ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2013年7号
メディア批評
旗色の悪くなった仲間の橋下徹を切り捨て同じ穴のムジナの安倍首相とビートたけし

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

佐高 信 経済評論家 JULY 2013  74  慰安婦問題で国際的に非難されている橋 下徹に対し、安倍晋三は、  「私の、または安倍内閣、あるいは自民党 の立場とは全く違う発言だ」  と否定に大童だが、しかし、橋下は維新 の会のトップに安倍を持ってこようとしたこ とがあるし、安倍もまんざらではなかった。
 つまり、安倍と橋下はほとんど同じなの であり、橋下が批判されて、あわてて安倍 は一時的に切り離しを図っているにすぎない。
 ここに『海賊と呼ばれた男』で本屋大賞 を受けた作家の百田尚樹と安倍の対談がある。
 『WILL』の二〇一二年一〇月号に掲載 されたもので、もちろん、安倍は?首相中 退?のままだった。
安倍はそこで、  「いま評価が分かれている『大阪維新の会』 (のちに日本維新の会)については、私は提 携できると考えています」  と言い、百田も、  「僕も、橋下徹大阪市長については大変、 期待しています」  と賛成している。
 そのころは慰安婦についてあんなことを 言うとは思わなかったと弁解するなら、安 倍の人物鑑定眼の浅さが責められなければ ならない。
 「橋下市長は左翼系メディアと対立しなが らも改革を進めている」と礼賛する百田に、 安倍も、  「そこは橋下さんの才能だと思いますね。
政治家はメディアとの対立を極力、避けます。
それをテレビメディアに対しても堂々と主張 を貫き通し勝利している。
さらに、橋下さ んにはツイッターという武器もある。
そこが いままでにないタイプの政治家だと思います」  と賛辞を惜しまない。
さらに安倍は、  「私も左翼系メディアの代表である朝日 新聞とは良好な関係ではなかったのですが、 朝日は新聞だけでなく、テレビ朝日、『週刊 朝日』とあり、朝日出身の記者が別の局の コメンテーターも務める。
それが全て敵に回 るわけです。
こちらはたった一人の戦いです。
その意味において、各戦線で勝利を収めて いる橋下さんはすごいと思います」  と続けている。
 こうまで言うなら、慰安婦問題でも橋下 を「擁護」すればいいものを、火の粉はか ぶりたくないということだろう。
 しかし、しょせんは同じ穴のムジナ。
歴史 認識の浅薄さにおいて、安倍と橋下の間に 大きな差があるわけではない。
 「目糞鼻糞を笑う」という言葉があるが、 まさにそれだなと苦笑したのは『週刊ポスト』 六月七日号のビートたけしの発言。
 「『日本維新の会』なんて名乗っちゃって いるけどさ、結局、大阪市長の橋下はニッ ポンのことなんて何もわかっちゃいなかった んだよ」  と始まったそれは、橋下発言は「とに かく品がないし、何より笑えない」と続き、 橋下を「落ち目のアイドル」と一緒と断罪する。
 「最初は『清純派』で人気だったアイドルが、 売れなくなってくると過激な濡れ場をやる ようになって、最後はヘアヌードになっちゃ う。
ヘタすりゃAVにでるのもいるね。
生 き残るには、最終的に下半身ネタに頼るし かなくなっちゃうんだよな。
橋下市長も同 じだろ。
『地方分権』『官僚機構をぶっ壊す』 って旗印にみんなが共感していたのに、い つのまにか飽きられちゃって世間の注目を引 こうとシモの話にまで手を出しちゃった」  もしかして、たけしは自分を「下品ではない」 と思っているのだろうか。
たけしの弟子の 東国原英夫が維新の会にいることで分かる ように、橋下はたけしの影響下に出てきた のであり、たけしをマネて橋下はシモの話を しているのである。
それなのに勘違いして 橋下を批判するとは、たけしもモーロクした ものだ。
旗色の悪くなった仲間の橋下徹を切り捨て 同じ穴のムジナの安倍首相とビートたけし

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