ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2013年9号
特集
TOPInterview ハマキョウレックス 大須賀正孝 会長兼CEO 「SGHDとの提携で次のステージへ」

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

SEPTEMBER 2013  30 提携を断る理由はなかった ──既存荷主の物量減少が3PL事業の大きな課題 になってきました。
 「結局、波動の対応をどうやってやるかということ だよ。
波動がなければ物流の仕事は何も難しいこと はない。
だから食品は一番簡単。
そのかわりコスト が厳しい。
食品問屋の粗利は、昔は一四%くらいあ った。
それが今は六〜八%くらい。
そこから経費を 引くと大手でも一%も利益が残らない。
3PLに経 費を支払うことなどできない状態になっている」  「他の商売は波動がある。
それをお客さんに言われ た通り『はいはい』と何もしないでいれば、波動の 頂点に合わせることになって赤字になる。
だからお 客さんとよく話をして、お客さんの仕組みを変えて、 コストダウンする。
それがお客さんの純利になる。
そ うやってプラスになったお客さんは無理な値下げなど 要求してこない」 ──とは言え、物量が減れば作業効率の低下は避け られません。
 「厳しいのはいつでも同じ。
3PLは無駄をなくす 競争だから、見えていない無駄に気が付かないとい けない。
あるセンターで、一〇人で作業していたと する。
センター長に聞くと一〇人がちょうど良いとい う。
生産性が一番良いと。
私が見てもそこに無駄が あるかどうかは分からない。
それでも『一人貸して よ』と減らしてみる。
それでも回る。
『もう一人貸し てくれ』とやると八人でも回る。
それではもう一人 と、七人になると今度はぎくしゃくする。
結局、八 人がベストで二人分の無駄に気が付いていなかった わけだ。
そうやって見えない無駄をなくしていけば、 いくら厳しくても利益は残る」 ──市場が踊り場を迎えた可能性はありませんか。
 「自社物流をやっている会社はまだまだいっぱいあ る。
先日、会った大手小売りもそう。
月給五〇万円、 六〇万円という正社員を現場にたくさん投入して、 物流経費を年間数百億円も掛けている。
我々が請け 負えば半分になるよ。
それに、これからは3PLの 入れ替えが増えてくる。
3PLに委託したけれどう まく回っていないところ、あるいは3PLがバンザイ してしまったような案件などが数多く出てきている」 ──しかし、ハマキョウレックス自身も二〇一三年三 月期決算は減収減益で、これまでの成長ペースにス トップがかかりました。
 「それは違うよ。
ハマキョウ単体の売上高は二一期 連続の増収で過去最高。
3PL案件の引き合いは減 っていないし受託も順調に進んでいる。
今期は連結で も増収増益で過去最高決算を見込んでいる。
一三年 三月期の連結決算の減収は家電関連の物量減少と運 送事業の不採算荷主を解約したこと等が理由で、今 期はその影響もなくなる」 ──減益については?  「新センターの立ち上げに伴うコスト増が大きかっ た。
新センターは案件に着手してから稼働までの間、 売り上げが立たない。
しかし一三年三月期に着手し て未稼働だったセンターも今年五月、六月から順次稼 働して業績に貢献し始めた。
他にも新規オープンする センターがいくつも控えている。
心配はしていない」 ──今年三月末に発表したSGホールディングス(S GHD)との資本業務提携は大きなニュースになり ました。
これに伴いハマキョウは佐川グローバルロジ スティクス(SGL)を完全子会社化すると同時に、 SGHDはハマキョウの二〇%の株式を保有する筆頭 株主になりました。
これをもってハマキョウがSGH ハマキョウレックス 大須賀正孝 会長兼CEO 「SGHDとの提携で次のステージへ」  2013 年3 月期は連結で減収減益に陥ったが、成長力 に対する自信は揺らいでいない。
同期も3PL 事業のハマ キョウ単体では21 期連続の増収だった。
今期は連結でも 再び過去最高を見込む。
10 月には佐川グローバルロジス ティクスの完全子会社化も控えている。
SG ホールディン グスグループとの提携は大きなチャンスととらえている。
31  SEPTEMBER 2013 Dの傘下に入ったと見る向きもありました。
 「今後も我々は独立を維持していく。
当社がSG HDの傘下に入ったわけでも、SGHDから役員が 来るわけでもない。
