ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2013年9号
ARC
大手物流企業が牽引する輸送管理システム市場

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

本コーナーでは米国の大手調査会社、AR Cアドバイザリーグループの市場報告書を 紹介している。
今回は輸送管理システム 市場と倉庫管理システムについてのレポー トを取り上げる。
大手物流企業が牽引する 輸送管理システム市場  
圍唯咫 Transportation Management Systems:輸送管理システム)の世界市場は 二〇一二年に対前年比二けたの成長を遂げた。
この勢いは一七年まで引き続き持続するとA RCでは予測している。
 
腺劭辰痢慷∩管理システムの世界市場 動向調査( Transportaion Management Systems Global Market Research Study)』 の主著者で、サプライチェーン・マネジメン ト担当役員のスティーブ・バンカーは次のよ うに語る。
 「この成長の大きな要因は、大手企業がT MSソリューションに対する認識を新たにし ていることである」 成長の源泉はティア1・カスタマー  「新興諸国においては、ティア1・カスタ マー(売上一〇億ドルを超える大手企業)が 成長を引っ張っている状況ではない。
 しかしながらTMSは一二年には一〇億 ドルを上回る確固としたマーケットとなって いる。
今後の成長にとってより重要性を増 してくるのは、中堅もしくはそれより小さ な企業であると想像する向きもあるかもし れない。
ところが今市場で起こっているのは そういうことではない」  とバンカーは語る。
 北米や欧州に本社を置く大手企業は、これ まで自分の本拠地でTMSを導入することか ら多くの利益を得てきたが、今や世界のほか の地域へもそのソリューションを展開し始め ている。
 また、中南米やアジアの巨大多国籍企業が、 自らの本拠地でTMS導入に動いているもよ うだ。
しかも最大手のTMSプロバイダーは、 中南米や欧州にソリューションを販売するに 当たって、特別な値引きをする必要性に迫ら れていない。
 大手物流企業による各地域への展開は、近 年さらにグローバル対応を強化したTMSソ リューションに支えられている。
 このグローバル機能としては、国際輸送を 最適化する機能、各地域特有の機能、計画 立案から手配、決済に至る過程で生じる為替 変動をうまく取り扱うことができる分析機能 などがある。
 成長を支えているのは大手物流企業だけで はない。
3PLと呼ばれるロジスティクス・ サービス・プロバイダーの間では、購入の新 たな気運が高まっている。
 その新たな機運とは既存のTMS、とりわ け大手ERPベンダーによって提供されたシ ステムを、最新のTMSに変更するという動 きである。
SEPTEMBER 2013  106 (年) ©2013 ARC Advisory Group 輸送管理システムの世界市場成長予測 2012 2013 2014 2015 2016 2017  
廝唯咫Warehouse Management Systems: 倉庫管理システム)の世界市場は、対前年比 で八%伸びた。
これは成熟市場と新興市場が ともに伸びるという裾野の広いものであった。
成熟市場での成長要因は、既存のWMSの多 くが更新サイクルを迎えたことにある。
この 動きが一段落した後は、一過性ではない要因 が市場を牽引することになるだろう。
それら の要因としては、追加モジュールの採用が広 がること、サプライチェーン実行プラットフォ ームによって得られる効果を狙った追加のア ップグレード、オムニチャネル・リテイリング という概念がもたらす需要増、などが挙げら れる。
 「オムニチャネル型小売業者は、ブリッ ク・アンド・モルタル( 実店舗) とeコマ ースの販売網を統合しようとしている。
そ れに合わせて従来型の倉庫業者は、eコマ ースフルフィルメント(受注から入金処理ま での一連の処理)に必要となる、アイテム を一個単位でハンドリングするWMS機能の 導入を進めている」。
ARCの『倉庫管理 システムの世界市場動向調査( Warehouse Management Systems Global Market Study)』の主著者で、エンタープライズ・ ソフトウエア・アナリストのクリント・ライ ザーはそう語る。
オムニチャネル・リテイリング  オムニチャネル・リテイリングという考え 方が普及するにつれて、小売業者・アパレル ブランド・3PL企業からWMSソリューシ ョンに対する引き合いが増え続けてきている。
これまで店舗への商品補充がメインだった小 売業者の倉庫は、eコマースに焦点を合わせ た新たな領域に軸足を移しつつある。
また小 売業者も店舗の在庫レベルをより正確に把握 し、発注やフルフィルメントの選択肢を広げ るため、店舗用WMSソリューションを導入 している。
一方、自社のウェブサイトを通じ て消費者に直接販売しているアパレルブラン ドの多くは、販売網統合という戦略を支える インフラとしてWMSを購入している。
また、 eコマースが発展するに従って多くの3PL がeコマースの専用のフルフィルメントセンタ ーを構えるようになり、この直接販売という チャネルでの販売を3PLに委託する動きも 目立つ。
価値高めるプラットフォーム  専用システムおよびERPプロバイダーは、 統合サプライチェーン実行プラットフォームが もたらす効果を喧伝している。
その効果とは、 各業務が相互の連携を欠くサイロ型になるの を防いだり、情報を収集・集約・共有する機 能であったり、あるいは情報の質が向上する ことで業務を分析する包括的な視野が得られ るといったものである。
ARCではこれらの 効果は、迅速なアップグレードとインプリメン テーションによるTCO(総所有コスト)低 減の可能性とともに、近い将来におけるWM Sソリューションの販売に寄与するものと予 測している。
成長するWMSの追加モジュール  労務管理システム、倉庫分析機能、スロッ ティング(保管場所の割り振り)最適化など のWMSの付加的な機能の売り上げは目覚ま しい伸びを示している。
既に多くのWMSサ プライヤーは幅広いラインナップで追加モジュ ールを用意しているし、手持ちのWMSソリ ューションメニューを増やすべく追加モジュー ルを開発中のサプライヤーも多い。
ますます 多くのサプライヤーが追加オプションを増やそ うとしており、カスタマーもそれを求めてい ることから、ARCではこの追加モジュール の売り上げは全体の伸び以上に成長するもの と見ている。
107  SEPTEMBER 2013 市場拡大に寄与する eコマースの新たな概念 (年) ©2013 ARC Advisory Group 2012 2013 2014 2015 2016 2017 倉庫管理システムの 世界市場成長予測

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