジニアリング」、 構内物流が主力の「日立建機サポートエンジニアリング」 を統合する形で発足した。
2000年代に入り、新興国向 けの建機需要の伸びに後押しされ、業績を一気に拡大し てきたが、リーマンショックで物量が激減した際は一時帰 休や残業削減など人件費の抑制を強力に進めて乗り切った。
 親会社が欧米や中国、東南アジアなどでグローバル展開 を加速しているのに伴い、国際物流への対応を迫られて いる。
基本的に自らが拠点を置くのではなく、日立建機 の生産や販売の現地法人に対し、効率的な輸送ルート設 定や梱包の採用をアドバイスするなどのサポート体制を取っ ている。
通関業やNVOCC(非船舶運航業者)の資格を 取得するなど、業務内容の拡充にも努めている。
本誌解説 60 50 40 30 20 10 0 -10 -20 -30 -40 建機出荷金額の推移(前年同期比増減率%) 2011年 1〜3 4〜6 7〜9 10〜12 12年 (月) 1〜3 4〜6 7〜9 10〜12 国内 計 輸出 出所:日本建設機械工業会統計より作成

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