SGHDが大株主になっただけ で、その保有比率は二〇%を超えないという条件も 付いている。
もともと今回の提携は先方からの打診 で、SGHDとしては3PLを事業の柱にしたいけ れどノウハウがない。
そこでウチにパートナーになっ てもらいたいという話で、我々には断る理由がなか った。
SGLはきちんと黒字を出している会社で救 済を必要としているわけではない。
その事業を継承 することで、SGHDの3PLの話は全てウチに入 ってくるようになる。
SGHDが全国に展開してい るセンターも利用できるようになる。
これは当社にと って大変なメリットだよ」 ──ハマキョウとSGLをどう統合していきますか。
 「新たに立ち上げるセンターはハマキョウ流にでき る。
しかし既に動いている現場には、今までの文化 がある。
それをいきなり変えようとすれば混乱する。
収支日計表で数字は分かるようにするけれど、他は 時間を掛けて少しずつハマキョウ流を自分たちのもの にしてもらう。
それでも現在のSGLの三%程度の 利益率を六%、七%に持っていくのはすぐにできる」 ──近物レックスの統合には、かなりの時間が掛かり ました。
 「近物レックスと違ってSGLは3PLだから、そこ まで時間は掛からない。
路線便はネットワークの商売 だけど、3PLはセンターごとに独立しているから」 ──
咤韮未了匆饉匆修韮械丕婿業の規模は一気に 二倍近くになります。
 「規模のメリットは見ていない。
3PLは宅配便事 業とは違って規模が大きいから有利ということはな い。
たくさんお客さんがいれば、こっちのセンターは 赤字だけれど、こっちは黒字なので全体では帳尻が 合うということはできるけれど、規模が大きい方が 競争に勝てるというわけではない」 路線業でも利益は出せる ──逆に規模が大きくなることで統制が利かなくなる 恐れもありそうです。
今年七月には不正経理問題も 発覚しました。
報道によると関東でセンター長をして いた社員二人が過去五年にわたり売上高の水増しと 着服を行っていた。
うち一人は下請け業者と共謀し てキックバックを得ていたとのことです。
そのために ハマキョウは業績報告の修正を余儀なくされました。
 「大変反省している。
内部チェックで問題を見つけ てすぐに公表したけれど、発覚までに時間が掛かり 過ぎてしまった。
組織が大きくなると必ずそういう 人間は出てくる。
そのため今回の事件をきっかけに 徹底的に検証することにした。
支払いに対しては定 期的に相手先に裏付けを取る。
お客さんへの請求も 今までは現場単位で処理して後から本社に報告する かたちだったのを改めて請求書は全て本社から出す ように変えた。
信頼回復に努めたい」 ──近物レックスの運営については。
 「採算の悪い荷物から全て手を引いたので、これか ら利益がさらに増えてくる。
実際、今期に入ってか らも前期比プラスで推移している。
路線業者はスペー スが空いていると、安くてもいいから埋めようとす る癖がある。
しかし安い荷物で満載にしてしまうと、 まともな荷物が来たときに増便しなければならなく なって、またスペースが余ってしまう。
近物レックス もなかなかその癖が治らなかったが、ようやく徹底 できた。
こうなれば路線業でも利益は出せる」 業績推移 08年 3月期 07年 3月期09年 3月期 10年 3月期 11年 3月期 12年 3月期 13年 3月期 (年度) (売上高:百万円) (営業利益:百万円) 32,102 82,318 83,495 79,189 78,273 85,224 89,718 88,943 36,167 39,570 42,607 34,632 37,620 42,317 100,000 90,000 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 100,000 90,000 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 貨物自動車運送事業 物流センター事業(3PL) 2,302 3,368 4,106 4,955 5,455 6,311 連結営業利益 5,838 佐川グローバルロジスティクスの事業概要 売上高 営業利益 経常利益 純資産 総資産 資本金 従業員数 390億4800万円(2013年3月期単体) 10億4900万円 ( 同) 12億7300万円 (同) 83億6200万円 (同) 137億670万円 (同) 15 億円 (2013年5月1日現在) 4459人(同) 特集3PL白書 2013

購読案内広告案内