2013年4月号
ARC

アジアのWMS市場──引き続き成長基調

 本コーナーでは米国の大手調査会社、A RCアドバイザリーグループの市場報告 書を紹介している。
今回はいずれもアジ アにおける倉庫管理システム、サプライチ ェーン計画、輸送管理システムの各市場 についてのレポートを取り上げる。
アジアのWMS市場 ──引き続き成長基調  本調査の対象となる二〇一一年、WMS ( Warehouse Management System:倉庫管 理システム)市場は景気後退からの急激な回 復が続いた。
ARCによる最新の市場調査に よれば、これは医薬や機械といったこれまで 未開拓であった分野への浸透だけでなく、電 機・電子や輸送・ロジスティクス産業におけ る急速な成長に牽引されたものである。
 一〇年から一一年を通じてWMSソリュ ーションプロバイダーは堅調な伸びを示した。
一一年には過去最大の記録的な成長を遂げた 企業もいくつかあり、アジアにおけるWMS の売り上げは一億ドルの大台を超えた。
WM S市場は産業界全体の復調に合わせて拡大を 続けている。
これは世界同時不況によって凍 結されていた需要が戻ってきたことが大きな 要因である。
 ARCによる調査報告書「倉庫管理システ ムのアジア市場動向調査報告書(Warehouse Management Systems for Asia Market Research Study)」では、アジアにおけるW MS市場は今後五年間にわたり、年平均成長 率(CAGR)十三・五%で伸びると予測さ れている。
 「アジアはWMSにとっては新興市場であ り、北米市場のおよそ一六%の規模がある。
この地域は二五%という世界平均を上回る成 長を遂げたが、今後も早いペースで伸び続け ると予想される。
ただ、世界平均を上回ると いっても労働賃金の安い地域が多いので、W MS導入の投資回収率が期待されるより低い という声が、WMSのサプライヤーからは寄 せられている」。
ARCインドオフィスのアナ リストで報告書の著者の一人であるニーラム・ シンはそう語る。
 一一年、SCP(Supply Chain Planning: サプライチェーン計画)市場は期待されたほど 伸びなかった。
しかし現在の経済情勢を鑑み れば、一六年までSCP市場は年平均成長率 一〇%で成長すると予測される。
市場は半導 体関連やその他ハイテク産業への売り上げに 主導されている。
さらに、不況後に回復しつ つある家庭用品・パーソナルケアや食品・飲 料といった産業でも、平均以上の伸びが期待 できる。
ARCはこの成長基調が今後も続く と見ている。
 引き続き不況の後遺症と格闘しているSC Pソリューションプロバイダーがいる一方、売 り上げを伸ばしている企業もある。
一一年、 アジアにおけるSCPの売上げは一〇年と比 較して一〇%ダウンした。
しかしアジア地域 APRIL 2013  80 (年) ©2013 ARC Advisory Group 倉庫管理システムのアジア市場 2011 2012 2013 2014 2015 2016 ア ジ ア の SCP市 場 ──好転の見通し の経済成長率は、世界の他の地域に比べて概 して高いため、SCP市場は間もなく回復す ると思われる。
 ARCの「サプライチェーン計画のアジア市 場動向調査報告書( Supply Chain Planning for Asia Market Research Study)」によれ ば、アジアのサプライチェーン計画市場は今 後かなりの伸びとなることが予測される。
こ れは需要管理ソリューションや、あるいはS& O PやB I( ビジネス・インテリジェンス) といったSCPの延長戦上にあるソリューシ ョンに対する需要増に起因するものである。
 ニーラム・シンは「現時点でのSCP市場 が未成熟であること、経済成長率が高いこと、 ITと計画機能の採用が増加していることな どから、アジアは世界で最も伸びる地域であ るとARCでは考えている。
アジアの多くの 国で経済成長が続いていることは、この地域 でSCPの売上げを大いに伸ばすチャンスが あることを示している」と語る。
 一一年には、T M S( Transportation Management Systems:輸送管理システム) 市場は不況の影響を受けて低迷した。
ARC の調査によれば、アジアのTMS市場は一〇 年、一一年を通して減り続けた。
しかし、こ の地域にTMSを売り込もうというサプライ ヤーにとり、このことは逆にチャンスととら えることもできるだろう。
 TMSソリューションプロバイダーの売上げ は一〇年に下降局面に入ったが、その状況は 一一年も続き、アジアのTMS市場は五〇〇 〇万ドルを下回る規模まで縮小した。
 ARCでは今後TMSは回復基調に乗ると 見ている。
これまでとは違う産業がTMSソ リューションに目を向け始めたというのが理 由の一つである。
 食品・飲料や小売などはTMSによる輸送 費削減を既に経験している。
しかし、これま で計画・実行ソリューションを採用してこな かった天然資源などの産業で、TMSを利用 しようという機運が急速に高まってきている。
TMS市場のこれからにとって、これは歓迎 すべき動きである。
 今後のアジアにおけるTMS市場は、年平 均成長率一〇%近くまで回復すると予測され ている。
アジアにおいて、輸送計画や実行な ど輸送をサポートするこうしたソリューション の能力や機能は、年々高まってきている。
また、 既に活用している企業も、輸送コスト削減の ためにソフトウエアの新たな機能を追加購入 している。
81  APRIL 2013 (年) ©2013 ARC Advisory Group サプライチェーン計画のアジア市場 2011 2012 2013 2014 2015 2016 (年) ©2013 ARC Advisory Group 輸送管理システムのアジア市場 2011 2012 2013 2014 2015 2016 アジアのTMS市場 ──底打ちから一〇%成長へ 本レポートの詳細は次のサイトへ WMS 市場 www.arcweb.com/market-studies/pages/warehouse-m anagement-systems.aspx SCP 市場 www.arcweb.com/market-studies/pages/supply-chainplanning. aspx TMS 市場 www.arcweb.com/market-studies/pages/transportation -management-systems.aspx 問合せ先 ARCジャパンオフィス Tell: 04-2991-1685 Fax: 04-2991-1686 柳本薫(Email:kyanagimoto@arcweb.com )まで。

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