ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2013年3号
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欧州のスーパーエリートたちが日本企業のSCMの現場を実体験

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

63  MARCH 2013 現場の清潔さに感銘  世界屈指の名門ビジネススクールとし て知られるフランスのエセック経済商科 大学院大学(ESSEC)で国際購買 マネジメントコースを専攻する学生一四 人が二〇一二年十二月、日本のSCM を視察に訪れた。
全員が企業の購買部 門で業務経験があり、現在所属する企 業で幹部候補生の扱いを受けているス ーパーエリートたちだ。
 七日間の日程でセブン&アイ・ホール ディングスや三菱食品、トヨタ自動車、 コマツ、花王、ソニーなど、日本を代 表する各企業を訪問。
同校と提携を結 ぶ中央大学ビジネススクールで日本型の 現場管理手法について学び、歌舞伎や 柔道、華道、茶道といった伝統的な日 本文化にも触れた。
 参加者の一人、アンナ・ソフィー・ア イクさんは「駆け足の旅だったが、洗練 された日本文化や、健康的な食習慣が 印象的に残った。
また全ての工場で暖 かい歓迎を受け、現場で働く人たちの プロ意識の高さが垣間見えた」と言う。
 特に三菱食品の工場については「各 生産ユニットが緻密に、最適化した形 で管理されていた。
何より目を奪われ たのは、その各生産工程における設備 の清潔さだ。
日本式5Sの理念が見事 に具現化されていたし、より専門的な レベルでのオペレーションマネジメント が行われていた。
また冷凍品について、 インターネットで注文を受け、製造者が 共同で消費者に直接届ける形の流通シ ステムはフランスでは見られない」と話 していた。
 ポワリエ・タンギーさんも「フランス の同業他社と比べても、コマツの工場 は非常に清潔で、細部まで管理が行き 届いていた。
同様の製品を作っていて も、こうまで労働文化が違うのか」「組 織のごく細部まで緻密な改善を積み重ね ていく日本型マネジメントは、非常に複 雑な機械式の巨大時計が狂いなく動い ているかのようだ。
今回はそれが現実 に機能する姿を見られた」と話すなど、 現場管理のレベルの高さはヨーロッパの エリートたちにも感銘を与えたようだ。
帰属意識の差は歴然  もう一つ、参加者の声に共通してい たのは、日本の労働者の会社への強い 帰属意識に対する考察だった。
ロドリ ーゴ・ラードさんは「セブン&アイの本 部に設置されていた、会社理念を書き 込んだ三枚のボードが象徴的だった。
日 本人はとりわけ会社組織に対する深い 一体感、忠誠心があると感じた。
ヨー ロッパとの大きな違いだ」と強調して いた。
 同コース責任者のパトリス・プルシ ェ教授によると、同大学では近年アジ アを重要視しており、二〇〇五年には シンガポールにキャンパスも開設してい る。
今回の視察先に日本を選んだのは、 そのアジアにあって、世界レベルのメジ ャー級企業が集まり、研究開発分野で も最先端を行く日本企業のビジネスを学 生達に体感させたかったからだという。
 プルシェ教授は「ビジネスの発展には 新しい価値を生み出すイノベーションが 不可欠だ。
私たちはその機会を生み出 そうと取り組んでいる。
日本企業の経 営を学ぶことで、彼らは自らの所属企 業にも、戦略面やマネジメント面で大き な収穫をもたらすことができると考え た。
生徒達は今回、食品雑貨販売の現 場、デパート、昔ながらの酒蔵なども 訪れ、ビジネスパーソンと交流した。
そ れが今後、どんなビジネスに繋がってい くのか。
我々自身も楽しみにしている」 と期待を込める。
 
釘咤咤釘辰覇断ざ擬を務め、今回 の研修旅行をコーディネートした日本 サプライマネジメント協会の上原修理事 長は「研修生たちは欧州でも大企業と 言われる会社の管理職のため、質問も 実務的で真髄に近いところを突いてい た。
決して自己中心でなく真剣に話を 聞く姿勢を見るにつけ、さすがはヨー ロッパのエリート管理職だと実感した」 と話していた。
       (渡邉) 欧州のスーパーエリートたちが 日本企業のSCMの現場を実体験 ESSECのパトリス・プル シェ教授 視察に訪れたESSECの学生たち(コマツ茨城工場で)

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